簡単風呂ブザー


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私の趣味である電子工作の作品のひとつをご紹介します。

●電子工作とは
エレクトロニクス工作ともいい、さまざまな電子部品(トランジスタ、IC、抵抗、コンデンサーなど)を
組み合わせて電子装置(作品)を作る趣味の一種です。

知らない方に説明するときに分かりやすくということでよく使われるのが、
「ラジオを自作するようなもの」という言い方がありますが
実際にはその分野は非常に広範囲で、電気に関することならすべてといっても過言ではありません。

ただ、私の場合ですとラジオは少々高級な部類に入りまして、もっと簡単な構成のものが多いです。

(雑誌の回路図を参考にして短波ラジオを作った事はありました。短波の中では比較的良く受信できる
ラジオオーストラリアから、当時日本で流行していたピンクレディーのUFOが流され、聞いたことが
あります。自分で作ったラジオで海の向こうの国からの放送を聴けるなんて、かなりの感動ものでした。)

●簡単風呂ブザーとは
20歳の頃からいままで、実にたくさんの「作品」を作ってきましたが、実際に実用になっているものは
ほんの数えるほどしかありません。まあ趣味とはそんなものなんでしょうが。^^;

そんな中でも今現在、我が家で大活躍中なのが、「簡単風呂ブザー」です。

回路(仕組み)はいたって簡単で電子工作としてはほんの入門的なものです。
まさに「シンプルイズベスト」を地で行く作品です。

機能:浴槽の水はりに使用し、設定した水位に達するとブザーで知らせる。 
特徴:単三乾電池2本使用、電源スイッチなし、1〜2年は電池交換不要 
使用:吸盤つきセンサー部を水位位置に貼付けるだけ。          
収納:吸盤を外すだけ。                        


では詳しい解説です。
(作り方ではありません。作るためには電子工作の基本となる半田付けやケースの加工、さらに欲を言えば
回路図の見方を理解できる必要があるからです。でもそんなに難しいものではありませんので、もし興味が
おありでしたらネットで探して勉強してみてください。ここではあくまでも本作品に関する解説です。)

●回路図
簡単風呂ブザー回路図
・動作原理
トランジスタの一番基本的な動作の電流増幅機能を利用しています。

吸盤の先に付けたセンサー部が水に触れると微弱なベース電流が流れます。それを2つのトランジスタで
増幅してミニブザーを鳴らしています。

基本原理からすると電流増幅率(hFEといいます)が十分大きな(1000ぐらいの)トランジスタを使えば
1つで良いのですが製品にはバラつきがあるので、適当に揃えても十分な増幅率が得られるように
2段構成としました。(2段ならhFE最低レベルの70程度であっても、4900倍の増幅率が得られますので)

一段目のトランジスタのベースに繋がっている抵抗はセンサー短絡時のトランジスタ破損防止用です。
この抵抗が無いと、センサーが短絡した時(先端どうしが直接触れた時)過大な電流がトランジスタの
ベースに流れ込み壊れてしまいます。

水の抵抗はおおよそ数十KΩです。ですのでこの大きさに比して十分小さく且つ、短絡時でも適当に
小さな電流しか流さずに済む抵抗値を選択すると、図のような値になります。
(もし新たに買い求めるなら1KΩで良いでしょう。)

●部品・材料
小型トランジスタ2SC1815×2(代替品:Ic(コレクタ電流)100mA以上、Pc(電力損失)200mW以上、hFE70以上)\50 - \100 程度
 写真中央(足は向かって左から、E(エミッタ)、C(コレクタ)、B(ベース))※足の位置(ECB)は品番によって異なる、規格表を参照するか店の方に聞いてください
カラーカーボン抵抗 1KΩ(茶黒赤金)×1(種類は何でも良いがこれが安い)\10 - \20 程度
 写真下
ミニブザー 1.5〜3V用×1 \300 - \500 程度
 写真右上
簡単風呂ブザー部品の写真

電池ケース単三2本用×1 \100 前後
・センサー用のビニール被覆銅線(2本の平行線、単線ではなくより線でなるべく柔らかいもの)×1m程度 \30 - \60 程度
・センサー用の吸盤×1(ビニール被覆銅線を巻き付けて固定できるように取っ手に穴の開いたもの) \30 - \60 程度
・装置全体のケース(プラスチックのタッパーのようなものを適当に)

組み立て済みのケース内部写真
簡単風呂ブザーケース内部の写真

電子工作では普通は「基板」を製作し、そこに主だった部品を配置し、ケースに組み込んでスイッチなど
との配線を行うのですが、本作品では部品点数が少なく配線も簡単なため、基板は製作せずにケースの中
で直接部品どうしを立体的に配線してしまっています。

●現在使用中の風呂ブザー
実は現在使っているものは、市販のお風呂ラジオのケース内部の隙間に部品を組み込んで作ったものです。
電源はお風呂ラジオからとっていますので別途電池ケースは使っていません。ミニブザーはラジオ背面外側の
空きスペースにネジ止めしています。

現行品の写真 左上:正面        右上:背面(左上が取付けたミニブザー、右奥の吸盤はラジオの落下防止用)
       左下:センサーセット状態 右下:センサー部アップ
簡単風呂ブザー現行品の写真

●製作上のポイント
・ケース
通常、お風呂場に置いたままにします。そのためケースは出来る限り密閉して湿気が入らないよう
にする必要があります。

・ミニブザーの取り付け
大きな音をさせるためにケースの中には入れずに外に取り付けます。私の使用経験上は外でも湿気
に対しては大丈夫でした。ただし、直接は水が掛からない所に置く必要があります。

取り付け方としては両面テープで貼り付けるのが一番簡単ですが、これは耐久性がありません。
ネジ止めがベストなのですが、穴の位置が少しでもずれてしまうとミニブザーに応力が掛かった状態
になるためか、鳴りが悪くなったことがあります。慎重に行う必要がありますがネジ止めがベスト
です。

・センサー部
ビニール被覆銅線の先端を1cmほど剥き半田メッキしますが、先端部が針のようになりますので怪我
防止のためにやすりなどで少し丸めておきます。
上の写真のように吸盤の取っ手の穴に一回巻きつけて固定します。



自分で物を作りあげるというのは実に気持ちの良いものです。それが日常生活の中で役に立つとなれば
なおさらで、気分は最高です。どうですか、あなたもちょっと挑戦してみませんか。

このページが少しでもあなたのお役に立てたなら幸いです。^d^
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