免疫グロブリン(抗体)(Japanese only)
1GGI , Immunoglobulin IGG2A FAB fragment
免疫系を構成する重要な要素である抗体(免疫グロブリン)は 1890 年に
フォン・ベーリングらによって発見されました。
大きなタンパク質分子である抗体は細菌やウイルスなどの外来侵入物に結合して
無害化します。
B 細胞(B リンパ球)は抗体を作り出し、レセプターとしてそれを細胞表面に
表現します。個々の B 細胞は異なるレセプターを作るので、それぞれの細胞は
異なる外来分子を認識することになります。
抗体は、免疫反応により活性化された B 細胞が分化した形質細胞(plasma cell)
から分泌型レセプターの抗体分子として血漿中に放出されます。
各々の抗体分子は抗原と呼ばれる特異的な標的分子に結合します。
抗体は、重鎖(H鎖)と軽鎖(L鎖)と呼ばれる二対のタンパク質鎖からなり、
一対の H鎖は結合して Y 字状になります。
IGG jpeg
一対の L鎖は H鎖と並行して Y字の上部の分枝状の部位に結合します。
L , H 鎖はともに定常部(C)と可変部(V)から成り立ち、多様な抗原を特異的に
認識する部分は可変部によります。
ヒトの遺伝子は10万個程度ですが、一固体の十兆個の B細胞は一度に一億種類
以上の異なった抗体を作ることが可能です。このことは全ての抗体に必要な
遺伝子を遺伝的に受け継ぐことは出来ないことを意味します。
1976年に利根川進氏は、抗体及び B細胞レセプターの遺伝子は複数の遺伝子断片
として遺伝し、それらの遺伝子断片はリンパ球が分化する過程でお互いに結合して
完全な遺伝子になることを発見しました。
この「抗体の多様性生成と遺伝学的原理の解明」で利根川進博士は '87 年に
ノーベル医学・生理学賞を受賞しました。
この VRML データでは抗体のFABフラグメントとよばれる Y 字の上部分のみの
データで、空間充填モデルで表示されるものは、抗原として抗体に結合した
HIV のポリペプチドです。
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