【Fin-ナポレオンルール2.1】

(1998.4.5)

「Fin-ナポレオン」は、ナポレオンが皇帝になった1804年から行われたヨーロッパでの戦争を戦略規模で再構築したゲームです。
  はたして、ナポレオンを超える戦いができるのでしょうか?
  歴史通りにナポレオンの無敵神話は打ち破られるのでしょうか?
 あなたも「Fin-ナポレオン」でヨーロッパの激戦に参加してください。

 ■□■□ 0 .目次  ■□■□
1.0 備品の説明
2.0 ゲームの準備
3.0 ルールのはじめに
4.0 ゲームの手順
5.0 活動順決定フェイズ
6.0 活動フェイズ(各軍の活動)
7.0 『宣戦布告』活動
8.0 『増強』活動
9.0 『動員/改革』活動
10.0 『移動/戦闘』活動
11.0 調整フェイズ
12.0 フランス士気
13.0 勝利条件
14.0 選択ルール

注.ルール中”(例Q&A.××)”の記述がある部分は、「例Q&A2.1」ページにルール例やQ&Aがのっています。

■□■ 1.0 備品の説明  □■□(目次に戻る)

 1.1 地図 ★★★★★
 地図は境界線、海岸線、海上境界線によって11の陸地と3つの海のエリアによって区切られています。ゲームで使用するの名称のあるエリアのみで、名前のない薄茶色の陸地エリアは使用しません。 ゲームでの移動や戦闘はこのエリア単位で行っていきます。(例Q&A.01)

 フランス、プロイセン、オーストリア、ロシア、スペイン、イギリスの本国エリアには、「エリア名→国名」「首都名と守備隊値」「勝利ポイント」の情報が順に記されています。くわしくは地図上の「地図例」を見てください。

ライン連邦、イタリア、ワルシャワエリアにはエリア名や増える増強数(丸数字)が記されています。
南フランスと西方ロシアと海エリアにはエリア名のみが記されています。

・大西洋。バルト海。地中海の3つの海エリアは海岸線と海上境界線で区切られています。
(例えば大西洋にいるイギリス軍が1エリア分の移動として地中海に移動できます。)
 『バルト海』→ 「大西洋」と★マーク付き陸エリアと接しています。
 『大西洋』→ 「バルト海。地中海」と■マーク付き陸エリアと接しています。
 『地中海』→ 「大西洋」と●マーク付き陸エリアと接しています。

 また、地図上には「活動(順番)表」や「フランス士気表」その他、軍隊ユニット判定用の表がありゲームで使用します。

 注意
・フランスとイタリアエリアは接していません。
・地中海はイタリア半島で分割されているように見えますが、ゲーム上同一エリアとみなします。
また、実際の黒海にあたる部分はゲームでは使用しませんし、地中海ともつながっていません。

 1.2 チャート ★★★★★
 別紙の「戦争体制表」には各国のゲーム準備における初期戦力数と連合国初期状態が記載されてあり、各国の戦争体制(数段階に分れていて、段階によって増強値/最大戦力数が違ってきます)を表示したり、軍隊ユニットの使用数(最大戦力数)を管理します。


 1.3 コマ ★★★★★
 コマには、地図上でプレイヤーが動かす軍隊ユニットとゲームを補助するマーカーの2種類があります。

1.31、軍隊ユニット。
 6ヵ国分の軍隊ユニットがあります
(フランス→青色、プロイセン→灰色、オーストリア→橙色、ロシア→緑色、スペイン→黄色、イギリス→赤色)。
軍隊ユニットには実在した指揮官や司令官の名前が記されていますが、ゲーム上の効果や能力はどれも同じです。
(同じ国色のユニットであれば、どの名称の軍隊ユニットを使っても自由です)。

1.32、マーカー。
 マーカーは物事の状態の表示に使います。
「和平」「休戦」「フランス士気」「戦争体制」「フランス順番」「敗走」の各種マーカーがあります。

 1.4 サイコロ ★★★★★
 サイコロをいくつか用意してください。
10個ほどあるとプレイしやすいです。


□■□ 2.0 ゲームの準備 □■□(目次に戻る)

 2.1 プレイヤーの役割 ★★★★★
 プレイヤーは、フランスと反フランス勢力である連合国(イギリス、プロイセン、オーストリア、ロシア、スペイン、の5国)に分れて、勝敗が決まるまでゲームを行います。

