曲線座標系< 目次へ >
一般相対性理論は1915年から16年にかけ、アインシュタインにより発表された。今から丁度100年前である。その間あらゆる実験的テストに耐えてきた。現在ではGPSシステムに利用されたり、重力レンズ効果等を実証している。又宇宙論、重力崩壊とその結果出来るブラックホール等の分野で中心的、本質的役割を果たしている。今後もますますその真価を発揮するであろう。
1. 一般相対性理論の基本原理
一般相対性理論は二つの原理を基礎としている。一つは等価原理であり、もう一つは一般相対性原理である。 (1) 等 価 原 理
加速度系で感じられるいわゆる慣性力と万有引力とは本質的に区別出来ないというのが等価原理である。慣性力とは列車が動き始める時、体が後ろに傾いたり、自動車や電車が曲る時外側に引っ張られる様なみかけの力の事である。加速度と重力が同等なら慣性質量と重力質量は同等である事になる。
(2) 一般相対性原理
「全ての物理法則はいかなる座標系でも(慣性系、加速度系、その他任意の座標系)同じ形式で表す事ができる。」というのが一般相対性原理である。
2. 極 座 標
特殊相対性理論では基底ベクトル及び基底一形式は至る所で一定であった。しかし一般相対性理論の曲った空間、重力の場ではそれらは場所によって異なる為、必然的に曲線座標系を考える事になる。曲線座標系として最も簡単な二次元の極座標をデカルト座標より変換する事を調べる。
デカルト座標(X,Y)と極座標(r,θ)との間には次の関係がある。 r=(X2+Y2) 1/2 , θ=tan-1(Y/X) X=rcosθ , Y=rsinθ 【ベクトルの成分の変換】
微小な変位ベクトルをdr、dθ、dx、dyとすると全微分法により
dr=dx+dy , dθ=dx+dy 行列で表現すると として変換の行列 Λα'β を定義すると、任意のベクトルVに対して特殊相対論の時と同様に変換を次の様に書くことが出来る。 ◆ Vα'= Λα'β Vβ 上の式でプライムのついていない添字はデカルト座標(X,Y)を、プライムのついている添字は極座標(r,θ)を表す 。値は1と2しかとる事が出来ない。1はX又はrで、2はY又はθである。 【一形式の成分の変換】 Λα'β と (Λαβ')T はお互いの逆である 。(Tは転置行列を表す) 特殊相対論におけるローレンツ変換を表す行列は対称であり、その転置行列はもとの行列に等しかったが、一般の座標変換では対称でない。二つの行列の積は 第二の等号の右辺の式は合成関数の微分の規則より成り立つ。 今、座標変換として二次元の極座標を考えたが、rをξに、θをηに置き換えた一般の座標変換でも Λα'β と Λαβ' は成り立つ。(第一等号の右辺の式 まで)
3. 極座標の基底
(1) ベクトルの基底
極座標へのベクトルの基底の変換は次の式に従う。
◆ β' = Λαβ' r , θ は r = Λxr x+ Λyr y = x+ y = cosθ x+sinθ y θ = Λxθ x+ Λyθ y = x+ y = −rsinθ x+rcosθ y 極座標基底ベクトルからデカルト座標基底ベクトルへの変換行列は | r|= 1 , r・ θ = 0 , | θ|2= θ・ θ= r2 各点での基底ベクトルを図に描くと rの長さは一定であるが、 θの長さは原点から離れるほど長くなる。 (2) 一形式の基底
極座標での一形式の基底の変換は次の式に従う。
◆ β' = Λβ'α α r , θ は r = Λrx x+ Λry y = x+ y = cosθ x+sinθ y θ = Λθx x+ Λθy y = x+ y = −sinθ x+cosθ y 極座標基底一形式からデカルト座標基底一形式への変換行列は | r|= 1 , r・ θ = 0 , | θ|= θ の長さは原点から離れるほど短くなる。 4. メトリックテンソル
メトリックの極座標での成分は次の式により求まる。
