<ソフトウェアの役割>

コンピュータは定型処理が大の得意です。これは昔からよく言われている ことです。では、コンピュータには定型処理だけやらせてそれ以外はコン ピュータにやらせるべきではないのでしょうか? ちょこっと違うと思います。 定型作業って何で存在するのでしょう?石器時代にまで遡れば定型作業っ て存在しないのではないでしょうか?狩猟生活は相手が生き物なので毎回 同じ場所に同じ強さで矢を放てば確実に獲物を得られるというものではあ りません。 それが文明の進化と共に作業が分業効率化された結果として定型作業がで きたのではないでしょうか?例えば、スーパーの店員は、肉を売ります。 売った結果を集計して今後に役立てます。 この集計作業はみなさんも知っての通り、現在はソフトウェアにより行っ ているところがほとんどです(POSシステム)。 これは石器時代の例に例えれば捕らえた獲物の肉をみんなに分配した結果 を集計するだけの作業にすぎません。石器時代には、こんな作業はさして 重要ではなかったろうし、おそらく行われてもいなかったでしょう。しか し、現代においてPOSシステムは重要な役割を果たしています。 つまり、一見複雑に見える作業でも、分業化すると個々の作業は定型作業 に近づくということです。そして定型作業は重要な意味を持ってくるとい うことです。 定型作業にまで落とし込みが完了するとソフトウェアの出番です。 人間よりも効率的に作業をこなしてゆきます。 人はそういうソフトウェアにこそ投資するのではないでしょうか。 究極のソフトウェア設計とは漠然としたターゲットを定型作業に落とし込 むことから始まるのではないかと考えます。それこそが、ちまたで騒がれ ているIT革命の本質だと私は考えます。