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iPAQについて

2004-03-21

 PDA (Personal Digital Assistant)を仕事上の理由で購入した。PDAは手帳型のコンピュータで、システム手帳として使っている人を見たことがある。普通のシステム手帳と違い、仕事のマニュアルを入れて、しかも検索できるので重宝しているようである。

● HP iPAQ Pocket PC h4150

 量販店のホームページなどを見ると、シャープとソニーが圧倒的二強で、経済的でコンパクトでソフトも充実しているようである。
 ただ、今回は動作させたいソフトがあり、MicrosoftのPocket PCというOSが必要だったので他をあたることにした。
 結局、苦しいときのHPだのみで、 iPAQ h4150というのを購入した。

● 特長

 特長といっても、私は他のPDAをよく知らないので、iPAQ h4150に対する素直な感想である。
 まず、軽い。並の電子辞書よりも小さくて軽い。無理しなくてもワイシャツのポケットに入る。しかし、画面のドット数は同程度であり、しかも、カラーでバックライト付きで綺麗である。賛否が分かれそうだが携帯電話もバックライト付きカラー全盛であるから、これは世の中の流れであろう。

 音楽ファイルMP3のMedia Playerでの再生は絶品である。他のソフトが動作していても、まったく平気で再生される。512MBのSDメモリカードを付けたので、ずいぶんたくさんの曲を入れることができた。電池が長時間持つのもうれしい。音質はまあまあのようだが、通勤電車の中で聞く分にはまったく気にならない。また、MPEG4画像も良好に再生できる。
 無線LANは快適で、簡単につながり、画面が狭いものの、ちゃんとインターネットできる。

● 操作

 キーボードは無く、スタイラスと呼ばれるペン型の棒で画面上を軽くたたいたり、こすったりする操作になる。ゲーム機のような方向キーといくつかのボタンが付いているのだが、意外にもスタイラスが無ければほとんど何もできない。つまり、原則として紙の手帳と同様に両手使いとなる。

 日本語入力は工夫されているが、当然のことながら、キーボードほどは速く打てない。だが、携帯電話よりはずっと速い。この文章もスタイラスで入力している。PDAの世界を開拓した手書き入力でなく、ひらがなの直接入力を使っている。こちらの方が疲れにくく、速そうである。
 ひらがな直接入力の唯一の欠点は、英文混じりの文章が入れにくい点である。英文を入れるには、いったんローマ字入力に切り替えてから、英数入力にする必要がある。「たていすかん」は無いし、五十音配列の電子辞書みたいなABC順配置も無く、ローマ字入力に比べて、多少不公平と思う。

● 付属ソフト

 付属のPocket WordとPocket Excelはパソコンの同名ソフトのかなり極端な簡略化ソフトであり、高度な使い方はできない。8bit時代の「ワープロ」や「スプレッドシート」が想起される。Pocket Wordはほとんどエディタの機能しかない。付属の電卓ソフトはショッキングなほど簡素であるが、Pocket Excelで複雑な計算はできそうである。
 Webブラウザのインターネットエクスプローラも簡略セットであり、プラグインなどは使えるのやら、である。

● 導入したソフト

 CPUが優秀なためか、Adobe Acrobat ReaderやJPEG画像の表示は快速である。ただし、画面が狭いので多少の不便はある。
 ソフト開発のために購入したのだから、そのレポートを書くべきだが、まだ調査の最中である。

 その代わり、ということでも無いのだが、8bitパソコンのエミュレータのMSX PLAYerを導入してみた。ちょっとぎこちないものの、往年の有名ゲームがちゃんと動く。MSX BASICやMSX DOSまで再現できている。ただし、このソフト、Pocket PC 2002専用なので、OSがPocket PC 2003の本機では不具合はやはり出る。また、MSXパソコンの再現性重視なので、今のところPocket PCの機能を十分に操縦できるわけではない。ともあれ、周知のBASICがフルセットできちんと動くのはうれしい。

● ハードウェア

 ずっと以前にアドレス帳付きのポケットコンピュータを買ったことがあるが、ハードの制約がきつくて、なかなか生かせなかったと記憶している。
 h4150のCPUはMP3やMPEG4の再生を見た限りでは、マルチメディア端末として、十分に高速である。ほんの2年ほど前と比べても、ずいぶん速くなっているらしい。最近のPDAで広く使われているARMと呼ばれるCPUで、少し調べてみたが、なかなかユニークな構造をしている。
 メインメモリは64MBもある。プログラムの実行用にも使われるので、データ記憶には半分弱が使えるのみだが、それでもかなり使える。
 外部記憶としてSDメモリカードが使える。今は現時点の最大容量の512MBのを使用している。これだけでもCD-ROMにせまる容量だが、2年後には4GBにも達するようであり、複数枚持ち歩いても気にならないし、もちろんソリッドステートであるから、用途によってはハードディスクを駆逐してしまうと思う。
 この手の装置は外部とのデータのやり取りが問題となりやすい。本機には十分高速の無線LANが付いているし、プログラム導入などにはSDメモリカードをリムーバル記憶装置として使えばよい。

● 用途は?

 最初は文章作成にはどうかな、と思っていたが、この程度の長さの文章なら何とか作成できる。
 無線LANのWebブラウザもそこそこ使えるので、フォームを利用したイントラネットなら応用範囲も広がるだろう。
 このHP iPAQ Pocket PC h4150はPDAの一つの完成形だと思う。よいタイミングで購入したと思えるので、活用できたら、また話題にしたいと思う。