 2.2 ゲームの準備 ★★★★★

1. 各国は戦争体制表の★印のついた戦争体制欄に「戦争体制マーカー」を置き現在の戦争体制を表示します。

2. 各国は 現在の戦争体制の最大戦力数分の各軍隊ユニットを戦争体制表の各国のボックスに入れます。
(あまった各国の軍隊ユニットは最大戦力数が上がるまで、使用ユニットに混じらないように『未使用ユニット』として別に保管しておきます)(ルール3.4)。

3. 各国は戦争体制表の各国のボックスに入れた軍隊ユニットの中から初期戦力数分の軍隊ユニットをその国の本国エリアに表面で配置します。

4. 戦争体制表で初期戦争状態が和平の連合国は、和平マーカーを本国エリアに置きます。
 そして「フランス士気マーカー」をフランス士気表の20の欄に。「フランス順番マーカー」を活動表のところに用意します。

■□ 3.0 ルールのはじめに □■(目次に戻る)

  3.1 『軍隊ユニット』 ★★★★★
 このゲームで「軍隊ユニットが1損害を受ける」とは、『表面(通常の状態)のユニットなら裏面にする。裏面(混乱、損害、士気喪失状態)のユニットなら除去する』ことです。
 ゲームで軍隊ユニット数が問題(移動時の敵、守備隊との比較など)になる場合、ユニットの裏表は関係ありません。


  3.2 『連合軍の戦争状態』 ★★★★★

 連合軍の各国は常にフランスと「交戦」か「和平」か「休戦」状態にあります。
フランスには戦争状態のルールはありません(常に交戦状態の連合国と交戦状態です)。

 和平か休戦状態の国は、その国の本国エリアに和平や休戦マーカーを置いてそれを示します(交戦状態の連合国はマーカーをおきません)。

 各連合国の戦争状態は「宣戦布告」活動によって、「和平」→「休戦」→「交戦」状態へと順に変化していきます。
「交戦」状態の連合国はフランス軍に本国エリアを占領される(降伏判定で降伏すると)と和平状態になります。

注. 連合国プレイヤーの意志で、戦争状態を逆順(交戦→休戦や休戦→和平状態)にすることや、交戦状態から和平や休戦状態にはできません。

  3.21 「和平」や「休戦」状態。
フランスとは不戦状態です(休戦状態は和平状態よりも戦争に近付いた状態になります)。
この状態だと、地図上の戦闘と無関係になり、「移動/戦闘」活動ができません。

  3.22 「交戦」状態。
フランスとは戦争状態です。「移動/戦闘」活動ができます。


このゲームには「エリア支配」の概念はありません。
和平状態の国のエリアでも移動や戦闘は自由に行えます。


  3.3 『各国の戦争体制』 ★★★★★
 戦争体制表で各国の戦争体制の段階を表示したり、軍隊ユニットの使用数(最大戦力数)を管理します。
戦争体制は数段階に分れていて、その段階によって、その国のその時点の増強値と最大戦力数が変化します。

 増強値は「増強」活動で軍隊ユニットを地図上に配置したり、裏面の 軍隊ユニットを表面に戻すのに必要です。

 最大戦力数はその国が地図上で使用できる軍隊ユニット数の上限です。
このゲームに用意されている軍隊ユニットは最大戦力数より多いので、ゲーム中に誤って最大戦力数を超える使用をしないように戦争体制表で軍隊ユニット数の管理をします。

  3.4 『変化する最大戦力数の把握』 ★★★★★
 ゲームの進行するに従って、各国の最大戦力数が守られているか把握するために

・『使用ユニット』
→地図上か戦争体制表の国ボックスにいる軍隊ユニット

・『未使用ユニット』
→『使用ユニット』以外の 軍隊ユニット

として分けておき、『使用ユニット』内のやりとりでその国の現在の最大戦力数を守るようにします。
(つまり、増強する時は戦争体制表の国ボックスに残っている軍隊ユニットから地図上に配置し、地図上から除去された軍隊ユニットは戦争体制表の国ボックスに戻します)。
そして、戦争体制が変わり最大戦力数が増えた場合は、『未使用ユニット』の中から差数分の軍隊ユニットを戦争体制表の国ボックスに入れます。


■□■ 4.0 ゲームの手順  ■□■(目次に戻る)

