核融合開発真剣に

 地球温暖化反対でCO2削減。やたら言われていることだが、少々危険なものを感じる。温暖化しているのが問題なのは分かるし、ここ100年間、CO2を出し過ぎているのは事実である。が、なんでもかんでもC02削減!とやるのはどうだろうか。
 衛星写真で見ると、スペイン南部の砂漠化が進んでいる。ゆゆしき事態だが、自然な流れとも言える。先史時代、サハラ砂漠は緑の大地だった。ローマ時代、北アフリカは豊かな穀倉地帯だった。じわじわと北上してきた砂漠化が、地中海を渡った、というだけのことだ。地球全体から見れば、そんなに変な現象ではない。
 ということは、C02以外に大きな地球温暖化の原因がありそうだ。あんまりCO2、CO2と言い続けると、それが見えなくなってくるのではないかと危惧している。

 しかしC02増加は問題である。それが海水に溶けて海水が酸性化し、海の生態系が変わってしまう恐れがあるからである。
 というわけで、CO2削減施策を真面目に考えてみた。ペット、家畜を全廃すれば減るし、火葬をやめて、ヒマラヤで土葬とすれば死体がCO2源となることはない、という軽いものや、サルガッソー海に浮かぶ海草を品種改良/養殖して全世界に広めれば、水深の深い海でも光合成ができるのでCO2削減に役立つ(しかも海の酸性化を押しとどめる効果もある)という壮大なもの。そもそもある目的を達するための機械が必要とするエネルギーが目的を達成するのに必要なエネルギーを超えたときに、人類は不可逆的な化石燃料の消費に頼らなければならなかったのだ、という哲学的なものまでアイディアが湧く。しかしやはりここは「核融合の実用化」が決め手だろう。
(人を速く移動させるのに必要な機械である自動車の重量が、運ぶ人の重量を超えたことによって、人を運ぶより自動車を運ぶことの方が主たるエネルギーの消費理由になった。目的の実現よりも手段の実現が多くのエネルギーを必要とすること。これが不可逆的な化石燃料の消費を必要とした契機だ。根拠はないが、なんとなく意味ありげだ。)

 1990年頃、常温核融合が発見されたがなかなか実用化されないので、しゃーない、普通の核融合を考えよう。そんなに見通しは悲観的でもない。言うまでもなく核融合は実用化されているからだ。つまり、核融合に必要な超高温・超高圧を生み出すことは可能である。でなければ水素爆弾が存在するわけないだろう。
 ただし、それだけの高温・高圧を生み出すためには「原子爆弾」を使うしかない、というのが問題なのである。さすがに原子爆弾が排出する放射能を「CO2よりまし」と強弁するわけにはいかない。
 そこで、原子力に頼らない「核融合炉」を作ろうとしているが、これは無理があるのではないか?というのが今回の主張。原子爆弾に頼らない「水素爆弾」を作るという段階を飛び越えているのが、水爆の発明後50年たっても核融合炉が作れない理由ではなかろうか。水爆の需要は兵器以外でもあると思う。原爆は核融合の臨界量というのがあるので一定以上小さな爆弾は作れないが、水爆というのはそうではないらしい。したがってダイナマイトの代わりに使える。ダイナマイトを代替するだけでそれなりのCO2削減効果が認められる(はずだ)。

 ではなぜ水爆の開発が進まないかというと、多分競争(誘因)がないからである。核拡散防止とやらで、既得権を持たない国や民間の実験や保有は禁止されている。科学技術の進んだ(そして資源の乏しい)ドイツ(ルール炭田はCO2を出すので無視)や日本が参入すればずっと早く実用化できるのでは無かろうか。
 それでも、冷戦が続いている頃は、軍拡競争でそれなりに技術が発達していたのだろうが、今や「テロ対策」が戦争の主な口実となり、水爆不要となったため、軍事大国に任せていてはその辺の技術が発達するわけがない。
 だいたい、テロ戦争というものは建前上一般人を巻き込めないため、大量破壊兵器が使えず、機銃とか手榴弾を沢山使わざるを得ないため、CO2をものすごーく出す(と推測される)。つまり地球にやさしくない戦争なのである。手榴弾に水爆を組み込むことができれば、きっと環境負荷の低い戦争が可能となるだろう。

 問題は、起爆装置がものすごく安く作れないことには、加えてCO2を発生せずに超高温・超高圧を作ることができなければ、この手の兵器が実用化されることはなく、更に地球にも優しくなれないのである。そりゃ起爆装置って、水爆が爆発すれば跡形もなく飛び散るよなあ。

 というわけで原爆に頼らない小型水爆、作っても使い道がないことが判明した。核融合炉の実現には必要なステップなんだけどなあ、なんとか使い道を。。。

 大きな塩田を作る。深い方がいいかもしれない。海水を入れて堰をする。中で水爆を爆発させる。一挙に水が蒸発し塩ができる。発生する水蒸気でタービン(ないし風力発電機)を回し発電する。場所によっては人工降雨を起こすのも有益かもしれない。
 むちゃくちゃ荒っぽいが、これくらいしか用途を考えられなかった。
 ああ、弾丸の薬莢内に水爆を仕込み、地球にやさしい銃を作れるようになるのはいつのことだろうか。ん?火薬はバイオ燃料の木炭から作るからCO2排出量にカウントされないって?硝石も糞尿を発酵させて作ることができるリサイクル可能な材料だって?そうか、銃撃戦ってちきゅうにやさしかったんだ。

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