◆ gα'β' = g( α', β')= α'・ β' 前節の結果より grr = r・ r = 1 , grθ = gθr = r・ θ = 0 , gθθ = θ・ θ = r2 従ってgの成分を次の様に書く事が出来る。 【線要素】
事象間の微小な距離dsを線要素という。dsはgの成分と座標を同時に示す便利な方法である。
【一形式からベクトルへの写像】◆ ds2=|dr r+dθ θ|2=dr2 r・ r+dθ2 θ・ θ+2drdθ r・ θ =dr2+r2dθ2 =gαβ dxαdxβ
φ をスカラー場とし、 をその勾配とするとベクトル は次の成分をもつ。
( )α = g αβ φ,β gαβ は gαβ の逆行列で次の様になる。 gαβ = 従って ( )r = grr φ,r +grθφ,θ = φ,r = ∂φ/∂r ( )θ = gθr φ,r+gθθφ,θ = φ,θ/r2 (φ,r ,φ,θ) は一形式の成分である。 そのベクトル勾配は成分 (φ,r ,φ,θ/r2) をもつ。ユークリッド空間でさえ、一般 にベクトルはそれに附随する一形式とは違った成分をもつ。デカルト座標はそれらの成分が一致する唯一の座標である。 5. ベクトルの微分
3. (1)の ベクトルの基底でみたように、極座標の基底ベクトルが至る所で一定でないという事は一般のベクトルを微分する時、成分の微分だけでなく基底ベクトルも微分しなければならない事を意味する。
(1) 基底ベクトルの微分
xと
yは一定のベクトル場であるから、次の式が容易に導かれる。
r = ( cosθ x+sinθ y ) = 0 ( 3. (1)より ) r = ( cosθ x+sinθ y ) = −sinθ x+cosθ y = θ θ = ( −rsinθ x+rcosθ y ) = −sinθ x+cosθ y = θ θ = ( −rsinθ x+rcosθ y ) = −rcosθ x−rsinθ y = −r r (2) 一般のベクトルの微分
一般のベクトル は = Vα α である。座標軸による微分は
◆ = α + Vα Xβ が極座標なら = r + θ + Vr + Vθ = r + θ + Vr + Vθ 6. クリストッフェル記号
はベクトルだから基底ベクトルの線形結合として書くことが出来る。 その時の成分をクリストッフェル記号と言われる非常に便利な記号 Γμαβ で表す。 すると
◆ = Γμαβ μ Γμαβ の解釈はベクトル のμ番目の成分という事である。 第一番目の添字αは微分される基底ベクトルを表し、第二番目の添字βはどの座標で微分するかを表し、第三番目の添字μはその微分されてできたベクトルの成分を表す。 極座標でのそれらは5.(1)で既に計算されている。 r = 0 から Γrrr = 0 , Γθrr = 0 r = θ から Γrrθ = 0 , Γθrθ = θ = θ から Γrθr = 0 , Γθθr = θ = −r r から Γrθθ = −r , Γθθθ = 0 7. 共 変 微 分
一般のベクトル の微分(5. (2)参照)に於いて、右辺の第二項の添字α は上下にあるので和をとるダミーの添字でこれを別の添字に置き換える事が出来る。αをμに置き換えると
= α + Vμ ・・・・・・・・・・ (1) クリストッフェル記号の定義より = Γαμβ α ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)
(2)を(1)に代入すると(1)は
= α + V μ Γαμβ α
= ( + VμΓαμβ ) α ・・・・・ ( 3)
はベクトル場で α はその基底で、 + VμΓαμβ はその成分である 。
