いままでは、MI-C1 のカラーやカメラが目新しくて、いろいろと 実験したり試したり周りの知人に貸して見せたりするために 本格的なデータ移行をまだ行っていませんでした。
そのため MI-C1 の他に、メインマシンとして igeti MI-P2-B を持ち歩き、 さらに比較してその小ささを説明するために ZaurusPocket MI-110M まで 3台携帯して持ち歩くという始末。 さすがにそろそろ散財の現実感がじわじわと身にしみてきた五日目の朝、 まじめに使うためのデータ移行と環境整備をまじめに考えてみます。
MI-C1 では、 他の MI Zaurus からの乗換えユーザーのために、 簡単に全データを移行を行う新しい機能(追加受信)がつきました。 マニュアルでは活用編の付録に載っています。
MI-C1 へ全データを移す場合、送り手側は バックアップ・全データ通信 を行うだけです。 受け取り側である MI-C1 の方で、そのデータを適切な処理を行い取り込みます。 受け取る内容を機能別に絞り込むこともできるし ブックマークや接続先といった設定まで転送可能です。
この機能を使って、光通信で MI-P2(igeti) から MI-C1 へ難なくデータを 移行することができました。 はずでした。 ところが、歳時記データなど igeti にも MI-C1 にも最初から入っているデータは この移行で2重になってしまいます。(実はマニュアルにもちゃんと注意書きあり) MI-110M など、データを持っていない機種からデータを移す場合は、 非常に素直に行うことができるのでしょう。
データ乗換えで2重になってしまった歳時記データを1つ1つ削除するために 記念日設定画面で四苦八苦することになってしまいました。 記念日設定には一覧表示がないので、数が多いと編集作業がたいへんです。
そんな気の滅入る作業をしつつ、 記念日設定画面に見なれないボタンが増えていることに気がつきました。 「休日にするかしないか」「カレンダーに表示するかしないか」 この二つを記念日データ毎に切りかえることができるようです。 MI-C1 の歳時記データは「カレンダーに表示する」がOFFになっていましたが、 転送された MI-P2 の歳時記データは全部 ON 扱いでした。
OFFだとカレンダーの数字に枠がつきません。 スケジューラの項目には表示されます。
情報ファイルは一見大きな変化がない様に見えて、 結構細かな改良が目立ちます。
例えば各データとファイルとの対応付けを細かく制御できるようになりました。 それも、それぞれの機能画面から行うことができます。 表示の遅い情報ファイル画面をいちいち開く必要がなくなっています。 その操作内容は次の通りです。
特筆すべきは 分類状況の確認 でしょうか。 そのデータがどのファイルに分類されているかがわからないことは、 以前 MI-P2 レポートその2 で指摘したことがありました。 このときはまとめとして、データ管理手法の大幅な設計し直しを望んだものの、 MI-110M → igeti MI-P2 → MI-C1 と着実な改良が目に見えるのは評価できます。
プルダウンメニューでは、情報ファイルの PC送信箱 への登録を
ワンタッチで行うことが可能です。
これを利用して、PC送信箱 を一時的なテンポラリファイルに使うことができます。
例えば削除したいデータを PC送信箱 に登録していって、
あとから PC送信箱で 絞込み、ファイル内全データ削除を使えば
データをまとめて消すことができます。
まとめて削除についてはマニュアル活用編の 204ページのコラムに説明があります。
(ちょっっっとプルダウンメニューのスクロールが遅いのが気になるけど、
情報ファイル名に色アイコンがついたせい?)
