第3話 〔 夢 幻 の 世 界 〕
Mugen no Sekai



ぷん、と花の香りがした。

 

「いい、香り…」

 

目を覚ますと、青空が見えた。きれいな空…。

 

「こんなところで、娘っ子が何しちゅう?」

「え!?」

 

がばっと起き上がると、和服を着た男がこちらを見ていた。ぼさぼさのロンゲが、妙に似合っていた。

「あ、あなた誰?」
「わしか?わしは才谷梅太郎。梅さんやき。」
「梅さん…?(聞いたことないけど、井出達からして、役者さんとか…?)」
「おんしは?」
「あっ私は…」
「ほ〜、わしはまたどこぞの国から来たのかと思ったぜよ」
「ええ!?」
「だっておんしが着ちゅーのは、この国のもんじゃないきに。いや〜目のやりどころに困るがのぉ」
「え?? な、なんなんですか?」
「? どうも、話がつうじんのぉ。おまん、腹の具合はどうじゃ?」
「…はい?」
「で〜と、でもどうじゃ」
「デ、デート!? な、なんですか、いきなりっ」
「ほほ〜、通じるっちゅーことは…ますます気になるぜよ。おごるげに、どうじゃ」
「どうって…(ジロジロ)」
「はっはっはっ、おんしもわしのことが気になるようじゃし、行くぜよ!」
「ちょ、ちょっと…!」

 

私は突然現れた「梅さん」につれられていった。
そこで私は、自分に何がおこったのか把握した。

 

「…ここ…どこ…?」
「? 大阪は初めてなが?」
「…お、大阪!? なんで!? てか大阪ってみんな着物なの!?」
「はっはっはっ、おもしろいこと言う娘じゃな〜、日本が初めてなが?」
「日本っていうか本州…」
「本州? わしは土佐じゃが、おんしはどこから来ちゅう?」
「沖縄…」
「オキナワ? 江戸のどこぞの町かのう?」
「え…エドってあの江戸時代の…?」
「? 将軍様のおわすところじゃき。将軍様ぐらいは知っとるじゃろ?」
「しょ、将軍さま!?」
「ん〜…こりゃぁ時間がかかりそうじゃのう」

 

こうして、私達は食べ物屋?に入って、互いの認識についてしばらく話をした。
そうして、ひとつの結論に至った。

 

「つまり、おんしは未来から来たかもしれんっちゅーことか!!」
「た、たぶん…」
「ほっほ〜! 異国もんが凄いおもっちょったが、日本もなかなかじゃの〜」
「え?」
「過去に飛ぶ方法があるっちゅうことじゃろ? おんしはよぅわからんうちに来たようじゃが」
「そんな話きいたことないなぁ…」
「新しいもんっちゅーのは、聞いたことがないから新しいんじゃ。きっとすぐ帰れるきに」
「…梅さん…」
「そんまで、楽しんだら良か。そうじゃろう?」
「…正直、いきなりそんな気持ちにはなれないけど…最初に会った人が梅さんで本当に良かった」
「はっはっは、照れるぜよ。まぁ実際のところ、わしは新しゅうもんが好きやき良かったがや、他のもんはなっかなかなぁ…」
「海外で暮らしてたってことにしておいた方がいいのかなぁ?」
「そうじゃな…幸い、おんしは少しは今の時代をしっとるきに、なんとかなりそうじゃが…これからどうするが?」
「う〜ん…それが問題」

そうこう話していると、外から騒がしい声が聞こえてきた。

「乱闘だ!!住吉屋の前で力士と例の壬生浪士組ってのがやってるみたいだぜ!!」

「みぶ浪士…? なんか聞いたことあるような…」
「最近京にのぼってきた、なかなか面しゅう集団じゃ。いっちょ見に行ってみるかの」
「う、うん…てかさ、この格好、目立ってない?」
「わしもたいそう目立つ外見しちゅうぜよ、気にせん気にせん!」
「え〜…?」

 

そうして、私達は乱闘を見に店をでた。


 

 

第4話へ

 

 

 

 

 



あ、あれ〜?あれーーー!? ほ、ほんとに次は必ず近藤さんを・・・。
それにしても、梅さんの言葉むずかしい!! これはこうだ!てのあったら、連絡ください!!

since 2005.06| メニューサイトTOP