ZERO3 と WindowsMobile 5.0

2006/08/02 (最終更新:2006/08/02 23:08)

◎ WILLCOM の W-ZERO3es 買いました

iPAQ h2210 以降、 携帯電話の高機能化や NotePC の軽量&長時間化等の影響もあって しばらく PDA を持ち歩いていませんでした。 W-ZERO3es (WS0007SH) を入手したので 久しぶりに PocketPC を使ってみます。

◎ 最初の印象

使い勝手や画面の印象も動作するソフトウエアも 最初の印象は進化して便利になった PocketPC です。 以前から PocketPC 系を使っていた人なら カスタマイズやセットアップも手馴れたものでしょう。

自分も iPAQ (PocketPC) + AirH の組み合わせで使っていたので できることはほぼ一緒。 さらに 小さくスリムなボディながら VGA 液晶で、 片手入力&操作も可能なテンキーに デジカメなど魅力的なハードウエアが山盛りです。 LAN 接続がないけれど PDA としてみたら最高です。


その一方で携帯電話機(PHS)としての側面も持っています。

携帯電話としてみた場合は評価が一変します。 気軽な操作性という面で専用機に劣ります。 大き目のボディに 分類表示しづらい電話帳や慣れない使い勝手。 時として画面タップが必要になってしまう操作性など、 とっさの電話時には思い通りにならないもどかしさに直面するでしょう。

PDA から見て実に便利だと思ったデジカメ、バイブ、通信内蔵、 片手操作やテンキー入力などは どれも専用の携帯電話端末では当たり前のもの。 高級な最近の専用機と比較すると 個々の機能はどれもこれも見劣りし、 呼び出しに手間がかかったり設定や覚えることが多かったり アプリ毎に統一感がなかったりと不親切です。


じゃあ何で買うのか、欲しくなるのかというと、 ハードウエアの魅力と閉じた固定のデバイスではない点にひかれるわけです。

ソフトウエアの開発や さまざまなアプリケーションの追加によって 固定の専用機には真似できないさまざまなことができるようになる、 そんな期待があります。 使いやすくより便利になる可能性を秘めています。

それもメーカーのサポートやファームアップを待つばかりではなく、 ユーザーの手で自ら改善していくことができるわけです。

専用機と比較すると劣ってしまう使い易さや親切さの代わりに、 融通の利く何でもできる自由と懐の広さとマニアックな奥深さを手に入れたのが WindowsMobile 5.0 搭載 W-ZERO3 です。


例えばパソコンでテレビが見れるようになって DVD 再生もあたりまえ、 グラフィックもゲームも満足のいくレベルになって、 音楽も通信もパフォーマンスを気にせず使えるようになって、 ほんと便利になったなと痛感します。

だけど個々の専用機でも十分満足していたのなら、 TV や DVD やゲームのために いちいちパソコンを立ち上げなければならないのは不便です。 だからこそ専用機も必要なのでしょう。

ZERO3 の使い勝手はそう、 まさにいちいちパソコンを起動しながら各機能を使っている、 そんな感じがします。 いちいち手間がかかるけれど、 それでも専用機では満足できない人のための端末なのです。

◎ ギャップを克服する必要あり

Nokia の V702NK (6630) を使ったときも思ったのですが、 知っておかなければいけない常識が他の携帯電話と 大きく異なっています。

ずっと PocketPC を使い続けてきた人には当然と思えることでも、 一般の人からすればおそらくわからないことばかり。 最初は覚えるものががいくつもあるはずです。

でも一度コツをつかんでしまえば 今後もこのシリーズの端末が出ればそのまま使いこなせるはずです。 これまで何世代にもわたって さまざまなメーカーから PocketPC 端末が登場しました。

初期から継続して端末を作り続けているメーカーは少なく、 ユーザーは世代毎にいろんなメーカーの端末に乗り換えてきました。 それができるのは基本的な操作がどれも一緒だからです。

