用語解説

(Last Update:05/02/22)

最初に

 このページは主にRayに関連性のある用語を集めてみましたが、実際にはかなり広い範囲を扱っています。
 久々に用語集を更新しましたが、ここに書いてある事柄のうち大半は過去形になってしまいました。時代の流れをつくづく感じます。
 なお、2003年9月をもってPC-9800シリーズ自体販売が完了し、パソコンリサイクル法の関係もあり、中古でも入手が難しくなってきています。

ネットワーク編

パソコン通信(パソ通)
ネットワークを通じて様々な情報を得る手段。現在においては主に無手順接続(後述)でネットワーク接続する事を差す。インターネットと違い、他のネットワークとは排他利用(閉じたネットワーク)。現在ではインターネットに押され、過去のものになりつつある。Rayもここで育った。
インターネット
元は米国の軍事利用のためのネットワークだったが、商用利用が可能になり、現在では全世界中で広く使われている。E-Mail、WWW、FTP、NEWSなどのサービスがあるが、WWWによって画像や音声などが扱えるようになった。インターネットではTCP/IP接続手順を取る。それに対し、パソコン通信は無手順接続。
ホームページ
WWWで扱われるWebページのうち、最初に表示されるページ(一般的にはindex.html)のことを指すが、現状ではWebページ全般のことを指すようだ。なお、"HP"と略すのはやめた方がいいと思う。(ヒューレット・パッカード社の略称や、NIFTY のかつてのホームパーティの略と同一)
PC-VAN
86年にNECが開設。会員数では日本最大級のパソコン通信ネットワーク。96年7月にインターネット接続サービス"mesh"と統合し、BIGLOBE の一部となる。アクティブメンバーの数ではNIFTY に遠く及ばない。2001年2月で個人向けサービスは終了。
NIFTY SERVE (@nifty)
87年に富士通日商岩井が合弁で"NIFTY-Serve"として開設。後に日商岩井は資本撤退し、99年11月に富士通のインターネット接続サービス"infoweb"と統合。
事実上、日本標準のパソコン通信ネットワーク。「フォーラム」と呼ばれる特定のテーマに従って意見を交換する場所が充実している。惜しまれつつ2006年3月をもってパソコン通信サービスは終了予定。
People
94年に日本IBMが中心となって始めたパソコン通信サービス。GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)をいち早く採り入れ、インターネットサービスも連動して受けられた。Pana-VAN/SiLKとEYE-NETを救済合併。後にフジテレビ系資本になったが、01年9月30日をもってパソコン通信サービスを終了。その後インターネットサービスも終了。
ASCIInet
アスキーが、85年に日本初の商用パソコン通信サービスとしてスタート。かつてはnet、pcs、MSXの3部隊に分かれていた。老舗ゆえにマニアックな人が多かった。残念ながら97年の8月24日でサービスが終了した。
ASAHIネット
朝日新聞社系のアトソンが運営するパソコン通信ネットワーク。実名公開原則が特徴。インターネットプロバイダとしての側面が強い。かつてはPeopleとの相互乗り入れをしていたが、97年6月に解消した。
NET
パソコン通信ネットワークのことを指す。
大規模NET
かつてはPC-VAN、NIFTY、ASCIInet(後にPeople)の3大NETのことを指していた。
中規模NET
会員数1万〜10万程度の商用NETを指していた。ASAHIネット、日経MIX、Pana-VAN/SyLK、EYE-NETなど。
草の根NET
個人、団体、または企業でも料金無料で開設しているNETのことを指す。最近はインターネットの普及で下火。
クレジットカード
インターネットやパソコン通信をやる上で、あると何かと便利。オンラインサインアップで即入会できる。大抵のインターネットプロバイダでは個人契約の際は必須。NIFTY も一時期クレジットカードなしでは入会できなかった。このように敷居の高さが問題となる。
銀行口座振替
利用者開設の銀行口座から、毎月自動的に料金を引き落とす手段。社会人以外でも入会できるのが大きなメリット。ただ、入会の際に別途書類手続きが必要で、毎月振込手数料がかかる所が多い。

