ルーズとルール1

最終更新日 1998.8.30

"思い出は常に過去形で語られる"

---おじさんの愚痴は常に「最近の若い者は」で始まる


ょんな事からN88-BASIC用プログラムをMacへ移植することになりました。さすがにCodeWarriorでゴリゴリと作るのは面倒だし時間もないので、手軽に、そして安く(笑)作れる環境はないかと物色した結果、今回はREALbasicを試用することに決定。いやべつに同じBASICで作られているから選んだってわけじゃありません。なにしろ、元のプログラムは、いわゆるコンソール型でして、「データを入力しろ。リターンキーを押せ。間違ってたから最初からやり直せ。印刷するのか?」とひたすら命令口調で操作させられるシロモノ。この仕様のまま動作するソフトを作るのもおもしろそうでしたが、殴られるので却下。やはりMac風、というかウインドウが開き、あちこちクリックして操作するソフトじゃなきゃ話になりません。そうなると、全面的な書き直しが必要になるんですが、それだったら楽な方がよろしい。そこでREALbasic。HyperCardって手もありましたが、私には難しすぎの面倒クサすぎで遅すぎ。

さて、方針が決まったところで元のBASICのプログラムを解析開始。あ、BASICというのはプログラム用言語のことです。普通の言葉にも英語やフランス語、ドイツ語とイロイロあるように、プログラムにも様々な言語がありまして、その中のひとつと考えてください。ただ、N88-BASICというのは今では古語といえるほど古いものです。最近のBASICは大幅に進化していて文法もまったく異なります(最近知ったんですけどネ)。で、しかたないのでApple][で使用していた6K BASICの記憶を頼りに全体の流れをつかむことにしました。ちなみに、このプログラムは、遺伝子DNA断片を電気泳動した際の距離をグラフ化し、未知の検体の分子量を求めるもので、おお! なんか文章にするとかっこいいぞ。難しそうじゃん。でも実体は、グラフ用紙に複数の点を書いて、そこを通る曲線を引くだけなんですけどね(ははは)。念のためWindows 95にN88-BASICエミュレータをインストールし、動作を確認。うわぁ、なんだこれ。ふっるー。

ここで、読みにくくてコメントの少ないコードから、処理の中心となる公式を紙に書き出しておいて、REALbasicを起動。なんかThink Pascalみたいなエディタだなぁ。あれこれ悩みながら、もっとも楽しくて難しいユーザーインターフェース部分を設計。次に公式を見ながらグラフを書いたり計算したりする部分を追加して完成。あれ。もう、できたの? じゃ、ちょいと実行してグラフを。あぅ。早いじゃない! アプリケーションを作成。おぅ。小さいじゃない。なんかすごいぞ。ハッキリいって頭の中にはVisual BASICというMS謹製の巨大マクロ作成ソフト(Windows用)が頭にあったので期待していなかったんですけど、結果は全然違う。んもう、Mac版のVisual BASICなんて言うから、デカくてトロくてバグだらけのボロカスなソフトを連想してたのに。と気分を良くしたところで、調子に乗ってもう少し複雑な方法で曲線に収束させてみる。10秒、20秒、30秒...。2分ほどで完了。ま、68030/50MHzのMac IIsiなら、こんなものかな。同じソフトをPowerMac 8500/180で動作させてみると瞬時に計算完了。パソコンって速くなったんですねぇ。私のイイカゲンなプログラムでも、あっと言う間に計算が終わってしまうんですから。

ほぼ完成したので、REALbasicの感想などを少々。

これまでMacで動作するプログラムを書こうと思えば、百科事典のようなInside Macintoshを読み漁り、いろんな人のソースコードを解析しまくる必要がありました。しかしREALbasicがあれば、それらは昔話。何も知らなくてもソフトが完成してしまいます。もちろん本格的なモノを作るのはツラいですが、そんなのはプロのプログラマにまかせておけばいいんです。家計簿を付けるだけなら微分や積分は不要でしょ。個人的に必要な、ちょっとしたソフトが簡単に作れるなんて、やっとMacもパソコンらしくなったなぁ。パチパチ。

一段落したところで思いついたのが「そういえば、同じモノをDelphi(Pascalという言語を使った開発環境。Windows用)で作ったらどうなるんだろう」ってコトです。どうなるんだろうって言っても、そりゃ同じモノになるんですけど、なんだか比較してみたくなりました。その顛末と感想は後編にて。


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