年金問題を何とかしよう

 ものすごーくわかりにくいもの。
 なんで高額納税者(一般人)の住所と名前を公表するのがプライバシーの侵害ではなくて、国民年金保険料を払っていない議員の名前を公表するのがプライバシーの侵害になるのだ。前者は私人、後者は公人であるのみならず、前者はきちんとした納税者、後者は脱税者である。(前にも書いたが、年金保険料は国際基準で見れば税金である。)
 犯罪者といえども人権はあるわけだから、脱税者をさらし者にするのはどうかという意見はあろうが、多額の税金をきちんと納めている人の個人情報がさらされている以上、問題があるから駄目だとは言えない。

 そんなわけで、国会議員の年金保険料納付状況は公開するべきだろう。(常識的な論拠に基づく常識的な意見だと思うんだが、どうだろう。)で、あえて言うと、ついでに「国民年金未加入者および未納者全員の個人名と住所を公開する」というのも検討してよいのではないか。時期尚早かね。そうだね。税金未納者全員の個人名と住所を公開してからだね。でも国民の義務を怠っているんだ、さらし者にされても文句は言えない。少なくとも税金を多く払っている人はさらし者にされているんだから。
 公開すると政府にとっても都合がいいことがある。年金制度の不満は、近所の保険料を払っていない人がいれば、そっちに向けてもらえばよいのだから。
 とりあえず焦点となるのは、イラクで人質となったみなさまが国民年金保険料を払っているかどうかだろう。

 先ほど年金保険料は税金だと書いたが、このへんも行政改革の目玉となりそうなところである。徴収を社会保険庁と財務省で分担しているのは無駄だから、保険料と税金を一本化して(ついでに雇用保険料も一本化して)税務署で徴収するのだ。そうして保険料についても払っていなかった人(および雇用主)からは税金と同様に重加算税込みで徴収するようにする。(システム対応もその方が楽だ。)もちろん今年金をもらっている人が該当する場合、そこからも徴収するのよ。すると・・・計算するデータはないが、ものすごい額の保険料を徴収できるんではないだろうか。少なくとも1.5倍にはなる。重加算税を入れれば倍以上になる。いうまでもないことだが、社会保険料の徴収コストも節約できる。公平性も増すし、いいことばかりだ。

 年金が払えなくなるので、支給額と開始年齢を変える(ようするに約束が守れないので、そんな約束なんかしなかったと言って、約束そのものを変える)とか、国会議員でさえ分かりにくい制度を分かりやすく変革する、というのも一定の説得力を持つが、それはルールを守っていなかった(払っていなかった)人にルールを守らせて(払うものを払わせて)からだろう。
 そこに手をつけずに、今までのはチャラにして年金を減額しましょう、制度を変えましょう、ではますますもって、払う側は馬鹿らしくなるだけである。払わなかった人間が得をしたわけだからね。
 リタイヤ後の人生が長くなりすぎたんだから、年金制度はどうせまた破綻するのだ。その時ルールが変わって「今まで払っていなかった人は不問にしましょう」となるのが容易に予測できるようであれば、さらに払わない人が増えるだけだ。少なくとも今加入を自由化すれば、新規加入者は一人もいないだろう。そんな制度を存続させるのならば、相当強力な強制力を持たないといけないはず。だからまずは税務署に徴収業務を移管しよう。

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