Museワンポイントどころではないレッスン


ドラムの表情付けのしかた

よくあるこんなパターンを今回は本物らしく聞こえるようにしていこうと思います。


*FING "x1"
{
#Z1 |[o2c]0 ,4_8,8,4_4|
#Z2 |[o2d]0 _4,_,|
#Z3 |[o2f+]0 ,8,,, ,,,,|
}3


これでは、思いっきり機械っていう感じの演奏に聞こえると思います。実際の生の演奏ではこのような一定の強さでドラムを叩くということはありません。ドラマーは無意識か意識的か、抑揚をつけた演奏をするはずです。そこの所をよく考えて強弱をつけていきたいと思います。
まずは、どのように強弱をつけていけばいいのかを考えていきましょう。音楽の時間に先生が4拍子の曲の場合は1拍目は強く2拍目は弱めに……というようなことをいっていたのを覚えているでしょうか?多分、一度くらいは聞いたことがあると思います。なに?聞いたことがないだって?でも、実際そうなんです。何も伊達や酔狂で小節というものがあるものではないんです。自然とこうした強弱を与えることで、曲が生き生きとしてくるものです。
さらに、ドラムの場合は、スネアと同時に叩くクローズドハイハットなどはかなり強く叩くようです。
というわけで強引ですがさっそくそのようにデータを作ってみましょう。このとき、強弱をつけるときは必ずvを用います。小文字の方のvですよ。これはMIDI界では「ベロシティー」といいます。これを直訳すると「速さ」ということになりますが、これは打鍵の速さと解釈すればよいと思います。また、音源によってはこのベロシティーによって発音する音を買えているものもあります。このような機構を採用しているMIDI音源を使っている場合はよりリアリティーある演奏になると思います。

*FING "x1"
{
#Z1 |[o2c]0 v120,4_8v90,8v110,4_4|
#Z2 |[o2d]0 _4v100,_v105,|
#Z3 |[o2f+]0 v100,8v40,v120,v30, v100,v40,v125,v30,|
}3


今度の演奏はどうでしょう。ぐっとそれらしくなったのではないでしょうか?今回はベロシティーのみの表情付けでしたが、いろいろとエフェクトを使うことでより本物に近づけることが出来ると思います。そこまでやってしまうと今度は楽曲に依存という形になりそうなので、今回はここまでとします。

<付録> 僕は、ドラムのフィンガーと実際の楽器とを一対一対応で書くことにしています。具体的には下記の通りです。

#Z0 :不定
#Z1 :バスドラム
#Z2 :スネア
#Z3 :クローズドハイハット
#Z4 :クラッシュシンバル
#Z5 :ハイタム
#Z6 :ミッドタム
#Z7 :ロータム
#Z8 :フロアタム
#Z9 :ライドシンバル

#Z0はその楽曲により違うけどだいたいオープンハイハットが来ることが多いです。

ベースについて


ベースとは、楽器名を表すものではなくて一番低音部を担当するパートとして捕らえた方がいい。まず、ベースには次のような種類がある。

  • エレクトリックベース
  • ウッドベース
  • フレットレスベース
  • シンセベース



  • それではそれぞれの特徴を見ていこうと思う。

  • エレクトリックベース


  •  ポップスやロックで一般的に使われる種類のベースである。ギターに似たボディーに4本の弦が張られた電気式の弦楽器である。奏法としては、指で弾くフィンガー奏法、ピックを使うピック奏法、弦を叩いたり引っかけたりするスラッピング奏法などがある。
     ピックを使えば、硬質な張りのある音が得られる。そして、強いアタックが得られるために厚いアンサンブルの中でも埋もれにくいのでハードロックなどで用いられている。
     スラッピング奏法は、チョッパーなどとも呼ばれている。強烈なアタック感と、ダイナミクスの起伏の激しさが特徴である。もともとは、ファンク系で多用されていたが、今ではポップスをはじめとするあらゆるジャンルで使われている。

     

  • ウッドベース


  •  いわゆるコントラバスのことである。バイオリンを大型化した木製の4弦のアコースティック楽器である。演奏には弓が使われることもあるが、指で弾くピチカート奏法が中心である。
     音色的には柔らかい感じがするが独特の重厚さを持っている。またフレットがないために微妙な音程感がある。

     