このゲームは”ターン”という手順を繰り返しで進行します。
 1ターンは以下の3つのフェイズで構成されます。

   1.『活動順決定フェイズ』
   2.『活動フェイズ(各軍の活動)』
   3.『調整フェイズ』

3つのフェイズを順番に行ない、調整フェイズ終了時で勝敗が決まっていなければ、新たなターンとして手順を繰り返し、ゲームを進行していきます。



■□5.0 活動順決定フェイズ □■(目次に戻る)

 そのターンの活動フェイズでの各国の活動順をここで決めます。
 基本的に 地図上の活動表の順に各国は活動フェイズにそれぞれの活動を行っていきます。
連合国は5国で構成されていますが、各国別々に活動します。

 各ターンの連合国内の順番は変わりません(プロイセン→オーストリア→ロシア→スペイン→イギリスの順です)。
この活動順決定フェイズではフランスがいつ活動するか決定します(フランスの順番は毎ターン変わります)。
地図上の活動表をみて、フランスプレイヤーはサイをふり、出た目の場所がそのターンのフランスの活動する順番になり、マーカーを置いてそれを表示します。
(例Q&A.02)



■□6.0 活動フェイズ(各国の活動)□■(目次に戻る)

 活動フェイズでは、地図上の活動表の順に各国はそれぞれの活動を行っていきます。
 活動表の一番上の国から順番に活動を行っていきます。

 フランスプレイヤーはフランスしか扱いませんが、連合国プレイヤーは5国を別々に活動させます。

各国は自分の活動時に以下の4種類の活動の中から1つ(のみ)を行えます(もちろん、何も活動しないことも可能です)。

  『 宣戦布告 』 活動。
  『 増強 』  活動。
  『 動員/改革 』 活動。
  『 移動/戦闘 』  活動。

(ただし、戦争状態によっては、できない活動があります)。
活動フェイズの各国の活動が終了したら、調整フェイズに進みます。



■□ 7.0『宣戦布告』活動 □■(目次に戻る)

 ある連合国が自国の戦争状態を、または、フランスがある連合国(1ターンに1国のみ)の戦争状態を「交戦」に近ずけたい時にこの活動を行います(ルール3.2)。
(注、「宣戦布告」によって戦闘はおこりません)。

戦争状態が「交戦」の連合国は(には)「宣戦布告」活動はおこなえません。

 イギリスは戦争状態に関係なく、自国の活動時に自国の「宣戦布告」のかわりに他国の「宣戦布告」を行うことができます。『宣戦布告』の成否のサイ目は対象国に準じます。

「宣戦布告」の成否は、サイをふり1か2の目が出れば成功。3〜6の目は失敗です。
 ただし、オーストリアのみは1〜3の目で成功、4〜6の目は失敗です。

・「宣戦布告」に成功した場合その連合国の戦争状態は...
 「和平」なら「休戦」に(その国の本国エリアの和平マーカーと休戦マーカーを交換してそれを示します)変化します。
 「休戦」なら「交戦」に(その国の本国エリアの休戦マーカーを取り除いてそれを示します)変化します。
・『宣戦布告』に失敗した場合、戦争状態は変化なしです。

 ※ 戦争状態が「交戦」になった連合国は「移動/戦闘」活動ができるようになります。



■□■8.0 『増強』活動 ■□■(目次に戻る)

 その国のその時点の戦争体制表での戦争体制段階の増強値(右側にある黒抜きの丸数字)を使って未使用の軍隊ユニットを地図上に配置したり、裏面の軍隊ユニットを表面にすることができます。
(注、「増強」活動によって戦闘はおこりません)。

 増強活動で使える増強値は、その国のその時点の戦争体制表での戦争体制段階の増強値(右側にある黒抜きの丸数字)分です。
 また、その活動の時点で、ライン連邦、イタリア、ワルシャワ各エリアに他の各軍と比べて(軍隊ユニットの裏表面関係なし)一番多く(同数では不可)その国の軍隊ユニットがあった場合、それぞれ増強値が1ずつ増えます。(例Q&A.03)

 増強値は必ずしも使い切る必要はありませんが、未使用の増強値分はなくなり次のターンへ持ち越しはできません。

 その国の増強値1につき、未使用の軍隊ユニットを1つ本国エリア(注.西方ロシアと南フランスは本国エリアではありません。)に表面で置くか、地図上にある(どのエリアにいてもよい)裏面の軍隊ユニット2つを表面にできます。
ただし、その国の軍隊ユニットしか増強の対象になりません。

