DOS 6.2 の DoubleSpace で圧縮したドライブへ Windows 98 をインストールする

1998-04-13 (Last Updated)
1998-04-12

んー、なんかわざわざ書くことかって気もしますけど、
まあせっかくなんで書いてみますか。

DOS 上で圧縮ボリューム(圧縮ドライブ)を作成する

実のところ、DBLSPACE を起動して、起動ドライブを圧縮ボリュームに変換するように設定し(デフォルトでそのような設定になっているはず)実行すればよいだけの話なのだが、なるべく短時間で行える方法を書いてみる。

既存のドライブを圧縮する場合、元のドライブ上のファイルをあらかじめ減らしておくと、ドライブ圧縮に要する時間を節約できる。 圧縮ドライブ作成時に、元ドライブのファイルを(圧縮しつつ)圧縮ドライブにコピーするためである。 ディスク空き容量が十分でない場合には圧縮ボリュームサイズ調整とデフラグが頻発し、時間の経過が絶望的に長くなる。 もしできるなら、あらかじめファイルのバックアップを取っておいて、必要最低限のファイルのみをドライブ上に残し、ドライブを圧縮した後にバックアップを戻すことをおすすめする。

MS-DOS 6.2/V の DBLSPACE で起動ドライブを圧縮する場合、DOS ディレクトリ上に最低限必要なファイルは次の通り。

そのほかに、システムファイル(io.sys, msdos.sys)を別にすれば、command.com が必要である。 普通はルートディレクトリに存在するはずである(config.sys の設定によってはルートになくてもよいが、ないと時々面倒な事態におちいる)。 さらに config.sys や autoexec.bat でデバイスドライバや常駐プログラムをロードしている場合、それらのドライバやプログラムも必要になる。 ドライブ圧縮の前にあらかじめ config.sys と autoexec.bat を編集し、必要のないドライバを読み込まないようにしておくのもよいかもしれない。 以下にもっとも簡単な config.sys の一例を示す。 MS-DOS 6.2/VC:\DOS にインストールされていることを想定している。
DOS=HIGH
LASTDRIVE=Z
Device=C:\DOS\HIMEM.SYS
Device=C:\DOS\BILING.SYS
Device=C:\DOS\JFONT.SYS /P=C:\DOS\ /U=0 /24=OFF
Device=C:\DOS\JDISP.SYS /HS=LC
Device=C:\DOS\JKEYB.SYS C:\DOS\JKEYBRD.SYS
EMM386 を使い、デバイスドライバを可能な限り UMB にロードし、基本メモリの容量をふやすことが出来る。 config.sys の例を以下に示す。 この場合、DOS のディレクトリ上に EMM386.EXE のファイルが必要である。
DOS=HIGH,UMB
LASTDRIVE=Z
Device=C:\DOS\HIMEM.SYS
Device=C:\DOS\EMM386.EXE RAM
DeviceHigh=C:\DOS\BILING.SYS
DeviceHigh=C:\DOS\JFONT.SYS /P=C:\DOS\ /U=0 /24=OFF
DeviceHigh=C:\DOS\JDISP.SYS /HS=LC
DeviceHigh=C:\DOS\JKEYB.SYS C:\DOS\JKEYBRD.SYS
以下に autoexec.bat の一例を示す。
@echo off
PATH C:\DOS
CD-ROM ドライバなどは必要に応じて書き足してほしい。

圧縮ボリュームに Win98(あるいは Win95)をインストールする

通常のインストールと同様に行う。 圧縮ボリュームアクセス用のシステム(DBLSPACE.BIN)が読み込まれるため、圧縮ボリュームがない場合に比べて、基本メモリの空きが少ない点に注意する。 (すべてのドライバが UMB に収まりでもすれば、必ずしも基本メモリは圧迫されない。しかしほとんどの環境では何かしらはみ出す) 最悪の場合、config.sys や autoexec.bat を変更して、必ずしも必要とされないドライバや常駐プログラムを起動時にロードしないようにすることになるかもしれない。

首尾よく Windows 98(あるいは 95)のインストールに成功したら、起動ドライブのルートにある config.sys を適当なエディタで開く(メモ帳でかまわない)。 おそらく、その中に、

DEVICEHIGH=C:\WINDOWS\COMMAND\DRVSPACE.SYS
という行があると思う。 これは圧縮ボリュームアクセスのシステム(DRVSPACE.BIN)を UMB と HMA に移動させるためのドライバである。 この行を削除するか、先頭に rem をつけて無効化すると、DRVSPACE.BIN は基本メモリの最上位に居座り、その分だけ基本メモリの空きが減少する。 しかし、ここはあえて行頭に rem をつけ、無効化してみよう。 Windows が32ビットモードで起動した場合、圧縮ボリュームへのアクセスは32ビットドライバがすべて代行する。 そして、DRVSPACE.BIN が移動されていない場合、DOS プロンプト上では DRVSPACE.BIN が基本メモリから取り除かれる。 しかし DRVSPACE.SYS を使った場合は取り除かれない。 つまり DOS プロンプト上では移動させない方が基本メモリの空きが増やせるのである。 したがって、シングル MS-DOS モードを特に重要視する人以外はこの行を無効にしたほうがよいだろう。

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