今までと違う、何かが違う、確かに違う。
PAシリーズの電子手帳、PI ZAURUS、そして MI Zaurus へ。 「紙の手帳を置き換えること」 それが SHARP の電子情報端末 PDA の始まりであり原点でした。
紙の手帳に近づくためにはより小さく薄く軽く、 そしてより多くの機能を内蔵しよう。 この基本姿勢は PI ZAURUS でほとんど完成し、 さらにインターネットが普及する前すでに PI ZAURUS は、通信端末としての可能性へも果敢に挑戦していたのです。
MI Zaurus の初代機種カラーザウルスは、さらなる新しい使い方を ユーザーに提案しようとしていました。 音声やカラーの TFT 液晶画面にデジタルカメラへと、 当時の言葉で表現するなら目指したのはまさに「マルチメディア」。 しかしながらその高すぎる目標も当時の技術とコストでは消化できず、 手帳には大きすぎるし重すぎるしむしろレスポンスへの足かせとなる、 パソコンとしては自由度もメモリもアプリも少ない。 MI Zaurus の苦悩と挑戦はここからスタートすることになりました。
銀色に輝くボディに並ぶメカニカルなスイッチ群。 手帳路線のこれまでとは全く異色の MI-E1 は、 AV機器としてみると実に納得できるデザインです。
電子手帳からAV家電への割り切りと転換は、 これまで見えにくかった MI Zaurus の方向性をはっきりと確実に示してくれます。 ぼやけていたものを鮮明にします。
何かが違う MI-E1 。Zaurus の到達した答えはまさに原点を覆す、 脱電子手帳 に他なりません。
当時 1〜2M しかないメモリで、無謀と思える 65536色表示の フルサポートで登場した MI Zaurus 。
本当に電子手帳でカラーが必要なのか、本当にメモやスケジューラに カラーが必要なのか、 モノクロでレスポンスの良い PI ZAURUS の方が使いやすいじゃないのか? 周りの疑問をよそに、MI Zaurus は当初から高すぎるスペックを維持し続けます。
しかし今、 携帯電話のカラー画面すら当たり前となった現在、その答えは明らかです。 MI Zaurus のアプリケーションは当初からカラー対応であり、QVGA (320x240dot) 65536色 表示は当たり前。4年も前から MI Zaurus の標準です。
その機能の目指すところを本当にフル活用できるほどに、 MI Zaurus が成長するには時間がかかりました。
MI-E1 はやってきました。「お待たせ」
12月15日。 いつもは突然発表されることが多い Zaurus ですが、 今回は特別(?) 早い時期からコンセプトモデル がお目見えです。 その展示の雰囲気からてっきり、もっと発売は先かと思っていました。 12月15日、店頭にて手渡しで受け取り、 とうとう手に入れてしまいました MI-E1。
ぷっくりした MI-E1 は意外に大きく見えますが、比べてみると意外に 小さいことがわかります。 ZaurusPocket よりも短く、大きさ的には C1 + α といった感じです。 だけど厚みはあります。
ぷっくりした E1 を使ったあとに、ふと C1 を手に持つと、 手のひらから薄さがはっきり伝わります。 ポケットにもちょっと入りにくいかもしれません。
MI-E1 は、MI-C1 と同じように反射型の TFT カラー液晶を搭載しています。
MI-C1 は一切内部で光を発せず、すべて外光だけで発色をまかなっていました。 にもかかわらず、カラー画面ははっきりわかり、描画レスポンスも良好です。 その代わりうっすら暗い場所になると、 何が書いてあるのか読みにくくなってしまいます。
MI-E1 ではいつでもON/OFFできるフロントライトがつきました。 ライトをつけると暗いところでもはっきり見え、さらに発色も良くなります。 反射型液晶では白が若干灰色になり、くすんだ黄みがかった色に見えてしまいます。 MI-E1 の場合ライトをつけると、バックライト付き透過型液晶のように 鮮明な白い色が現れます!