また増強によって地図上で使用できる軍隊ユニットはその国の現在の最大戦力数までです。



■□9.0 『動員/改革』活動 □■(目次に戻る)

 自国の戦争体制段階を左の欄に変えたい場合にこの活動を行います。

 各国の戦争体制表での戦争体制は★印の段階からはじまります。
各国の戦争体制は2か3段階に分かれており、「動員/改革」活動によって右の戦争体制段階に変わっていきます。
基本的に右の戦争体制段階に変わるごとに、その国の増強値や最大戦力数が増えていきます。

一番右の戦争体制段階になるとそれ以上の戦争体制段階の変更はなくなります。
また一旦右の欄に変化した戦争体制段階がゲーム中、左の欄に戻ることはありません。

 『動員/改革』活動の成否は、
連合国は、サイをふり1か2の目で成功。3〜6の目は失敗です。
フランスは、『動員/改革』活動を行えば無条件に成功です。

「動員/改革」活動に成功した国の戦争体制状態は1つ右の欄に変化し、戦争体制マーカーを移動してそれを示します。



■□10.0 『移動/戦闘』活動□■(目次に戻る)

 この活動で軍事活動を行ないます。
(和平や休戦状態の連合軍は『移動/戦闘』活動はできません)。

 「移動/戦闘」活動を選択した国は、その国の軍隊ユニットをまず移動でき、その後戦闘があります。
(他の活動では戦闘は発生しません)。

 この活動中は、和平や休戦状態の連合国の軍隊ユニットは地図上に存在しないものとみなします(和平や休戦状態の連合国の本国エリアを通過し、そこで移動終了する事もできます。
和平や休戦状態の連合国の本国エリアで戦闘が起ってもその国の軍隊ユニットが戦闘にかかわることはありません)。

 「移動/戦闘」活動の具体的な手順は以下の様になります。
1.『移動』
2.『戦闘』と『敗走判定と処理』
3.『降伏判定と処理』


  10.1『移動』 ★★★★★

 移動できるのは現在「移動/戦闘」活動をしている国の軍隊ユニットのみです(連合国内でも、他の連合軍ユニットを移動させてはなりません)。

 移動とは現在居るエリアから(そのエリアに接した)他のエリアに移動する事です。 
ゲームで移動できるのは名前の付いたエリアで、名前のない薄茶色の陸地エリアには移動できません。

 各軍隊ユニットは原則として個々に移動でき、移動したくないユニットは移動させなくてもかまいません。
(ユニットの裏表面は移動時には何の影響もありません)。

全ての移動が終了したら戦闘にうつります。

 移動の手順を細かく規定すると下記のようになります。
(1).強行軍宣言
(2).各ユニットの移動
(3).強行軍判定と海上消耗判定


    10.11 《連合軍》 ◯◯◯◯◯

 連合軍の各ユニットは1エリア移動できます。
フランス軍が1ユニットでもいるエリアに移動した連合軍ユニットはそこで停止しなければなりません。
フランス軍のいるエリアの連合軍は、そこから直接フランス軍のいるエリアには移動できず、フランス軍のいないエリアにしか移動できません(強行軍する場合、まず敵がいないエリアに移動後、敵がいるエリアに移動する事は可能です)。(例Q&A.04)

 ★★# 移動特別ルール
 スペイン軍は移動(や強行軍)できません。


    10.12 《フランス軍》 ◯◯◯◯◯

 フランス軍の各ユニットは2エリア移動できます。
敵のいるエリアのフランス軍は、そこから直接敵のいるエリアに移動でき、敵4ユニット以下のエリアは通過できますが、敵5ユニット以上いるエリアに移動した場合はそこで停止しなければなりません。

 和平や休戦状態の連合軍や海エリアのイギリス軍の存在は移動に際には無視されます。
移動に影響があるのは戦争状態が交戦状態の連合国ユニットで、その場合そのエリアにいる各連合国ユニットの合計数が対象になります。
(例Q&A.05)


    10.13 《強行軍*》 ◯◯◯◯◯

(強行軍とは消耗覚悟で行われる長距離の移動です)。
 フランス軍や連合軍の各ユニットは強行軍することで、通常より1エリア多く(フランス軍3エリア、連合軍2エリア)移動できます。