ここで次の様な新しい記号を導入する。◆ Vα;β = Vα,β + VμΓαμβ ・・・・・・・・・・ (4) すると(3)の式は非常に簡単な式で表現できる。 = Vα;β α Vα,β は変化する座標系についてのベクトル の見掛けの変化で、 VμΓαμβ は真の変化を表す為の補正項である。(4)をベクトル の共変微分と呼び、▽β と表す。その成分は ◆ (▽β)α = Vα;β デカルト基底ではこの成分は単に Vα,β である。しかし曲線基底ではベクトルの微分も考慮に入れなければならず、式(4)のクリストッフェル記号が関与する座標系での▽βの成分は Vα;β である。 Vα;β はある任意のベクトルをベクトル に写像する (1,1) テンソル( 付録:共変微分はテンソルを参照 )として働く。「テンソル解析 5. テンソルの縮約」の例でいうと、V α;β がTに、ある任意のベクトルがUに、 がWに相当する。 【共変微分の意味】
共変微分の意味を少し検討してみる。上で述べたように共変微分はベクトルをベクトルに写像する関数である。写像するベクトルをUとする。今ベクトルの成分の変化量を計算しようとしているのだから、Uの成分は座標の変化量と考えられる。それらを (r ,刄ニ) とし、写像されるベクトルを 凾uα とすると
凾uα = Vα;β Uβ = Vα;rr+ Vα;θ刄ニ = (Vα,r + VμΓαμr)r+(Vα,θ + VμΓαμθ)刄ニ 上付きの添字 α にr及びθを代入すると 凾ur = (Vr,r + VμΓrμr)r+(Vr,θ + VμΓrμθ)刄ニ 凾uθ = (Vθ,r + VμΓθμr)r+(Vθ,θ + VμΓθμθ)刄ニ 以上の事から共変微分の変数として一つのベクトルを考え、そのベクトルの成分を座標の変化量とし、Vα;β と縮約をとると、ベクトル の成分の変化量が得られる。共変微分はそのような関数(=テンソル)であると解釈出来る。 【スカラーの共変微分】 スカラーは基底ベクトルに依存しないからその共変微分は偏微分と同じであり、その勾配である。即ち ▽βΦ = ∂Φ/∂Xβ 【一形式と高階のテンソルの共変微分】
一形式 とその変数(=ベクトル) の縮約はスカラー Φ である。
Φ = PαVα 両辺を Xβ で微分すると積の微分の規則から ▽βΦ = Φ,β = Vα + Pα (4)の式を変形してVα,βを上の式の右辺の第二項に代入すると ▽βΦ = Vα + Pα Vα;β ー PαVμΓαμβ 右辺の第三項のダミーの添字αとμを、αはμに、μはαにそれぞれ書き換えると ▽βΦ = Vα + Pα Vα;β ー PμVαΓμαβ 右辺の式の第一項と第三項に現れる Vα で第一項と第三項を括ると ▽βΦ = ( ー PμΓμαβ ) Vα + Pα Vα;β 左辺の式は一形式(=勾配)でその成分を表す。従って右辺の式も一形式の成分となる。右辺の第一項の添え字αは上下に表れるので縮約となる。Vα はベクトルなので括弧の中は一形式(=テンソル)の成分となる。 この一形式をPの共変微分と呼び、記号 ( ▽β )α 又は Pα;β で表す。 ◆ ( ▽β )α = Pα;β = ー PμΓμαβ = Pα,β ー PμΓμαβ 同じ手順で次式が得られる。 ◆ ▽βTμν = Tμν;β = Tμν,β―TανΓαμβ―TμαΓανβ ・・・・・ (5) ◆ ▽βTμν = Tμν;β = Tμν,β+TανΓμαβ+TμαΓναβ ・・・・・ (6) ◆ ▽βTμν = Tμν;β = Tμν,β+TανΓμαβ―TμαΓανβ ・・・・・ (7) 《 (5)の証明 》
二階のテンソル T と二個の変数(=ベクトル) UとV の縮約はスカラー Φ である。
Φ = TμνUμVν 両辺を Xβ で微分すると ▽βΦ = Φ,β = Tμν,βUμVν+TμνUμ,βVν+TμνUμVν,β Uμ,β=Uμ;β―UαΓμαβ と Vν,β=Vν;β―VαΓναβ を上の式に代入すると Φ,β=Tμν,βUμVν+TμνUμ;βVν―TμνUαVνΓμαβ +TμνUμVν;β―TμνUμVαΓναβ 上の式の右辺の第三項のダミーの添字αをμに、μをαに、第五項のダミーの添字αをνに、νをαにそれぞれ書き換えて UμVν をもつ項を UμVν で括ると Φ,β=(Tμν,β―TανΓαμβ―TμαΓανβ)UμVν+TμνUμ;βVν+TμνUμVν;β 左辺の式はテンソルでその成分を表す。従って右辺の式もテンソルの成分となる。括弧の中の式を T の共変微分と呼ぶ。即ち(5)の式である。 8. 発散とラプラシアン
