◆ラストシーン等に関する考察(感想,ともいう)
作品を鑑賞中,どういうラストシーンを迎えるんだろう・・・と思ったわけです.仙次から,定年後のことでお誘いがかかったにもかかわらず,乙松は断ったわけで.こういう話の流れで,ラストで仙次の誘いを結局受けることにして一緒に働いているようなシーンがでてきたら,はっきり言って,作品をぶちこわしてしまったでしょうね(笑).というか,作品の設定からして,ハッピーエンド(?)はあり得ないのではないかな,と.
で,まぁ,「多分,乙松は死ぬんだろうな・・・」と思ったわけです.妻静枝も娘雪子も幌舞の地で死んだ,病気持ちである(具体的にどういう病気か,という内容はでてきませんでしたが,この作品ではそれは不要でしょう.雪子および静枝の具体的な死因も然り.これらは“鉄道員(ぽっぽや)”という作品の中では蛇足にしかならなかったと思います),などという件があったから,まぁそういう風に思ったわけなんですが,だとすると,どういう風に死んじゃうんだろう・・・,と(個人的に,映画などで簡単に(というか次々と)人が死んでいくのはあんまり好きじゃないんですけど,この作品の場合は,それが重要な鍵となっているから別に気になりませんでした.その意味で,探偵ものは「殺人事件」が基本なので・・・誰も死なない探偵ってどの程度あるんでしょうか?).
そんなこんなでラストシーン前.除雪車が雪をかきわけ,幌舞駅へ.すると,ホームでは・・・乙松が倒れているじゃないですか(;_;).作品は,除雪車からあわてて人がでてきたりせず,そのまま仙次,秀男,敏行たちによって遺体の入った棺が運ばれていくラストシーンへ.棺の上の駅長帽(?)が,乙松の帽子をかぶって久しぶりにストコンを握る仙次の表情が非常に印象的でした."鉄道員(ぽっぽや)"を締めくくるのに,これ以上のものはないでしょう.
乙松が倒れたシーン,高校生になった雪子が訪ねてきた次の日の朝だというのがさらに印象を強いものにしていると思います・・・って映画中では「翌日」とははっきりとは書かれていなかったような気がしますが(それらしい記述はありますが),翌日以外のどの日も,このシーンにはふさわしくないのではないでしょうか?
◇その他
鹿が出てくるシーン,なかなかよかったですね.必死にそのシーンを撮影した(というかそういうシーンを探した)スタッフたちの気合いが伝わってくるようでした.
あと,小学6年生の雪子のキスシーン(笑).「目をつむっていて」というセリフから,先の展開が予測できてしまいましたが(^^;;,それでもやっぱりなんていうか,よかったです.
ところで,雪子の手料理を食べているときにかかってきた電話の相手,具体的にはどういうことをしゃべったんでしょうね?
こんな駄文を最後まで読んでくださった方,ありがとうございました.m(_ _)m
「こういう見方もあるのでは」というのがありましたら,是非教えてくださいませ.
P.S. 「出発進行」というセリフを聞いて,つい「電車でGo!」を連想したのは僕だけ?(笑)