SIG・フォーラム編

フォーラム(NIFTY)
特定のテーマに従って意見を交換する場所。小さい1つのNETと考えてもいい。インターネットのWWWやNEWSでもアクセス可。パソコン通信のフォーラムは2005年3月で終了。
SIG(PC-VAN)
NIFTYのフォーラムに相当。なお、PC-VANのSIGは大半がPC-VAN終了時に閉鎖。BIGLOBE上に残されていたものも2002年3月一杯をもって閉鎖された。
フォーラム(PC-VAN)/電子会議室(NIFTY)
会員が自由にメッセージを読み書きできる場所。
電子会議室(PC-VAN)
「議長」を置いて、ある特定テーマで話し合いを行う場所(SIG運営を討議する場合が多い)だったが、99年3月をもって閉鎖。
データライブラリ(LIB)(NIFTY)/OSL(PC-VAN)
オンラインソフトやデータなどを格納する場所。NIFTYはWWW上からもアクセスできるが、PC-VANはサービス終了と同時に貴重なOSLも失われることになった。
SYS-OP(NIFTY)
フォーラムを管理する人の中の代表者。課金は免除され、若干の報酬はもらえるらしい。"SDI"で始まるIDになっている。
SIG-OP(PC-VAN)
SIGを管理する人の中の代表者。課金は免除されるが報酬はもらえない。
SUB-OP
SIG-OP/SYS-OPを補佐する人のうち、メンテナンス等で一般会員に設けられていない機能が使える人。(他人が書いた発言の削除など)
スタッフ
SIG-OP/SYS-OPを補佐する人を総称して言う。フォーラム・会議室を常に監視する「ボードリーダー」などがある。
スペシャルID(PC-VAN)
通常のIDとは違い、PC-VAN事務局がSIGに提供するID。課金は免除される。しかし、SIG-OP以外のスペシャルIDは廃止された。
SOUND☆CLUB(SOUND・CLUB)
PC-VAN開設時に、佐治氏によって開設されたSIG。その後、SIG-OPはマグネット氏、みよっ氏(このときに☆が付く)に引き継がれる。「音のことなら何でも」がテーマ。2000年11月29日をもって閉鎖。
FGALRAY
93年にともゆき氏によって開設されたFGALグループの1フォーラム。FM音源ソフト「Ray」を使い、「人の輪と情熱」で、精力的な活動を行っていた。2005年3月22日で終了。
FFILLY
95年にともゆき氏によって開設されたフォーラム。FGALRAY とは違い、1つの独立したフォーラム。マルチメディアソフト「Filly」を使った活動が行われていた。2002年7月31日をもって閉鎖。
チアリSIG(チアリコンピューターワールド/NEC98 by チアリ)
ギタリストのクロード・チアリ氏によって開設されたオンラインソフトを主体とする老舗SIG。SOUND・CLUBとともにここでもRayが公開される。長い間、PC-VANを代表するSIGとして君臨し続けたが、99年5月12日をもって閉鎖。
SLABO(ソフトウェア・ラボ)
namazu氏によって93年に開設されたオンラインソフトを主体とするSIG。活動内容は幅広く、全盛期にはチアリSIGに代わってPC-VANを代表するソフトウェア系SIGとなっていた。
QLD
日本を代表する画像を取り扱うパソコン通信上のグループ。PC-VANのQLD-SIG(2000年10月4日閉鎖)に始まり、NIFTY のFQLDが中心となった。Rayとの交流活動をしていたこともある。Q4、Q0画像フォーマットの発祥地。2005年3月で終了。
FGAL
NIFTY でオンラインソフトを主体とするフォーラム。あまりに巨大なため、多数のサブフォーラムに分かれる。2005年3月22日で終了。

