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HPのマルチメディアノートパソコン

2004年11月28日

● またノートパソコンを壊した

 一年あまり使っていたノートパソコンが何の前触れもなく故障してしまった。使い方が荒いので、仕方がない面はあるが、突然の停止は初めてである。私にとっては重要なデータが入っていたので、一瞬真っ青になってしまった。バックアップは本年6月が最新なので、約6か月分のデータが再起不能になりかけたのだ。
 症状は、しばらくパソコンを離れて戻ってみると、セーフモードの選択画面になっていたのだ。Windows XPのセーフモードは初めて見たような気がする。最初は通常立ちあげを選んだが動かず。何回か繰り返しているとセーフモードに入れたり、CD-ROMからは起動できたり、あるいはまったく起動できなかったりと安定しない。しかし、いずれにせよデータの復旧は困難と思われた。ハードディスクの不具合のようで、ランプが付きっぱなしになり、先に進まない。なんとなく異常音もしている。
 別の古い計算機でインターネットを探してみると、データ復旧サービスはあるにはあるが、目の玉が飛び出るような値段である。あきらめるしかないか、と思った。

● 結局何とか動く

 ところが、膝の上に乗せると正常動作することを約3時間後に発見した。どうやら傾きが関係するらしく、右を下に約30度傾けると、何の支障もなく起動する。その体勢から少し前に傾けると、さらに安定する。これ幸いとバックアップしたのは言うまでもない。
 通常の水平に戻すとハードディスクの読み出しで止まってしまい、OSも起動しない。約1日は30度右に傾けて運用することになった。この傾きはきつく、キーボードはほとんど打てないので、別の計算機から文章を打ち込んで、メールのやり取りなどをした。
 要するに壊れている、と判断し、ディスプレイの動作も数か月前から不調なので、新品の購入を検討することにした。

● マルチメディアパソコンが欲しい

 私の求めるノートパソコンは「質実剛健」であるので、偏見であるが、東芝など数社から選ぶことになる。特に東芝 dynabook Qosmioは魅力的に思えた。
 今年のノートパソコンの流行は液晶の改良である。店頭で見ると明るくてくっきりしている。DVDの映画は通常のテレビで見るとなんとなく違和感があり、むしろ高精彩のパソコンの方がよい面もあると考えていた。この手のマルチメディア強化パソコンは数社から出ているが、やはり私としてはdynabookの東芝が欲しい。
 しかし、悲しいかな、突然の出費なので予算は15万円。この予算内で主記憶の強化も行う必要がある。例によって、苦しいときのHP頼みとなってしまった。
 店頭に行くと、HP compaq nx9030が目に飛び込んだ。店頭売りも継続して行われているようである。その隣に、今回購入したnx4800があった。値段と仕様を見て購入可能と判断し、店員を呼ぶと、しきりにお買い得品であると強調する。たしかに宣伝文句の割には安い。その秘密はあとで分かることになった。

● まずはソフトの移行

 前のノートパソコンは、もはやバックアップデータ取りにしか役立たない。従って、契約上ソフトの全面移行は可能と考えた。最もだだをこねそうに思えたMicrosoft Officeもあっさり移行でき、こうしてnx4800でこの文章も打っている。
 ただ、自作ソフトで正常に動作しないものがでてきて、少々焦っている。ドライバとの相性らしい。部分的には動作するので、少々の手直しでOKであろう。(2004-12-19修正済)

● 特徴

 まず、軽い。元のが3.1kg、今回は2.4kgで、差の700gは大きい。次に低消費電力、付属の電池で3時間以上駆動できるようだ。この2項目は取り替えが効かないのでありがたい。大きさもA4ノートとしては小型の部類に入ると思う。
 CPUはIntel Celeron M 1.4GHzで、従来のCeleron 2.8GHzより随分高速とのこと。Pentium IIIの後続機種のようだ。Celeronといっても、今回のは二次キャッシュ記憶が512kバイトもあり、実感として確かに高速である。上位機種に取り替えできるようだが、おそらくこのCPUの能力で全体が設計されていると思う。
 主記憶は256MBなので、例によってプラス512MB増設することにした。
 売りの一つは高コントラストの液晶画面で、たしかに美しい。ただし、仕事用には低反射タイプに無料で交換できますとのことで、悩ましいことになった。外光の反射が相当あるので、風景が映り込んでしまう。しかし、一度は試してみたかったマルチメディアパソコンなので、そのまま使うことにした。
 無線LANと、PDAやデジカメなどで使われるSDカードなどのメモリメディアの挿入口がある。この2機能は、先のノートパソコンでは別売のカードを持ち歩いていたので、非常に助かる。無線LANは十分安定している。