  • フレットレスベース


  •  ウッドベース同様、フレットのついていないエレクトリックベースである。音色的にも暖かでなめらかである。指のスライドを使った、ビブラート、スラー、ポタルメントなどを使った特徴的なフレーズを奏でることが出来る。

     

  • シンセベース


  •  鍵盤楽器の一種であるシンセサイザーでベースに相当する音を出し演奏するということであり、シンセベースという楽器があるわけではない。現在ではこのシンセベースを使うことが多く、ひとつのジャンルを築いているといってもいいだろう。
     シンセベースを使うメリットとして、音色の多彩さがある。また、その構造上、奏法面から来る制約が少なく、微妙なムラや揺らぎが少なく安定した低音が出せる。
     MIDIにおいては、上位機種ほどこのシンセ系の音が充実していると言える。よりおおくのROMを搭載できることで、多彩なシンセの音が収録されているのである。




     Muse打ち込み時に注意する点

     ベースは通常実音よりも1オクターブ高く記譜されている。このために楽譜通りに入力していったのでは1オクターブ高い音が鳴ってしまうので注意が必要である。すべて、手で1オクターブ低い音を入力していくか、データの先頭にT-12などと記述すると良いだろう。
     また、シンセベースなどでは、音色の倍音とのかねあいなどから音域によって聞こえる音がかなりちがってくる。この場合は、耳で確認しながら使っていく音域を決定した方が良さそうである。


     ベースの役割

     ベースとはサウンドの低音部を受け持つパートである。また、ドラムと共に曲のリズムを受け持つ役割を持っている。バンドスコアーをよく観察してみると、ベースとバスドラムの形成しているリズムはほぼ同じであることが多い。また、コード進行を導き、曲の流れに進行感を持たせる役目を持っている。
     全体の編成から見てみると、上に乗るさまざまな楽器やパートの土台となるのでどのような演奏をするかによって楽曲全般に影響してくる。
     基本的にベースはコードの最低音を担当する。コードが基本形の時には根音を転回形の時には、コードの3度5度7度の音が使われる。また、ベースのペダルポイントの使用や特殊なコードでは、コードトーン以外の音がベースノートになることもある。
     
     
     とまあ、いろいろと書いてきたが実際の打ち込み。
     
     ここでは、話を簡単にしていくためにGM音色だけに限っていこうと思う。
     
     

     P33 : Acoustic Bass
     P34 : Electric Bass(finger)
     P35 : Electric Bass(pick)
     P36 : Fretless Bass
     P37 : Slap Bass 1
     P38 : Slap Bass 2
     P39 : Synth Bass 1
     P40 : Synth Bass 2
     

     
     実際の生演奏を考えてみることにする。ベースは低音をしっかりとになう楽器であるから、他の楽器よりも起伏はそれほど大きくない。スラップ奏法では特定の音に対して強いアクセントをつけるが、基本的にはどっしりとした安定した低音で存在感を出す必要がある。
     レコーディングの現場では、コンプ/リミッターを使って、不要なピークを抑え、全体の音量を上げ音圧を与えることが多い。
     ただ、強弱のないベースラインではフレーズに表情はつかない。
     そこで、一般的な8分音符の連打フレーズを考えていきたい。これは、ドラムのハイハットの刻みと同じである。
     
     

    例1) v100dv90dv100dv90d v100dv90dv100dv90d
    例2) v100dv90dv90dv100d v95dv90dv90dv90d
     

     
     例1では単純に表拍に軽いアクセントとつけてみた。
     例2では、8ビートのバスドラムに合わせてアクセントをつけてみました。
     このほかにもいろいろなパターンがあると思います。実際の、ミュージングではどの音を強くするかまたは弱くするかいろいろと迷うことだろうと思います。この場合は、自分がベーシストになったとして口ずさみながら模倣してみるとフィーリングがつかめることかと思います。また、常にバスドラムの動きを意識してみることも良いでしょう。
     また、音域によって音の大きさが変わって聞こえることもあります。その場合はV値を調整することによって、解決していくと良いと思います。
     
     つぎに、音の長さについてですがこれも実際に演奏することを考えてみましょう。たとえば、同音(同弦)の音を連続して出す場合を考えてみましょう。同じ音や同じ弦を続けて弾くときには一度前の音を切ってから次の音を出すと思います。たとえば、
     