※参考 PocketPC 一覧

◎ これまでの PocketPC

現在は WindowsMobile と呼ばれることが多いようです。 これまでもバージョンや世代毎にさまざまな呼び方に変化してきました。

名称は異なるものの WindowsCE という OS を搭載していて PocketPC 系の UI とアプリケーションをそろえた 同シリーズの端末であるといえます。

◎ PocketPC 最強のマニュアル

ZERO3 には分厚い本体マニュアルが付いています。 厚さだけでなく中身も携帯電話のように非常に丁寧で細かい操作まで行き届いた 解説になっています。

ハードウエアの説明だけでなく OS 操作部分も含めて 丁寧に解説したマニュアルは初めてかもしれません。 もしかして PocketPC 最強の取説でしょうか。 (もしあったらごめんなさい)

WindowsCE 系の PDA は、ハードウエア部分以外は PC 同様に Microsoft の Windows 系共通マニュアルと各 アプリケーションの個別説明書だけの場合がほとんどでした。

でも携帯電話としてみたら当たり前

◎ PDA としての変化

もともと PocketPC が非常に便利だと感じたのは デスクトップ PC の脇に置いたクレードルにいつも立てて置けることです。

充電も同期も勝手に行われていて、 席を立つときに外して持ち歩くだけで 必要な情報に簡単にアクセスできました。

普段は PC を使っていて、持ち歩きたいと思った情報も 適当にキャプチャし 必要なときに ActiveSync 経由で PocketPC に入れるだけ。 クレードルへの接続や Sync や電源の ON/OFF もわりとラフでも大丈夫です。 いちいち電源を切りなさいとか言われません。

しばらく使っていて動作が不定になったら即リセットです。 (使ってるとだんだん何かやる前にリセットが必要になってくる) 長期の旅行など、 放電によって本体メモリの内容が消えてしまった場合も ActiveSync 経由でバックアップからリストアするだけで復帰できました。 それゆえ ActiveSync によるまめなバックアップは必要不可欠です。


対して WindowsMobile 5.0 を搭載した ZERO3 はどうでしょうか。

特に ZERO3es は標準では通信対応クレードルも Bluetooth も無線 LAN もないのでいちいち USB ケーブルを繋ぐ必要があります。 そのため上に書いたような 「気軽に常に ActiveSync」といった使い方では少々不便を感じます。

その代わり ボタンがほとんどなかった pure PocketPC PDA から見ると ZERO3es の入力手段は実に多彩です。

ZERO3 はそもそも携帯電話機(PHS)です。 メールを打ったり外出時に単体でネットに繋いだり。 同期などの PC 接続よりも 単体で十分使える操作性が必要です。

WindowsMobile5.0 自体も記憶領域が フラッシュメモリになってバッテリー放電のプレッシャーから開放され、 それにあわせて ActiveSync の経由の自動バックアップ機能がなくなりました。 さらに 単体での CAB インストーラが便利になっていたりと、 PC がなければ便利に使えなかったという 「PC の束縛」から抜け出そうとしているように見えます。

◎ 携帯電話が WindowsMobile になってたぶん便利なこと

携帯電話が PC のようにオープンな環境になって便利なこと。
(V702NK 等スマートフォン全体に当てはまる項目も多いです)

・ PC と親和性の高いソフトウエア開発

VisualStudio や eEmbedded VisualC++ を使った ソフトウエア開発が可能です。

開発環境さえあれば誰でも開発可能で Java のような機能的制約もなし。 開発環境や API に互換性があるため Windows プログラマなら比較的簡単に手を出すことができます。 ソフトを自由に作ることができるし、 またそうやって作られたソフトウエアを入手することもできます。

・ 豊富なアプリケーション

ほとんどゲームが中心の携帯電話アプリと違って、 ツールや実用系のソフトが揃っています。 例えば辞書ソフトや地図ソフトなど 常に携帯してどこでも取り出せるからこそ 便利な大容量アプリが動くのは魅力的です。

・ 通信環境

PocketIE をはじめとして PC と同等の web ページを見るためのブラウザが動きます。 メールも PC と同じものが閲覧可能なので、 制約の面で携帯電話と異なります。 ただし標準添付のものは非常に使いづらいこともあるので、 その場合はカスタマイズ系ツールや 他のソフトウエアを導入で補います。

