常時接続の環境


1.パソコンが1台しかない場合

このような構成のかたは、Kix E-Mail Server Setと、OutLookなどのメールクライアントは、同じパソコン上でお使いになるわけですので、OutLookなどの「送信サーバー」「受信(POP)サーバー」の設定欄には「127.0.0.1」を設定すれば使用できます。

ただし、この場合は、ウィルスバスターや、ノートンインターネットセキュリティーなどの、メール受信時に、ウィルスチェックを行うソフトは使用できません。


2.ルーターを使用して複数台のPCをお使いの場合

このような場合、少し複雑です。

それぞれのパソコンのIPアドレスは、以下のものと仮定します。
 パソコンA  192.168.0.51
 パソコンB  192.168.0.52

まず、パソコンAで、Kix E-Mail Server Setを動作させているとします。
OutLookなどは、パソコンBで使用するときは、「送信サーバー」「受信(POP)サーバー」の設定欄には「192.168.0.51」を設定すれば使用できます。



では、自宅以外の、パソコンCからの受信はどうすれば良いのでしょうか。この場合は、先に紹介して、多分、DynamicDNSで、すでに取得されたドメインを利用します。パソコンCでのOutLookなどは、パソコンBで使用するときは、「送信サーバー」「受信(POP)サーバー」の設定欄には「xxx.no-ip.com」のように指定すれば使用できます。

 しかし、この場合はルーターの設定が必要になります。
ルーター設定は、以下の章で説明します。



ルーター設定のコツ(Corega BAR SW-4P Proの場合)


まず、ルーターの説明書などで通常のブラウジングなどが出来る状態が前提とします。

サーバーを立てようと思うと以下の2点が問題になります。
1.DNSなどのアドレスは、DHCPでプロバイダーが設定してくるので、手動では、設定が難しい。
2.DHCPを使用してしまうと、再起動などをしたときにIPアドレスが変わる可能性があるので、OutLookなどにIPアドレスが設定できない。

この2点を克服するには、以下のように、「固定IPテーブル」を利用します。

パソコンAの上で、「スタート」「ファイル名を指定して実行」で、「winipcfg」と入れEnterを押すと、「アダプタアドレス」と言う欄があり、これが「MACアドレス」にあたります。この「MACアドレス」と言うものは、LANカード毎にユニークな番号が付与されていますので、上のように設定しておけば、ルーターは、これを確認して、毎回、同じアドレスを付与してくれるようになります。

これで、先の2つの問題は解決できるわけです。

しかしながら、サーバーを立てるには、もう1つ問題があります。それは、先ほどから私が説明している、IPアドレスである、192.168.0.??というのは、プライベートアドレスと言い、このIPアドレスでは、インターネットには出て行けません。でも、Webブラウジングなどは、問題なく出来ているのは、ルーターが、NAT(IPマスカレード)と言うテクニックを使って、仲介をしてくれているからです。しかし、さすがのルーターも、サーバー機能となると話は別です。

たとえ話をしましょう。

子機のついたワイヤレス電話ってありますよね。これらの電話機は、こちらから発信するときは、親機がすでに使用中であるかどかを判断して、親機が使用中の時には、子機からの発信は出来ないようになっていますよね。でも、外から電話がかかって来たときには、親機も子機も、ベルが鳴ります。これは、どちら宛の電話なのか判断できないからです。

パソコンで説明すると、「ホームページを見る」というのは、見る側が、電話をかけるようなものですから、電話機としては、今、電話をしているのは、親機なのか子機なのかわかっているわけです。でも、Kix E-Mail Server Setの様なサーバープログラムは、外部からの呼びかけで動作を開始しますので、ルーターの外から来る呼びかけに対して、親機宛てなのか、子機あてなのかは区別が出来ないわけです。しかしながら、パソコンで使用するTCP/IPというものには、「ポート」と言うものがあります。これは、電話で言えば内線番号のようなもので、電話番号で、とりあえず、その家までは、電話がかかり、それに続けて内線番号をつけると、親機なのか子機なのかを区別できるようなものだと思えば、わかりやすいでしょう。
Kix E-Mail Server SetのKixRSとKixPOP3は、それぞれ、サーバープログラムですが、同じパソコンの上で、同時に動作できるのも、この「ポート」と言う内線番号のおかげです。

では、SMTPやPOP3は、実際には、何番のポートを使用しているのでしょうか?OutLookなどでも、これは、見ることが出来ます。OutLookExpressであれば、「ツール」「アカウント」のなかで、アカウントを選択し、「プロパティ」「詳細」を見ると、SMTP(送信)は、「25」、POP3(受信)は、「110」となっています。

そうです、外部から、内線番号「25」や、「110」にかかってきたものを、Kix E-Mail Server Setが動作しているパソコンに送るようにルーターに設定すれば良いわけです。BAR SW-4P Proでは、以下のようになります。

もし、お使いのルーターに、「バーチャル・サーバー」などの項目が無い場合は、「DMZ」などの機能を使用することも出来ますが、このあたりの価格帯のルーターの「DMZ」というのは、内線番号が何番であろうとも、すべての呼び出しを、特定のパソコンに送る機能ですので、パソコンの方では、ファイヤーウォールソフトなどを入れられることをお勧めします。