     

     d4.d8d2 
     

     
     というのはよくあるフレーズですが、2拍裏の8分音符の長さは8ビート特有ののりを演出するために重要な音になる。これもいろいろと研究してみる価値があると思います。

    ギターについて


    ギターには次のような種類がある。

  • エレクトリックギター
  • アコースティックギター
  • そのほかのギター

  • それぞれの特徴は以下の通りである。

  • エレクトリックギター


  •  エレクトリックギターは非常に幅広く使われている。最近では、低音側に1つ弦を追加した7弦のギターも使われている。  ギター本体では小さなお年かでないが、弦の振動をピックアップで拾い、ギターアンプで増幅してやることによって大きな音量を得ることが出来る。音色は大きく分けてクリーンギター、ディストーションギターの2種類がある。とくに、ディストーションはエレクトリックギターでしか得られないサウンドなので、エレクトリックギターというとこのディストーションサウンドをイメージすることが多い。

     

  • アコースティックギター


  •  アコーステックギターは、生ギターとも呼ばれており、フォーク機ター、ガットギター、フラメンコギターなどの種類がある。
     本体に大きな箱がついておりそこで共鳴させてならすために、電気増幅をしなくても十分な音量が得られる。

    ガットギター
     アコースティックギターのうち、ガット(腸)弦を使用するもので、クラシックギターとも呼ばれている。ガット弦の使用が最大の特徴ではあるが最近ではナイロン弦で代用することが多い。このために、ソフトで暖かみのある音色が特徴となっている。

    フラメンコギター
     その名の通りフラメンコに使われるギターである。クラシックギターに似ているが、表板に薄いセルロイド製のゴルペ板が貼り付けられているのが特徴である。フラメンコ音楽の特徴である、パーカッシブなタッピングを出すのに使われる。

    フォークギター
     形状的にはアコースティックギターの中でも小型で、ボディーのくぼみが深くなっている。一般的にはスチール弦が用いられ、その多くはブロンズ製である。スチール弦は明るく張りのある音を作り出す。特に、開放弦の豊かな響きは特徴的である。
     また、どちらかといえば、リードプレイよりもバッキング楽器として使用されることが多く、奏法的にも、コードストロークやアルペジオなどバッキングで使われることを前提としたものが中心になっている。

    メタルリゾフォニックギター
     スピーカー上の円錐形金属共鳴板を持ったギターで、ドブロギター、レゾネーターギターとも呼ばれる。カントリーやブルーグラスなどで使用される。


  • そのほかのギター

    12弦ギター
     名前の通り12本源が張ってあるギター。通常の6弦にくわえて3−6弦には1オクターブ高くチューニングした弦を、1,2弦には同じ高さの弦が張られている。この2本ずつまとまっている弦の微妙なピッチのずれが、コーラスエフェクターなどでえられない独特のうねりのある音を作り出す。リードプレイよりもバッキングで使われることが多い。

    エレクトリック・アコースティックギター
     通称、エレアコとも呼ばれる。アコースティックギターにピックアップマイクがセットされたもの。音色はアコースティックギターそのものであるが、電気増幅が得られ、エフェクターもかけやすいなどのメリットもある。そのため最近では、アコースティックギターの代用として多く使われている。




    ギターの記譜について

     ギターの記譜はTAB譜と呼ばれるものがある。これはギターを弾く人にとっては都合の良いものであるが、Muse打ち込みにははっきり言って都合が悪い。たいていの譜面は、通常の譜面があるのでそちらの方を見ると良いだろう。
     また、ギターは通常、1オクターブ高く表記されている。したがって、打ち込みをするときには、1オクターブ低く打ち込むとよい。

    ギターの役割

     現在の音楽においては、ギターは欠かすことの出来ない楽器となっている。バッキング楽器として、ソロー楽器としてジャンルを問わず活躍している。
     バッキング楽器としては、ベースとドラムが作り出す基本リズムの中に細かいリズム要素をくわえていく役目をになっている。リズムカッティング、アルペジオなどバラエティーに富んだリズムを作り出すことが出来る。また、キーボードのように多彩なコードサウンドを作ることが出来る。音程の広がりのあるコードは魅力的である。また、3度を省略したパワーコードもギター独特のものである。
     また、ギターソローを奏でたりする、リード楽器としての側面も忘れることが出来ない。表面に出てくるパートだけに、ビブラートやベンディングなどのテクニックを駆使して表現力豊かな演奏をしたいところである。
     こうした、幅広い役割の中で大きな力を与えるのがディストーションサウンドである。曲に力強さとダイナミクスを与える。これをうまく引き出すアレンジも重要となってくるだろう。

