旧式のPC-98で、HDDのかわりにコンパクトフラッシュ(CF)をIDEコネクタに接続するアダプタを試用してみた。 当初は接続したCFが認識されないというトラブルが発生したが、PC-98本体の側の設定を変更することで、ようやく正しく認識されるようになった。
※ただし、いったんHDDとしてフォーマットされたCFは、以後、基本的にはHDDとしてしか認識されなくなってしまうので注意が必要。 (→ 追記 )
別のところでも触れたように、筆者はいまも現役のPC-98ユーザです。 現在使用している本体(デスクトップ型)は、内蔵IDEで認識可能なHDDの容量が4.3GBまでという機種なので、PCIスロットにUIDE-66(Ultra ATA/66インタフェース)を取り付けて、そこに20GBのHDDをつないでいます。 問題は、「いま使っているHDDの寿命が来たとき、かわりの品物は手に入るのか?」ということです。
UIDE-66は、通常、32GBまでのHDDしか扱うことができません(PC-98の場合)。 某フリーソフトと組み合わせれば127GBまでいけるそうですが、それくらいの容量で、しかもインタフェースがIDEとなると、現在でも選択肢の幅はだいぶ狭まってきています。 とりあえず、いまのうちに何か手を打っておかないと、あとで後悔しそうな気がします( 註1 )。
さて、そんなこんなでHDDやSSD関連の商品を物色しているとき、CFをIDEコネクタに接続してしまうアダプタが存在することを知りました。 調べてみると、CFのインタフェースの規格には最初からIDEとの互換性が盛り込まれているのだそうで、そういう意味では、SDカードをIDEに接続するアダプタなんかに比べると、かなり安心して使えそうです。 また、CFならそう簡単に小容量の製品が廃れることはなさそうな点も、ドライブの容量制限に悩まされている旧世代PCのユーザにとっては、逆に魅力となり得る気がします( 註2 )。
というわけで、現時点ではまだ必要はなかったのですが、とりあえず値段も安いことだし、試しにひとつ買ってみました。
玄人志向ブランドの製品も含めてさまざまな商品があるなかから、今回筆者が選んだのはノーブランドの「PCB-2CF/IDE-M」というもの(
註3
)。
CFよりひとまわり大きい程度の基板上に40ピンのオス型IDEコネクタを備え、2枚のCFを使用可能な(2ドライブとなる)タイプの製品で、値段は送料込み1800円ほどでした(
註4
)。
ちなみに今回の商品の場合、マニュアルのたぐいは一切同梱されていませんでしたが、「見ればわかる」品物ではあるので、そこは特に問題にならないと思います(
註5
)。
とりあえず買ってはみたものの、いざというとき使えないのでは話にならないので、さっそく動作確認を行なってみました。
実験1の結果を受けて、いつものように手当たり次第にいろいろ試していたところ、本来ならば4ピンで3系統(3対1)を構成しているであろうFDD用電源コネクタにおいて、両端の2本を結ぶ経路に電圧が来ていないことが判明。
そこから、ようやくPC-98のソフトウェア・ディップスイッチにFDDのモーター制御云々という項目があったことを思い出し、実際に該当する箇所を確認してみると、案の定「制御する」設定となっていました。
もしも「モーターの制御」が「(FDDへのアクセスが要請されたとき以外は)電力を供給しない」ことを意味するのなら、この設定が有効になっている限り、CF-IDE変換アダプタには必要な電力が供給されないことになります。
先の実験でCFの存在が認識されなかったのも、当然というわけです。
実験後、しばらく経ってから気づいたのですが、このとき使用したCFは、なにやら「普通のCFとしては」使えない代物になっていました。 具体的な症状は以下のとおり。
おそらくは、ディスクの管理領域だかなんだかがおかしなことになってしまったんだろうと思うのですが、どうしたらそれを正常な状態に戻せるのか、低レベルな筆者にはさっぱりわかりません。 とりあえず、いつものごとくジタバタと検索していたら、複数のページで「CFがおかしくなったときはデジカメでフォーマットすると直るかも」みたいな情報を見かけましたので、そのとおりやってみたら、まあなんとか今回は復旧できました(このためにジャンク扱いの中古デジカメでCFに対応してるのを探して買ってきた)。
とはいえ、この「困ったときはデジカメでフォーマット」というルールが常に有効なものとは限りませんし、そもそもCF対応のデジカメがなければどうにもならないわけですから、本来、私のような低レベル者がCF-IDEアダプタを使用するときは、それなりの覚悟をしておくべきなのかもしれません。
註1: ちなみに筆者がはじめてこうした容量制限の問題を知ったとき、UIDE-133/98(A)やPK98-Mistress9といった製品はとっくの昔に販売を終了しており、それから慌てて(中古で比較的手に入りやすい)UIDE-66を確保した、といういきさつがあります。 まあ、UIDE-133/98なんかは、どうせ筆者の所有する機種では使えないようですが(大熊猫biosも)。
註2: Windowsの起動ドライブにも使えそうなちゃんとしたブランドの製品だと、1バイトあたりの値段が(HDDはおろかSSDよりもさらに)割高という問題はありますが。
註3: 実際に届いた商品の基板上には「CF-IDE40 ADAPTER V.A1」と表記されていました。
註4: この商品に限りませんが、店によって値段が違うようでも、送料込みで考えると結局だいたい同じ値段になっちゃうんですよね。
註5: 業者によっては、同じ商品に簡単なマニュアルが添えられている場合もあるようです。 いちおう、筆者が実際に確認した範囲では、ジャンパスイッチが1-2のとき、IDEコネクタのある側のCFがマスター(シングル)となり、2-3のときは逆ということのようでした。
註6: これについては、同種のアダプタに関するネット上のレポートを参考にしました(実際、形状的にもそれ以外につなぐものがない)。
註7: 今回はわずか8MBのCFしか用意できなかったので、Windowsの起動に使えるかどうかを実際に確認することはできませんでした。 ただ、ネット上の資料を参照する限りでは、この点についてはアダプタよりもCFの側の条件に依存する可能性が高いようです。