● マルチメディア機能

 いろいろソフトを試す前に、DVDやCDやゲームを鑑賞してみた。値段相応ではあるものの、液晶はたしかにすばらしい。黒が濃く、バックライトがまぶしいほど明るいので、鮮明に見える。DVDの映画では元のフィルムの粒状まで克明に見えてしまう。応答速度も抜群と思う。並のCRTよりも美しい。
 JBL Proのステレオスピーカが付いている。小さなスピーカなのに、かなり低音まで再生できる。当然、重低音とまではいかないし、音量を上げ過ぎると音割れする。ラジカセの代替にはならないのだ。が、何とか音楽鑑賞には耐える水準と思う。当然、ヘッドフォンや外部のオーディオセットを使えば問題はない。
 最初、映画の超低音が出ないなあ、と思っていたら、DVDプレーヤソフトで0.1chをステレオ出力に出す指定が必要だった。無論すさまじい迫力になった。

 ゲームは快適で、鮮明な画像が良い。少し前の3Dゲームなど飛ぶような速さである。ただし、1024x768などの表示が可能なゲームは良いのだが、640x480専用のゲームだと、小さく表示するか、または元の4:3の縦横比の画面が5:3に横伸びした画面になる。伸びた画面でも大迫力なので、まことに惜しい。我慢してゲームできないことはないのだが…。
 テレビ機能はないが、もともと私はテレビはめったに見ないから不要である。つまり、ここまで経済的に作れたのは、機能の取捨選択の妙である。compaq時代からの絶妙さは、この製造者の特徴の一つと思う。

● 計算機機能

 1280x768のワイドスクリーンである。横幅が15インチXGA(1024x768)モニタと同じなので、4/5に縮小された感じだ。実際、表示文字も一回り小さく、私には多少つらい。しかし、B5ノートと同等の細密度だし、逆に17インチ液晶搭載ノートパソコンは扱いに困らないのだろうか、と思うから、妥協範囲と思う。最高輝度にすると明るすぎるので、文章作成時には明るさを絞らないといけない。
 横長の画面はどうかと思っていたが、案外使いやすい。というのも、左右にご親切機能として情報をやたらと表示するソフトが増えてきたからだ。これなら中央部が十分に取れる。エディタのウィンドウを左右に配置しても狭くない。一度慣れると、やみつきになりそうだ。

● キーボード等

 後退キーが若干押しにくいことを除けば、キーの大きさや配置は上出来である。キータッチは良い部類に入ると思うが、極上と言うほどではない。タッチパッドも通常操作は文句なしだが、縦スクロールは微調整と慣れが必要だ。
 いわゆるレガシーインターフェースがない。さすがにアナログ画面(VGA)出力はあるが(プレゼンに必要なので、なければ買ってない)、昔のキーボードやマウスやプリンタなどは直接接続できない(USBや1394を使う)。フロッピーも外付けである。必要なときにはSDカードやUSBメモリを使うようになったので、最近はフロッピーをほとんど使わなくなったから、あまり気にならない。緊急時のOSの起動はCD-ROMからで十分である。
 本体の背面にコネクタがない。通常のノートパソコンではこれでもかと端子のある部分である。あるのは電源だけ。コネクタ類は正面か左右の側面に配置されている。これが良いのかどうかは、しばらく使わないと分からないが、今のところ不都合はない。
 本体の下面に空冷のための通気孔がある。ここを塞ぐとだめ、ということなので、膝の上では使いづらい。低消費電力のためか、普段は送風していないようだ。

● 使用感

 さすがにHPで、満足感は抜群である。基本機能がしっかりしていて過剰な装飾がないからだ。
 だから、ワープロや電子メール等が主力で、さらに、経済的なマルチメディア機能が欲しい人に、おすすめである。無線LAN内蔵やメディアカードとの連携機能は注目して良いだろう。
 ただし、趣味や特定の仕事に使うのなら、デザインや仕様を詳細に検討するのが良いと思う。買ってから、あれがない、これがないでは結局高くつくと思う。しかし、少なくとも、私は買ったままの機能で満足している(主記憶容量を除く)。

● 追加ハード等

 外付けフロッピーディスクは別メーカのを店の人に選んでもらった。
 前のパソコンとの通信のため、100BASE-TXのスイッチングハブを購入した。10BASE-Tで十分に使えていたのだが、最近は巨大なpdf文書ファイルを扱うようになったからだ。
 Windows XP homeはSP1なので、Microsoftから配布されているSP2のCD-ROMを手に入れるべきと思う。