アイコンで呼び出せるお好みメニューには、各機能画面で 「削除」または「削除:1データ」をとりあえず設定しました。 機能によっては 「貼込(ペースト)」「切取(カット)」「複写(コピー)」も登録。
インデックスは、普段良く使うものだけ「オリジナルインデックス」に アイコンを入れて、アイコン数は1画面未満に厳選します。 インデックスボタンのタッチ一回で「オリジナルインデックス」呼び出し。 二回タッチで「MOREインデックス」、三回タッチで「本体機能インデックス」が 出てくるようにしました。
「ホームインデックス-1/2」は現在未使用です。 頻度は低いけど 必要な機能はツールボタンで呼び出せる「ツールインデックス」に任せます。 ここはデフォルトのアイコンに「MORE管理」を追加しただけ。 これでちょうど一画面です。
電源ONで最初に表示する画面は「電源を切る前の画面」にしてみました。
とりあえずこんな設定で使っています。
MI-C1 では、さまざまな画面で文字サイズを変更できるようになりました。 文字サイズ変更といえば、昔 PI ZAURUS では裏技で、 電話帳一覧画面のフォントを縮小することができました。 このときは一覧性を高めることが目的で、切り替えるとフォントは小さくなります。
MI-C1 の場合はその逆で、 フォントサイズを大きく見やすくすることが目的のようです。
ところで、従来の Zaurus でもメール画面など、極小のフォント表示に 切り替えることができました。 その文字が MI-C1 ではどうやら縦長ものもに変更されているようです。 実際同じメールを igeti で表示させて比較すると表示行数も違います。 ひょっとしてこれが噂の 12x8 dot 新 LCフォント なのでしょうか? 行数が減ったけどたしかに読みやすくなっています。 ワープロや MORE ソフトなど他の機能では、従来と同じ 10x8(?)フォントが表示されます。
ちょっと気がついたこと。 MI-C1 のインデックス画面で、[機能]+[↑] をタッチすると 何やらダイアログが一瞬表示されます。
さすがカラー表示の嬉しさが実感できる MI-C1 ブラウザです。 普段パソコンで見ているのと同じ色、同じ印象。 動作も ZaurusPocket よりずっと軽くていい感じ。
見なれたパソコン画面と同じレイアウト印象を受けるもう一つの理由は、 何とフレーム表示にありました。 これまでの QVGA Zaurus はフレームページ対応であるものの、 右上にフレームマップが表示され、ページ単位に切り替えるものでした。 MI-C1 は狭いながらもきっちり画面分割で表示されています。
戻るボタンがページ(リンク)のBackじゃないのは意外でしたが これは左右スクロールキーに割り当てることができます。
オプションポート15→オプションポート16変換コネクタ である CE-HA15 には、 ACアダプタ用の接続口がついています。 ZaurusPocket MI-110M/106M/106 ではもともとこの CE-HA15 を使わなければ ACアダプタを使うことができませんでした。 (15→16で増えた線は電源供給用と思われる)
そのため、ここにいつも ZaurusPocket 用 ACアダプタ EA-59 と オプションポート15用のパソコン接続ケーブル(CE-150TS)をつないでいます。 こうしておくと、SZAB による MORE ソフト開発時は オプションポート16 に CE-HA15 を抜き差しするだけで 電源とケーブル接続を一度に行えて都合が良いのです。
なので、Zaurus Speed Test を作るとき、ついついその状態のまま MI-C1 にもつないでしまいました。
MI-C1 についてくる ACアダプタは EA-65 という、EA-59(これも十分小さい) よりさらに小型な別物です。 マニュアルや付属冊子のオプション対応一覧を見ても ACアダプタの互換性については 特に言及されておりません。 電気的な仕様は同一なのと、オプションポート16自体共通なので、 おそらく共通に使えると思われます。 (実際にしばらく気がつかないで EA-59 を使ってしまった)
EA-59 と EA-65 との違いは、サイズ以外にも対応電圧の違いがあるようです。 (EA-65 は AC100V のみ、EA-59 は 100V〜240V)
本体メモリー不足が気になると何度か書いた MI-C1。 しかしスペック表には本体メモリ 16Mbyte 搭載と書かれています。 今までのザウルスの容量をざっと並べてみます。
機種名 | 本体メモリ容量 | ユーザー領域 | 作業用メモリ(DRAM) | フラッシュメモリ |
