なんでもかんでもビジュアル化計画

スキャナも楽しいの巻 (97/3)


スキャナも楽しい

 この「なんでもかんでもビジュアル化計画」には、とにかくスキャナが必要だ。 とにかくスキャナを使って、前述のタコヤキ宅配のチラシをコンピュータに入れないとチラシは捨てられないままだ。 計画というのはとにかく早く進めなければ結果が出るのも遅いし、なにより「いまここぞ」というパワーがなくなってしまう。 いったんパワーを失ってしまえば、これでいいや式の妥協となってしまう。 このタコヤキ宅配パワーがなくならないうちに具現化してしまいたい。

 スキャナはさんざん迷ったあげく、エプソンの GT-5000WINS を買ってきた。 フラットベッドの300dpiのポピュラーなものだ。 それにしてもさきのデジカメと同様にスキャナも楽しい。 このページのあとに出てくるNTのパッケージやHPのカタログなど、デジカメがだめなものはスキャナでOKだ。 デジカメとスキャナ、このナイスコンビで目に見えるものはすべてコンピュータに入れることができるようになった

 機種決定の際にはインターネットをはじめ各雑誌のレビューなどをことごとく調べたが、こうゆうときに本当に役に立つ情報はけっこう少ない。 探していたのはバイヤーズガイドのようなものだ。 よくある「エディターズ・チョイス」や「ユーザーズ・チョイス」というやつだ。 しかしながら、私に機種決定をさせる記事はなかった。 各レビューともそれなりに詳しいのであるが、用途未定・比較する機種を所持しない私にはあまりピンと来ない。

 私は、とにかくこれを買え!というような強烈な記事がほしかったのである。 結局、ある簡単な理由で GT-5000 に決定できた。(これについては後述する。私は NT ユーザーなのだ)

スキャナの選びかた

 いちばん迷ったのが解像度である。 入門用として挙げられている機種はどれも 300dpi で価格はだいたい3万5000円から4万円だ。 そして、売れ筋はというと、シャープの400dpiの機種のようでこれは5万円程度。 価格的にぐっと高くなるのが600dpiのスキャナーで、これは10万円近い。 さて、いったいどのくらいの解像度があれば満足できるのであろう。

 そこで、付き合いのある会社に エプソンの GT−9500 で300dpiと600dpiのスキャンを頼んだのであるが、このことが非常に役に立った。 というのも、600dpi・A4・カラーでスキャンしたファイルはとてつもなくでかいことである。 最初、NiftyServe のバイナリメール(これが一番速い)で送ってもらうはずであったが、でかすぎて圧縮しても2Mを超えるとのこと。 そこで、グレー(256階調)のサンプルを送ってもらうことにした。

 送られてきたファイルは

 BMP 形式で、

 であった。 これを GIF 形式にすると、

まで小さくなった。 この時点で300dpiに決定したも同然だった。 この2つの解像度の異なる画像をプリンタで印字して結果を比較してみた。

 プリンタは、キャノンの少々古いレーザープリンタである A404E(モノクロ300dpi)とアルプスのカラープリンタ・MD−2000J を使った。(レーザープリンタは印字が高速なのでいまだによく使う)

 結果はというと、300dpiの印字結果は良好で、以前使っていた大きな業務用ズーム複写機と同じくらいに見える。 そして600dpiであるが、かなり鮮明だ。 スキャンした画像は、日経パソコンの裏表紙の広告で、下の方に非常に小さな文字がある。 この小さい文字がくっきりはっきりだ。 感触としてはとても高性能な複写機でモノクロコピーしたような結果である。

 しかし 300dpi でもこの小さな字はちゃんと読めるので、解像度は 300dpi でいくことにした。

NTユーザーはここに注意

 解像度が300dpiに決定したところで機種を探したが、意外にもドライバがNTに対応していない機種ばかりであった。 最終候補としては、エプソンのGT−5000、シャープのIXなんとか、ヒューレットパッカードの最新5p、など手ごろな価格でコンパクトなものが挙がったのであるが、この中でNT対応を宣言しているのはエプソンだけであった。 ホントはヒューレット・パッカードの新型スキャナー(これにはスキャナー前面にSCANボタンがついていてスキャナー側で操作できる)が本命だったが、ショップで話をしたHPの人に確認してもらったところ、NTには対応の予定がないそうである。 非常に残念だが、これはあきらめることにした。→

