QRef を使って業績集を作る

QRef を使用すれば業績集の作成が容易になります。

1、入力されたデータが有効に生かされます。

これまでに入力済みの業績のデータがあれば、それを生かすことが簡単にできます。また、そのデータをさまざまな形式のテキストファイルとして書き出す(エクスポートする)ことにより、業績集を短時間のうちに完成することができます。

2、繰り返し利用できます。

一度入力がなされていれば、それを年度別に分けたり、筆頭著者別に分類したりすることが容易です。従って

教室全体の業績集としても、個人の業績集としても利用可能です。研究費の申請や、報告書の作成などに必要な業績一覧も簡単に作成することが可能となります。


手順

1、業績の収集

もし全く未入力であれば、残念ながら一つ一つキイボードから入力していく他はないでしょう。インターネットを利用可能であれば、そこから該当する文献を見つけだしてダウンロードして、それをインポートすることができます。これは大いに手間の省ける方法です。

もしすでに入力された業績データがあり、それがテキストファイルとして取り出せるのであれば、それを取り込むことができます。ただし、QRef はそのテキストファイルの著者、題名、出典、年度などの間の区切りを認識することはできません。テキストファイル上で区切りを指定できれば、上記の項目がどのような順序で書かれていてもインポートすることができます。 詳しくは『File』−『Import』で『Plain text file for data transfer』を選べ、詳細設定においてヘルプ画面を参照してください。

2、文献レコードの選択

収集された文献レコードのなかから、必要なもののみを選択・抽出します。

一人の著者についての業績のみを抽出する場合
その著者の名前で検索をおこないます。英文と和文の論文がある場合には両方を検索して、その全てを選択しておきます。そこで『ファイル』−『部分ファイルとして保存』を選択し、その著者の業績のみの部分ファイルを作成します。

選択が終了したら、『File』−『部分ファイルとして保存』で選択された文献レコードからなる別のファイルを作成しておきます。次の作業に移るときは、『ファイル』−『部分ファイルを開く』でそのファイルを開いておきます。

 3、並べ替えをおこなう

業績集には並べ替え(整列)の操作は不可欠です。並べ替えにはメニューの『整列』−『整列』を用います

a.年代順、同一年度の業績は先頭の著者名で並べ替える

整列の第一優先項目に年度、第二優先項目に全著者(英文)を選びます。第三優先項目はなしにします。そこで整列をおこなうと、瞬時に上記の規則の通りに並び替えがおこなわれます。もし微調整が必要な場合には『整列』−『移動』を用います。
年度の新しいものほど前に来るように並べ替えるには、逆順の整列をおこないます。年度の設定を逆順にすると、年度の新しいものが前に来る並べ替えがおこなわれます。

b.先頭の著者名順、同一の著者については年代順に並べ替える

整列の第一優先項目に第一著者(英文)を、第二優先項目に年度を、第三優先項目に全著者(英文)を選びます。そこで整列をおこなうと、瞬時に上記の規則の通りに並び替えがおこなわれます。もし微調整が必要な場合には『整列』−『移動』を用います。

整列のヒント

日本語の著者の場合には、レコード画面で著者名の入力を終えると、『List』の入力画面が表示されます。そこに著者名のアルファベットでの表記を入力して下さい。この入力がなければ正しい abc順の整列はできません。
List』は abc順の並べ替えのためにありますが、ここに意図的に仮名入力をおこなえば「あいうえお」順の並べ替えが可能となります。

整列の設定をおこないます。優先順位の高い順番に項目を設定し、最後にOKボタンを押すと、整列が終了します。

4、ファイルまたはクリップボードにエクスポート

いよいよ業績集の内容そのものを作成します。結果はファイルに書き込まれます。イタリックなどの文字修飾が必要な場合には、リッチテキストファイルに書き込まれるように設定をします。

File』−『Export』を選び、ファイルとして書き込みをおこないます。あらかじめ定められた書式があれば、それを設定します。いくつかの例を示します。

書式 = A: T. S,Y.<br> (番号の書式は 123) を選択)

11) Watson JD, Crick FHC: Molecular structure of nucleic acid. A structure for deoxyribose nucleic acid. Nature 171:737-738,1953

書式 = A (Y) T. S.<br> (番号の書式は 123. を選択)

11. Watson JD, Crick FHC (1953) Molecular structure of nucleic acid. A structure for deoxyribose nucleic acid. Nature 171:737-738.

書式 = <b>A:</b> <i>T.</i> J (Y) <b>V:</b>P.<br> (番号の書式は 123] を選択)

11] Watson JD, Crick FHC: Molecular structure of nucleic acid. A structure for deoxyribose nucleic acid. Nature (1953) 171:737-738.

などのいろいろな形式が指定できます。一部の項目を大文字にしたり、

Watson, J.D., Crick, F.H.C.

のように句読点を追加することもできます。また

J.D. Watson, F.H.C. Crick

のように Family name と First name の入れ替えも可能です。

以上のように書式を指定したら、つぎにエクスポートする対象を決定します。通常はファイルに書き込みをおこないますが、直ちに利用するのであればクリップボードに書き込み、ワードプロセッサにすぐに貼り付けるのが一番速く、また便利です。

 4、業績集の完成

ここで、エクスポートされたファイル(あるいはクリップボードの内容)をワードプロセッサ(Microsoft Wordや一太郎)に読み込みます。その上で、必要な修正を加え、プリントアウトします。以上で業績集は完成です。もし活字印刷をするのであれば、ワードプロセッサのファイルそのものを印刷所に渡せば、そのまま使用可能のはずです。エクスポートするファイルとしてリッチテキストファイルを選択すると、文字の修飾などが保存され、便利です。