オペレーション・マニュアル ・本プログラムについて このプログラムはフリーソフトウェアです。 このプログラムの使用に関連して発生するいかなる事態にも責任を負いかねます。 個人的な使用および個人間による複製に関しての制限はありませんが、このオペレーション マニュアルも一緒にコピーすることをお勧めします。 このプログラムはIntel x86 系 CPU の WindowsNT4.0/2000 及び Windows9x で動作します。 但し、Windows95OSR1の場合はWin95用の opengl32.dll と glu32.dll が必要です。 DLL の入手方法などについては下記のインターネット URL を参照してください。 '96年11月末からOEM版(プリインストール用)として発売されている Windows95 OEM Service Release 2 からは OpenGL が正式にサポートされています。その場合 には OpenGL の DLL は標準で組み込まれているはずなので、上記の作業は不要です。 プリインストールされている Windows95 が OpenGL をサポートしているかどうかは スクリーンセーバーに OpenGL のスクリーンセーバーが存在するかどうかで確認可能です。 また、このプログラムで作成したグラフィックデータ(BMPファイルおよびそれをもとに 変換したその他のフォーマットのファイルも含む)を公開する場合には 米国ブルックヘブン国立研究所のタンパク質データベース(Protein Data Bank - PDB) データを使用していること、およびその登録ID、分子名、作成者名を明記する必要が あります。 最新の情報は http://hp.vector.co.jp/authors/VA020045/ を参照して下さい。 ・更新履歴 97/04/24 - Struct1->Spacefill メニュー追加 97/03/24 - Struct1->Ball&Stick メニュー追加 97/03/16 - Display->Curve/Tube mode メニュー変更 97/03/06 - Struct1->Stick メニュー追加 , 大きなデータを処理可能に変更 97/02/26 - Display->Moving メニュー追加 97/02/18 - OpenGL アクセラレータ使用時の不具合修正(注2) 97/01/31 - Struct1->Wire frame Menu 追加 , Struct1 初期状態での残基の色分け変更 97/01/04 - Display->Curve/Tube mode メニュー追加 96/12/23 - PDB Ver 2 フォーマット変更に対応(注1) 96/12/18 - Struct1->Ball&Pipe メニュー追加 96/12/08 - Struct1->Pipe メニュー追加 96/11/27 - Struct1->Curve メニュー追加 96/11/17 - Struct1->Polyline メニュー追加 96/10/29 - Struct1->Tube メニュー追加 96/10/21 - Ctrlキー + マウス右ボタン機能(透視法射影角度変更)追加 96/10/10 - Struct->Spacefill Menu 追加 96/10/02 - 1IFS Struct->Ball & Stick Menu 追加 96/09/23 - 1IFA demo 追加 ,Edit->Specular light Menu 追加 96/09/15 - Struct->Stick Menu 追加 96/09/07 - Struct->Wire frame Menu 追加 96/08/31 - Edit->Ambient light Menu 追加 96/08/23 - Struct->Tube1 Menu 変更 96/08/17 - Struct->Polyline , Struct->Pipe , Struct->Ball&Pipe 追加 96/08/12 - Residue->Add mode Menu (ON/OFF) 追加 96/07/28 - Edit->Chain color , Edit->Struct color Menu 追加 注1.1996 年秋の時点から PDB データのフォーマット Ver 2 への変更が 行われています。 以前のプログラムでは Ver 2 フォーマットの PDB データを 読み込んだ時にアプリケーションエラーが発生しプログラムが終了 していました。 このリリースからはそれらの変更を受けた PDB データの読み込みも 可能になりました。 PDB フォーマット Ver 2 についての詳細は以下の WWW を参照して 下さい。 http://www.pdb.bnl.gov/ 注2.本プログラムでは通常 OpenGL のデプスバッファ(Z バッファ)は 32 ビットを 使用しますが、OpenGL アクセラレータを使用した場合は、その仕様により 16 ビットになってしまう時があります。 