最適配置問題

左図はある生産会社の流通ネットワークです。ノート①～ノート⑦まであります、各ノートとノートが連接するアーク上の数字は、1kgあたりの年間輸送費用を表しています。ノート①とノート②は生産工場、ノート③とノート④は倉庫、ノート⑤、ノート⑥、ノート⑦は顧客です。各顧客の年間需要量が記入されている。

問題
ノート①生産工場1は、最新設備が整ったので、需要量より上回る生産能力がある。すぐ隣接地に倉庫１(ノート③)がある。ノート②の生産工場2は設備が老朽化しているので、年間生産量8000Kg以上は望めない。倉庫１と倉庫２の容量はどのぐらいの規模が適当であるか、又、顧客に対しては一番輸送費の安い最適輸送ルートはどれか？

問題定式化

　　まず変数の設定

Xij 　：　ノートiからノートjへ運ばれる製品量。
Y2+ ：　工場2年間生産量8000Kgを超える量。
Y2- ：　工場2年間生産量8000Kgまでの不足量。

目標関数

輸送費減目標

5X14

4X23

2X24

4X35

4X36

6X37

2X45

X46

4X47

→

最小化

工場２超過抑止

Y2+

→

最小化

制約関数

工場２生産制約

X24

X23

Y2+

Y2-

8000

倉庫１物流均衡

X13

X23

X35

X36

X37

倉庫２物流均衡

X14

X24

X45

X46

X47

顧客１物流均衡

X35

X45

6000

顧客２物流均衡

X36

X46

10000

顧客３物流均衡

X37

X47

6000

生産消費物流均衡

X14

X23

X24

X35

X36

X37

X45

X46

X47

ＧＬＰＳ正式版用インプット・データ

インプット・データの与え方はＧＬＰＳ操作ガイドを参照していただきたい。実際このモデルのインプット・データは下のようになっています。

TITLE Sampl08
MIN 5X14 + 4X23 + 2X24 + 4X35 +4X36 + 6X37 + 2X45 + X46 + 4X47
MIN Y2+
ST
工場２生産制約) X24 + X23 - Y2+ + Y2- = 8000
倉庫１物流均衡) X13 + X23 - X35 - X36 - X37 = 0
倉庫２物流均衡) X14 + X24 - X45 - X46 - X47 = 0
顧客１物流均衡) X35 + X45 = 6000
顧客２物流均衡) X36 + X46 = 10000
顧客３物流均衡) X37 + X47 = 6000
生産消費均衡) X13 + X14 + X23 + X24 - X35 - X36 -X37 - X45 - X46 -X47 = 0
END

GLPS正式版GLPSの計算結果

//
//***** GLPS Columns変数最適化解 *****
//
[ モデル名 : SAMPL08 ]

Number	ColumnsName	At	Activity	Reduced Cost
1	X13	BS	12000.	0.
2	X14		0.	3.
3	X23		0.	4.
4	X24	BS	10000.	0.
5	X35	BS	6000.	0.
6	X36		0.	1.
7	X37		6000.	0.
8	X45		0.	0.
9	X46	BS	10000.	0.
10	X47		0.	0.
11	Y2+	BS	2000.	0.
12	Y2-		0.	0.

//
//***** GLPS Rows変数最適化解 *****
//
[ モデル名 : SAMPL08 ]

Number	RowName	At	SlackActivity	DualPrice
1	第一目標	BS	-90000.	0.
2	第二目標	BS	-2000.	0.
3	工場２生産制約	EQ	0.	0.
4	倉庫１物流均衡	EQ	0.	2.
5	倉庫２物流均衡	EQ	0.	0.
6	顧客１物流均衡	EQ	0.	-4.
7	顧客２物流均衡	EQ	0.	-3.
8	顧客３物流均衡	EQ	0.	-6.
9	生産消費均衡	EQ	0.	-2.

*
**************************
* GLPS 目標達成分析
**************************
*
1 第一目標(標輸送費減目標)　　　目標値　90000.
2 第二目標(工場２超過抑止)　　　目標値　2000.

評価

最適配送ルート

工場１: 生産12000Kg ⇒ 倉庫１ ⇒6000Kg 顧客１

倉庫１ ⇒6000Kg 顧客３

工場2: 生産10000Kg ⇒ 倉庫２ ⇒10000Kg 顧客２

総輸送費 = 90000。問題のは工場2は10000Kg生産しなければならない。目標の順序を変更して、工場２超過抑止の目標を最優先、つまり第一目標と第二目標の優先順序を交換してモデルを修正する。

実際インプット・データの修正はつぎのようになる。

MIN Y2+

MIN 5X14 + 4X23 + 2X24 + 4X35 +4X36 + 6X37 + 2X45 + X46 + 4X47

修正後計算結果

//
//***** GLPS Columns変数最適化解 *****
//
[ モデル名 : SAMPL08 ]

Number	ColumnsName	At	Activity	Reduced Cost
1	X13	BS	14000.	0.
2	X14		0.	0.
3	X23		0.	0.
4	X24	BS	8000.	0.
5	X35	BS	6000.	0.
6	X36	BS	2000.	0.
7	X37	BS	6000.	0.
8	X45		0.	0.
9	X46	BS	8000.	0.
10	X47		0.	0.
11	Y2+		0.	1.
12	Y2-		0.	0.

//
//***** GLPS Rows変数最適化解 *****
//
[ モデル名 : SAMPL08 ]

Number	RowName	At	SlackActivity	DualPrice
2	工場２超過抑止	BS	0.	0.
1	輸送費減目標	BS	-92000.	0.
3	工場２生産制約	EQ	0.	0.
4	倉庫１物流均衡	EQ	0.	0.
5	倉庫２物流均衡	EQ	0.	0.
6	顧客１物流均衡	EQ	0.	0.
7	顧客２物流均衡	EQ	0.	0.
8	顧客３物流均衡	EQ	0.	0.
9	生産消費均衡	EQ	0.	0.

*
**************************
* GLPS 目標達成分析
**************************
*
1 工場２超過抑止　　目標達成
2 輸送費減目標　　　目標値　92000.

評価

最適配送ルート

工場１: 生産14000Kg ⇒ 倉庫１ ⇒6000Kg 顧客１

倉庫１ ⇒2000Kg 顧客２

倉庫１ ⇒6000Kg 顧客３

工場2: 生産8000Kg ⇒ 倉庫２ ⇒8000Kg 顧客２

総輸送費 = 92000。輸送費はやや高いが実行可能です。

[ 最適化ソフトメンページへ]

工場１: 生産12000Kg	⇒	倉庫１	⇒6000Kg	顧客１
		倉庫１	⇒6000Kg	顧客３
工場2: 生産10000Kg	⇒	倉庫２	⇒10000Kg	顧客２

工場１: 生産14000Kg	⇒	倉庫１	⇒6000Kg	顧客１
		倉庫１	⇒2000Kg	顧客２
		倉庫１	⇒6000Kg	顧客３
工場2: 生産8000Kg	⇒	倉庫２	⇒8000Kg	顧客２