←ブラウザーの左側にメニューの出ていない方はここをクリックして下さい.
●ビギナーズ向け構造計算●
●使用ソフトはExcel&123-Stressシリーズによる。ダウンロードは当HPトップ左側メニューよりどうぞ。(潟xクターダウンロードサイトが出ます。エクセル版、123版共。)
●支点の種類 ●断面性能
●支 点 ●断面1次モーメント
●固 定 ●断面2次モーメント
●バ ネ ●断面係数
●ピ ン ●断面2次半径
●ローラー ●さあ求めよう!断面性能!
●両端固定梁及び単純梁モーメント
●基本的な両端固定梁モーメント
●基本的な単純梁モーメント
●さあ求めよう!基本的なモーメント!
(使用ソフト:CMoQoδの計算L版[CMoQo_L.xls、wk4])
●剛比
●剛 度
●標準剛度
●剛 比
●さあ求めよう!剛比!
(使用ソフト:剛比の計算[剛比.xls、wk4])
●連続梁の応力計算
●さあ求めよう!連続梁の応力!
(使用ソフト:連続梁の計算[連続梁.xls、wk4])
●H型鋼梁の断面計算
●さあH型鋼梁の断面計算をしよう!
●木造梁の断面計算
●さあ木造梁の断面計算をしよう!
●支 点:骨組や部材が地盤とつながる部分や,支持される部分を支点と言います.
●固 定:部材が非常に硬い岩盤にはめ込まれたものと同じ.鉛直方向の力,水平方向の力,モーメントの全てを伝える.
●バ ネ:ネジで巻くおもちゃの中に入っているぜんまいの中心と外側を,それぞれ部材端部と支点に固定した様なもの.縦横にはピン接合と同様固定されている.回転の固定度は剛接合とピンの中間といった感じになります.縦横と回転方向の力を伝える.鉄骨の柱脚がこれに該当する.
●ピ ン:部材がドアの丁番のように自由に回転するようになっているもの.縦横の力は伝達するが,回転方向の力は伝達しない.
●ローラー:構造物と支持台の間にころ(ローラー)を入れた支点.構造計算でのローラー支点は上下方向に対しては抵抗する.縦(上下)方向の力は伝達するが,回転方向と横(水平)方向の力は伝達しない.
●断面性能
●断面1次モーメント
断面の重心を通る軸の断面1次モーメントは0になる性質を利用して、断面の重心を求めるときに利用する。記号S。実際の構造計算では、重心の位置は予め明らかな場合が多いので、普通は計算することは、あまりありません。計算方法は興味が出たときに構造力学の教科書等で覚えれば良いでしょう。
参考:断面の微少部分に軸からの距離を掛けて全断面について足し合わせて計算する。
●断面2次モーメント
断面の微少部分に軸からの距離の2乗を掛けて全断面についてたし合わせるのでその名称があります。記号I。剛比や梁のたわみを求めるときに利用する。長方形断面の断面2次モーメントを求める公式は次の様になります。
●断面係数
断面2次モーメントを部材のせいの1/2で割ったもの。部材に生じる曲げ応力度を計算するときに使用します。記号Z。上図の断面係数を求める公式は次の様になります。
また、部材に生じる曲げ応力度を求める公式は次の様になります。
σb=M/Z
σb:曲げ応力度(kN/cm2)
M:曲げモーメント(kN・cm2)
…断面係数の単位に合わせる
Z:断面係数(cm3)
●断面2次半径
許容圧縮応力度や座屈の計算を行うときに利用。記号 i 。I をAで割ったものの全体を平方根すると断面2次半径になります。
●さあ求めよう!断面性能!
鉄筋コンクリート造では、通常断面2次モーメントしか必要でないので上記公式より I =bH3/12とすれば良いですね。鉄骨造では、いちいち計算することはなく、JISの断面性能表や鋼材メーカーからでている断面性能表を引いて求めます(次図)ので、これを入手しましょう。
●両端固定梁及び単純梁モーメント
●基本的な両端固定梁モーメント
基本的な両端固定梁の等分布荷重と集中荷重のモーメントを求める公式は次のようになります。
●等分布荷重時
両端M=(1/12)wl2 中央M=(1/24)wl2
M:モーメント(kN・m) w:等分布荷重(kN/m) l:スパン(m) …それぞれ単位に注意しましょう。
●集中荷重時
両端M=(1/8)Pl 中央M=(1/8)Pl
P:集中荷重(kN)
●基本的な単純梁モーメント
基本的な単純梁の等分布荷重と集中荷重のモーメントを求める公式は次のようになります。
●等分布荷重時
中央M=(1/8)wl2
記号は上記を参照
●集中荷重時
中央M=(1/4)Pl
記号は上記を参照
●さあ求めよう!基本的なモーメント!