これまでは 32 ビットデプスバッファを前提としてプログラミングされていたため、 表示の状態によっては前後関係が不適切に表示されてしまう場合がありました。 そのため、16 ビットデプスバッファでも正常に表示されるように変更しました。 この変更により 32 ビットデプスバッファ時の表示精度も改善されました。 OpenGL アクセラレータを使用すると表示速度がかなり高速になるため、初期状態 の時のような単純な表示では、マウス左ボタンクリックによる回転のアニメーション がやりにくくなってしまいます。 回転のアニメーションを表示速度にはなるべく依存しないように変更しました。 使用する OpenGL アクセラレータによっては、ダブルバッファ処理をアクセラレータ 側で行うように設定(これがデフォルトである場合が多い)すると正常に動作しない またはエラーが発生する場合があります。 本プログラムを使用中に、ジェネリック版(アクセラレータ未使用)と異なる不穏な 動きをした時には、アクセラレータのダブルバッファ処理を無効にしてみて下さい。 ・初期状態 プログラムを起動した状態では、アルファ炭素またはリン酸を結んだポリラインの骨格構造 (バックボーン)が表示されます。本プログラムではこれをチェイン(Chain)あるいは メインチェイン(主鎖)と呼び、複数のチェインがある場合には色分けされて表示されます。 ・マウス操作 マウスの左ボタンをクリックしながらマウスを動かすと回転、右ボタンをクリック しながら上下に動かすことで視点が前後(表示上では拡大縮小)します。 Ctrlキーを押しながらマウスの左ボタンクリックでマウスを動かすと移動になります。 より微妙に動かしたい場合は矢印キーを使用します。 Ctrlキーを押しながらマウスの右ボタンクリックしてらマウスを上下に動かすと Perspective(透視法射影)の視界角度が変化します。拡大縮小と同じ様にしか見えない かもしれませんが、実際には見える角度が変化しています。ためしに視界角度を大きくして (表示上では小さくなる)そのあとで(Ctrlキーを離した)右ボタンクリックで拡大して みて下さい。表示が歪んでしまう(視点に近いものはより大きく、遠いものはより小さく) のが解るはずです。 この様な単純な表示ではマシンパワーがそれなりであれば、マウスの動きにほぼリアル タイムで追従するはずです。 また、マウスの左ボタンをはなしながらマウスを動かすとアニメーションとして回転 します。回転を止める時はマウスの左ボタンをクリックします。 [File]メニュー ・Print - 画面イメージのプリンタ出力、カラープリンタが必要。 ・Print preview - プリントイメージのプレビュー、プリンタ出力。 ・Print setup - プリンタの設定。 ・Bitmap save - 画面イメージのBMPファイルへのセーブ。 ダイアログBoxに表示される解像度(Resolution)は現在のWindowの 解像度です。この解像度を変更すれば出力するBMPの解像度も変更 可能ですが、その場合は表示イメージとは異なるものが保存され ます。解像度を変えたのだから当たり前ですが。 注.以上の処理を実行するにはOpenGLドライバのバージョンが1.01以上である 必要があります。 通常 WindowsNT4.0で動作させている場合は 1.1.0,Windows95の場合は1.02又は 1.1.0 なるはずですが、OpenGL用の3Dアクセラレータを使用している場合は、 そのアクセラレータのドライバに依存します。 Help->About OpenGLメニューで確認して下さい。 下記の Edit->Copy to clipbord も同様です。 ・Exit - プログラム終了 [Edit]メニュー ・Copy to clipbord - 画面イメージをクリップボードにコピー。 ・Light position - 光源方向の変更。 光源はデフォルトで平行光源(例えば太陽光)なので、指定は 光源の方向で指定します。Xが+値の場合は右方向、Yが+値で 上方向、Zが+の時は手前方向になります。デフォルトの方向は X=0,Y=0,Z=1.0なので、視点方向から光が当たっていることに なります。これを右上手前からに変更するには X=1.0,Y=1.0, Z=1.0 に指定します。方向は -1.0〜1.0 の範囲内で指定します。 ・Speccular light - 鏡面光変更。 ・Ambient light - 環境光変更。 ・Chain color - チェイン色の変更、変更を反映させるためには再表示が必要。 ・Struct2 color - 二次構造色の変更、変更を反映させるためには再表示が必要。 ・Background - 背景色の変更。 [PDB]メニュー ・Read - PDB(Protein Data Bank)データファイルを読み込み。 