のとじま水族館

のとじま水族館前景 ボールヘディング クジラ棒高跳び ミズダコ ロゴと地図

概要

 石川県能登島にある水族館。

 交通:JR七尾線(JR金沢駅始発)和倉温泉下車、能登島交通バス又は北陸鉄道バスの「のとじま臨海公園行き」に乗車「のとじま臨海公園」で下車。 所要時間30分

 入場料:1320円

 見学所要時間:2時間程度

1999年5月見学


展示内容

展示種類

 海水魚が幅広く展示、淡水魚は少なかったように思う、イルカやペンギン、ラッコウミガメ等の魚以外も豊富に展示。 イルカ・クジラショー、マダイの音と光の世界などショーも行われている。

展示方法

 トンネル水槽、大型水槽、中型水槽で、多数の種類を展示。 多くの水槽で数種類の生き物が入れられ、管理されている。 トンネル水槽と能登の海(水槽)、屋内回遊水槽は多数の魚が入れられている。 栽培漁業コーナーや巨大コンブ(ジャイアントケルプ)、イロワケイルカ、リーフィーシードラゴンなど珍しい展示もある。

 特別展示は特に行われていなかったようだ。 行うような場所もなかったように記憶している(未確認)。

生体以外の展示

 和名は必ず表示されている。 多くは英名もしくは学名が併記されている。 写真と特徴がひとこと書かれたプレートが水槽上部にある。

 パソコンが置いてあり、自由に見ることができる。 私が行ったときは他の人が見ていたため内容の確認まではできなかった。

 その他に発行誌(能登の海からのたより)の掲示があった。

配布資料等

 入場券(手渡し)、パンフレット、料金表、金沢港いきいき魚市のパンフレット(テーブル設置)。

 のとじま水族館のパンフレットは非常に出来がよく、展示概略と地図(概略図)、交通案内、ショーの時間、全体図(回り設備を含めた詳細図)、近隣観光案内、見所(ショーや生き物)、レクレーション施設などがコンパクトに、しかも分かりやすく書かれている。 このパンフレットは非常に評価できる。 特に展示概略と地図は館内を歩き回るときに非常に役立った。 また、見所は後から思い出すとき(これを書くとき)に役立つ。

展示の特徴・評価できる点

 まず、多くの水槽や展示があるが、全てに写真と和名が入れられている。 多分急遽入れられたのであろうものでも、写真と名前が入っていた(通常の表示説明版の下などに貼り付けてある)。 この必ず説明を入れるというのは、なかなか難しいものだと想像されるが、それが確実に行われているのが印象的だった。 また、いない生体などの表示も確実に外しているのだろう。

 多種の生体はどれも状態が良く(一部例外はありましたが)安心して見ていられた。 また、特殊な水槽(平たい水槽や、前面にレンズ状の丸みのある水槽)があって、見てもらうための努力が随所に感じられる。

 珍しい生き物がいることが特に良いというものではないが、イロワケイルカやジャイアントケルプ、リーフィーシードラゴンは他ではなかなか見られないのではないかと思う。 栽培漁業は他では見たことがなかったので非常に良かった。 濾過槽の働きを、実際の濾過槽とパネルで表示してあるのも面白いと思った。 クジラのショーも圧巻だったし、巨大なミズダコも迫力があった。

 水族館なので水中の生き物がいることは当たり前だが、能登の海(水槽)では海浜の植物なども一緒に展示されているのがよい。 また、トンネル水槽は太陽光を直接水槽に入れているので、水槽の水や海藻などが輝いて見えた。 これが自然の姿だと感じることができた。

考慮して欲しい点

 入ったばかりの屋内回遊水槽の回りの壁がむき出して何も展示/表示がなかった(青く塗られていただけ)。 これはこれから水族館を楽しもうと思って入ってくるお客に、あんまり良い印象を与えないのではないかと思う。 中の方ではいろいろ説明のパネルや多彩な展示があるのに、この部分はちょっと残念だった。 海藻(ジャイアントケルプなら最高)や魚たちの絵(イロワケイルカの絵ならインパクトがあるし)や館内案内図(パンフレットに書かれたもの)の拡大図などがあれば非常によいと思うのだが。

 魚たちの写真に添えられた説明がバラバラなのが気になった。 英名が入っているものは学名が入れられていないものが多く、また両方の表示があるものや和名だけのものもあり、種別も合ったり無かったりだった。 緊急で入れられたものは仕方がないが、やはり和名、学名、(あれば)英名、種別くらいは入れて欲しい。 もう少し欲を言えば、生息域などがあればもっと良いのだが...

 写真と説明書きが水槽の上部のみと言うのも気になった。 子供はまず読めないし、私みたいに近視の人も読めない(高いところは読むのを諦めた)。 水槽の下部にも同様の表示を行って欲しい。 また、能登の川と海にいる生き物(川では上流から下流まで、海では深度別)の表示は非常に高いところまであった。 確かに二階からも見ることが出来るのだが、最初二階でこのパネルを見たときに全容がつかめるのだろうか、下から見て全容をつかめと言うのだろうか。 暗い中でのこれだけ大きな(高い位置まである)表示は非常に疑問だ。

 この水族館も天井にコーナー表示があった。 天井などは見ていない人が多いし、水族館を見に来た人はパンフレットを見ているとは限らないんだから(私は一巡目はパンフレットは見ない)、出来るだけコーナー名は分かりやすい場所に表示して欲しい。 天井よりは壁に、大胆に行うなら床に表示して欲しい。

 イルカとクジラショーの中央席2列くらいはショーの最中に水が掛かることがあるのだが、この説明はジャンプの直前になってアナウンスされるので、濡れたくない人には何の効果もない。 私みたいにカメラを抱えている人もいるんだから、ショーが始まる前とか席の前あたりに表示しておいた方が良いのではないか。 (私はその席付近ではなかったので、表示があったのかどうかは分かりませんが、ショーの前にアナウンスを入れるのが良いと思う)


感想

 この水族館しか見られないという生き物はそれだけでその水族館に行こうと思うものだ。 ただ、そのメインの展示の他に、何か行ってから新しい知識や感動が得られればもっと良いと思う。 この水族館の場合はある種「珍しい生き物をそろえました」的なものを感じた(表現が悪くて済みません)。 珍しいものを見たときの驚きや感動は確かに大事だが、知識欲も満足させて欲しい、それと共に普通にいる生き物(水族館に普通にいるのではなく、自然状態で普通にいる生き物)にももう少しスポットを当てても良いのではないかと思った(これはこの水族館に限らない)。

 そうは言ってもやっぱりイロワケイルカは自然の造形に感動するし、ジャイアントケルプや巨大ミズダコにも迫力があった。 この感動や驚きが水族館へ行く本質ではないかとも思い、複雑な気分だった。

 残念なことにマナーを守らない人がいた。 フラッシュ禁止の場所でフラッシュ撮影をしていたのだが、注意をする前にどこかに行ってしまった。 本当に生き物たちをちゃんと見る気があるんだろうか、写真を撮るだけで満足していないだろうか、非常に疑問を感じた(水槽の前にきて写真を撮ってすぐにどこかに行ったのだから)。 ただ、多くの人は注意を守り、写真を撮るにしてもフラッシュが付かないように注意していた。


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