・ PIM の強化

PDA 本来の目的なので、PIM 系の機能が強化されます。 されるはずです。が、PocketPC 系の PIM アプリは 標準のまま使うのは少々厳しいかもしれません。 シンクロを活用して編集は PC 上で 行ったり、 代わりのソフトを探す必要があるかもしれません。

・ PC とのシンクロ

もともと PocketPC 系 PDA の特徴が PC の Outlook とシンクロして情報を持ち歩けることでした。 (PC 用の Outlook 自体も PocketPC に付属していました)

Outlook はメーラーとしては悪名高いですが、 PIM 統合ソフトなので必ずしもこれで メールを読む必要はありません。 住所録やスケジューラを PC 上で管理しておけば 繋ぐだけで勝手に同期します。 情報を手軽に一元管理できるのは大きなメリットでしょう。

・ 高いカスタマイズ性

PC のようにさまざまなアプリケーションを入れることが可能です。 各キーの機能から見た目など、 カスタマイズの幅も大きく広がっています。

◎ 携帯電話が WindowsMobile になって不便になるかもしれないこと

・ パソコンのような基礎知識が必要

最初から何でも入ってるわけではなく PC のように必要に応じてソフトをインストールしていく 必要があります。 それゆえ ファイルやフォルダ構造に拡張子とか、 インストール方法とか設定方法とかショートカットとか、 徐々にパソコンのような基礎知識が必要になってきます。

・ 画面タップが必要

WindowsMobile 5.0 専用ソフトは おそらくソフトキーだけで操作が完結すると思われます。 昔の PocketPC 用ソフトなどは メニューなどの操作に画面のタップが必要です。 ペン操作は両手を使うので少々手間に思うかもしれません。

◎ 使っていて遭遇したトラブルなど

◎ その他気が付いたことなど

◎ セットアップなど

以下、実際に ZERO3 セットアップした手順等を書いてみます。

◎ PocketPC で最初にやること 1

◎ Windows Mobile の前知識 1

・ メモリには2種類あります

・ (1) プログラムが動作するための実行用メモリ

PC の RAM に相当します。 多い方が動作が安定して遅くなることが少ないのは PC と同じです。

・ (2) データを記憶するための保存用メモリ

PC の HDD に相当します。 多い方がよりたくさんのデータを保存できます。

・ WindowsMobile5.0 より前の PocketPC は RAM 保存でした

昔の PocketPC や Palm は 本体内部の データの記憶用として RAM を使用していました。 外部ストレージとして CF や SD カードが使えましたが、 本体の記憶領域は RAM DISK 相当です。 そのためバックアップ用電源が必要で、 電池が完全に放電してしまうとメモリ内容が消えていました。

・ やっとフラッシュメモリになりました

WindowsMobile5 系の PDA は、 本体の記憶領域として フラッシュメモリを使うことができるようになっています。 そのためバックアップ電源がなくても本体のメモリ内容が 消えません。

携帯電話を含めて いまどきとしてはこれが当たり前かもしれません。

・ ちなみに

例外として CASSIOPEIA l'agenda は WindowsCE3.0 だけど、 CASIO が独自に改良して フラッシュメモリでの動作を可能にしていました。

また SHARP Zaurus は、 1996年ごろの MI 系以降ずっと 本体の記憶用メモリはフラッシュメモリでした。

◎ Windows Mobile の前知識 2

・ ActiveSync とは

PC と Windows Mobile を繋いでデータの転送をしたり さまざまな情報の同期を取ったりするためのソフトです。

iPod で言えば iTunes に相当します。 ただし ActiveSync は情報の転送のみで、 データそのものの管理は Outlook 等他のソフトに依存しています。