パソコン通信全般

ハンドル名
NET上で使われるニックネーム。一般には本名は隠し、OFFの際にもハンドル名で呼び合う。
ROM
会議室、フォーラム等に書き込みをしないで読んでばかりいる人。それに対して積極的に活動する人は「RAM」または「アクティブメンバー」と呼ばれる。
チャット
会員同士がオンライン上でリアルタイムに会話をするサービス。PC-VANでは「OLT」、NIFTY では「CB」または「RT」(フォーラム上に設置)と呼ばれる。
OFF
パソコン通信上で知り合ったメンバーと実際に会って会合する。意外な素顔を知りびっくりすることもしばしば。
顔文字
文字だけだと感情が伝わりにくいので、文章に付加するマーク。(^_^)(^^;)などがよく使われる。
オンラインソフト
NET上で流通しているソフトウェアの総称。そのうち「フリーソフト」は無料提供、「シェアウェア」は継続利用の際は代金を支払わなければならないソフトのことを言う。最近はプログラマの負担増大でシェアウェアの方が多くなってきた。
ID
NET内で各個人を識別するための記号。
裏ID
通常使っているIDとは別に持っているIDのことを言う。同一NETで複数のIDを持っている人も少なくないが、これを使うと1人が2人を演じたりもできてしまう。
E-Mail(電子メール)
インターネットやパソコン通信利用者同士で、文章のやりとりをするサービス。最近は携帯電話で使えるサービスが増えてきた。
MHSメール
主にPC-VANとNIFTY 間でやりとりする無料メール交換サービス。インターネットが普及する前から使用されていたが、98年10月20日をもって終了。
オートパイロット
通信ソフトのマクロ機能を使い、利用者がコマンドをいちいち打たずに巡回できる。正確で、かつ時間と課金を節約できる。DOS時代にはAirCraftやWTERM+WAPVANが一般的に使われていた。
UP
アップロード。発言やデータを登録すること。
RES(レス)
メールやフォーラムなどの発言に返事をUPすること。
引用
他人の著作物や発言等を、理解の助けのために一部利用すること。引用の際にはその旨を示すために、通常は引用符(「> 」「>」等)を用いる。但し、長い引用はマナーとして嫌われるので注意。
ひとりごと
発言のうち、行頭に「#」を付けたもの。この文章に対してRESしてはいけないという暗黙の了解があるらしい。
パティオ(NIFTY)/クラブ(PC-VAN)
会員が自由に開設できるフォーラム。
ホームパーティ(HP)(NIFTY)/サークル(PC-VAN)
会員が自由に開設できるフォーラム。パティオ/クラブより小規模だが安価。現在はサービス提供されていない。
おふらいんまつり
95年から97年の8月に横浜で開催されたパソコン通信ネットワークの祭典。実質的にはNIFTY のフォーラム主導。
もめ事
パソコン通信上では文字しか使えないため、また、気を使わずに自分の思ったことを伝えることができるため、度々ともめ事が発生する。一度こじれたらこれがなかなか解決できない。(経験済み)

機器編

PC-9800シリーズ(きゅうはち)
NECから出ていたパソコンのシリーズ。82年10月に初代「PC-9801」が登場。85年7月に発売された「PC-9801VM2」がブレイクし、Windows95が登場するまで日本においては事実上の標準機となった。しかし、そのWindows95が登場してからは日本のパソコン業界が大幅に変わり、NECも97年10月に新規格の「PC98-NX」に転換した。2003年9月をもってPC-9800シリーズ全てが販売終了し、現在は中古(それもジャンクが大半)でしか入手できない。
PC-9801UVシリーズ
86年6月に発売された「PC-9801UV2」が始まり。この機種の特徴は、3.5インチFDD搭載のコンパクト設計で、初めてFM音源が標準搭載され、ホビー路線を意識したところにある。UVシリーズとしては後にUV21/11などが発売され、92年5月発売の「PC-9801US2」まで続いた。
PC-9821
91年11月に発売されたマルチメディア機「PC-98GS」をベースに、92年10月に「PC-9821」を発売したのが始まり。ディスプレイ付属で、640×480ドット256色表示に86音源を標準搭載されたところに意義が大きい。これ以降、PC-9821はA-MATE、B-MATE(後にX-MATE)、MULTi(後にCanBe)などと細分化され、PC-9800シリーズとしてしばらく延命する。
PC-9821Aシリーズ(A-MATE)
93年1月に発売された「PC-9821Ap/As/Ae」が始まり。先に発売されたPC-9821に比べ、拡張性で大きなアドバンテージを持つ。先代の「PC-9801FA/FS/FX」の直系機種として、PC-9800シリーズの中心に立ってきたマシン。86音源も搭載されているため、Rayファンからの人気が高かったマシン。
PC-9821Xシリーズ(X-MATE)
93年11月に発売された「PC-9821Bp/Bs/Be」(B-MATE)を前身として、94年7月に発売された「PC-9821Xn/Xp/Xs/Xe」が始まり。先に発売されたA-MATEをWindows向けにスリム化したマシンで、PC-9800シリーズの中心機種となる。残念ながら86音源は搭載されていないので別に購入する必要あり。
CanBeシリーズ
94年10月に発売された「PC-9821Cb/Cx/Cf」が始まり。ホームユースを強く意識した意欲作。TV機能が内蔵され、マルチメディア機能に優れる。86音源と同等の音源が搭載されるが、一部互換性に問題があった。旧バージョンのRayの中には動作しないものもある。
CEREBシリーズ
CanBeをベースに、97年1月にTV機能を前面に押し出した「PC-9821C200/V/C」が発売。28インチBSワイドTVが搭載されるモデルも用意されており、かなり贅沢なマシン。これでRayを鑑賞したらさぞ迫力があることだろう。
98MATE VAULESTAR
X-MATEをベースに、95年12月に発売された「PC-9821V7/10」が始まり。富士通のDESKPOWERに対抗し、Windows95やワープロなど各種実用ソフトをプリインストールした意欲作。残念ながら86音源は搭載されていないので別に購入する必要あり。

