(Muleブランド・ソフトウェアの動作テストレポート)
・・・2012年 10月
Windows 8 評価版でのMuleの各オンラインソフトの対応状況をお知らせします。
以下の評価は、2012年8月に提供されたWindows
8 Enterprise 評価版の32bit版と64bit版でテストしたものです.この評価版は、製品版と機能的に同一だということのようです.
Muleには Windows 8
を導入するメリットがほとんど無く、製品版を購入する予定が無いので、この評価版のテストが当面の最新情報となります.短期間のテストなので勘違いなどがあるかもしれません.
テスト時のハードウェア: こちら参照
Muleのオンラインソフトの動作においてWindows 7と違うのは
メニューへの登録関係
関連付けのダイアログボックスの指定方法
画面のデザインのAeroが無くなった(見た目が違うだけ)
…の3点です.これら以外の機能はほぼWin7と同じなので、上記3点を中心にチェックしました.
【スタートメニューへの登録】
Fabre・Gridyのスタートメニューへの登録機能を実行すると、Modern
UI(別名"Windows 8スタイルUI"、旧称Metro)の全画面式のメニュー画面にタイルが登録されます.
【Fabre Ver.6.00】
自動Fabre(Fabreの「登録」メニュー -スタートメニューへの登録):
今までのOSと同じく、「自動Fabre」を登録するとPCの起動時にバックアップが自動的に実行されます.
しかし自動的にデスクトップ画面にはならずメニュー画面のままなので、バックアップ状況を見るためにはデスクトップ・モードに切り換える必要があります.全画面メニューのままではバックアップ中ということがわからないので、バックアップ中に他のアプリを動作させてバックアップに悪影響を及ぼす可能性があるため、デスクトップ・モードに切り換えてバックアップの終了を確認することをお勧めします.
起動時に自動的にデスクトップ・モードに切り換える手段は用意されてないようなので、毎回手動で切り換えてください.
参考:
起動時に自動的にデスクトップに切り換える方法はWebページで何種類か紹介されていますが、Win8の事前評価版(CP版やRP版など)では動作したけれども製品版では使えない手法が多いようです.(自動切り換えできるフリーソフトなどはあるけど.)マイクロソフトはどうしてもModern
UIを使わせるべく、自動的にデスクトップに切り換える手段を阻止しているようです.
【Gridy
Ver.4.00】
関連付け(Gridyの「設定」メニュー
-システム設定): OSが表示するダイアログボックスのデザインやメッセージが違うようですが、問題なく関連付けできます.
OSが表示するダイアログボックスでは、
1. どのアプリを使いますか →
「その他のオプション」をクリック
2.
ファイルを開く方法(スクロールバーが出ない場合はマウスを動かすと出る)
→ 「このPCで別のアプリを探す」をクリック
3. プログラムから開く → "Gridy.exe"を指定する
…という手順で設定してください.
【エネカルク
Ver.1.20】, 【SPrun Ver.5.0】, 【Asocon Ver.1.10】
特にWin8特有のトラブルなどは現時点では見つかっていませんので、問題なく動作すると思われます.
★ Windows 8 のサポート方針
結論として、現行バージョンはWindows 8で動作させてもはほぼ問題ありません.また、32bit版と64bit版での動作上の違いはありません.
私は当分Win8に乗り換える予定はないのと、Win7との互換性には問題ないので、各ソフトウェアについてWin8への対応のためだけにバージョンアップする予定はありません.
評価版は利用期限があるため、Windows 8特有の現象(メニュー関連など)についてはサポートできない可能性があります.
これらのことにより、当面上記の各バージョンついては正式には「Windows
8対応版」という表記をしませんので、それらをご了承の上で自己責任にてご利用ください.(まあ99%大丈夫とは思うけど.)
もしWindows 7やVistaと異なる動作がある場合はご連絡ください.
★ Windows 8 の私的評価
【改良点?】
短時間の利用中に感じた、Win7に対してWin8の優位点は、次の2点だ.
