<ハプニング2>

 実はこのとき、第2のハプニングが起こっていることに気がつきました。な、何と私の皮靴の底が真ん中から折れて、靴底がパカパカめくれ、今にもはがれ落ちそうになっていました。その前あたりから、何か歩きづらいなと感じてはいたのです。

 ま・ず・い (+_+) 心臓が急に高鳴り、冷や汗が背中を落ちました。危機です。テレビカメラに写されたり参観者に気づかれたら、どうしようと思いました。この靴は安物ではなく、大事に使っていたお気に入りだったのに、この日はやはり、いつもと違う動きがあり、靴にまで変な負担がかかっていたのでしょう。仕方なく、できるだけ人に気づかれないように、はがれ落ちないように歩いて、この場をしのぎました。この靴は結局、家に帰るまで持ちこたえてくれたのですが、それは授業後すぐに、会場建物の1階にあったコンビニで瞬間接着剤を二つ買い、それが利いてくれたからです。

 

 

<パオ イェン チョプ>

 じゃんけんはタイ式ですることになっていましたが、タイ式のじゃんけんの仕方については、子どもたちにも知らせていませんでした。ここで教えてもらおう、ということになっていたのです。もしかすると、手の形も全く違うかもしれないと子どもたちは思っていたようでしたが、タイの子どもたちがするのを見て、「あぁ同じだ。」と感じたに違いありません。私も知りませんでしたが、じゃんけんの手の形は万国共通なのだそうです。

 タイの子どもたちは「パオ イェン チョプ」と言ってじゃんけんをしていました(日本の「じゃん けん ほい」)。こちらの会場からも、みんなでタイのじゃんけんのと唱え方で言いながら、こちらの代表の人にじゃんけんをしてもらいました。

 テレビ会議でじゃんけんというのは、とてもいいものだと感じましたが、それはテレビ会議の長所をいかにも生かしていると思うからです。「パオ イェン チョプ」とタイと日本で同時に唱えて、同時にグーチョキパーを出す。そして、同時にどちらにも勝敗がわかる。この瞬間タイと日本で一体感を感じることができるのです。何千キロメートルも遠く離れているのに、まるで身近に感じることができるのです。 三人ずつじゃんけんをして、結果は日本側の二勝一敗でした。このじゃんけんの間、タイ側のカメラは主によく見えるように活動している子の手と顔を中心に映してくれていま