本格運用開始 E1

2000/12/25 (最終更新:2005/08/28 15:27)

◎ ようやく登場「レポート&自由帳」

MI-E1 用の「レポート&自由帳」ソフト がようやく登場しました。

PI ZAURUS からのユーザーならおわかりいただけるかと思いますが、 テキストデータの蓄積は「レポート&自由帳」が原点でした。 なにしろ PI ZAURUS のファイル分類機能は「レポート&自由帳」 を効率よく整理するため だけ に存在していたしろものです。 MI Zaurus になってから ファイル分類の概念は一般化され、他の機能でも使えるようになりました。 それが「情報ファイル」です。

古くから蓄積しているデータを保ちつつ MI-E1 へ完全移行するために 筆者のには「レポート&自由帳」が必要でした。 この辺の事情については、当ページでは過去に何度も ( MI-P2 に移行するときなど) 読み物として触れているところです。

◎ テキストメモ形式の悩み

MI Zaurus から始めた比較的新しいユーザーの方は、 テキストデータの格納にどんな機能をお使いでしょうか。 何しろ MI Zaurus には 「ワープロ」 「インクワープロ」 「パーソナルデータベース(2)」 「レポート&自由帳」 などなど、多数のテキストメモ可能な機能が揃っています。

インクワープロは PI ZAURUS (PI-4000) から搭載された機能です。 当時は清書機能はなく、ベクトルデータを線画で保存するだけでした。 MI Zaurus で清書機能が付いたので、 線画以外にテキストデータを混在して格納する必要性が生じました。 それゆえテキストメモ機能として、「レポート&自由帳」など 他の機能と競合する部分が出てしまいます。

テキストメモ機能を一つに絞り込めなかったのは、 MI Zaurus 及びその互換機の憂いの一つです。 機種によって搭載機能にあまりに差があります。 上記4機能を全部内蔵したもの、 パーソナルデータベースのみ内蔵したもの、 インクワープロだけ別売りなもの、 ワープロのみ標準で付属するもの、 すべて標準ではついてこないもの。 そして最新機種 MI-E1 では標準で「インクワープロ」しかついていません。

今後のデータ互換性を考えるなら、 テキストメモ&閲覧機能も1つに絞り、 全機種に最低限必ず標準にするような統一化が必要でしょう。 もちろん移行するための他の機能からの柔軟な データ変換ツールも合わせて用意しなければなりません。 そうでないとシンクロソフトも困りますし、 ユーザーの使い方も機種を移行するたびにまちまちになってしまいます。

◎ レポート&自由帳て使えるの?

さて、4つ紹介したザウルステキストメモ機能の一つ 「レポート&自由帳」でのテキストメモのしかたについて少しだけ紹介します。 何度も書いているのでまたか、と思われるかもしれませんが・・ これ「レポート」機能は使用しません。

「新規作成」ボタンを押したら「自由帳」を選択します。 フォーム選択画面のページをめくって一番最後 「メモ」というフォームを選択します。 これで不要な区切り線のない、 プレーンテキストが入力できるようになります。

◎ MI-E1 のレポート&自由帳

Sharp Space Town から早速レポート&自由帳をダウンロードしました。 MI-C1 から全データ送信の開始です。 データ移行には MI-E1 の「追加受信」機能を使います。

MI-E1 内蔵機能同様に縦画面になりました。 画面表示が速いので、タイトル一覧表示も素早く タブによる絞り込みの分類切り替えも快適です。 少しだけ気になるのは、やっぱり横の表示文字数が減っていること。 もともとプレーンテキストのデータを横画面に合わせて入力していたので、 データによっては行の折り返しが生じてみにくくなってしまいます。 これは仕方ありません。あきらめます。

ところが PI ZAURUS の頃に入力したデータは、横幅ぴったり表示されています。 実は PI ZAURUS の画面サイズは 239x168 (PI-8000/MobilzeZ のみ 319x168) ドットです。 標準のフォントサイズ 12dot で表示したとき、 240x320 ドットの縦画面 MI-E1 と横幅も1行の文字数も 「レポート&自由帳」機能では完全に一致するのです。 もちろん MI-E1 の方が縦は倍近い広さです。

◎ 高速データ閲覧

今回ようやくデータ移行ができましたので、あらためて MI-E1 を使っています。 C1 に比べて確実に表示が描画が速くなっています。よくわかります。

MI-E1 買ってからというもの、データ移行どころかこれまで ほとんどまともに使ったことがありませんでした。 というのは・・・完全に MORE ソフト開発専用マシンになっていたからです。