EPSON PCシリーズ
87年4月にEPSONが初の98互換機として「PC-286」を発表。これによりEPSONはシェアを伸ばす。一部のソフトにプロテクトを外す手間が必要なこと、フォントの字体が違うこと以外はほぼ互換性が保たれており、本家98にもない独創的な機種が色々発表されたりもした。しかし、Windows 3.1登場後はシェアが落ち続け、Windows95が登場する頃に98互換機市場から撤退。
PC-486NOTE Aシリーズ
EPSONから93年7月に発売された「PC-486NAS」(なす)が始まり。ノートパソコンでありながら、FM音源を標準搭載した初めてのマシン。そのため、Rayファンの愛用者も多数いた。
98/V
EPSONから発売されていたAT互換機でPC-9800ソフトを動かすことができるエミュレータソフト/ハード。EPSONが98互換機市場から撤退の代わりに発表。エミュレータながら、高い互換性がある。標準仕様ではFM音源は鳴らせないが、フリーソフトを使うことによりFM音源も使えるようになる。

PC-8800シリーズ(はちはち)
NECがかつて発売していた8ビットパソコンの上級機種。81年12月に初代「PC-8801」が発売。当初はビジネスマシン的色合いが強かったが、PC-9800シリーズの登場によりホビー路線に転換。85年1月に発売された「PC-8801mkIISR」がベストセラーになる。この機種にはFM音源が搭載されており、後にPC-9800シリーズにもオプションで用意される。そのため、ゲームソフトも多数提供される。87年10月に発売された「PC-8801FA/MA」に初めてステレオ12音源(OPNA)が搭載されるが、これが後の86音源の規格となる。89年11月に発売された「PC-8801MC」が惜しまれつつ最後の機種となる。
PC-8000シリーズ(ぴーはち/はちまる)
NECが79年8月に発売した初期の名機「PC-8001」が始まり。瞬く間にベストセラー機種となり、NECの販売網も確立。PC-9800シリーズにもキーボード配置、テキスト画面にこのマシンの影響が色濃く残る。PC-8000シリーズとしても後継機種PC-8001mkII/SRを発売するが、PC-8800シリーズの登場で下火。
PC-6000/6600シリーズ(ぴーろく/ろくまる/ろくろく)
NECが81年11月に低価格パソコン「PC-6001」を発売。それ以降、ビギナーに厚い支持を得る。83年7月発売の「PC-6001mkII」は「しゃべるパソコン」として人気、83年11月発売の「PC-6601」には3.5インチFDD搭載、84年11月発売の「PC-6001mkIISR/6601SR(Mr.PC)」にはNECのパソコンとしては初めてFM音源を標準搭載した。しかし、性能の低さのためか、これでPC-6000シリーズは打ち止めとなった。
(その他のマシン)
Windows95登場前は、各社ともAV機能に優れた独自規格のパソコンを出していた。PC-9800シリーズには全く歯が立たなかったものの、SHARPのX68000、X1、MZ-2500、富士通のFM TOWNS、FM-77AV、FM-7、そしてMSXシリーズなどRayデータ作者はこういったマシンをルーツとする人も多い。