強行軍するユニットは移動前に強行軍の宣言しておきます。
強行軍したユニットは、移動終了時に強行軍判定をうけ、各ユニットごとに強行軍表をみてサイをふり結果を適用します。


    10.14 《海エリア》 ◯◯◯◯◯
 各海エリアも1エリアです。
 イギリス軍のみが制限なしで、海エリアに移動し留まれます(ただし海エリアにいるイギリス軍の存在はフランス軍の移動に際には無視されます)。

 イギリス軍以外の軍が海エリアを通って(海エリアに留まるような移動はできません)移動した場合、それらの軍ユニットごとに「海上消耗表」をみてサイをふり消耗を判定します(強行軍もした場合、強行軍判定も受けます)。
(もし、フランス軍ユニットが強行軍して、2海エリアを移動しても、そのユニットが受ける海上消耗判定は1回です)。



  10.2『戦闘』 ★★★★★
 移動後、現在「移動/戦闘」活動している国の軍ユニットと敵対する(フランス軍なら交戦状態の連合軍、連合軍ならフランス軍)軍ユニットが同じエリアにいるエリアでは戦闘が発生します。
(現在活動している国の軍ユニットが1ユニットもいないエリアでは戦闘は発生しません)。

 和平や休戦状態の連合国とフランスの間には戦闘は起りません。
また、戦闘が発生したエリアに
『和平や休戦状態の連合軍』や『敵味方に関係なく(複数エリアで戦闘があり、直前の戦闘で他のエリアから「敗走移動」してきた等で)既に敗走状態の軍隊ユニット』
がいても戦闘時には地図上に存在しないものとみなします。
これらのユニットが攻撃に参加したり、これらを攻撃したり損害を適用することはできません。

 複数のエリアで戦闘があるならその活動プレイヤーが順番を決め、順に戦闘の結果をだしていきます。

 各エリアの戦闘手順は下記の通りです。
 (1)、フランス軍の攻撃
 (2)、敗走判定
 (3)、連合軍の攻撃
 (4)、敗走判定

*常にフランス軍が先に攻撃し、攻撃後にすぐ敗走判定があることに注意してください。(例Q&A.06)



  10.21 (戦闘手順1)フランス軍の攻撃 ◯◯◯◯◯
 もし、そのエリアに、複数国の連合軍がいたならフランスは、どのユニットがどの連合軍を攻撃するかあらかじめ振り分けておきます。

 そのエリアにいるフランス軍表面のユニット1つにつきサイ2コ、裏面のユニット1つにつきサイ1コ分攻撃のサイをふれます。
戦闘表を見て攻撃分のサイをふり相手に与えた損害を出し、各連合軍は損害の適用をします。

1損害分の適用は「表面のユニットを裏面にする」か「裏面のユニットを除去する」ことになります(損害の適用は連合国が決めます)。適用しきれない分の損害は無効になります。

 ★★# 戦闘特別ルール
スペインエリアでの戦闘は、全ての攻撃の2のサイ目は攻撃失敗です。


  10.22 (戦闘手順2) 敗走判定 ◯◯◯◯◯
 敗走判定では、その戦闘によってある軍が敗走状態か判定します。
 攻撃の結果、そのエリアに敵対する(和平や休戦状態でない)国の表面ユニットがあるのに、裏面のユニットしか残っていない各軍は敗走状態になります。(もし、敵も味方も裏面ユニットしかいない場合敗走はしません)。

 敗走判定とその処理は各エリアの各国ごとにおこないます。
(複数の連合国が参加している戦闘でも敗走判定とその処理は各軍ごとに行います。)
(注.この敗走は「移動/戦闘」活動によって発生します。もし「増強」活動によって上記の状況になっても敗走判定はしません)。

・もし敗走状態になった軍があればルール10.25に従って敗走処理を行います。
敗走処理の結果フランス軍か連合軍一方がそのエリアからいなくなったなら、このエリアの戦闘は終了します。

・もし敗走状態の軍がないか、両者残っているならば 戦闘手順3の「連合軍の攻撃」にうつります。



  10.23 (戦闘手順3) 連合軍の攻撃 ◯◯◯◯◯
 フランス軍と同様に攻撃します。
(もし複数の連合軍がいるエリアで、フランス軍の攻撃によってそのエリアで戦闘が発生するきっかけとなった連合軍がすでに敗走していても残りの連合軍ユニットによって攻撃は行われます)。
 活動中の連合軍以外の(交戦状態の)連合軍も同じエリアにいれば攻撃に参加できます。

