いよっ、大統領

 どうやらインフルエンザが急速に広がっているようだ。
 ひょっとして新型インフルエンザなのかもしれない。
 だからといってどうってこたぁない、というのが豚インフルのおかげで分かってしまい、国会は今日も間抜けな審議に燃えている。
 当方、実は民主党に同情的である。政権についてみれば予想以上に赤字がひどく、原発はいい加減に運用されていた。このツケを不運にも払わされているわけである。確かに普天間基地の移設は悪かった。話ができていたのを後からひっくり返そうとしてにっちもさっちもいかなくなった。
 沖縄で行われたという「投票率をあげましょう」のご講話も、昔からされていたに相違なく、自民党はなにを突っ込んどんだろう、である。私が高校3年の3学期の始業式、校長は「きたる1月15日は成人の日でもありますが、選挙の日でもあります。みなさんに選挙権はないですが、おとうさん、おかあさんに投票に行くよう言いましょう」と講話を垂れた。私は真剣、校長を首にしていただきたかった。
 というのは、当時、共通一次試験は1月15日に行われていたのだ。我々3年生は「成人の日でもありますですが・・・」で次の言葉を予測し「あー、よくあるお言葉か」と思いながらもそれなりに気合いを入れて聞こうとしていたわけだ。が思い切り肩すかし、我々の受験よりも投票率の方があの校長は気になったらしい。ただ、当時から私の頭は政治的なものにきっちり反応した。なぜこの人は投票率を高校の始業式で気にするのだ。投票率があがると得をするのは?
 そのときのは、地方選挙にはよくあることだが、本命が固まっている選挙だった。自分が行っても行かなくても結果に変わりはないと行くのをめんどくさがる人もいる。しかしその人たちを投票所に行かせたら誰に投票するか?たぶん、本命に入れる。すると本命の方は得票率が高くなるわけだ。なるほど、これを狙ったか。この程度のこと高校生でも気がつくのに5秒とかからないのに、全く舐められたものだ。もっとも「衆参ダブル選挙」も同じ発想で行われることに気がつくのは、もう少し後までかかったが。

 まあ、政治家がアホになっていることは間違いない。グラドル上がりが大臣やっているほど人がいないのだ。大臣が失言したところで任命責任もなにもない。国会議員がアホなので誰を選んでもだめなのである。
 せめて大統領くらい賢くあってほしいなあと、、、つまり国会議員の互選で選ぶ首相には国を任せられせそうもないということだ。大統領なら、もーちーとかっちょええ人が選ばれるんじゃなかろうか、と期待したくなる。すると「マニフェスト」なんてものを根拠に足の引っ張りあいをしなくてすむ。
 ま、ミニ大統領が大阪にはおったようだが。どうせなら「大統領制を!」くらい言わんかねえ。「独裁!」なんて言うよりよほど現実的なことを考えていると思うんだが。大阪府を立て直せたのは、首長と議会が独立しているからであって・・・これを国政に当てはめれば大統領制である。耳を貸すに足る主張だと思うんだが。

 さて、政情をみていると首相は「政治の結果責任者」なのかと思うようになってきた。冷静に観察するとそうらしい。自民党の作り込んだ問題でも、発現が今なら民主党の責任。だから責任を負わなくていいように先送りする。これは自民党政権時代からやられていたことで、「政治の結果責任回避」の観点からみるときわめて合理的だ。ただ、なにもしなくても国がうまい具合に適当に回っているときはそれでもよかろうが、今のような問題山積の時代、解決に必要なのは政治の執行者、権力者であって、結果責任をとらないために腐心するような人ではない。せめて「執行責任者」であってほしい。
 というわけで浪速の大統領が、実績を旗に「大統領制を」なんて言ってくれないかと期待している。ただしこの人は責任をとる気はないようだ。豚インフルエンザの時「国がやってくれないと何もできない」と泣き顔でしたからねえ。
 もちろん、大統領だって責任をとらないといけない。下手をすると眉間に銃弾を受けるという形で。浪速の大統領にその覚悟はない。そんな人いるのかな。難しいね。僕でよければいるが。

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