QRef について

QRef は、文献を集めそれをもとに論文を書くためのソフトウェアです。

QRef は、Windowsでも、Linuxでも、Mac OS Xでも、一度作成したデータを共通に使用できるソフトウェアです。

QRef は、フリーソフトウェアです。その全てのソースファイルも公開しています。

QRef は文献データを能率よく管理するために使用します。

文献データの収集や管理には時間をかけないことを目指します。

文献データには、

  1. 必要になれば、何時でも詳細なデータを再入手することが容易な文献

  2. 詳細なデータをその場で詳しく記録しておかなければ情報が失われる文献

の二種類があります。QRef が主要な目標とするのは、1) のような文献の管理と利用です。

2) の文献では、文献に出会ったその場で、できる限り詳しく文献のデータを記録して、蓄積する必要があります。収集すること自体に時間的コストが必要なため、管理にもそれなりの時間をかけ、分類をして保存しておくことが求められます。このようなタイプの文献の収集では、文献データの項目(フィールド)の定義を自由に設計可能で、科学雑誌の記事だけではなく、本そのもの、本の一部、学位論文、パテント情報、新聞記事、グラントの報告書、政府の文書、インターネットのホームページ、などありとあらゆる文献の類型に対応していることが求められます。QRef はこのような文献の管理にはあまり向いていません。

1) のタイプの文献では、たとえば医学・生物学領域の PubMed のように、インターネットで何時でもデータを入手できるサイトがあり、文献データの入手は容易です。このような場合、それにいかに合理的に利用するか、が問題であって、いかに入手するかは問題になりません。QRef は、このようなタイプの文献の収集、管理、利用のために設計されたソフトウェアです。

文献データを手で入力する手間を最小限にします。

文献のデータをインターネットを経由して入手するのはもちろん、文献のごく一部の情報から、そのデータを入手できるよな仕組みがあれば、手でキイボードを操作して入力する手間は最小限度にとどめることが可能です。

QRef では、医学・生物学領域での PubMed の利用においては、この機能を完備しています。文献の情報があれば、数文字をキイボードに入力するだけで、必要な全データを入手することが可能です(詳しくは、ここを参照してください)。

全部の文献を集めてしまう必要はありません。

文献のデータはいつでも、たいした時間をかけずに集めることが可能なわけですから、これから論文を執筆するために是非必要な論文のデータや、教室の全業績を管理するためのデータのように、利用することが確実な論文だけを集めておけば十分なはずです。むしろ過剰な情報は制限しておく、というような立場の方がよい場合が多いのです。

しかし、ある領域の全論文を収集するという作業も大規模な文献の調査、例えば臨床医学におけるガイドラインの作成などのために必要となる場合もあります。そのような場合でも QRef は十分対応することが可能です。

文献を細かく分類して管理しないことを推奨します。

多数の文献を蓄積すると、細かい領域ごとに分類して整然と整理することが考えられます。もちろんこのような分類は役に立つこともありますが、A, B, Cに分類すると、ある文献はAにもBにも属し、またある文献はそのどれにも属さないというような問題が発生します。AにもBのも属する文献のグループをABグループとして新設したり、またその他の文献を新たなDグループとして分類したり、ときりがありません。

QRef では、できるだけ分類などをしないことをお勧めします。もちろん、文献を区分けする部分ファイルという方法があり、上記のA,B,Cや、さらにAB,Dなどを作ることも簡単です。しかし、このようなことに大切な時間を浪費する必要が本当にあるのでしょうか。

文献の収集を開始したら、それがどこに記録されているかをいちいち気にしないためにも、文献ファイルはごく少数に、できれば一つにすることをお勧めします。そして、それぞれの文献にある程度分類をしておきたい場合には、キイワードに重要な用語を登録し、それによって分類することをお勧めします。QRef は3万件の文献データを効率よく管理することができます。個人が文献を管理するには十分な容量と機能があり、文献の数が多くなっても速度が低下するようなことはほとんどありません。

QRef  の機能の要約

  1. 文献を最大30,000件まで記録することができます。
  2. 記録された文献をもとに文献リストを作成します。
  3. 画像などを含む論文の文中への引用を直接完成させる機能があります。
  4. 商用データベースからのダウンロードファイルを取り込みます。
  5. 関連するファイルなどを個々の文献に関連づけて、リンクとして蓄積し、簡単に再利用できる仕組みがあります。
  6. 記録された文献の一部を別の部分ファイルにまとめることができます。
  7. 医学・生物学系の学術誌の省略名の辞書を持っています。

全ての機能に詳しいヘルプ文書が添付されています。ヘルプボタンを押して参照してください。