ステガノグラフィー

2005.3.29

電子透かしエディター「ステガノグラファー」に使用されているステガノグラフィー技術について解説します。

ステガノグラフィーとは

一般的に「電子あぶりだし」と呼ばれる画像深層暗号化技術のことで、他人に見られたくない秘密の画像や文章などを画像に埋め込む/取り出す技術。つまり、暗号化で読めない形にするのではなく、秘密があること自体を隠す技術。

一般的な電子透かしとの違い

一般的に電子透かしとは、デジタルウォーターマーキングのことを指し、著作権保護の分野で利用されています。
ステガノグラフィとの違いは、埋め込める透かしデータ量と改竄によっても透かしが検出できるか否かなどが挙げられます。

ステガノグラフィーの利点

■秘匿通信
画像データなので秘密があること自体が分からない究極の秘匿通信を実現。
■大容量の透かしが埋め込める
大容量の透かしが埋め込め、かつデータサイズは変わらない。
(透かしを埋め込んでもダミー画像のファイルサイズは変わらない。)
■透かしの付加価値的利用
有益な画像をダミー画像とし、透かしに付加価値を付けることによって画像のコンテンツとしての利用価値が高まる。

適用分野

■画像データベース
画像に付随した情報を透かしとして埋め込むことで、画像と関連情報をリンクさせるDBやプログラムが不要。ファイルシステムがDBとなりシンプルかつメンテし易いシステムが構築可能となる。
・デジタルカメラで撮影した画像データに撮影記録を埋め込む。
(損害保険、建設業、自動車業界での需要が大きい)
・顔写真に個人情報を埋め込むことで個人情報を管理する。
(人事管理システムなど)
・カタログ写真に商品情報を埋め込むことで商品ページがサーバー側で自動的 に生成できる。
(オンラインショッピングサイトなど)
■セキュリティ
暗号化されていることすら分からないのでインターネット上で完全なセキュリティが実現できる。
2005年4月より個人情報保護法が施行され、個人情報漏洩に対する企業責任が問われている背景もあり、セキリティに対する企業投資も見込める。
・インターネットで送受信される医療画像にカルテ情報を埋め込むことでプライバシーを保護する。
・学校などの第三者の出入りが自由な場所での情報セキュリティ。 (パソコンが盗難にあっても漏洩しない)
・MMK(マルチメディアキオスク)から入力される個人情報の漏洩防止。
■エンターテイメント
インターネットは無料であると言うユーザー感覚が体勢を占めており、有料と言うだけでアクセスされず機会損失に繋がる。
・ダミー画像を無料にして、透かしデータに課金することでアクセス数が拡大し、収益性が高まる。
・メディアとの連携企画で、透かしを懸賞とする。(当選者のみに透かしのパスワードを通知)
・ラブメール。携帯のメール本文を透かしにして画像を送る。パスワードを知っている相手以外は、ただの画像にしか見えない。