MI-504 | 4Mbyte | 1.45Mbyte | 2Mbyte | 2Mbyte |
MI-506 | 6Mbyte | 3.4Mbyte | 2Mbyte | 4Mbyte |
MI-110M | 10Mbyte | 7Mbyte | 2Mbyte | 8Mbyte |
MI-106M | 6Mbyte | 3.1Mbyte | 2Mbyte | 4Mbyte |
MI-310 | 10Mbyte | 7Mbyte | 2Mbyte | 8Mbyte |
igeti MI-P1 | 6Mbyte | 3.2Mbyte | 2Mbyte | 4Mbyte |
igeti MI-P2 | 10Mbyte | 7Mbyte | 2Mbyte | 8Mbyte |
MI-EX1 | 24Mbyte | 15Mbyte | 8Mbyte | 16Mbyte |
MI-300 | 4Mbyte | 1.45Mbyte | 2Mbyte | 2Mbyte |
MI-C1 | 16Mbyte | 7Mbyte | 8Mbyte | 8Mbyte |
これを見て明らかなのは、ユーザー領域というのは、 本体メモリのうちフラッシュメモリの部分を差しているということです。 本体メモリ容量 16Mbyte の MI-C1 も、フラッシュメモリは 8M なので 本体メモリ 10Mbyte の MI-110M や MI-P2 とユーザー領域は変わりません。
では、残りの 8Mbyte は無駄になっているのかというとそんなことはありません。 フラッシュメモリは、パソコンでいうハードディスクに相当する部分です。 実際のデータはここに格納されています。 作業用メモリは、内蔵アプリケーションや MORE ソフトなど、 プログラムを走らせるために必要です。 パソコンでいう搭載メモリ(RAM)容量と同じであり、 この容量が大きいほど 大きなメモリを必要とする、より本格的なアプリケーションの動作にも 耐えられることになります。
従来は、2Mbyte の RAM が ZaurusOS の標準的な容量だったと思われます。 今後は 4倍になった 8Mbyte を駆使した、 多彩なアプリケーションが登場することになるのでしょう。 メール容量制限緩和やブラウザのフレーム対応等が実現したのも、 この大容量 RAM のおかげかもしれません。 画像にしろ音声の扱いにしろ、どれもメモリを大量に必要とするので、 MORE 製作の立場から見てもたいへん魅力的です。
「そんなにいっぱいあつめてどうするんですか?」
「ザウルスコレクター?」
浮かれている本人に対して、まわりの反応は実に冷ややかなものです。
別にコレクションしているわけではないのですが、Zaurus は複数台あったほうが便利なこともたまにはあります。本当です。 それは SZAB による MORE 開発で、やっぱり普段使っているメインマシンとは別に、 開発時の実行テストを安心して使えるマシンがあると何かと重宝します。 かつて MI-110M と igeti MI-P2 はそのような使い分けをしており、 MI-110M は開発のメインマシンになっていました。
また、データ整理のテンポラリとして使うこともあります。 本体からカードへデータを移す場合、光通信+もう一台の Zaurus を使うと 簡単に行うことができます。(MI-C1では1台でできるようになってしまった) フォトメモリーに走り書きしたメモを見ながら、 レポートに書き写す場合も2台使っていました。
そう、複数ザウルスは 2台まではちゃんと使い道があって、2台までならまだ 必要なのだと胸を張って答えることができます。
3台目からはどうしよう。
Zaurus はたいへん小型であるにもかかわらず、 カードスロットを装備しており、MORE ソフトで任意のアプリケーションを走らせることができるという なかなかの拡張性を持っています。 そこで、アプリケーションを走らせて、実行専用機として割り切るのも一つの手です。 普段持ち歩くPIM用ザウルスの他に、 場所を取らずいつも卓上においておけるサブマシン。 例えば、 本体内蔵辞書、グランド辞スパ(CE-ZM5R)、ZPDVIEW等を駆使して 強力なポータブル辞書機に仕立ててしまうこともできるでしょう。 ソフトがあればですが、プログラム可能な関数電卓専用機として活用することも 不可能ではないはず。 問題は、そういう実行専用機として活用できるくらい 魅力的なソフトが今後登場するかどうか・・ですね。
[メニューに戻る] | [ZAURUS総合] | [DirectX] | [Ko-Window] | [Win32] | [WinCE] | [携帯電話] | [その他] |
フルパワー全開 | Hyperでんち |