 ★もし、フランスの活動による戦闘なら........
そのエリアにいる表面の連合軍ユニット1つにつきサイ2コ、裏面の連合軍ユニット1つにつきサイ1コ分攻撃のサイをふれます。

 ★もし、ある連合国の活動による戦闘なら........
そのエリアにいる活動連合軍表面のユニット1つにつきサイ2コ、裏面のユニット1つにつきサイ1コ分攻撃のサイをふれます。
同じエリアにいる非活動連合軍の表面ユニットはサイ1コ分攻撃のサイをふれます、裏面ユニットは攻撃できません。

 いかなる場合も、和平や休戦状態の連合軍が戦闘に加わることはありません。

 戦闘表を見て攻撃分のサイをふり相手に与えた損害を出し、フランス軍は損害の適用をします。

1損害分の適用は、「表面のユニットを裏面にする」か「裏面のユニットを除去する」ことになります(損害の適用はフランスが決めます)。適用しきれない分の損害は無効になります。

 ★★# 戦闘特別ルール
スペインエリアでの戦闘は、全ての攻撃の2のサイ目は攻撃失敗です。


  10.24 (戦闘手順4) 敗走判定 ◯◯◯◯◯
 「(戦闘手順2)敗走判定」と同じように処理します。

・これが終われば、そのエリアの戦闘は終了します。未解決の戦闘エリアが残っているならばそれらの戦闘解決をします。
・もしこれで全戦闘の解決が済んだなら「移動/戦闘」活動の最後の手順『降伏判定と処理』にうつります。


  10.25 敗走状態の軍の敗走処理 ◯◯◯◯◯
 そのエリアの敗走状態の軍の全てのユニットに「敗走マーカー」をのせて敗走状態を示し、その敗走した軍のプレイヤーによって『再編成』と『敗走移動』を行います。
敗走処理は(もし、複数の連合軍が敗走状態でも)各軍ごとに行います。

 敵味方に関係なく敗走マーカー付きの(つまり敗走状態)の軍隊ユニットは、戦闘や降伏判定時には地図上に存在しないものとみなします。
敗走状態は、降伏判定と処理の終了時に敗走マーカーを取り除き、敗走状態ではなくなります。

    ☆☆『再編成』の処理。
 敗走状態の軍はまず『再編成』を行います。
そのエリアの敗走状態の各軍のユニット総数の2分の1(端数切り捨て)を表面にできます。『再編成』はその敗走軍のプレイヤーが望まなくても自動的に行われます。

 ★★# 再編成特別ルール(プロイセン軍)
プロイセン軍の場合は敗走ユニット全てを表面にできます。

    ☆☆『敗走移動』の処理。
 『再編成』後、敗走状態の軍は、そのエリアの全ユニットを自軍の本国エリアに近付く形で陸のエリアを1エリア移動させます(海エリアには敗走できません。イギリス軍のみが海エリアに敗走できます)。
(注.西方ロシアと南フランスは本国エリアではありません。)

本国エリアに近付く形であれば複数のエリアにユニットを分けて移動することもできます(その敗走した軍のプレイヤーが敗走移動先をきめれます)。
敗走移動先のエリアに敵軍がいたり、未解決の戦闘エリアでもかまいません。

敗走移動したユニットは(「敗走マーカー」付きユニットは)その戦闘の際には無視されます。敗走したユニットによって未戦闘エリアで新たに戦闘が発生することはありません。


 ★★#.敗走特別ルール(本国エリアでの敗走)。
もし、ある軍がその軍の本国エリアで敗走状態になった場合、『再編成』も『敗走移動』もしません。敗走マーカーをのせておきます。

 ★★# 敗走特別ルール(イギリスエリアからの敗走)。
イギリスエリアからイギリス軍以外の軍が敗走する場合、『再編成』はせず、『敗走移動』でそれらの軍は海エリアには留まれないので陸地エリアまでもう1エリア移動させます。



  10.3『降伏判定と処理』 ★★★★★
 全ての戦闘終了後、敵対する軍ユニットが本国エリアに存在する国に関して降伏したか判断する「降伏判定」と処理を行います。
(和平/休戦状態の連合国は降伏判定を受けません)。