画面のデザインのAero(特に半透明機能)が無くなった
選択範囲を半透明表示する機能はとても視認性が悪いと感じていたので、これは歓迎だ.Win7の"ベーシックテーマ"と"クラシックテーマ"の中間に近い視覚効果になっている.
特に、以前から主張してきた「アクティブ・非アクティブのウィンドウが識別しづらい」部分が、Windows
98時代の様に有彩色と無彩色に戻った(なんと11年ぶり)のは、自分の主張が正当だったわけで感慨深い.これでクラシック・モードと縁を切れる(Win8にクラシック・モードは無いけど).
しかし実はここには重大な問題を含んでいる.Vistaで「より使いやすくなった」と鳴り物入りで"Aero"というデザインを採用したのに、たった6年でオプションとしてさえ設定できなくしたということは、マイクロソフト自身がAeroは過剰演出で無用の長物と認めたことになる.Aeroの導入で使いやすくなったのなら、Aeroの無いWin8はVistaやWin7より使いにくいOSということになってしまう.迷走してるなあ、マイクロソフト.
チェックディスクの改良
ディスクのチェックを実行すると、ディスクが破損してない場合は「スキャンの必要はない」とメッセージが出る.どうやら異常になった時は自動的に通知してくれるらしい(まだ遭遇したことはないが).
開発の都合上たびたび各ドライブのディスクをチェックする必要があるので、数テラバイトものチェックのたびに何十分も待たされることが無くなるのはとても助かる.この機能だけWin7に追加してくれないかなあ….
チェックディスクは他にもいくつも改良されているようだ.
【改悪点】
逆にWin8の改悪点は、"Modern
UI"というメニュー関係の仕様の変更の一点につきる.
今まで十数年も使ってきてすっかり慣れきった「スタートメニュー」を切り捨て、全画面メニューだけに変更してしまったのは最悪の選択だ.せめて旧スタートメニューに切り換えて使えるようにしてあれば何とかなったのだが.
全画面メニュー自体が悪いわけではないが、デスクトップとの切り換えの面倒さとか、他の小メニュー類を出すための操作に一貫性が無いことなど、とても短時間で覚えられるものでないし、すぐ忘れるのが目に見えている.
何億人もの人に、今までの習慣を捨て新たな操作方法を覚えることを強い、それに伴う苦痛を想定できないようでは、世界企業としての資格は無いんじゃないかな.かなり普及しだした高齢者のPC利用も大きく混乱させることになるだろう.
特に、Windowsの終了へのステップが多いのは致命的だ.終了方法も初回はまずわからない.Win7では「マウスをスタートボタンへ移動」「シャットダウンボタンをクリック」の2ステップで済むのに、Win8では
1.マウスを画面右上へ移動
2.マウスを設定ボタンへ移動(特にこれが面倒.画面の端ではなく中程の特定の位置に移動するため、目視して狙いを付ける必要がある)
3.設定ボタンをクリック
4.電源ボタンをクリック
5.メニューの中のシャットダウンをクリック
…という面倒さで、今までのWindowsの中でも最もステップが多いし、マウスの移動量も多い.しかもほとんどが新規の操作なので、全部覚えなくてはならない.私自身、終了操作がわからなくてWebを検索せざるをえなかった.
単にPCを終了するためだけになぜこれほどまでの「苦行」を毎日課せられるのか、なぜメニューに「Windowsの終了」のタイルを追加しておくぐらいの配慮ができないのか、理解に苦しむ.
Win8の試用中は、Muleの5本の公開ソフトのテストの間だけでもストレスがたまりまくりで、何度も頭をかきむしった.少なくともWin7までとほぼ同等の操作性が実現できるようになるまでは、Win8を常用OSにするなんてとてもできないな.Web上でもこのメニューシステムはとても評判が悪い.売上を伸ばしたいはずなのに、悪評のままの仕様で製品を世に出すマイクロソフトって、本当に奇妙な会社だ.