公僕の責務

 選挙である。
 あちこち演説会がある。
 駅前なんか人が集まるから特に好まれる。

 ところが駅前の道路は普段から駅を作った当時想定したより交通量が多くなっており、バスターミナルのレーンも増えたりして導線がぐちゃぐちゃになっていることが多い。
 演説会ともなれば、演説用や取り巻きの車を長時間止めたりしているので、いつもにもましてぐっちゃぐちゃである。

 たまたま通りかかったが運のつき。巻き込まれてしまった。
 うちの子、耐え切れずに窓を開けて近くの警察官に大声で頼んだ。
「すみませーん。交通整理してくださーい」
 気が付かなかったのが擬態である証拠に、その人はくるりと背を向け、雨の当たらない歩道橋の下に他の数人と避難した。

 つまりその時、お巡りさんがあちこちにたむろしていたのだ。確かに要人が演説するには警備が必要なのだが、
「お巡りさんなのに交通整理もしーへんのか」
 もし、この交通混乱で事故なんか起ったら、演説会は中止だぞ。アピールの場を失った首相は当然キミらに厳しく説明を求めるよなあ。ああいう性格だよ。あとは知らんよ。
 逆に言うとそういう演説会つぶしの手段もあるということだ。で演説会が流れたらすぐに示談成立と。

 なお、右の写真がそのお巡りさんである。(歩道橋の下に避難後、何食わぬ顔をして戻ってきたところ。)
 一般の方が電車の中でだらしなく口を開けて寝ているのを写真にとってWebにアップしたら問題だが、お巡りさんが当然期待される役割を果たさずに、悪い言い方をすればサボっているのを撮っても、決して問題にならないと思うが如何だろうか。
 少なくともプライバシーでどうの、と言われる筋合いはない。だって勤務中の公僕なんだもん。銃だって持ってんだろ。予定していた北海道旅行が選挙のあおりで中止になって機嫌が悪いのだろうかと想像はできるが。

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