デカルト座標ではベクトルVαの発散はVα,αである。
これは、Vα,βの二つの添字を縮約して得られるスカラーである。縮約は座標系に依存しない操作だから、 の発散は別の座標系でも同じ値を取る。即ち次式が成り立つ。
◆ Vα,α = Vβ';β' ・・・・・・・・・・ (1) 【上の式の証明】
Vα,α = (Vx) + (Vy)
極座標からデカルト座標へのベクトルの成分の変換は Vα=Λαβ'Vβ' の式に従う。(変換行列は2.極座標を参照) Vx=ΛxrVr+ΛxθV θ=cosθVrーrsinθVθ , Vy= ΛyrVr+ΛyθVθ=sinθVr +rcosθVθ 合成関数の微分法により , よって (Vx)=( )( cosθVrーrsinθVθ ) (Vy)=( )( sinθVr+rcosθVθ ) 上の二つの式を計算し、Vα,α=(V x)+(Vy) を求めると Vα,α=(Vx)+(Vy)=+ +Vr これは下記の(2)の式と同じである。 ∴ Vα,α=Vβ';β' 極座標での発散 (=Vβ';β') を計算してみる。下記の式では添字にプライムが付いてないが 添字は極座標を表す。 Vα;α = + ΓαμαVμ 6. クリストッフェル記号から Γαrα = Γrrr + Γθrθ = , Γαθα = Γrθr + Γθθθ = 0 従って Vα;α = + + Vr = (rVr ) + Vθ ・・・・・・・・・・ (2) 次に勾配の発散を計算してみる。スカラー場Φの勾配は▽Φである。その発散は ▽・▽Φである。演算子▽・▽(=div ▽)をラプラシアンと言い、記号△で表す。 ◆ △ = ▽・▽ = ▽2 勾配は一形式である。一形式の発散を求めるには、一形式を、メトリックを使ってベクトルに直さなければならない。その ベクトル勾配の成分は (Φ,r ,Φ,θ/r2) である。 (4. メトリックテンソル 【一形式からベクトルへの写像】を参照) この成分 Vr=Φ,r と Vθ=Φ,θ/r2 を(2)の式に代入すると ▽・▽Φ = ▽2Φ = (r )+ = + + これが平面極座標でのラプラシアンである。これは次の平面デカルト座標でのラプラシアンに等しい。 ▽2Φ = + 【証明】
合成関数の微分法により
, 従って , , 上の二つの式を計算し、 + + を求めると + + = + ∴ 平面極座標でのラプラシアンは平面デカルト座標でのラプラシアンに等しい。 9. クリストッフェル記号とメトリック
メトリックは基底ベクトルの内積で表されるテンソルで、クリストッフェル記号は基底ベクトルを微分した時のベクトルの成分でどちらも基底ベクトルに関係しているので、メトリックとクリストッフェル記号に何らかの関連があるはずである。メトリックは二階の共変テンソルだから、メトリックの共変微分は7. 共変微分の(5)の式より次の様にになる。
▽βgμν = gμν;β = gμν,β―gανΓαμβ―gμαΓανβ ・・・・・・・ (1) gμν = . だから = Γαμβ . + .Γανβ = . Γαμβ + . Γανβ =gανΓαμβ+g μαΓανβ ・・・・・・・ (2) (1)と(2)より ◆ gμν;β = 0 である事が分かる。 gαμ;β=0 と Vα=gαμVμ より ◆ Vα;β=gαμVμ;β が成り立つ。 ( ∵ Vα;β=gαμ;βVμ+gαμVμ;β=gαμVμ;β だから ) 同様に ◆ Vα;β=gαμ Vμ;β が成り立つ。 Vα;β =gαμVμ;β は別の方法で も示す事が出来る。それはテンソル方程式がある座標系で成り立つなら、あらゆる座標系でも成り立つというテンソルの性質によるものである。それを示す。 先ず任意の座標系で成り立つ次の式から始める。 