降伏判定と処理(降伏した国があればその処理をし)後、全ての敗走マーカーを取り除き(つまり、降伏判定と処理の終了時に敗走状態ではなくなります)、ゲームは手順に従って続行されます。
(注.フランスが降伏した場合は、ゲームの進行はそちらのルールに従います)。

  10.31 降伏の条件 ◯◯◯◯◯
 降伏の判定基準は以下の1〜3全ての条件がみたされている場合、その国は降伏します。

1. 交戦状態の連合国またはフランスの本国エリアに敵軍隊ユニットが存在する。

2. その存在する敵軍ユニットの数が(ユニットの表裏面関係なし)(フランス本国エリアにおける連合軍は各国の合計ユニット数)がその本国エリアの守備隊値より多い。

3. 本国エリアにその国の軍隊ユニットが存在しない。


 敵味方に関係なく敗走マーカー付きの(つまり敗走状態)の軍隊ユニットは、降伏判定時には地図上に存在しないものとみなします(ただし、「降伏処理」の”本国エリアに戻す”処理はうけます)。
降伏した国は降伏処理を行います。

注.フランスと連合国が同時に降伏した場合は、まず「連合国の降伏処理」を行い、次に「フランスの降伏処理」をします。
その後のゲームの進行は 「フランスの降伏処理」ルールに従います。



  10.32 連合国が降伏した場合の処理  ◯◯◯◯◯
 降伏した連合国は和平状態になり(本国エリアに「和平マーカー」を置いて、和平状態を示します)、本国エリアにいないその連合軍ユニットも本国エリアに戻します。
降伏した国の軍隊ユニットの裏表面は戦闘終了時のままです。

降伏した国の本国エリアにいた他の連合軍のユニットには何の影響もありません。そのままゲームは手順に従って続行されます。


  10.33 フランスが降伏した場合の処理  ◯◯◯◯◯
 フランスが降伏した場合は、ただちにフランスの士気を5減らし、調整フェイズの「勝利宣言」に進みます。
(注.この時の調整フェイズは「勝利宣言」しかしません)。

 「勝利宣言」終了後、ゲームが続行される場合、次の事を行った後、新しいターンを開始します(連合国の戦争状態はそのままです)。
・本国エリアにいない(他のエリアにいる)全フランス軍と全連合軍ユニットをそれぞれの本国エリアに戻し(ユニットの裏表面は戦闘終了時のままです)、フランス軍の増強を1回行なう。
(注.西方ロシアと南フランスは本国エリアではありません。)



■□■11.0 調整フェイズ■□■(目次に戻る)

 活動フェイズ後に、調整フェイズをします。
調整フェイズは以下を事柄を順番に行います。

 1. 「フランス軍の調整」
 2. 「ロシア領土内の消耗判定」
 3. 「スペイン領土内の消耗判定」
 4. 「勝利宣言」

 11.1 『フランス軍の調整』 ★★★★★
フランス軍がフランス領土内(フランスか南フランスエリア)以外のエリアに1ユニットもいないと、フランスの士気1低下させます。

 11.2 『ロシア領土内の消耗判定』 ★★★★★
 ロシアと西方ロシアエリアにいるロシア軍以外の(フランス軍、連合軍問わず)軍のユニットごとにサイをふり1〜3の目がでたユニットは1損害を受けます。

 11.3 『スペイン領土内の消耗判定』 ★★★★★
 スペインエリアにいるスペイン軍以外の(フランス軍、連合軍問わず)軍のユニットごとにサイをふり1〜2の目がでたユニットは1損害を受けます。

 11.4 『勝利宣言』 ★★★★★
 どちらかの勝利条件が成立するか、または勝利宣言すればそこでゲームは終了です。(もし両軍同時に成立なら、ゲームは引き分けで終了です)。
成立していなければ次のターンを行なっていきます。



■□■12.0 フランス士気■□■(目次に戻る)
 フランス軍のみのルールです(連合国に士気ルールはありません)。
 ゲーム開始時に士気値が20あり、士気表で表示します。

 士気値によってフランスの増強値がかわります。
士気値が20〜11だと増強値は3、士気値が10〜0だと増強値は2、になります。

 ゲーム中に以下の事があると士気値を低下させます(士気値は0以下にはならず、ゲーム中に士気が上昇することはありません)。
 a. フランス軍ユニットが1つ除去されるごとに、ただちに士気値1低下させます。
 b. 「調整フェイズ」時にフランス軍がフランス領土内(フランスか南フランスエリア)以外のエリアに1ユニットもいないと、士気値1低下させます。
 c. フランスが降伏するごとに、士気値を5低下させます。