    アルペジオの入力について

     アルペジオというのは、分散和音。つまりコードをばらしてひくことである。アルペジオはピアノの演奏でも使われるが、ギターらしいアルペジオというのを追求してみたいと思う。
     ギターでのアルペジオを考えるときに、一番重要なことは、ひいた音が実際にはどのように重なっているかである。つまりひいた音がどこまで発音し、どこで切れるのかということである。何も考えずに打ち込んでいくと次のような感じになると思う。


     #A1 |@P26x1 cege cege|
     


     これを今書いたことを念頭に置いてかいてみるとこのようになるのではないでしょうか?
     

     #A1 |@P26x1 c1 c1 |
     #A2 |x1 _4e2e e2e4|
     #A3 |x1 _2 g1 g2 |
     

     
     どうでしょうか?少しばかり手間はかかりそうですが、少しは本物の演奏に近づいたと思いませんか?

    キーボードについて

     ここでいうキーボードとは白鍵と黒鍵からなる鍵盤を備えた楽器の総称である。鍵盤はそれ自体が発音するのではなく、発音体をコントロールするためのものである。したがって、発音の仕組みが異なるさまざまな楽器が存在する。

  • 弦を発音対とする鍵盤楽器


  •  これはピアノに代表される楽器である。ハンマーで叩くことによって弦を振動させ、それを大きな木製の箱に共鳴させて大きな音を出すという仕組みである。エレクトリックピアノの一部には、弦の振動をその筐体に共鳴させるのではなく、ピックアップマイクで拾ってそれを電気的に増幅して音を出すタイプもある。
     弦を発音体とする楽器はほかに、ハープシコードやチェンバロがある。これらは弦をひっかくことによって音を出している。この方式だとあまり大きな音が出ず、音の強弱も表現しにくい。そのために、弦を叩く方式のピアノがでたわけである。また、弦をひっかいて出した音を電気的に増幅した鍵盤楽器がクラビネットだ。

  • 金属片を発音対とした鍵盤楽器


  •  ハンマーで金属片を叩くことにより発音する鍵盤楽器としては、チェレスタがある。鍵盤打楽器と呼ばれるグロッケンシュピールやビブラフォンは直接マレットで金属片を叩いて音を出すわけだが、それを鍵盤を使ってコントロールするようにしたものと考えてもいいだろう。音色はベルに近く、あまり大きな音は出ず、強弱の表現もしにくい。

  • 管楽器的な鍵盤楽器


  •  もともとオルガンは、数多くのパイプに空気を送り込むことによって音を出す楽器であった。そのため、管楽器の数や大きさによっては楽器というよりもむしろ建造物といいたくなるようなものが存在する。
     これをコンパクトにしたものがリードオルガンである。パイプの代わりにリードと呼ばれる小さな金属片を空気で振動させることによって音を出す仕組みになっている。これはハーモニカに近い構造である。口から空気を送り込む代わりに鍵盤によってそれを制御しているのである。これをさらに小型化したものとして、鍵盤ハーモニカと呼ばれるものもある。通称、ピアニカ、メロディか、メロディオンなどと呼ばれている。

  • 電子楽器


  •  電子回路を音源とする鍵盤楽器の総称である。シンセサイザーに代表されるが、電子ピアノ、電子オルガンなどさまざまな種類のものがある。従来はのこぎり派などの基本は形をフィルターで削ったり、別の波形で変調したりして音をかこうしていたが、最近ではデジタル録音された音素材をもとに音を作り上げていくタイプの音源が主流となってきており、既成の楽器音をはじめ、さまざまな音色を出すことが出来る。