Vα' = gα'μ'Vμ' ・・・・・・・ (3) デカルト座標では gαμ = δαμ , V α = Vα −−−> Vα,β = V α,β またデカルト座標ではクリストッフェル記号が消えるから Vα;β = Vα,β , Vα;β = V α,β 従って Vα;β = Vα;β が結論される。またデカルト座標ではgαμ = δ αμ であるから次の式が成り立つ。 Vα;β = gαμV μ;β よってデカルト座標では Vα;β=gαμVμ;β この式はテンソル方程式であり、一つの座標系で成り立てば、あらゆる座標系で成り立つので次の式が得られる。 Vα';β'=gα'μ'Vμ';β' ・・ ・・・・・ (4) (3)の式を β' で共変微分すると Vα';β'=gα'μ';β'Vμ' +gα'μ'Vμ';β' ・・・・・・・ (5) (4)と(5)の式より gα'μ';β'=0 である事が分かる。この式は 曲った(リーマン)空間でも成り立つ。 【メトリックからクリストッフェル記号の計算】
(2)の式 gμν,β = gανΓαμβ+gμαΓανβ は gαβ,μ を Γμαβ から決めるために用いられる。また逆に gαβ,μ から Γμαβ を決める事が出来る事を示唆している。メトリックからクリストッフェル記号を計算する前に、その計算に必要なクリストッフェル記号の対称性を証明しておく。(=任意の座標系で Γμαβ=Γμβα が成り立つ事)
の接線ベクトル は = である。 xβ で微分すると = Γμαβ 同様に = Γμβα 偏微分は交換可能だから 従って、任意の座標系で Γμαβ = Γμβα となる。 (2)の式の添え字を書き換える。 gαβ,μ = Γναμgνβ + Γνβμgαν gαμ,β = Γναβgνμ + Γνμβgαν (上の式に対してβとμを入れ換える) gβμ,α = Γνβαgνμ + Γνμαgβν (上の式に対してαとβを入れ換える) 第一式と第二式を加え、第三式を引き、g及び Γ の対称性を用いて項をまとめると gαβ,μ+gαμ,βーgβμ,α = (ΓναμーΓναμ)gνβ +(ΓναβーΓνβα)gνμ +(Γνβμ+Γνμβ)gαν 従って次の式が得られる。 gαβ,μ+gαμ,βーgβμ,α = 2gαν Γνβμ これを2で割り、gαγ を掛けると(αに関して和をとる) gαγgαν = δγν , δγνΓνβμ = Γγβμ 以上により、次の望みの式が得られる。 ◆ Γγβμ = gαγ ( gαβ,μ+gαμ,βーgβμ,α ) 6. クリストッフェル記号で計算した幾つかの Γ を検証してみる。 Γrrr = gαr ( gαr,r+gαr,rーgrr,α ) = 0 Γrθθ = gαr ( gαθ,θ+gαθ,θーgθθ,α ) = ーgθθ,r = ーr Γθrθ = gαθ ( gαr,θ+gαθ,rーgrθ,α ) = gθθ,r/r2 = Γθθθ = gαθ ( gαθ,θ+gαθ,θーgθθ,α ) = 0 先に計算したのと一致する。 付録:共変微分はテンソル
ベクトルの微分は一般にテンソルではないが、基底ベクトルもいっしょに微分した共変微分はテンソルである。その事を略解で示す。
プライムの付いた座標系の値をプライムの付いてない座標系の値に変換する式は Aα=Λμ'αAμ' , Bβ=Λβ ν'Bν' 変換行列は Λμ'α= , Λβν'= Vα;β = Vα,β + Vγ Γαγβ ・・・・・・・・・・ (1) Vα,β=Λαν'Λμ'β + Λμ'βVν' ・・・・・・・・・・ (2) Vγ Γαγβ=Λαν'Λμ 'βVγΓαγβーΛμ 'βVν' ・・・・・・・・ ・・ (3) (2)と(3)より Λμ'βVν' の項は消えて Vα;β=Λαν'Λμ'β( + Vγ Γαγβ )= Λαν'Λμ'βVν';μ' ∴ Vα;βは変換則を満足するからテンソルである。
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