「血税」大増税

 税というと現金で払うものという観念が明治維新以降流通しているが、その明治時代であっても「血税」というのは徴求された。反対一揆も起こった。実は「徴兵反対一揆」である。徴兵のことを「欧米でもやっている血税」として、国民はそれを払うべきものと政府が布告したのである。
 さらに日本の歴史におけるもう一つの大維新、大化の改新までさかのぼると、国民の払う税は「租庸調」でこのうち最も重いものが庸、すなわち賦役であったわけだ。
 このように、税のうちには現金、貨幣制度の成立前は物納によらないもの、というのが確かにあったわけだ。コロナにおいてこの「物納によらない税」が久しぶりに増税となったことがいえるとおもう。つまり「自粛要請」という賦役である。
 営業するな、とうぜん売り上げは減るから経済的打撃はたまったものではなかろうが、補償はしない、というこれである。業種が偏っているからあまり目立たないが、これは一方的に負担を強制している国の動きであるから「課税」とみていいのではないかという気がしている。

 国税庁は、こういう時期であるにもかかわらず「税の作文」を募集したりしているが、これも「賦役」だろう、というのが私の考え。これはこれで「きれいごとを書く練習」としてやる価値はあると思うが、今年はやはり「国民に国家が課した賦役」という意味での税をとらえなおしてほしいものだ。ついでに「財務省は悪くない」の一言も。
 それでも、該当者には復興特別税を免除するといった心遣いはあってもいいんじゃないかな。

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