    ピアノ
     ピアノはピアノフォルテの略称である。普通、ピアノといえば、アコースティックピアノをさすが、これにもグランドピアノやアップライトピアノなどがある。いずれにしても88鍵の広い音域は、オーケストラでいえば、上はピッコロ、下はコントラバスまでも完全にカバーする。あらゆる楽器の中で最も広い音域を持っている。
     打弦楽器であるために、音は減衰するがその長さはギターなどより長い。また足下にあるサスティンペダルによって、鍵盤から指を離しても音をのばせるサスティン効果が得られる。Museでいえば、Y1,Y0という指定がこれに当たる。
     また、打鍵の強さによって、音両面だけではなく、柔らかい音からきらびやかで固い音まで変化に富んだ音が出せるのもピアノの魅力である。MIDI音源でも、ベロシティーの値によって、音色を変化させているものもある。Museではベロシティーというのはvにあたる。
     ピアノの演奏表現のポイントとしては、音の自然なのばし方である。両手が調和するようにサスティンペダルをうまく使うことである。特にコードの変わり目ではしっかりとオン・オフしないと音が濁ってしまう。
     打ち込みの実際では、サスティンペダルの情報を使わず、デュレーションで音を伸ばす方法もあるが、これだとニュアンスがつかみにくいだろう。実際のペダリングを意識してサスティンペダルの情報で音を伸ばしていく方がよい。
     また、ハモリや和声部ではトップノートのベロシティーを他よりも強めに入力していくと美しく聞かせられるだろう。
     また、バッキングとしてのピアノならば、音の切り方とあまり音をそろえすぎないこと。多少ラフなフィーリングで入力していくといい結果が出ることが多い。


    オルガン

     オルガン、独特の特色として持続音を出せるということになる。鍵盤楽器としては持続音を出せるのはオルガンと電子楽器くらいなものだろう。この特性を生かし、レガート奏法や、共通音を保持したペダルポイントがよく用いられる。  打ち込みでの実際の表現としては、DTM音源ではベロシティーによる表現が可能ではあるが、オルガンという楽器の特性からいってこれはそぐわないだろう。本物のフィーリングを追求するならば、vをそろえて、Vで強弱をつけていくというのが自然なやり方のように思える。
     また、オルガン特有のロータリースピーカのニュアンスを表現するのは難しい。音源によってはスロー用・ファースト用の音色が用意されている場合があるので活用してみるといいが、反面音源依存していくという結果になる。また、MIDIであれば、インサーションエフェクトでロータリースピーカーの効果が用意されているが、残念ながらMuseではそれが出来ない。

    ドラムというものの構成について

    現代音楽においてドラムというのはもはや欠かせないものであるが、どうやって演奏させていけば分からないという方も多いとおもう。そういうわけで、今回はドラムセットの構成要素についてお話しをしていきたいと思う。なんか、このレッスン、打ち込みの話よりも、楽器についての各論の方が多いような気がする。ちょっと予定外だなあ。

  • バスドラム(ベースドラムともいう)

  •  ドラムセットの中では最も低い音を出す。リズムを形成する上で土台を固める役目を果たし、通常ベースラインとの関連で動くことが多い。(ユニゾン・コンビネーション)このバスドラムのあり方次第で曲全体の重量感が変わってくる。

  • スネアドラム

  •  曲の基本リズムやビートにアクセントやのりを与える。ジャンルや曲想においてさまざまなパターンでアプローチを得られる。また、チューニングやトーンによってもいろいろな音が出る。ちなみに、僕は高く、乾いた音のスネアが好きである。このため、よくドラムではP10のヒップホップセットを採用することが多いが、これは一部の音源でしかうまく再生できないのが哀しいところ。

  • ハイハット

  •  ハイハットは曲の基本となるリズムを刻んだり、ビートを提示する役割がある。ドラムセット中でもっとも手数が多いパートとなる。また、このハイハットのアクセントの付け方でものりやスピード感が大きく変化してくる。打ち込みの際には、ハイハットだけはベロシティーをつけてもらいたいものだ。
     演奏スタイルとしては、ペダルを踏んだまま叩く、クローズドハイハット(x1o2f+)ペダルをあげたまま叩くオープンハイハット(o2a+)そのほか、半開き状態で叩く、ハーフオープンや手で叩かずにペダルを踏んで音を出すふっとハイハットなどの奏法もある。

  • タム

  •  タムは、基本パターンにおいてリズムに変化をつけるときに使う。メインはバスドラムやスネアドラムを叩きいざというときにタムを使うという感じである。タムはドラムセット中数個を組み合わせて使い、高い音を出すものから低い音を出すものまである。