そういえば去年の正月も、買ったばかりの発売されたばかりの新品 MI-C1 を酷使して 作っていたのが GA 3D Engine です。 (画面をたたきまくって R-panel、人がテストプレイをするときはらはらしてました。)

MI-E1 の レポート&自由帳の表示内容がスムーズスクロールする(!)のに驚いていたら、 スケジューラでもスムーズスクロールすることに今頃気がつく始末。

そういえば、インデックス画面に一度に並ぶアイコン数って MI-C1 より少なくなっているのですね。 MI-C1 が 4×4 の 16個、MI-E1 は 3×4 の 12個です。 インデックス画面に「データ通信」というメニューが増えていたので、 そこだけ見て単純に喜んでいました。

◎ お待たせ(?) MP3 再生テスト

MP3 プレイヤー機能が内蔵されました。 これまでの CE-AP1 対応 Zaurus 同様、MP3 の曲データを聞くことができます。 オーディオプレイヤーとして使えます。 それも最初から内蔵しているので本体の端子にヘッドホンをつなぐだけです。 でも MP3 データは大きいので、プレイヤーに使うには SD/MMC/CF いずれかのカードは必要です。

プレイヤーとしてみた場合、バッテリーがどれだけ持つか試しました。 演奏条件や曲データでもいろいろ変わると思いますが、こんな感じです。 (前回のテスト)
機種名 電源 プレイヤー カタログ値 (プレイヤー画面を隠す) カタログ値 (AnimationON) 画面OFFでの実測値
MI-C1 充電池 CE-AP1 3時間30分(210分) 2時間(120分) 5時間 1分(301分)
MI-P2 ニッケル水素 CE-AP1 なし なし 3時間25分(205分)
MI-P2 アルカリ電池 CE-AP1 3時間20分(200分) 1時間30分(90分) 未計測
MI-P10 充電池 CE-AP1 3時間30分(210分) 1時間40分(100分) 5時間10分(310分)
MI-TR1 充電池 CE-AP1 2時間10分(130分) 1時間20分(80分) 5時間40分(340分)
MI-E1 充電池 内蔵 なし なし 3時間34分(214分)

音量最小、アニメーションOFF、ノーマルループ、 エフェクトなし、 データは CF に格納(SanDisk 96M) しています。 画面 OFF の状態はフロントライトもつきませんから、 一番演奏時間も一番長くなるはずです。

3時間半は、プレイヤーとしてはちょっと短い部類です。 実用としてはぎりぎりのラインでしょうか。 それでも MI-P2 の充電池駆動にははかろうじて勝ちました。 MP3 だけでなく、他の用途にも使いながらの 演奏であれば(特にフロントライトをつけているのであれば)、 再生時間は極端に減るものと思われます。

◎ MI-E1 電源 OFF の謎

初めて使ったときは、[戻る]キー長押しという特殊な操作もあって てっきり電源を切るのを忘れていたのだと思いました。 それくらい 電源ON が速い MI-E1 ですが、他にもいくつかの謎があります。

  1. デバッグモード状態でもオートパワーオフがかかる。

    最初に気がついたのがこれです。 従来の Zaurus は、 デバッグモードにしているとオートパワーオフが抑制され バッテリーが切れるまで電源が切れませんでした。 これはシリアルポートを開いているとオートパワーオフがかからないという Zaurus の仕様です。 ところが MI-E1 ではきちんとオートパワーオフがかかります。

  2. 電源が切れても、かえで の編集内容が残っている。

    次に気がついたのがこれです。 オートパワーオフから復帰した MI-E1 のインデックスから かえで を選択してびっくり。 編集したあとセーブしていないバッファの内容がそのまんま残っていました。 MI-E1 からは、電源 OFF でも動作中の RAM 内容を保存するように仕様変更されているようです。 (だからデバッグモードで電源が切れても大丈夫になったのでしょうか。)

従来の機種では、一度電源を切ると動作用の RAM 内容はクリアされます。 これは RAM は動作専用と割り切り、 保存すべきデータは全部フラッシュメモリに格納するようにできているからです。 RAM の内容は保存しなくていいのでバッテリーバックアップも不要です。

ところが E1 は RAM 内容が保持されています。 電源OFF でも各ソフトウエアの動作状態がそのまま残っており、 電源 ON/OFF 時にいちいちアプリケーションに再起動をかける必要がありません。 MI-E1 の高速電源 ON の秘密はおそらくここにあるのでしょう。