■□■13.0 勝利条件 ■□■(目次に戻る)
 ゲームはどちらかが勝利条件をみたせば終了です。
(もし勝利条件が両軍同時成立なら、ゲームは引き分けで終了です)

  13.1『フランスの勝利条件』 ★★★★★
 フランスプレイヤーは調整フェイズの「勝利宣言」時にその時点の和平か休戦状態の連合国からVP(勝利ポイント.各連合国の本国エリアに記載)を得られます。
(VPの合計計算は各ターンごとに行い、VPは蓄積されません)。
交戦状態の連合国からはVPを得られません。

この合計VP値によってフランスプレイヤーは調整の「勝利宣言」にゲームを継続するか?勝利宣言するか?決めれます。
合計VP値が多いほどナポレオンの称号が変わってきます。
フランスの勝利宣言に必要な合計VPは以下のとうりです(9VP以下での勝利宣言はできません)。
・10VP以上。→ナポレオンの称号「フランス皇帝 ナポレオン」
・12VP以上。→ナポレオンの称号「ヨーロッパの覇者 ナポレオン」
・15VP以上。→ナポレオンの称号「ヨーロッパ統一の英雄 ナポレオン」


  13.2『連合軍の勝利条件』 ★★★★★
各ターンの調整フェイズの「勝利宣言」時にフランスの士気値が0以下だった場合、連合軍の勝利でゲームは終了します。

連合軍が勝利した場合のナポレオンの称号は、
「フランス人 ナポレオン」となります。



■□ 14.0 選択ルール ■□(目次に戻る)

【選択ルール:連合軍のマルチプレイヤールール】
 これは、連合軍側を複数人でプレイする為のルールです。

 ゲーム前に連合軍をするプレイヤーの間で担当する連合国を振り分けます。
各プレイヤーは自分が担当する国の最大戦力数(戦争体制表で一番右の欄の最大戦力数で)の合計数を出します。
合計数をくらべあい、一番大きいプレイヤーとの差数がまずそのプレイヤーが得られるVP(勝利ポイント)になります(最も大きいプレイヤーにはVPは入りません)。

 そして、通常どうりゲームをプレイします(ゲーム内での各連合軍の決定は各担当プレイヤーが行います)。
フランスプレイヤーにはこのルールは無関係です。ゲームがフランスの勝利で終われば、連合軍プレイヤー全員が敗北になります。

 逆にゲームが連合軍の勝利で終わったなら、連合軍プレイヤーの中で誰が勝利したか決めます。
ゲーム終了時の状態で各連合軍プレイヤーは自分の担当の軍のユニットが下記の状態にあればVPを得ます(軍隊ユニットの表裏面は関係なしです)。
 ・フランスエリアに1ユニットあるごとに→2VP。
 ・南フランスエリアに1ユニットあるごとに→1VP。
 ・フランスエリアか南フランスエリアに接した陸や海エリアに1ユニットあるごとに→1VP。

ゲーム前の差数VPとゲーム終了時のVPの合計が最も多かった連合軍プレイヤーが勝利します(同点の場合は同時勝利になります)。
(例Q&A.08)

 【選択ルール:パリへの道】
 フランスの士気値が0以下になってもゲームを続行します。
士気値が0以下になったフランスの増強値は0(ライン連邦、イタリア、ワルシャワから増強値を得ることは可能)になります。
連合軍の勝利条件は、フランスの士気値が0以下になった後、フランスを最初に降伏させた時点で勝利します。

【選択ルール:ネルソンの攻勢】
 フランス軍は活動順決定のサイ目が偶数のターンは海エリアを通る移動はできません。

【選択ルール:フランスの動員/改革】
フランスの「動員/改革」活動は無条件に成功ではなく、サイをふり1〜4の目が出れば成功。5〜6の目は失敗になります。
コメント:どうしてもフランス軍有利と感じられる方にオススメします。

【選択ルール:連合国の動員/改革】
各連合国の「動員/改革」活動は「交戦状態」時にはできません。
コメント:どうしても連合軍有利と感じられる方にオススメします。


  ■□■□■□■□■『Fin-ナポレオン2.1 ルール.b』□■□■□■□


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