  • ライドシンバル

  •  ハイハット同様の使われかたをする。ハイハットの刻みよりも多少派手な印象を与えるがリズムに繊細な表情をつけるときにもよく用いられる。

  • クラッシュシンバル

  •  クラッシュシンバルは、曲の変わり目、ブロックの切れ目シンコペーションなどで強いアクセントをつける役目で使われる。これも数個組み合わせて使われることが多い。

    ついで。ドラムの役割

     ドラムは曲のリズムの土台としての役割を持っているのはいうまでもなく、8ビート16ビートなどのリズムの基本を作り出す。
     また、曲の盛り上がりなどアンサンブルのダイナミクスを先導する存在にもなる。曲のきっかけなんかがそうだ。いきなりドラムから曲が入る曲も少なくない。また、アクセントやシンコペーションなどもドラムの存在なしには考えられないだろう。
     バンド形式での演奏の格好良さにはドラムの存在に追うところが大きい。このドラムがしっかりしている演奏はそれだけで全体が引き締まり上ものの演奏もタイトに聞かせられる。逆にドラムがぎくしゃくしてしまっては、他のパートがしっかりしていてもその演奏は成り立たないであろう。

    ストリングス


     ストリングスというのは弦楽器のことでつまり、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの総称である。

  • バイオリン

  •  バイオリンは、弦楽器の中でもっとも有名な存在であろう。通常は高音部のパートを受け持っているが、情感深い中音域から鋭い音の高音域まで奏法によって幅広い表現力を兼ね備えている。また、ソロー楽器としてもよく使われ、フレーズ的にも柔軟性に富み速いフレーズ、複雑なフレーズなども得意としている。

  • ビオラ

  •  ビオラはバイオリンと形状がよく似ているが、若干大きめである。中音行きのパートを受け持ち、音色はバイオリンよりも柔らかく、暖かな響きを持っている。ソロー楽器として使われることはあまりなく、むしろアンサンブルの質感を高めるために使用される楽器である。

  • チェロ

  •  チェロは低音部を受け持ち独特の暖かみと力強い音色を持った楽器である。少ない人数でも充実した響きを与えアレンジによっては低音域のカウンターフレーズとして存在感のある音を出すことが出来る。また、ソロー楽器としてもよく使われ、豊かな表現力を持っている。

  • コントラバス

  •  コントラバスは最低音をになうパートである。チェロとのオクターブユニゾンで動いたりまたチェロが動いているときにはしっかりと低音で支えるという役割が多い。ウッドベースと呼ばれるものと同じ楽器であるが、ジャズやポップスでのバンドの中のベースとして使われる場合の奏法とは違い、ストリングスパートでは速いフレーズなどはあまり使われていない。


    打ち込みによるストリングスのシミュレーション

     だいたい、オーケストラの打ち込みの時には、P49のストリングスを使うことと思う。それ自体は悪いことと思わないが、これは注意しないとバイオリンもビオラも全部区別が付かなくなってしまう。というわけで、ここではそうならないようにするためのポイントを抑えていこうと思う。
     まず、基本。各楽器のあるべき位置に、ステレオ指定(S)で、パンを割り振っておくこと。まあさすがにこれをやっていないデータは見あたらない。通常は、左から、第一バイオリン、第二バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの用に割る振ると自然である。だが、たとえば第一バイオリンと台にバイオリンが対になって動く場合なんかはそれぞれを左右に割り振ってやるというのも面白い効果が得られる。
     このとき、同じ音色を使っている場合には、ピッチ(U)を微妙にずらしてやると効果的である。でも、Museのそれはピッチの幅が少しばかり荒いので、効果をよく確認してやることを薦めます。
     最後に、エフェクトだが、コーラス(Q)が効果的ではあるが、全てのパートに同じようにコーラス(Q)をかけてしまうと、パン(S)の設定が無意味になってしまう。コーラス(Q)をかける場合には音圧の弱い楽器を補強するくらいに聞かせておくと良いでしょう。

