小山田いく作品種別紹介

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単行本単位で記述しております。主要な作品はすべて入っている…はずです。
Queen Bee を生活系に入れました。(1999/12/14)

1980すくらっぷ・ブック
1981星のローカス
1982ぶるうピーター
1983
1984きみはノルン
1985ウッド・ノートどん亀サブマリン
1986もののけトゥモロウきまぐれ乗車券
1987マリオネット師
1988ろこモーション
1989
1990霊能バトルフォーナが走る
1991ラスト・シーン合歓リポート
1992迷い家ステーション
1993風の宿
1994青色学級
あの悪魔
臨死界より
紅い十字路
空っぽの命
1995衆楽苑
1996むじな注意報!
1997魑魅
1998
1999Queen Bee
2000

学園系作品

小山田先生の作品群ではもっともメジャーな種類です。
特に先生の初連載であった「すくらっぷ・ブック」は完成度の高い、というか登場キャラクターと漫画そのものが進行につれて「完成に向かって成長していく」作品で、氏の代表作とされています。

注目したい人物はもちろんたくさんいますが、まずは柏木晴、それから三郷西夜、無品誠、そして我らが(マテ永森樹美子ですね。
すくらっぷ・ブックでの役は語り尽くせない晴ボン、衝撃の展開の7、8巻の中でおそらく読者よりも強く生きた西夜、自分のことはさておきクラスメイトの心をわたって歩いたむじな、そのむじな自身の心を見てとることが出来た樹美子。…やっぱり私は樹美子嬢の問答無用的ファンかも。

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生活描写系作品

他のジャンルとは一線を画する感じのある、どちらかというと青年誌向けのような作品群です。もともとチャンピオンJackに連載された「衆楽苑」はともかく、 「迷い家ステーション」と「風の宿」はよく少年チャンピオンに連載できたもんだ(^^;
「迷い家ステーション」と「風の宿」は主役が30歳代はじめ。そこへ準主人公として子供が描かれています。物語はともに、今一番求められているであろう真にまっとうに生きる大人の描写が中心となります。隕石が落ちたりSLが掘り出されたり「お父さんが運転してるの見たことないー!ぎゃー!」とかいろいろありますが。
一方「衆楽苑」は、衆楽苑という名の食堂が設定されているだけで核となるキャラクターがいません。だぶって登場する人物が(従業員も含めて)ほとんどなく、一話一話がかなり独立した渋い作りになっています。
なお、「迷い家〜」と「風〜」の各第一話はそれだけで独立短編にできるほどの特に高い完成度をもっています。ぜひご覧ください。

やはりこのジャンルで存在感が大きいのは鹿間諷子。「ダメなもんでも生きてたら」のセリフは小山田いく全キャラクタ全セリフ中でも上位屈指に入るものと考えます。

堺鉄行と鹿間一成の両名はもはや別格扱いみたいな感じ。人間として大人として、弱いところの存在を自覚し、苦悩し、しかも結果として強く生きている…それが30歳超で主役を張ったこの二人だと思うのです。あと、比賀さんもいい味だしてます。

…以上が「きまぐれ乗車券」入手前のコメント。時期、画風などからすると「きまぐれ〜」はここにそぐわないかも知れません。主役(九城興生)は16歳ですし。ただ、現時点でのこの分類ならここが一番しっくりくるのではないかと思います。

1999 年秋、 Queen Bee が 4 回ながら連載されました。ボケっとしてて環境系に放り込みそうになりましたがこの作品は生活描写系ですね。転地養蜂家。この作品を読むまで意識したことのない職業でした。

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アクション系作品

「戦う」面(といっても戦争をはじめるわけじゃないが)がプッシュされている作品群で、いわゆる「敵」の存在があります。その意味では「フォーナが走る」もこれに含まれるでしょうか?
マリオネット師」は表と裏のグレーゾーンにいる人たちを中心に描く微妙なところをついた作品です。
マリオネットでスリを働くというのはかなり無理がありますが(汗)、それも表と裏の両方を行き来する主人公を端的に表したものでしょう。途中で何度か描かれる九頭見灯の葛藤もやはりその狭間でのものです。