(使用ソフト:CMoQoδの計算L版[CMoQo_L.wk4,xls])
さあそれでは、Excel-Stressシリーズソフトを使って(ダウンロードはトップページの左側メニューより)基本的なモーメントを求めてみましょう。解説はエクセル版で行いますが、ロータス版もそれとほぼ同じです。スパン5mの梁に w=8.4(kN/m)の等分布荷重が作用するときの,■両端固定梁の両端モーメント(C),■単純梁の中央モーメント(Mo)を求めます。
解凍したCMoQoδの計算L版 CMoQo_L.xls(ロータス版は-.wk4)をエクセルで開きます。開く際にマクロを有効にするボタンを押します。(自己解凍ファイルになっていますのでダブルクリックして解凍します。
まず荷重コードを選びます。[コード計算式]タブをクリックして荷重コードを見ます。[A]シートに戻って、等分布荷重のコード6を入力します。荷重タイプが自動的に表示されます。
↓
↓
倍率1(答えを何倍かするときの値を入力)スパンも5と入力します。次にw=8.4(kN/u)とするために単位荷重8.4、奥行き:左1と入力します(奥行き:右は自動入力)。これでwの左右が8.4となったはずです。これで計算が完了しました。初心者向けに計算式も表示されます。
↓
左右の両端固定M(C)、単純梁の中央M(Mo)の答えがW列に表示されます。とっても簡単ですね!
計算結果モーメント図
※両端固定梁中央Mは通常Mo-Cとして求めます。また中央集中荷重の場合も、奥行き・幅共1とすれば単位荷重の値が集中荷重の値となり、あと荷重コードを1とすれば同様に求めることができますね!
●剛比
●剛 度
断面2次モーメントを部材の長さで割ったものを剛度 K という。
●標準剛度
剛度の値が骨組の中でほぼ中心的で多く使われているものを標準剛度 Ko(ケーゼロ)として定めます。この値は構造計算をする人が、各部材の剛度の中から任意に決めます。
●剛 比
各部材の剛度を標準剛度で割ったものが、剛比 k となります。当然標準剛度に設定した剛度もそれ自身で割るので値は1.0となります。
●さあ求めよう!剛比!
(使用ソフト:剛比の計算[剛比.xls、wk4]…他にH型鋼の断面性能表が必要です。)
解凍したソフトをエクセルで読み込みます。読み込む際にマクロを有効にするのは、上の”さあ求めよう!基本的なモーメント!”に同じです。
階、記号、使用断面は下図のとおり文字で入力後(位置はスペースで調整)、Iは断面性能表を見て、7210と3960を入力します…H型鋼は通常、強い軸で使うので大きい方の値にします。L はpです。区切行はA列に2を入力し、不要な行はA列に0を入力します。また、不要な備考欄は[DEL]キーで消去します。
次に、標準剛度Koを設定します。ここでは、Koとしてb2の剛度7.92をKo欄に入力すると、次のように各剛比が計算されます。とっても簡単ですね!
■Ko欄に”+”を入力後 I 108セルをクリックして[Enter]キーを押して直接セルの値を指定すると、値に修正があっても自動的にKoに反映されるので便利ですね!
●連続梁の応力計算
●さあ求めよう!連続梁の応力!
さてそれでは、上の”さあ求めよう!剛比!”の連続梁の応力計算をしてみましょう。計算方法は固定モーメント法です。
(使用ソフト:連続梁の計算[連続梁.xls、wk4])
●ダウンロードした連続梁の計算(連続梁.xls)をエクセルで開きます。ファイルを開く際にはマクロを有効にするボタンを押します。
●作表パネルに、スパン数 3、左側右側の条件(通常) 1、を入力し、STメニューボタンを押して作表を実行すると、フレームの計算表が作成されます。
●剛比の入力:”さあ求めよう!剛比!”で求めた値を次のとおり入力します。
●固定端モーメントの入力:”さあ求めよう!基本的なモーメント!”で求めた等分布荷重時のC(w、スパンが同じなので)をFEM欄に次のとおり入力します。
!符号は下向き荷重の時、左側「-」、右側「+」とします。上向き荷重の時は左側「+」、右側「-」とします。
Σ欄が求める両端のモーメントになります。すぐ計算できますね!
