求む、忙しさの指標

 中学校の社会かで習う概念に「エンゲル係数」というのがある。家計支出に占める飲食費の割合のことで、所得が上昇するにつれてこの比率が下がってゆくことをエンゲルの法則というらしい。実は19世紀末ベルギーの労働者階級の食費・住居費・衣料費の割合の変化という極めて限定された調査から導き出されたものではあるが、普遍的な法則として根強い人気を誇っている。
 うん、ローカルな法則でも普遍的な意味を持つことがあるのだなあ、と感心したところでローカルな法則を勝手にうち立てることにしたい。

 エンゲルは(というかその追随者たちは)食費の支出に占める割合を生活水準の指標として見た。では最近とみに忙しさの増している私の場合、何らかの指標で忙しさを現すことはできまいか。
 で、仮説としてうち立てたのが「個人支出(よーするに小遣い)に占める交通費の割合が忙しさにつれて上昇する」である。具体的にはタクシー代、深夜バス代、ホームライナーの整理券代、グリーン料金などに使うお金が忙しくなるにつれてどんどん増えてゆくということである。一方その他のことに使うお金は減っている。

 タクシー代、深夜バス代、これは残業(含むサービス残業)が増大し、終電を逃すことが多くなると払わざるを得なくなる。まあまれに土曜日の始発で帰ることもあるが。
 ホームライナーの整理券、グリーン料金。これは通勤に利用する路線にもよるため、誰もが増えるとは言い切れないが、当方疲れ切るとついつい乗ってしまう。
 一方、その他の支出は減る。帰るときに本屋が空いていなければ本を買うこともないし、どこかに寄る暇はないし。休日も疲れてしまってパソコンのハードをいじる暇もソフトをインストールする余裕もない。
 かくして、統計はとっていないが、忙しさの指標として「個人支出に占める交通費の割合」を提案したいところ。といいながら、他にもっと適当な指標がほしいなあ、とも思う。
 もっともこの調子で忙しさの指標が、万一確立してしまうと過労死認定にも使われるようになるやもしれん。そうなると経営陣にはあまりいい顔されないだろうなあ。

 最大の問題は、指標の名称である。エンゲル係数。なんとなくマルクスの親友エンゲルスを連想させて社会思想史的な香りがする。これをもじった「エンジェル係数」も言い方のセンスはなかなか。うーん、ようするに通勤を楽にフレキシブルにしたいがゆえに交通費が増えるのだから、「スワロー係数」あーセンスがない。


 昔、国鉄がプロ野球団を持っていました。その名前を決めるときです。強そうな名前がいいということで「コンドルズ」という案が出ました。しかしそれでは電車が「コンドル(混んどる)」ようでイメージがよくない。そこで、みんなでゆったり「スワローズ(座ろう)」。
 こういう超一級品のギャグを踏まえたつもりですが(^^;

 これに匹敵するギャグと私が思っているもの。
 牛乳は雌牛しか出さない。これではもったいないからと品種改良を重ねてついに雄牛にも牛乳を出だせることに成功した。これを「ホモ牛乳」という。

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