音源編

86音源(OPNA:YM-2608)
PC-9800シリーズ用、高規格FM&PCM音源の総称。音源ボード自体は「86ボード」と呼ぶ。純正品はPC-9801-86。FM6音、SSG3音、リズム6音に加え、PCMをステレオ対応で鳴らすことができる。音源自体はかつての8ビットマシン、PC-8801FAの時代からあった。コンパチボードも多数存在した。現在は中古で1万円以下で入手可能。
26音源(OPN:YM-2203)
PC-9800シリーズ用FM音源。音源ボードは「26ボード」と呼ぶ。純正品はPC-9801-26K。FM3音、SSG3音で鳴らすことができる。音源自体はかつての8ビットマシン、PC-8801mkIISRの時代からあった。現在は中古で千円以下で入手可能か。
スピークボード
アイドルジャパン社から86音源に先駆けて発売された高規格FM&PCM音源ボード。FM音源部は86音源と共通だが、PCM部は互換性がない。従来の26規格と制御方法が同じだったため普及するが、86ボードの登場によりその役目を終える。Rayも問題なく使える。
サウンドオーケストラ
SNE社から発売された高規格FM&PCM音源ボード。同時発音数は86音源を上回るが、制御方法が違ったためあまり普及しなかった。
Sound Blaster
Creative社が開発したIBM・AT互換機用のFM&PCM音源。事実上世界標準で、末期のPC-98にも搭載されているものがあった(その際は「拡張FM音源」と呼ぶ)。MIDIインターフェース(ジョイスティックインターフェースと兼用)が搭載されている。86音源とは全く互換性がない。
118ボード
PC-98シリーズ用FM音源ボード、PC-9801-118。86相当の音源とSound Blaster相当の音源が1枚にまとめられており(同時使用は不可)、定価も86ボードより安い。但し、DOSでは動作保証外(一応問題ないらしい)のため、86ボードも併売されていた。DOSメインで考えるなら、おすすめできない製品。
OPM(YM-2151)
かつてのX68000や、YAMAHAのMSX用FM音源、SFG-01等に搭載されていたFM音源LSI。8重和音のステレオ対応で、「インハーモニック・フリケンシー」という追加パラメータが設定できる。
SSG(PSG)音源
GI社によって開発されたLSI、「AY-3-8910」による音源をPSGと呼ぶ。矩形波による3音と、ノイズの1音から3音を選んで鳴らせる。アタリ仕様のジョイスティックインターフェースも搭載していることもあり、かつてのFM-7を皮切りに、MSX等でも採用された。26、86音源はPSGの上位互換。
FM音源
YAMAHAによって開発されたデジタル制御音源。パソコンにも広く搭載されるが、単体の楽器としては「DX7」が有名。
PCM音源
音の波形をそのままデジタル化し、リアルに再生する音源。データが巨大になりがちになるのが欠点。Rayはサポートしていないが、FMPはサポートしている。
MIDI
電子楽器の音楽演奏に関係するデータを、デジタル信号に変換して送受信するための規格。この規格に基づく音源をMIDI音源という。パソコンにオンボードで内蔵可能なものもある。
GS/GM/XG
機種が違っても互換性が取れるように定義されたMIDI音源での一般的な規格。GSはRoland、XGはYAMAHAが規格化。GMはGS規格を基にコンパクト化したといわれる標準規格で、大抵のMIDI音源でサポートしている。
ソフトウェアMIDI音源
PCM音源を利用して、リアルタイムでMIDI音源をエミュレートするソフトウェア。インストールの際、データが巨大になりがちになるのが欠点だが、最近のCPU性能の向上(DX4以上が実用ラインか)によって、かなり高度な音が鳴らせるようになった。各音源メーカーの市販品や、WinGrooveなどのシェアウェアもある。
BEEP音
パソコン本体に内蔵している警告音。機種によって(PC-9800シリーズの場合VM以降)は音程を変えることができ、単音または疑似和音で音楽を鳴らすことができる。Rayでもサポートしている。
ミュージくん(MT-32)
Rolandから88年に発売されたMIDI音源セット。PC-98用ソフト、インターフェースがセットされ、DTMの先駆けとしての役割は大きかった。ただ、GS規格ができる前の製品で、現在においては互換性の問題もあるので、中古での購入はお勧めできない。
SC-55mkII
Rolandから発売された高性能MIDI音源モジュール。液晶パネルが用意され、事実上の標準音源として広く普及した。