 これがきっかけでインターネット上で候補となっているスキャナーについてNT対応かどうかを調べてみたのだが、HPの本家(アメリカのサイト)でもNTの文字はどこにも見当たらない。 また、シャープのも調べるとここにもNT対応の文字がない。 いまどき、グラフィックスのハードな作業を Windows95 でやっているとも思えないのであるが、とにかくNT対応の機種がない。 そこで唯一NTに対応しているのがエプソンであった。 ちゃんとホームページにもNT3.5xまでの記述のついたTWAINドライバとスキャン・ユーティリティがダウンロード可能だ。 NT4.0の記述もエプソンのアメリカサイトなどで見つけることができた。 (ちなみに GT-5000 のアメリカでの名前は Action Scanner II だ)。 他の機種でも実際にはNTで動くものもあると思うのだが、会社が保証している機種のほうがはるかに安心できる。

 もし HPのスキャナがNTに対応していたらそれを買っていたと思うのだが、NT対応のエプソンの勝利という結果となった。
(※付属のアプリはインストールできなかった。しかし、TWAINドライバEPSON ScanIIという取り込みユーティリティーはNT3.51およびNT4.0で完全に動作する

画面でみるには100dpi

 エプソンのGT−5000WINSを買ってきてからはこれに熱中し、いろんなものを取り込んだりして楽しい実験のひとときを過ごした。 なんでもそうだが、見慣れない機器が入るとそれはそれは楽しいものだ。 その上、スキャナーという機器は調整項目が多いので、これが長い期間楽しめる。

 写真などの取り込みはひとまず後回しにして、文書主体の雑誌などのスキャンをいろいろ試してみる。 いろいろ試した挙げ句、スキャン解像度は100〜150dpi がいいことがわかった。 300dpiでスキャンした画像はモニタで見るには大きすぎるのだ。

 左の TWAIN のロゴを見ていただきたい。 この画像は上のHPスキャナのカタログの一部分を解像度 300dpi でスキャンしたものである。

 実はこの部分は上のHPのカタログの赤枠で囲った部分なのである。 このちいさな枠が左のような大きさになるのだ。 実際の大きさは2センチ四方の大きさである。 このサイズでこれだから、A4を1ページ表示するには画面の解像度が縦3500ドット以上なければいけない勘定になる。

 右の画像は、同じエリアを 100dpiでスキャンした画像である。

 整理すると、A4の大きさを 300dpi でスキャンした場合 2550x3510ピクセルの大きさになる。 100dpiの場合は、850x1170 ピクセルだ。 私はモニタに 1280x1024 の17インチモニタを通常つかっているが、この環境でスキャンしたA4を1ページ見渡せるには72dpiから100dpi程度でなければならない。

 ただ、72dpiでは細かい文字が少々見にくいので100dpiを標準とする。 この解像度がだいたい1ページがスクロールなしで見渡せる限度である。 私のお気に入り、ジェリー・パーネル氏の混沌の館をスキャンしてみると、100dpiでちゃんと読めるが、120dpiの方が見やすい。 120dpiでは多少のスクロールは必要だが、このくらいであれば手間のかからない範囲内にある。

 最初の考えでは、印刷しても奇麗で、なおかつOCRにかけられる 300dpi で保存し、画面に表示するときには縮小表示をするつもりでいた。 しかし、実際にやってみるとモニタに縮小表示させるよりも、100dpiでスキャンしたファイルを表示するほうが奇麗なのである。 また、300dpiではファイルをロードする時間も表示時間も長い。 これは表示に使うビューアーにもよるが、ここで考えを改めた。

 モニタ上に表示するなら、300dpiよりも100dpiだ。 表示は速いし、ハードディスクから読み込む時間も短く、複雑なアルゴリズムで縮小表示する時間も要らない。 「なんでもかんでもビジュアル化計画」 では、基本的に 100dpi でスキャンすることにした。

※余談ではあるが、通常G3FAX機器では200dpiとなるが、グレースケール(256階調)のそれとは全然見えかたが違う。 FAXの2値200dpiは粗いが、スキャンしたグレースケールの100dpiははるかに読みやすい。

(続く)

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