これはPDBデータが入手可能な方、あるいは入手することが許されて いる方のためのものです。 しかし全てのPDBデータの読み込みが保証されている訳ではありません。 現在のPDBデータには若干の不備なデータが含まれています。 そのようなPDBデータを読み込んだ場合は何らかのエラーが発生するか、 あるいは正常に表示されません。 ・Information - PDBデータの情報表示。 [Chain]メニュー ・Polyline - 主鎖(Main chain)構造を折れ線を結ぶポリラインで表示。 これは主鎖の表示を初期状態に戻すことになります。 ・Curve - 主鎖構造をなめらかな空間曲線で表示。 ・Pipe - 主鎖構造を直線的なパイプを組み合わせたモデルで表示。 主鎖構造から突き出た細いパイプは側鎖の方向を表わします。 ・Ball & Pipe - 主鎖構造を球体とパイプの組み合わせで表示。 ・Tube - 主鎖構造をチューブをくねらせたモデルで表示。 三通りの太さで表示可能。 ・Wire frame - 主鎖構造を構成する原子の原子間結合をワイヤフレームモデルで表示。 ・Stick - 主鎖構造を構成する原子をスティックモデルで表示。 ・Ball & Stick - 主鎖構造を構成する原子を棒球モデルで表示。 ・Spacefill - 主鎖構造を構成する原子を空間充填モデルで表示。 ・SS Bond - ジスルフィド結合を表示。 ・Add name - 主鎖構造の表示に残基名を追加。 [Residue]メニュー ・Wire - 全ての残基(residue)の原子の原子間結合をワイヤフレームモデルで表示。 ・Stick - 全ての残基の原子をスティックモデルで表示。 ・Ball & Stick - 全ての残基の原子を棒球モデルで表示。 ・Space fill - 全ての残基の原子を空間充填モデルで表示。 ・Add mode - 上記の Residue メニュー処理のモード切り替え。 現在のモードが Add モードの場合にはチェックマークがメニューに 記入されます。Add モードのがチェックされている時は主鎖の表示に 追加する形で表示され、チェックオフの場合は主鎖の表示から切り 替える形で表示されます。 ・Hydrogen bond - 水素結合を表示。 ・Salt bridge - 塩橋を表示。 [Struct1]メニュー ・Polyline - 主鎖の残基(一次構造)を色分けしたポリラインで表示。 ・Curve - 主鎖の残基(一次構造)を色分けした空間曲線で表示。 ・Pipe - 主鎖の残基(一次構造)を色分けしたパイプモデルで表示。 ・Ball & Pipe - 主鎖の残基(一次構造)を色分けした球体とパイプの組合わせで表示。 ・Tube - 主鎖の残基(一次構造)を色分けしたチューブモデルで表示。 ・Wire frame - 主鎖の残基(一次構造)を色分けした原子間結合のワイヤフレームモデルで表示。 主鎖のみと主鎖と側鎖の両方の選択が可能。 ・Stick - 主鎖の残基(一次構造)を色分けしたスティックモデルで表示。 ・Ball&Stick - 主鎖の残基(一次構造)を色分けした棒球モデルで表示。 ・Space fill - 主鎖の残基(一次構造)を色分けした空間充填モデルで表示。 初期状態では残基の色分けは以下の様になります。 タンパク質 疎水性アミノ酸 − 赤 親水性アミノ酸 − 青 グリシン − 白 その他 − 黒 核酸 Adenosin − 赤 Thymidine − オレンジ Cytidine − シアン Guanosine − 青 Uridine − オレンジ 注.Tube , Curve などのスムージング化されたモデルの表示では その性質上、隣り合う色と混じって表示されます。 [Struct2]メニュー ・Polyline - 主鎖の二次構造を色分けしたポリラインで表示。 ・Curve - 主鎖の二次構造を色分けした空間曲線で表示。 ・Pipe - 主鎖の二次構造を色分けしたパイプモデルで表示。 ・Ball & Pipe - 主鎖の二次構造を色分けした球体とパイプの組み合わせで表示。 ・Tube1 - 主鎖の二次構造を色分けしたチューブモデルで表示。 ・Tube2 - 主鎖の二次構造を色分けまたは太さを変えたチューブモデルで表示。 ・Tube3 - 主鎖の二次構造を色分けまたはHelixの太さを変えたチューブモデルで表示。 ・Wire frame - 二次構造を色分けした原子間結合のワイヤフレームモデルで表示。 主鎖のみと主鎖と側鎖の両方の選択が可能。 ・Stick - 二次構造を色分けしたスティックモデルで表示。 ・Ball & Stick - 二次構造を色分けした棒球モデルで表示。 ・Space fill - 二次構造を色分けした空間充填モデルで表示。 [Hetero]メニュー ・Line - Chain 以外分子の原子の原子間結合をワイヤフレームモデルで表示。 ・Spacefill - Chain 以外分子を空間充填モデルで表示。 ・Stick - Chain 以外分子をスティックモデルで表示。 ・Ball & Stick - Chain 以外の分子を棒球モデルで表示。 ・Add name - Chain 以外の分子の表示に残基名を追加。 [Display]メニュー ・Reset - 表示を初期状態に戻す。 このメニューにより初期状態に戻るのはマウスの操作(回転、拡大、縮小及び 移動)により変更した表示のみです。 ・Curve/Tube mode - Curve/Tube を作成する時の空間曲線の種類を切り替える。 変更を反映させるためには再表示が必要。 Curve/Tube メニューで主鎖構造をなめらかに表示する時の空間曲線の 種類を切り替えます。 初期状態では B スプラインと呼ばれる最も一般的なものを使用して います。しかし B スプラインはその性質上指定された点(制御点)を 必ずしも通過しないため、望んだものとは異なる場合があるかも知れ ません。その時には Curve/Tube mode->Curve1 のチェックを on に にすることにより制御点を通る空間曲線モードに切り替える事が可能 です。ただしこの場合には空間曲線は無理に制御点を通るようにして いるため、若干ぎこちない曲線になってしまいます。 Curve/Tube mode->Curve2 のチェックを on にすると B spline と Curve1 との中間的な空間曲線に切り替えられます。 ・Quality - 表示品質の設定、変更を反映させるためには再表示が必要。 表示品質はワイヤフレームモデル、Line モデルでは無効です。 低品質(Low)、通常品質(Normal)、高品質(High)が選択可能です。 表示があまりにも遅すぎる、という場合は Low を選択して下さい。品質は かなり悪くなりますが、それなりのスピードで表示されます。 High を選択した場合はかなり処理が重くなります。 PentiumPro クラスの マシンでもなかなか表示されないかも知れません。もしかしたらディスクに アクセスが始まってしまう(これが世に言うメインメモリを使い切ったために ページファイル/スワップファイルにアクセスしたという状態です)かも知れま せんが、辛抱強く待って下さい。 それだけの価値はあると思います。 ・Smooth shading - スムーズ・シェーディンクの ON/OFF 切り替え。 ワイヤフレームモデル、Line モデルでは無効。 ・Fog - フォグ(霧、曇り、ぼかし)効果を設定。 フォグは視点から遠い物体をかすむように表示させます。 Enable/Disable でフォグの有効/無効を切り替えます。 Fog mode は視点からどれくらい遠い時にどれくらいぼかすかの、ぼかしかた を選択します。理論的には色々あるのですが、本プログラムの場合はどれで も大した違いはありません。 Fog density は霧の濃さ、あるいは密度です。表示の状態によっては全てが 霧の中に隠れてしまう場合があります。フォグを Enable にした時に表示が 消えてしまう場合は Fog density を小さな値に変更してみてください。 またフォグの色は背景色を使用しており、Edit->Background メニューで 背景色を変更した場合は自動的にフォグ色も同じ色に変更されます。 ・Moving - 分子の動きのシュミレーション。 分子の動き(のようなもの)をシュミレーションします。 処理の重い表示モデルでは動きがぎこちなくなってしまうので、なるべく 軽い表示モデルのもので実行して下さい。 Moving1 と Moving2 との違いはあまり良く解らないかも知れませんが、注意 して見れば微妙に異なるのが解るかも知れません。 誰も見たひとはいませんが、生体中で分子はこんな動きをしているのかもしれ ません。 動きを止めたい時はマウスの左ボタンをクリックします。 [Projection]メニュー ・Perspective - 透視法射影に設定 視点に近い物体は大きく、視点から遠い物体は小さく表示する方法です。 正射影よりも、実世界に近い違和感のない表示が可能です。 ・Ortho - 正射影に設定 視点からの距離に関係なく、その物体の絶対的な大きさで描かれます。 CAD などで図面を描く場合に用いられます。 [Help]メニュー ・About OpenGL - 現在の OpenGL 環境情報の表示。 これは本プログラムの情報ではなく、本プログラムを動作させている WindowsNT,Windows95 の持つ OpenGL の動作環境の情報です。 そのため、OpenGL をサポートした3Dアクセラレータを使用し、その ドライバがインストールされている場合はそのドライバの情報が表示 されます。 ・About this demo - 本プログラムに関する情報表示。 以上.