M改(MSX改プロジェクト)(1999年7月にWWWサイトが開設されました)
MSX2VRAM128K以上/1997年11月販売開始/シューティング(縦)/FDD2枚
よーここまで作ったな、というのが正直な感想です。前作「Izumic Ballade」の時も一人でよくぞここまでと思いましたが、MSXいじり技術、表現ともにグレードアップしています。「あと5年早く生まれたかった」の作者の弁はダテじゃないです。かつての市販も含めてMSX最高峰を名乗っていいソフトの1つでしょう。
12機+αの性格の違う機体とパイロットはその数だけクリアしてみようという気にさせてくれます。ただ、難度がかなり高いのでちゃんとしたエンディングを見られないのを承知で低いレベルから順番に慣れていくのが得策です。レベル4以上はそれでもきついのでどこかから裏技情報を仕入れてきましょう。
難度は別にして全体のバランスもよく考えられています。プレイヤーがミスをすると無条件でレベルアップに少し近づくとか、各機体についてもつらい機体はつらい機体なりになんとかなりそうだという気にさせてくれます。ゲーム中の演出もいろいろ手の込んだことをやって飽きさせません。
ただひとつだけこの作品でどうしても納得のいかないのは、生身の人間が10秒間に300回も連射できるのか?という点です。バーニングしたってできる人間は限られている、もしくは存在しないと思うのですが。ちなみにスピードコントローラ搭載のSONYのMSXがあればなんとかならなくもないです。
走査線割り込み、FM音源使用技術、ディスクアクセス(セクタリードやプロテクト)などなど、総評でも書いたとおり市販品と同じレベルに達していると言っていいすごい物です。
スプライトはプレイヤー、パワーアップアイテムと数えるほどの数個の敵のみが2枚重ね合わせである他はすべて1枚で表示しているらしく、これが全体のスピードアップに貢献していると思われます。
MSXのスプライトは左右端の処理が面倒くさいところですが、ゲーム画面そのものを左右両端とも削ってしまうことで処理を端折ってあって、縦横の比率も変に横にのびなくなって一石二鳥?!なかなかのアイデア賞物です。
前作Izumic Balladeでは、対象機種をMSX2以降としていたにもかかわらずMSX2で動作できないというかなりきつい手落ちがありましたが、今回は完璧のようです。HB−F1XDにFMPACという組み合わせでも動作しています。松下2+やturboRの高速モードに対応していますが、ノーウエイトではただでさえ難しいものがさらにきつくなるため誰も使わないかも。
実際に使う人間が少ないとみたのか、PSGのみの時のBGMとキーボードでの操作系はやや手抜き気味。SHIFT他で連射、スペースで緊急回避というのは案外つらい操作系です。連射+回避の組み合わせはスペースキー+MNのコナミ式かスペースキー+GRPHキーが納得がいくというもの。連射装置を使わせたくない(プレイヤー12体中2体だけの話だが)のならせめてSHIFT+Zくらいにはしてほしかったところ。もっとも僕以外にキーボードでシューティングをプレイする人間が何人いるかは謎ですが。
後日注 (1999/05/12) :NV1999−05にて、本人の次回作品のサンプルについてのメッセージの中で、キーボードのボタンが上記操作系になっているのは連射機能を使わせたくなかったからとの趣旨が書いてありました。ですが、それって遊ぶ側が連射装置を使うのと同じくらい姑息では(^^;ついでに両ボタン連射機能付きパッドってあるんですけど。あと、つらいのは連射だけでなく、ボムも発射しにくかったんですが、そのあたりはわかってるんですかね?
さらに後日注(1999/08/05追記):本人がキーボードでまともにプレイしたのは発売の後、しかもエミュレータで遊んで初めて気づいたらしい・・・
演出はあれこれネタがつまっててGOOD。書きすぎるとつまらないのであえて何も書きませんがそこはやってみてのお楽しみ。いくつかヤバ目のものもありますが、同人だしいいでしょ。
ちょっとフラッシュ系のエフェクトを使いすぎ。回避するとフラッシュ、ボスを倒すとフラッシュ、やられると真っ黒け、・・・ちょっと安直すぎかも。ただ、単に光らせるだけでなく、大爆発用の全画面グラフィックをちゃんと用意してあるのが豪華かつ大胆でいい。
走査線割り込みでスコアボードを表示しているところがそのほかの情報表示にも使われているのが他のMSXシューティングではあまりみられないところ。連射つなぎのヒットやストーリー上の台詞などの表示もあって、積極的。
あと、オープニングの「全歌詞」が知りたい(笑)