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環境系作品

高校のバードウオッチ部が主体となる「ウッドノート」。
学園系作品の一つととらえることもできますが鳥と接することに話を絞ってあるのが他の学園系とは大きく異なります。
養鶏場の家庭の息子がバードウォッチングに参加するなどの生々しい(といっていいものか)描写がさえています。

後の「合歓リポート」「フォーナが走る」などはいわゆる環境問題をネタにしたもので、ウッド・ノートとは分けるべきかもしれません。説教くさいと見る向きもありますが、非現実(=漫画というフィクション)は非現実として、作品のもつ恐怖のイメージが読者に伝わるのであれば特に合歓リポートのそれは完成度が高いといえるような気がします。

注目はその養鶏場の家庭の井津母要、荒れてるようでいいところを突いていた小椋ゆずり、「鳥なんか…って思っていいのかな」等生き物すべてに心を感じられる小春日合歓。またその父の小春日昇の詩は、本人2話しか出ていないのに人格の高さを十分に感じられます。

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SF・ホラー系作品

SFとホラーをくっつけるのもなんですが、実際これらの作品はよくくっついてんだし(^^)
ここにあげた作品の多くは程度の差はあれ大きな物、あるいはどうしようもない物との対峙の構図が見られます。そうではないところは割とお気楽なところも多いんですが。
きみはノルン」に関してはそれはやがて解消されていきますが、他の作品は合歓リポートまでは並べた順にきつくなっていくとゆーか。
いずれにしても完全な虚構ではなく、現実につながりそうなところがあるだけに…

魑魅(すだま)はコミックバーズ ( スコラ社は倒産。編集部ごとソニーマガジンズに移籍するような形で雑誌自体は復活継続 ) に不定期連載しているもので、最初ホラー作品に分類しましたがこちらの方が適切かと。

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ホラー作品

今まさに現在進行形の作品群です。単行本ベースではまだ連載モノはありませんが、不定期連載作品はすでに存在する模様。読み切り作品が月刊サスペリアに毎月掲載されているらしく、「青色学級」〜「紅い十字路」の4冊はすべて1話単位の短編集。ホラーといっても怖いだけとか気持ち悪いだけの作品はほとんどなく、なかなかの名作揃いです・・・とか書いてたら「空っぽの命」!こわいよぉ!(笑)
「カロン(青色学級)」「渡り鳥たち(臨死界より)」「妖雨つづり(あの悪魔)」「あたしが死ぬ朝(紅い十字路)」が個人的に特にお気に入り短編。
なお、単行本カバーなどの小山田作品リストで「風の宿」が全6巻とかかいてありますが、もちろん「風の宿」は全8巻です(^^; また、表紙や背表紙のイラストが表題作のモノであるとは限りません。

いずれも現時点では短編集なので特にこの人、と挙げるのは難しいですが、夕占乙夜は名親父(笑)の一人に数えていいでしょう。

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名親父。
小春日昇、鹿間袈裟次郎、夕占乙夜、鹿間一成、二木総、明科潮、安曇正直で7大。
人物としてどうこうと言うより「親として描かれているかどうか」にやや焦点がいっちゃってますが。

山中秀一は特に親父としての活躍は描かれてないと思う。先生としてはすばらしいので惜しいけど。
夕占乙夜、鹿間袈裟次郎の両氏は「おとうさん」に相当する語でで呼ばれていないが入れる価値は十分と考える。
九頭見の親父は、ラストがかっこいいけど基本は悪役でしょうね。
ちなみに二木総は作品上の位置からして名親父には入れにくいところがあるけど、物語後半の動きはやはり名親父でしょう。
安曇正直の親父ぶりはピンとくる物がないかもしれませんが、森人に対してでなく菜月に、ということで。
あと番外の番外として、22歳で両親をなくしその時小学5年生であった妹と生活を立てていった五島猛もあえてここで挙げておきたい。