     次にだんだん細かい話へと移っていく。ストリングの入力ではベロシティ(v)も重要であるがもっと重要なのはボリューム(V)である。本当はエクスプレッションといいたいところだがどうやら、(V)はMIDIでいうところのボリュームになっているらしい。
     同じ、クレッシェンドでもいろいろなあがり方があるというのは気がついているでしょうか?Museでは、「V+20:1」のような便利な表現があるので、ついついそちらを使ってしまいがちであるが、本当に直線的に上がるクレッシェンド、デクレッシェンドでいいのだろうか?本当は曲線で上がりたいのではないだろうか?もう一度よく考えてもらいたいです。  もっとも、曲線で表現するのはMuseではとても大変です。微小時間ごとに、ボリューム(V)指定を書かなければいけないというとてつもない作業になります。まあ、ここぞというときに使うことになるんでしょうか?
     次にレガート表現について。弦楽器というのは通常弓を使って演奏します。ということは一回の弓で複数の音を出すこともあるわけです。そうして演奏された音にはほとんどアタックがつきません。これを打ち込みでシュミレートするにはどうしたらいいのだろうか?
     まず考えられる方法はピッチ(U)を動かして、なめらかにつないでいく方法です。ただ、この方法ではあまりピッチを変えすぎると、元の音とは全然ちがう音が出たりします。音質面での問題があります。
     そこで、ベロシティー、ボリュームを駆使してなんとかレガートに聞かせていくようにしてください。
     そして最後に飛び道具。VSCやSC−88Pro,SC−8850なんかにはレガート音色なるものがあります。まあ、弦楽器の多くがこれに当たるんですけどもそういった音色では、前の音を消す前に次と音を出して、音を重ねるようにしてあげると自動的にレガートに演奏してくれるという優れものです。ただ、これに対応していない音色や音源だと何の意味もありません。「q+5x1cde」のように入力してあげると手間が少なくて良いでしょう。Museの新機能の止音、出音の機能があって良かったなあ。この機能を作るきっかけとなった僕と実際に実装した開発者さんに感謝をしましょう(爆)

    ホーンについて


     ブラスとは、金管楽器の総称である。トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバなどがこれに含まれる。また、サックスは本来は発音にリードを使うことから木管楽器に分類されるがここではブラスとして扱うこととする。
     木管楽器としては、クラリネット、フルート、ピッコロ、オーボエ、ファゴットなどがそうである。金管楽器、木管楽器のうち、トランペットのように朝顔型の開口部を持つ楽器のことを総称してホーンと呼ぶ。

    各論

  • トランペット

  •  トランペットは、金管楽器の中でももっともなじみのある楽器の一つであろう。力強い高域にくわえて、中域の哀愁ある響きが魅力的である。他の管楽器ともなじみやすく、速いフレーズやトリルを生かしたフレーズも得意である。
     また、コルネットやフリューゲルホーンは、形状や奏法の面でトランペットのグループとして扱われている。フリューゲルホーンはトランペットの持ち替え楽器としてもよく使われている。また、バロック音楽などでは通常のトランペットよりも高いトーンが出るピッコロトランペットが使われることも多い。

  • トロンボーン

  •  トロンボーンはトランペットと並んで金管楽器の代表である。ピアニシモからフォルテッシモまでの広いダイナミクスを持っているが、トランペットと組み合わせることで、パワフルなサウンドが打ち出せる。ソローでの甘いトーンも魅力的だが、右手でスライドを伸縮させてピッチを変えるため、極端に速いフレーズには対応できない。しかし、2音間のポルタメントを生かしたなめらかなフレーズはトロンボーンならではの独特のものがある。
     また、スライド式の他にトランペットと同じくピストンによってピッチを変えるバルブ・トロンボーンもある。

  • フレンチホルン

  •  オーケストラの中では主に中音域を受け持つ主要な金管楽器となる。他の金管楽器に比べると音の輪郭が不明瞭でアタックの鋭さに欠けるためにソロー楽器としてはあまり使われない。しかし、豊かで暖かみのある音色は魅力的である。そのためにバラード曲の中音域でのカウンターフレーズにもよく使われる。

  • チューバ

  •  チューバはバルブのついた大口径の間を持つ大型の金管楽器である。低音部のパートを受け持つ。ダイナミクスの差が激しく、アタックも独特の鋭さがあるため他の金管楽器を組み合わせたときにも存在感がある。

  • サックス

  •  サックス(サキソフォン)は、バリトン、テナー、アルト、ソプラノなど多くの種類がある。音色的には木管と金管の中間である。管楽器の中でもっとも肉声に近い楽器ともいわれている。表情豊かなその音色は人気が高く、ソローとしてもアンサンブルとしてもあらゆるジャンルの音楽において多用されている。