ただし、電源を切っている間に CF や SD など、カードやオプションの抜き差しを したり、バッテリーが切れたり、または電池交換などで電池蓋で 簡易リセットを行った場合は別です。 このときは電源ON のあとハードウエアのチェックと再構成がかかるので、 アプリケーションワークはいったん解放されます。RAM 内容は残りません。

とにかく、MI-E1 でパワーオフ時の RAM 内容が残っているのはうれしいことです。 もし電源OFFリジュームに対応していないソフト使用中に オートパワーオフで電源が切れたときでも、 カードの抜き差ししないですぐ電源を入れ、データを保存し直すことが可能です。 もちろんこの動作に保証はなく、 バッテリー切れの時はどうしようもありません。 データセーブは自己管理すべきですが、 それでも「うっかり」の確率が減ったのは非常にありがたいことでしょう。

◎ PCリンクキットを手に入れた

USBケーブル付属のPCリンクキット CE-PCK1 は、 発売当初から探しているものの、なかなか手に入らず大変苦労いたしました。 いったい何が苦労したかというと、従来のケーブル CE-155TS + CE-HA15 でも、 CE-170TS でも、コネクタ部分が大きいため MI-E1 に接続するとキーボードが開かなくなってしまうのです。

SZAB による MORE ソフト開発ではリモートデバッガを使うためにケーブル 接続が必要なので、これでは MI-E1 のキーボードを使ったアプリケーション 開発ができません。 キーボードのテストするときだけ電源入ったまま無理矢理ケーブルを 抜いてしまうという強引なことをしなければいけなかったのです。 もちろんそのときリモートデバッガは動かせられないのであくまで 動作確認しかできません。

そこでやっと CE-PCK1 を探して手に入れることができました。 CE-PCK1 についているケーブルは、USB でオプションポート16に接続できる CE-175TU です。 実際は COM ポートとして認識されるので、これまでの PC ソフトウエアを そのまま使用することができます。 携帯接続ケーブルや MP3プレイヤー CE-AP1 と同じコネクタ形状であり、 これならつないだままキーボードを開くことが可能です。

家の環境は Windows2000 です。 最初何も考えずにケーブルを USB Hub に挿入して、 CD-ROM からドライバをインストールしました。 CD-ROM 内を勝手に検索してドライバを捜し出したようです。 でもインストールに失敗しましたとエラーが出てなぜかうまくいきません。

Windows2000 は Windows98 とドライバが一部共通化されています。 USB ドライバなどは、機器によっては Win98 と Win2000 で 共有されているものもあります。 インストール時に良くある問題は、Win2000 に間違って Win98 のドライバが組み込まれてしまうこと。

今回もやはりそれでした。 手抜きをしないできちんとフォルダを指定して、 ドライバをインストールすれば良かったのですが、もう遅い。 システムにコピーされてしまったドライバは、 再起動時に優先して読み込まれてしまうようです。 システムフォルダを検索して、CE-175TU 用の Win98 ドライバファイルを ことごとく削除しました。 その上であらためて Win2000 用ドライバを入れ直してトライすること数回。 なんとか認識させることができました。

◎ 最初は使えていたはずなのに

最初は問題なく、USB のケーブル CE-175TU で SZAB のデバッグもできました。 なのに、ある時突然 CE-175TU が使えなくなってしまいました。 開発中に Zaurus 本体のエラーやリセットに見舞われることは少なくないので、 PC との通信がうまくできなくなることがあります。 この場合 PC や Zaurus のリセットで回復します。 ところが USB のシリアルが回復しなくなってしまいました。

SerialTerminal やザウルスパワーコネクションなど、他の ソフトはきちんと CE-175TU で動作しています。 SZAB のデバッガだけ動きません。 何度も動作中にケーブル抜き差ししたり、 他の Zaurus につなぎ変えたりと普通でない使い方ばかり行ったからでしょうか。 詳しく調べる余裕がないので、とりあえずまた CE-170TS に戻してしのいでいます。

◎ 完全移行までもう一歩

筆者の環境で完全移行に必要なもの、残るは地図ビューアのみです。 これができれば MI-C1 からの移行も終了です。 最初に買った電子手帳が SHARP の PA-8500。 その後の乗り換えは PA-X1、MI-3000、MI-6000、MI-110M、MI-P2B、MI-C1、MI-E1。 PA-8500 で入力したデータも MI-E1 まで、しっかり受け継がれています。

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フルパワー全開 Hyperでんち

Hiroyuki Ogasawara <ho>