ペーパーレス化がすすまない

 部のイメージアップ策が募集されたときに「地球にやさしい」というテーマを入れたら「ふざけるな」と怒鳴られたのは15年ほど前だっただろうか。(なお、その時に提案した2件は、数年後、私と全く関係なく実現した。というわけで根に持っている。)
 ただしその怒鳴り声は時代が一回りしたために、露骨な大声ではないといえまたもや私に浴びせられることになった。もちろん「地球にやさしい」という言葉を否定する奴はいない。が、地球に優しいことをやっているとヒマとみられるようになった。  シュレッダーにかけた紙は、繊維がブチブチに切られているので再生紙にならないそうだと聞いた私は、しかたなく廃棄する紙の重要情報記載部分と、そうでない部分に破って分けてから捨てています。もちろん面と向かっては言われないものの「ひまそーだなー」の視線が・・・。
 しかしよく考えたらパソコン自体ずっと立ち上げっぱなしにしておくのだから地球に優しくない。かの15年前は、ワープロの前で考え込むな、と言われました。ワープロは高価な清書専用機で部に数台しかなかったため、ずっと前に座っているとひんしゅくものだったのです。ところが一人に一台パーソナルコンピュータが配られて、当然のことながらその前で考え込んでいる。紙に書いて考えて、固まってから電源を入れろなんて言われることはない。

 しかし問題になるのはやはり個人情報保護法への真剣な取り組みを初めとする情報漏洩反対症候群です。この調子でなんでもかんでもシュレッダーとなると、ごみの分別回収が危機に瀕します。いや、そこまで大げさではないので言い直します。分別区分がもう一つ必要になります。つまり「紙ゴミ」と「シュレッダー屑」を分けなければならない。紙ゴミは古紙回収に回せるけどシュレッダー屑は前述の理由により古紙回収に回せないからね。でこの分別のインフラ整備をそろそろ準備しておかねばなりません。
 半年後、一年後のことですが、シュレッダーゴミが大量に紙ゴミ用のゴミ箱に捨てられるようになります。確かに今はシュレッダーは部署で数台で使っているが、そのうち一人一台になるかもしれないからね。丁度ワープロがそうなったように。というのは、経営層の扱う重要情報の記された紙は、他の情報と分別して廃棄すること=別のシュレッダーを使うこと、となって上席からパーソナルシュレッダーが導入されて行く可能性があるから。シュレッダー、大型とパーソナルで100倍の価格差があるというのがこの傾向を促進する可能性がある。クールビズで、自席に自前の扇風機を置く人が増えたんだ。自前のパーソナルシュレッダーを持ち込む意識の高い人もいるだろう。シュレッダーが手元にあれば何でもかんでもシュレッダーに入れ始めるぞ。その時彼らはシュレッダー屑をどこに捨てる?紙ゴミ用のゴミ箱に捨てないか?
 もちろんゴミを捨てるときリサイクルを意識しないようにすれば問題はないのだが。

 スクリーンセーバー、というのも地球に優しくないのですよ。CPUを喰うからね。たしかにディスプレイがブラウン管の時は「焼き付き防止」という大義名分があった。しかし、液晶になると焼き付きが原理的に起こらない。従ってスクリーンセーバーは不要。でも「離席時のアクセス管理」のためという機能で使われるようになった。でも、そうであれば画面が動く必要はない。ましてやポリゴンまで動かす必要はない。

 MS-Windowsで画面をロックさせるだけならば、一発でスリープさせることは可能だし、でも離席の都度やりなさいといわれると、少々鬱陶しいし、忘れやすい。Bluetooth対応のワイヤレスマウスなら、物理的にPCから離すと自動オフが出来るかもしれないなあ・・・、と思っていると携帯電話を離すとロックするというソリューションが既に発表されていた。マウスの方が実現性高いぞ。だって、携帯電話ならロック用に新しいプログラム常駐させてハードも追加しなきゃならんだろ。マウスならドライバに手を加えるだけで済む。導入の容易さ、システムの安定性ならマウスを使う方が圧勝だ。何でも携帯電話にくっつければ済むと思っている連中、後を絶たないが、正直そいういう連中に何が出来るのだろうと思ってしまう。新に個人用の電子機器を導入したくなると、身近にある格安電子機器である携帯電話の機能に組み込む。もう少しいろいろ考えた方がいいんじゃないかい?まあ携帯電話にシュレッダーを組み込む奴はおるまいが、まてよ。携帯電話についたカメラのフラッシュから紫外線を出せるようにして、EPROMの中身をクリア。情報漏洩対策とするというソリューションはどうかなあ。あるいは携帯電話をワイヤレスマウスにするとか。
 本気でやる奴がいないとも限らない。

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