中央モーメントの求め方:Mo-左右の端部Mの平均とします
(絶対値で計算します…部材の引張り側に書くので)
左・右スパン:=26.3-(0+20.6)/2=16.0
中スパン:=26.3-(20.6+20.6)/2=5.7
!正確にはピンの有効剛比等を使いますが、初心者向けに簡便法としています。最初は多少難しく感じるかも知れませんが、最初は習うより慣れて感覚をつかんでください。
●さあ、H型鋼梁の断面計算をしよう!
では、”さあ求めよう!基本的なモーメント!”でモーメントを求めた単純梁の断面計算を行います。
●使用材料…SS400、鋼材…H-200×100×5.5×8
●長期許容応力度:SS400の場合次のとおり。
ft(許容引張り応力度):15.6
fb(許容曲げ応力度) :後述
fs(許容剪断応力度) : 9.0 (kN/p2)
■曲げ応力度のチェック
●許容曲げ応力度は、通常梁ごとに計算によって求めますが、初心者向けに許容曲げ応力度を計算なしに、最大値fb=ftとできる方法を紹介します。それは梁に直交する小梁の間隔を max lb以下となるように取り付けます。通常断面性能表にこの値が載っていますので、H-200×100×5.5×8のmax lb=225p以下となるように小梁を配置します。よってfb=ft=15.6(kN/p2)。max l bの使い方を覚えておくと便利ですね!
また、小梁で曲げ応力による梁の圧縮フランジを拘束する必要がありますが、応力状態によって圧縮フランジのみ拘束するのは面倒ですので、上下フランジを固定するように小梁を接合します。
●曲げ応力度は、σb=M/Z (記号は上記”断面係数”参照)より
M=26.3(kN・m)×100=2630(kN・p)
…σb、Zに合わせてp系に直す
σb=2630/181=14.5(kN/p2)
これはこの場合の許容曲げ応力度15.6(kN/p2)以下なので、O K!
曲げ応力度のチェックは、単位を合わせるのがこつですね!
■剪断応力度のチェック
●H型鋼は剪断力をウェブの断面積Awで割ったものが剪断応力度τ(タウ)になります。
剪断力は”さあ求めよう!基本的なモーメント!”で求めたエクセルファイルQo欄の値がそうです。計算式も参照してください…この場合全体の荷重の1/2が剪断力ですね!
よって、Q=Qo=21(kN)
Aw=(20-0.8-0.8)×0.55=10.1(p2)
τ=Q/Aw
=21/10.1=2.07(kN/p2)
これは許容剪断応力度9.0(kN/p2)以下なので、O K!
■圧縮応力度又は、引張り応力度のチェック
梁は軸力がないので不要ですね!
●さあ、木造梁の断面計算をしよう!
では、”さあ求めよう!基本的なモーメント!”でモーメントを求めた単純梁の断面計算を行います。
●使用樹種…杉乙種構造材2級、断面…せいH×巾b=360×180(mm)
●長期許容応力度:基準法施行令89条、95条及び告示1452号による(参考図書…日本建築センター、2001年版建築物の技術基準解説書P345〜等)
fb(許容曲げ応力度) :0.748(kN/p2)
fs(許容剪断応力度) :0.066(kN/p2)
■曲げ応力度のチェック
●通常木造の梁の計算は連続梁であっても、各支点間を単純梁と見なして計算します。この方法によると計算も容易で安全側の仮定となります。と言うことより、モーメントはCMoQoδの計算L版のMoの値を用います。
●曲げ応力度は、σb=M/Z (記号は上記”断面係数”参照)より
M=2.63(kN・m)×100=263(kN・p)
…σb、Zに合わせてp系に直す
Z=bH2/6=18×362/6=3888(cm3)…cmで計算
σb=2630/3888=0.676(kN/p2)
これはこの場合の許容曲げ応力度0.748(kN/p2)以下なので、O K!
曲げ応力度のチェックは、H型鋼の計算同様、単位を合わせるのがこつですね!
■剪断応力度のチェック
●木造の梁は剪断力を梁の断面積Aで割った物の1.5倍が最大剪断応力度τ(タウ)になり、断面の中央に生じます。
剪断力は”さあ求めよう!基本的なモーメント!”で求めたエクセルファイルQo欄の値がそうです。計算式も参照してください…この場合全体の荷重の1/2が剪断力ですね!
よって、Q=Qo=21(kN)
A=18×36=648(p2)
τ=1.5Q/Aw
=1.5×21/648=0.049(kN/p2)
これは許容剪断応力度0.066(kN/p2)以下なので、O K!
■圧縮応力度又は、引張り応力度のチェック
梁は軸力がないので、H型鋼の計算同様、不要ですね!