ActiveSync を PC に install しておくと、 USB ケーブル等で繋いだときに エクスプローラでファイル転送できるようになります。

ファイルの単純なコピーだけでなく、 予定表、連絡先、などの PIM データのシンクロや ソフトウエアのインストールもできます。

またケーブル接続時に時刻をあわせてくれたり、 接続中はPC 経由のインターネット接続もできます。

できること

  • Outlook との PIM 同期、予定表、連絡先、仕事、メモ等
  • Outlook のメールとの同期
  • お気に入りの同期 (モバイルのお気に入りフォルダ)
  • エクスプローラを使ったファイルの相互転送
  • PC 経由でのインターネット接続
  • 任意フォルダのファイルの同期
  • MediaPlayer10 の同期
  • ソフトのインストール

なお、ActiveSync による同期は 2台の PC まで可能です。 この場合メールの同期は2台めの PC としかできません。 2台以上の場合でも guest の設定をすれば ActiveSync を使ったファイル転送は可能です。

WindowsMobile5.0 以降は ActiveSync でバックアップ&リストア ができないようです。

◎ ZERO3 で最初にやること

◎ PocketPC で最初にやること 2

◎ Windows Mobile の前知識 3

・ インストール時に選ぶもの

WindowsCE はその歴史上 さまざまなバージョンが存在しており、 さらにデバイスによって CPU も異なっていました。 そのため1つのアプリケーションでも 実に数多くの配布パッケージが存在しています。

PocketPC2002 以降は CPU は ARM 系のみの一種類と なったので比較的楽になりました。

ZERO3 用を選ぶならば、CPU の種類は ARM になります。 OS のバージョンは WindowsMobile5.0 用か もしくは PocketPC2003 など できるだけ新しいものが良いでしょう。

・ ソフトのインストール方法

WindowsCE 用のアプリケーションは CAB 形式のファイルで配布されている場合が多いです。 拡張子が .CAB の場合もあれば、 CAB をさらに Zip や LHA 形式でまとめている場合もあります。

これらの CAB ファイルは 何らかの形で 本体に転送できれば ファイルエクスプローラでタップするだけでインストールできます。

転送には ActiveSync を使った PC 経由でもいいし、 miniSD カード + カードリーダー経由でも良いし、 できるならブラウザで直接ダウンロードしても構いません。

WindowsMobile5.0 ではインストール先として 「デバイス」(本体メモリのこと) か 「メモリカード」 (ZERO3 では \miniSDカード ) か選べるようになっています。

インストール時のコツは、 システム系や常駐物など クリティカルと思われるアプリはできるだけメモリカードではなく 本体メモリ(デバイス)にインストールすることです。

CAB のインストーラでインストールしたものは [設定] の [プログラムの削除] でアンインストールできます。 アンインストール手順についてはきちんと各アプリケーションの ドキュメントも参照しておいた方がよいでしょう。

・ CAB 以外のファイル

CAB が一番手軽ですが exe 単体配布のものもあります。 このような場合は Program Files の中に適当なフォルダを作ってそこに入れます。 その後 ショートカットを自分で作成して 「\Windows\スタートメニュー\プログラム」 に入れる必要があります。 少々手間がかかります。

◎ 個人的な目的

文章入力用の端末として以前は MobileGear 以降 H/PC 系を使っていました。 電源 ON で待たされずにいつでも取り出せて バッテリーもかなり持つからです。 特に Jornada720 のキーボードは必要最小限ながら ぎりぎりタッチタイプ可能で非常に便利でした。

そんなわけで長いこと H/PC + PocketPC という PDA 2個持ち状態でした。 (さらに 携帯電話や AirH カード も) 何とかこれを PocketPC 1台にしたかったのですが うまい解決方法がありませんでした。

結局選んだのは PDA をあきらめて 軽量&長時間持つ Windows の NotePC を使うこと。 気軽に取り出せないけれど1つで済むしこれはこれで 環境的には申し分無しです。

今回 ZERO3es を選んだのは、 携帯電話と PocketPC を1つにできることと USB 外付けキーボードで満足いくレベルの文章入力ができそうだったからです。 気軽に取り出して内容確認できるけれど、 さらにしっかりした文章も打つことができる。 そんな環境をしばらく目指してみます。

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フルパワー全開 Hyperでんち

Hiroyuki Ogasawara <ho>