簡易電気回路シミュレータKamiSim

 KamiSimは、簡単な電気回路の解析(シミュレーション)を行うプログラムです。ただし、電気系技術者が電気回路設計に使用するような高機能な用途を意図したものではなく、電気の世界に入ろうとしている初心者の方の学習目的での使用を意図した簡単なものです。たとえば、乾電池に豆電球をつないで光らせてみたり、トランジスタを使って簡単な増幅回路(アンプ)を作ってみたりといったことをシミュレートしてみたりということが出来ます。

 もっとも、簡単とは言っても回路の各部分の電圧や電流をちゃんと計算してくれますので、LCRで作った回路網のインピーダンスを求めたい場合などには十分実用になります。簡単な回路でも、LCRで作ると複素数の計算が必要になりますので手作業でインピーダンスを求めるのは一苦労です。KamiSimを用いると面倒な複素数計算から解放されることでしょう。

 このシミュレータはKamiのホームページ「Kamiの広場」のコンテンツ「 Kamiの学校 」内の「電気通になろう」で取り上げる実験をなかなか実際には出来ない方のために、コンピュータで模擬的に実験が出来るように製作したものです。まだまだ機能や、扱える電子部品は限られたものなのですが、今後、少なくても「電気通になろう」で出てくる実験には対応できるように改良を重ねていきます。ぜひ、「電気通になろう」とあわせてご使用ください。(もっとも、「電気通になろう」の執筆ペースは非常にゆっくりしたものになると思いますが...)

【実際の実験に近い直感的な操作系】

 KamiSimは学習用途の簡易電気回路シミュレータであると割り切って製作していますので、操作も学習用途を意識した直感的なものになっています。解析に必要なことは電子部品を画面に配置してそれらを接続して解析開始するだけです。解析結果を得るには、画面に電圧計や電流計を配置して回路に接続します。このように実際に実験を行う場合に近い操作を意識しています。

【シンプルなデバイスモデル】

 本格的な電気回路シミュレータでは、精緻な解析を行うためにさまざまなパラメータをもったデバイスモデルを用いて解析を行います。おかげで、非常に正確なシミュレーションが出来るのですが、初心者にとっては意味不明な数字がいっぱい並んで戸惑いの原因になるだけです。その点、KamiSimのデバイスモデルは単純そのもので、おそらくは戸惑うことは不可能です。もっとも、そのために現実とは多少異なるシミュレーション結果になってしまいますし、温度の影響などを解析することも不可能ですが、学習用には問題にならないでしょう。

【安価】

 KamiSimの利用料金は基本的には\0-、つまりただです。ただし、当方貧乏(言い訳をさせてもらえば、開発環境を整えるのにかなりの出費を強いられるので...)につき寄付は喜んでお受け致します。簡単のため、ベクターのシェアレジのみでの受付とさせていただいておりますので、もし、KamiBackを気に入っていただけたのならぜひ御寄付下さい。開発環境整備資金の一部として使用させて頂きます。

  • readmeファイルの表示

  • [Aug.30, 2002] バージョンアップ(Ver.1.3.0.1)
     このバージョンアップは操作面ではほとんど変更をせず、主に解析エンジンのアルゴリズムを全面的に見直すことで回路解析能力を向上させることに注力しました。解析エンジンを変更したため、以前のバージョンと非線形素子をむ回路では解析結果が多少異なる場合があるので注意が必要です。

    [Aug.2, 2001] バグ情報
     電源(VDC/VAC)を並列に接続すると解析に失敗する。

  • 電源(VDC/VAC)を並列に接続すると解析に失敗するという不具合がありました。これは、電源を含むループで電流を制限する素子(等価抵抗分)が全くないために電流値が決定しないために発生します。人間であれば、電圧が0Vだから電流は0Aと分かるのですが、KamiSimは概念的には0V/0Ωの計算をしようとして失敗してしまいます。実は、現実にも高性能な安定化電源を並列接続するときには大電流が流れてしまうことなど同じ問題が生じ得るのですが、感覚的には不自然であるので不具合として扱います。対応策としては、電源に直列にごく小さな抵抗を挿入してください。これは、KamiSimの理想的な(出力インピーダンス0Ω)電源に出力インピーダンスを持たせて電流値が発散しないようにする働きをします。なお、将来のバージョンアップではこの機能を組み込むかもしれません。
  • (左の回路は解析に失敗する)

