ひっかけなぞなぞ

 二つの正解が成立するなぞなぞ。長い間「アメリカにある大リーグ球団はいくつ?」しか思いついていなかったが、殆ど10年ぶりに二つ目の例に気が付いた。もっともなぞなぞの回答は出題者が自由に決めてよい。従って複数の回答が成り立ってあたりまえなのだが、まあ理路整然と2つの答えを導き出せるということで。

 「東京を出てまっすぐ東に向かうと、どこにたどり着くか?」というものである。世界地図をはじめて習った中学生が一学期の中間テストでこの問題を出されたら、東京を中心とする正距方位図法の地図を思い浮かべて「南米」と答えることであろう。
 しかし彼に「じゃあ、東に進み始めたのはいいとして、自分が東に向かっているということをどうやって確認するの?」と問うてみよう。多分「方位磁石で確認する」とか言うのではないかなあ。よろしい。でも磁石で確認しながら東に進むと、つまり緯線と平行に進むということだから北米に到達する。おお、正解が二つ出た。

 もっともなじみの深い世界地図の形であるメルカトル図法が持つ長所は「等角航路が直線で示される」ことである。つまりこの「方位磁石で確認しながら東に進むとその進路が、地図上で直線になる」ということである。これゆえにメルカトル図法は、グリーンランドがやたら巨大に表示される、という欠点を持ちながらも使い続けられてきたわけである。(ちなみに伊能忠敬の日本地図はサンソン図法)

 何となくここから教訓を引き出したくなった。等角航路をとった船乗りたちは、最短距離を通ることよりも、自分たちが地図上でどこにいるか分かるということを重視した。つまりプロジェクトでは進捗管理が大事だ、とか。せっかく最初真東を目指して進んだとしても、その度ごとに本当に東に進んでいるかチェックを入れられると当初目指した南米ではなく北米に着いてしまう。船頭多くして船、山に上るの変形だとか。
 いろいろ文句を言われていても昔から使われてきたメルカトル図法にはそれなりの良さがあるのだとか。

 あれこれ考えたけど、目が回るほど忙しくて結論が出ない。風邪も引いているし。

 そーそ、念のため暴騰のなぞなぞについて。カナダにある大リーグ球団をアメリカにあると判断するかしないかによって、答えが変わるのである。

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