あまつぶ

10.6 【OPEN-R SDKをインストールしてみる】

 だいぶ前に、AIBOのプログラムを作ることができる無料の開発環境が公開されたというニュースを読んだ記憶がある。そのときも気になったのだけど、結局触ってみることはなかった。

 今回、新しいAIBO(ERS-7)が発表されたのを機に、再び気になりはじめた(というか、状況がどうなっているのか全然知らなくて、有料のものしかなくなってしまったのかと思っていたくらいだった(汗))。Mac OS Xでも動くようだし、これは試してみなくては(Mac OS X 10.2.8上で試しました。一応サンプルのビルドまで試しましたが、実機がないので実際の動作テストはしてませんのであしからず(汗))。

 OPEN-R SDKを使用するためには、まず、OPEN-R SDKのオフィシャルサイトでユーザ登録をする必要がある。登録後、SDKなどをダウンロードすることができるようになる。SDKと開発環境は、Windows、Linux、Mac OS XなどのUnix環境で使うことができる。Windows用にはビルド済みの開発環境が用意されているが、他の環境ではソースからビルドする必要がある。要するに、Mac OS Xで開発をしたい場合は、開発環境の構築からはじめるということになる。
 といっても、開発環境の構築には特にむずかしいところはない。binutils、gcc、newlibの3つのソースファイルのアーカイブ、それから「build-devtools-3.2-macosx-r1.sh」というシェルスクリプトをダウンロードして同じフォルダに置き、スクリプトに実行フラグをつけて(chmod +x)、実行するだけだ(インストール先が/usr/local/OPEN_R_SDKとなるので、管理者権限がないとアクセス権がなくてインストールに失敗するかもしれない。失敗する場合は、sudoで管理者パスワードを入力、と)。
 ソースファイルをビルドする必要があるので、Developer Toolsが入っているのは必須条件だと思う。うちは、gcc 3.3でビルドを行った。Terminalを立ち上げて、gcc --versionで2.95以降のバージョンが表示されれば大丈夫なんじゃないかと思う(たぶん)。

 ビルド、インストールが無事終わると、/usr/localにOPEN_R_SDKというフォルダができているはず。gccは入っているのにもう一度入れる理由がちょっとわからないが、newlibのビルドの際に、/usr/local/OPEN_R_SDK/bin/mipsel-linux-g++とかを参照しているようなので、とりあえず入れておくことにした。

 開発環境が構築できたら、OPEN-R SDKをインストールする。インストールといっても、アーカイブをダウンロードしてきて、/usr/local/OPEN_R_SDKに展開するだけだったりするけど。インストールマニュアルに書いてあるように、tarで展開するなどして、コピーする(コピーの際にも管理者権限がいるので注意)。
 これで、開発環境とSDKのインストールは完了となる(そういえば、今日、SDKがバージョンアップしていた。インストールは昨日したので、1.1.3-r4での話。1.1.4-r1でも同じだと思うけど)。

 早速サンプルをビルドしてみる。HelloWorldという、コンソール(telnetでつなぐと出てくるらしい)にHello World !と表示するというもので試してみる。ロボットの世界(?)でも、Hello Worldは定番なのか。
 HelloWorldフォルダに移動して、make。たったこれだけ。インストールなどに問題がなければ、とてもあっさり。できあがったプログラムは、〜.binという名前になるようだ。容量を稼ぐためにgzipで圧縮されていると、どこかで読んだ。
 あとは、make installで、MSフォルダにコピーされる。OPEN-Rフォルダをメモリスティックにコピーして、あとは動作テスト、という流れのようだ(このとき、/usr/local/OPEN_R_SDK/OPEN_R/MS/WCONSOLE/memprot/OPEN-Rフォルダも一緒にコピーする必要があるみたい。MS以下のフォルダはいくつかあって、それぞれ適切なものをコピーするのだと思うけど、どういう場合にどれを使うのかとかまだまだわからないことだらけだ)。

 ここから先は、実機を持っていないと試すことができない(涙)。はたして、試すことができる日は来るのか……(続く?)。

September 26, 2003 ↑ 2003 index → October 25, 2003