  • クラリネット

  •  閉管式の音振動によって音を発する木管楽器である。ソプラノが標準楽器で、そのほか、小クラリネット、アルト、バスなどの種類がある。アタック感は弱い。ダイナミクスの起伏もそれほど大きくはない。素朴で暖かみのある音色が特徴。ポップスの中での使用は少ないが、ジャズにはなくてはならない楽器。吹奏楽ではバイオリン的な使われ方をされることが多い。
  • フルート・ピッコロ

  •  フルートはポップス、クラシック、ジャズなどさまざまなジャンルでよく使われる。発音にリードを使わないいわゆる横笛構造が特徴である。特徴的な奏法として、広い音域にまたがるアルペジオ系のフレーズ、ビブラートを聞かせたロングトーン。トリルなどがあげられるだろう。
  • ダブルリード系

  •  オーボエ、イングルッシュホルン、ファゴットは、2枚のリードを持つ木管楽器である。オーボエは鼻にかかったような響きだが独特の哀愁を帯びた音色が特徴だ。イングルッシュホルンはオーボエと似ているが、音色はより柔らかい。ファゴットは低音域では厚く、中音域ではつやのある音色が特徴である。


    各楽器の音域について
     ホーンの音域は以外と狭い。実用的な裁量音域となるとさらに狭い。この各楽器の音域というものを理解して、きちんとした音域で聞かせるということも重要である。まあ、楽譜を見てMusingしているうちはその音域をでるということはないだろう。
     また、移調楽器も多い。トランペットは長2度上、テナーサックスは長9度上、アルトサックスは長6度上、バリトンサックスは1オクターブ+長6度上に記譜される。

    打ち込みの実際
     というわけで、いつもいつも前置きが長いが、やっと本題。まずは音色から攻めていこうと思う。
     現在、DTM音源にはトランペットやトロンボーンなど一通りの音色がおさめられている。また、各楽器のバリエーション音色も存在するため、ホーンの音色はかなりの数に上るだろう。いうまでもなくそのフレーズに最適な音色を選ぶことが大切である。アタックの弱い楽器を使ってシャープなフレーズに聞かせることは無理であるし、表現不能である。
     また、人数感のあるホーンセクションのパートを打ち込みたいときは、単体の音色を使うよりもアンサンブルのホーンセクションを使った方が効果的なことがある。またこの方が、手っ取り早く厚みのあるサウンドがえら得るだろう。これで、不足のようだったら、トランペットやトロンボーンといった単体音色をくわえていくという考えの方がいいかもしれない。
     強弱の付け方であるが、ロングトーンを吹く場合は決して音量の変化がないわけではない。打ち込む場合にもやはり音量変化が必要である。このとき、Vを使って表情付けをすると良い。たとえば、フルートやオーボエなどの木管楽器では1音を鳴らす間に、デクレッシェンド→クレッシェンドという起伏をつけることが多い。そのカーブは直線でも良いが、本来は曲線である。Vの遅延音長を利用するか、はたまた自分でVのカーブを作るべく入力していくかは手間と効果を秤にかけてやっていくと良いと思う。
     また、重厚なホーンセクションにおいては、大きな起伏でのクレッシェンド、デクレッシェンドでは、音量変化にくわえて、カットオフフリーケンシー(Q=a.bのaのほう)も同様のカーブで動かしてやると音色の明るさも変化していっそうよいだろう。
     ビブラートについてだが、基本的にはロングトーンでの使用となる。管楽器では持続音に対してビブラートで表情をつけていくことが多い。そしてその打ち込みには通常、Wが用いられる。ここで注意しなければならないのがそのかけ方である。特に長めの音符に対してはいきなりアタック時からビブラートを効かせるのではなくて、フレーズの中盤から後半にかけてじょじょに効かせていくのがよいだろう。
     また、シェイクという演奏表現もある。音を揺すってふるえさせる管楽器特有の奏法である。その速さはフレーズによってさまざまである。アプローチとしてはビブラートと同じだが打ち込みでこのニュアンスを出すには、発音とほぼ同時にはやく深いビブラートをかけてやると良い。W=とWの合わせ技となるだろう。また、大胆でユニークなシェイクを表現するにはUを使ってやると良いだろう。

    あとがき

     とまあ、書きたいことを書くだけ書いたのですが、そんなこと書いているヒマがあったらそのようにデータを作れ<自分という感じです。それだけ、いいデータを作るのは手間暇がかかることです。
     楽器の特性についてこまごまとか生きましたが、このようなことを考慮した演奏ができたらなあなんて自分でも思っています。