    (左のようにすれば解析に成功する)

    [Jul.28, 2001] バージョンアップ(Ver.1.1.0.1)
     このバージョンアップは操作法やKSMファイル(回路図保存ファイル)、及び、デバイスモデルの実装に変更が加わった重要なものです。Ver.1.0.0.0からバージョンアップされた方は必ずお読みください。

  • ダイオードの交流抵抗とDCバイアスの関係を算出している式に誤りがあった のでこれを修正した。高周波回路でよく使われるダイオードスイッチ等をシミュレーションする場合(←KamiSimでするはずない?)に問題になる可能性があった。
  • ツェナーダイオードを追加した。順方向はダイオードデバイスと同じ特性を示し、逆方向は設定した電圧程度で電流値が立ち上がるダイオード(普通は0.6V〜0.7Vのものが、設定値になる)になるようなモデルにした。
  • 発光ダイオード(LED)を追加した。順方向約2V程度で電流が立ち上がるダイオードとしてモデル化したが、電流値によって外観が変化する。
  • 電球デバイスの外観が変化する電力の閾値を変更した。定格電力よりも少し低い電力で最大輝度の表示になる。以前は、例えば1Wの電球に0.9999Wの電力を印加しても暗い外観になり不自然であったので。
  • 回路を変更すると、電球や発光ダイオードなどのデバイスの外観が初期状態に戻るようにした。
  • デバイスを全体的にコンパクトに再デザインし、画面上により多くのデバイスを配置できるようにした。(もともとあまり大規模な回路をシミュレートするソフトのつもりではなかったのだが、要望が多かったため)
  • 作業ウインドウにスクロールバーを追加し、大きな部品配置スペースを確保できるようにした。前項とあわせて、大規模な回路のシミュレートが可能になる。
  • デバイスサイズを再デザインしたことにより、古いKSMファイルを読み込んだときにはデバイスのサイズを自動的に現在のバージョンにあわせる ようにした。シミュレーションには問題ないが、配線がデバイスから離れたような表示になってしまう。再配線すれば(デバイスを移動するなど)正常になる。
  • 作業ウインドウのスクロールを、ウインドウの背景をドラッグして行えるようにした。スクロールバーによるスクロールだけでは作業性があまりよくなかったため。
  • 配線の位置調整を、デバイスの位置調整と同様にドラッグによって行うように変更した 。操作性を統一するため。
  • 配線の削除は、[CTRL]+[SHIFT]+[左クリック]によって行う ようにした。前項の変更により配線が選択される状態がなくなったので、ツールボタンによる操作が不可能になったため。
  • デバイス・配線の削除を、[DELETE]キーでも行える ようにした。

  • KamiSim Ver.1.3.0.1 インストーラー付(1.3Mbytes)

    [ ksim1301.lzh ]KamiSimのインストーラー付のパッケージです。Install Shield社のインストールプログラムによって作成されており、インストール/アンインストールが簡単に行えます。 このファイルは、Vectorのライブラリに登録してありまり、左のファイル名部分をクリックするとダウンロードページへジャンプできる はずですが、うまくいかない場合はこちら(http://www.vector.co.jp/ )から次の情報を元にダウンロードしてください。

  • 【ライブラリ番号】PA004101
  • 【作品番号】SR022960
  • 【作品名】簡易電気回路シミュレータKamiSim
  • KamiSim Ver.1.1.0.1 インストーラー無し(677kbytes)

    [ksim1301exe.lzh ]KamiSimのインストーラー無しのパッケージです。実行ファイルとヘルプファイルだけがアーカイブに納められているので、ファイルサイズが小さくなっています。「インストールやアンインストールなど自分でできるから、サイズが小さいほうがいい」という方はこちらをダウンロードしてください。インストール方法は、同包の「readme_jpn.txt」を参照してください。


    KamiSimに寄付をいただける方は、Vectorのシェアレジサービスをご利用ください。リンク先は https://sw.vector.co.jp/swreg/step1.reserve?srno=SR022960 です。


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