ソフト編

MS-DOS
米Microsoft社により発表されたディスクオペレーションシステム(主にディスク関係を司る基本ソフト)。81年8月にIBM-PCの標準DOSに採用されてから、16ビットマシンの事実上の標準DOSとなった。オンラインソフトの世界でも広く使われた。
MS-Windows
米Microsoft社により発表されたマルチウィンドウシステム。85年7月にV.1.0が発表。MS-DOS上で動作し、それまでより操作を簡単にし、機種依存をなくしたのが特徴。日本では93年に発売されたV.3.1が普及。
Windows95
米Microsoft社により発表されたOS(基本ソフト)。それまでのWindowsとは違い、MS-DOSと一体となったOSで、機能も大幅にパワーアップ。日本では95年11月に発売され、それまでのパソコン業界が大幅に変わり、NECもPC98-NXシリーズへの路線転換を迫られた。
DOS/V
日本IBMにより90年に発表されたDOS。最初のバージョンはV.4.05/V。日本語を表示させるソフトウェアを組み込み、それまで日本を除く世界中で主流だったAT互換機で快適に日本語が使える環境を提供。このことにより、日本でもAT互換機(DOS/Vマシン)が普及した。
BASIC
80年代までパソコンに標準装備されていたプログラミング言語。MS-DOSが普及する前はDOS的使われ方もした。MMLも搭載され、比較的簡単に音楽データを作ることもできた。なお、現在もBASICは健在。
N88-BASIC(86)
NEC・PC-9800シリーズに標準添付されていたBASIC。PC-8800シリーズ用のN88-BASICの上位互換。PC-9801DA/DS/DXの時期まで添付。MS-DOSとはファイルの互換性がないが、手軽にプログラミングできるということで重宝された。FM音源の制御も可能で、Rayもある程度互換性を考慮している。EPSONの日本語DISK BASICも実は同じもの。
Ray
ともゆき氏によって作られたPC-9800シリーズ用FM音源演奏&グラフィック表示ソフト。古いマシンでも本格的なマルチメディア作品が作れる。関連書籍の発行は3冊に及ぶ。
FMS
ヒグラシ氏によってSOUND・CLUB上でUPされていたPC-9800シリーズ用音源ドライバ。初代RayもこのFMSの下で動いており、MMLも基になっている。
FMX
FMS後継のFM音源ドライバ。Rayのライバルとして君臨していたが、いつの間にか消える。
FMP
ぐぅ氏によって作られたPC-9800シリーズ用FM音源ドライバ。スピークボード(後に86ボードも)に対応した強力ドライバ。FMXとは全く関係ない。Rayのライバル格のソフト。書籍も発行された。
MIMPI
[斎藤]氏によって作られた主にPC-9800シリーズ用MIDI演奏ソフト。多くのフォーマットに対応し、WRDと呼ばれる歌詞表示ファイルを使えば多彩な画像表示も可能。Rayのライバル格のソフト。書籍も発行された。FM音源で鳴らすことも一応可能。
WRD
MIMPI用歌詞表示ファイル。最近ではWindows上でもWRDファイルを表示させながら演奏できるソフトが増えており、ソフトウェアMIDI音源の普及と相まって、現在でも広く使われている。TMIDIが演奏・表示ソフトの代表格。
スタンダードMIDIファイル(SMF)
MIDI音楽データの標準的なフォーマット。違う環境でも再生できるように規格が定められた。なお、普及する前は市販ソフト「レコンポーザ」のRCPファイルが一般的に使われていた。
MAG
90年代半ばまでネットワーク上で一般的に使われていたPC-98向け画像フォーマット。MIMPIやその互換ソフトが対応。圧縮率が高い。現在はインターネットの普及によりGIFフォーマットが主流に。
JPEG
フルカラー向けの画像フォーマット。GIFとともにWWWの標準フォーマット。圧縮率は高いが、不可逆変換(画質は劣化)のため注意が必要。
RGBベタフォーマット
PC-98での一般的な画像フォーマットの1つ。VRAMのデータをそのまま収録しているため、各プレーン毎のファイルで構成。圧縮されていないが、汎用性が高い。
MML
楽譜を記号化して記述したもの。RayやFMPもこの手法を採用している。
LZHファイル
日本のネットワーク上で一般的に使われているファイル圧縮フォーマット。吉崎栄泰氏作のLHAで圧縮されている。Windows95/98用の展開ツールとしては、"Lhasa"(らさ)などがある。ちなみに海外はZIP形式が主流。
ISH
石塚匡哉氏により開発された文字以外のファイル(バイナリファイル)をテキスト形式に変換するツール。現在はあまり使われていない。
WTERM
井上博嗣氏と関口潔氏の合作により作られたDOSの超高性能通信ソフト。フリーソフトとして、完成度がかなり高い。なぜかVectorのライブラリには登録されていない。
エディタ
文章を作成、編集するソフト。ワープロソフトと違い、余計な機能を省いた関係で処理速度がかなり速い。パソコン通信の際、発言書きに重宝する。DOS時代にはVZエディタ、現在では秀丸エディタが主に使われている。
ログビューア
パソコン通信にアクセスした際に出力されたもの(ログファイル)を閲覧するソフト。NIFPSHOWPCがよく使われる。