その代わり、ライトをつけない状態での MI-E1 は、C1 より若干暗めの 画面になってるようです。 隣に置いて比較してみると、ライトをつけない状態では C1 の方が 明るく見やすくなっています。 おそらく、フロントライトをつけるために、液晶の上に導光板の類が 覆っているからではないでしょうか。
電源 ON は、これまでの Zaurus 同様 [戻る] ボタンに割り当てています。 画面タッチでは電源が入りません。
でもあれれ、電源を切る OFF ボタンがみあたらないようです。 やっぱりありません。 マニュアルによると、[戻る] ボタンの長押しで電源を切ることになっているようです。 切れました。
カードボタンも独立してはありません。 機能ボタンの長押しです。 [カード]キーを使う MORE ソフトでも、 長押しできちんと使えました。
これらは全部 ボタン なので、ペンではちょっと押せません。
ペン軸が金属製になっています。 MI-E1 のタッチペン、大きさも形も完全に MI-C1 / MI-P10 用と同一です。 試しにそれぞれ交換してみましたが、本体にしっかり収まるし違和感無く使えます。
MI-E1 のペンは、軸が金属製のためか重さが 7g ほどあります。 C1 や P10 のプラスチックペンに交換すると、5g 程度の軽量化が 可能です。 これで本体 195g 。MI-C1 に近づきました。
これまでのザウルスように、電池ロックスイッチでは 簡易リセットがかかりません。 マニュアルを見たところ 「ロックスイッチ解除」「電池蓋をはずして5秒間」「再びスイッチのロック」 これでリセットがかかるそうです。
MI-E1 はこれまでの Zaurus と違い、本体だけで MP3 の再生を行うことができます。 ヘッドホン端子がついているので、ここに手持ちのヘッドホンをつなぐだけで カード内の MP3 データを聞くことができました。
MP3データは、カード上の __ZAURUS フォルダに入れておく必要があります。
試したかったので、32M の MMC(マルチメディアカード) も買ってきてしまいました。 Zaurus のカードスロットは CF(Type2) + SD ですが、互換性のある MMC も使えます。
欲しかった SDカードは運の悪いことにたまたま売り切れ。 そして 32M の MMC つき MP3 プレイヤーが 1万未満だったので 思わずこちらを選択。 まだ試していませんがパラレル接続の MMC カードリーダーもついてきました。 もちろん、MMC のカード領域にコピーした MP3 データも、 当然ながらそのまんま聞くことができました。
これまでの MI Zaurus には、本体メモリとカードメモリの2つが存在しています。 ファイルとしてアクセスする場合は 本体メモリが F0: 、カードメモリが F1: となります。 カードのカレントディレクトリは常に __ZAURUS フォルダなので、 フルパスで指定しない限り常にこの中のファイルが見えることになります。
MI-E1 ではカードスロットが二つもあります。 この実体はそれぞれ CF カードスロットが C1: 、 SDカードスロットが C2: です。 このうち設定画面で指定した方を F1: に割り当てることができます。
本体機能や MI-E1 カードに対応していないソフトの場合は、 この指定した方のカードスロットだけが F1: としてアクセスできます。
最初から任意のパスを指定できるソフトでは、C1: や C2: の名前を使うと 設定に依存しないで、両方のカードにアクセスすることができます。
例えば コマンドシェルの dash では、コマンド行から普通に「cd C1:」や「cd C2:」とタイプすることで、 カレントディレクトリを直接 CF カードや SD カードにすることができます。 もちろんそのままコピーしたり表示したり、さまざまなファイル操作を 扱うことが可能です。
先ほどの MMC への MP3 データ転送も、この dash を使って行いました。
3D 系のソフトも全部動きます。 速いこと速いこと。 ほとんど処理落ちしない速度になって、 ゲームもかなりの難易度アップです。 MI-E1 でプレイする R-panel は、非常にアクション性が高いほとんど別のゲームになっています。
teapot の描画ソフト(未公開)は密かに fps 表示できるのですが、 MI-C1 で 10fps 前後、MI-E1 では 24fps も出ています。
zxLinux もそのまま動作してしまいました。 使用したカーネルは、MI-P10 に対応した kp011 (bkit010) です。 横画面になりますが、 日本語コンソールに対応した kp010 や kp011 であれば、 問題なく動作すると思われます。 はやり動作は高速です。
肝心の中身やキーボードの方は、 まだ慣れない縦持ち画面のせいで実はあまり詳しく見ていません。
本日 MI-E1 を買ったあと最初に行ったことは・・
開発サポートページにあがっていた SZAB パッチをあてたのち、 再コンパイルした か え で の動作確認でした。 買ったマシンをすぐデバッグモードで起動する、 いつもながらのパターンでした。
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