Ray固有用語

Ray秀作データ集(Ray本・1)
インプレス社より発行されていたRayに関するFD付書籍。この本をきっかけにパソコン通信の世界に踏み入れた人も多い。
FGALRAYのすべて(Ray本・2)
インプレス社より発行されていたRayに関するFD付書籍。収録データもRay本・1より大幅にパワーアップ。この本では特にFGALRAYについての解説も盛り込まれている。
Muデータ
Rayで使われるPC-98向け画像フォーマット。圧縮率は高くないが、展開速度が速い。Fillyでもサポートしている。
Rin
Rayプログラムのうち、音楽演奏を司る常駐ドライバ。Ray−IIIより採用。これにより、画像を表示させながら演奏する際の制限が少なくなった。
M2R
Rayプログラムのうち、MMLファイルを演奏形式ファイルであるRayファイルに変換するツール。エラーメッセージがふざけているが、まあ愛嬌か(^^;。
RinPV
HEIJI氏により作成されたRayデータ演奏状態表示ツール。かなり高度なこともできる。
RAY2SMF
ポイゾー氏により作成されたRayファイルをSMFファイルに変換するツール。意外と再現度が高い。
RayDreamer(れいどり)
FGALRAY広報室から不定期に発行されていた広報誌。広報誌といっても、紙に書かれたものではなく、オンラインで入手できる。音楽、画像、小説などの入ったマルチメディア誌。
悲しみのNIFTY-Serve(かなにふ)
よをちん氏作詞・作曲によるオリジナルRayデータ。Ray史上に残る名曲と言われる。このデータを聴けば、パソコン通信とはどんなものか分かるかも。ねるめろ氏が画像を付けたバージョンもある。

その他

耳コピー
楽譜なしで、耳だけを頼りに音楽データを作成すること。秀作データは大抵この手法で作られている。かなり大変。絶対音感を持っている人がうらやましい。
JASRAC実験
著作権の有する音楽データは通常、著作権者に許可を得なければNETに公開することはできないが、暫定的に特例として決められた場所(大手NETの特定SIG/フォーラム等)であれば公開できるという取り決め。しかし、この取り決めは2001年6月をもって終了になった。よって、NET上の貴重なJASRACデータも全て失われることになってしまった。7月以降の取扱いについてはこちら
Sofmap
東京・秋葉原を中心とするコンピュータショップ。旧マップジャパン。最近は全国展開中。古くから中古に力を入れていて、こまめにチェックすると掘り出し物が見つかるかも知れない。
HARD・OFF
新潟県新発田市を中心とする、全国チェーンの中古AVCショップ。旧サウンド北越。新潟県内が直営で、県外はフランチャイズ。「ジャンクコーナー」をチェックすると、「歴代の名機」がかなり安い値段で見つかる。作者も時々利用。

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