m SPUTNIK

Sputnik

1 2

ロシア製の中判ステレオカメラ。
光漏れやフレアなど、光学機器として「よろしくない」との噂も聞こえていたが、手軽な価格と入手のしやすさが魅力で、不具合は工作で何とかする覚悟で購入。
1955年から1973年頃まで生産されたというが、筆者のものは年式不明。ヘッド部の表示はロシア語表記の「」のほかに英語表記の「SPUTNIK」もある。筆者のはロシア語表記。
シャッタースピードも1/10〜1/100のものと、1/15〜1/125のものとがある。筆者のは後者。
ステレオカメラの歴史として、中判ステレオカメラ「ローライドスコープ」が3眼→2眼化されたのが有名なニ眼レフ「ローライフレックス」の始まりだ、というのは有名な話(次頁参照)だが、スプートニクは、もともとニ眼レフとして作られたLOMOのカメラ「ルビテル」のレンズを流用して3眼のステレオカメラ化された、という逆のコースをとっているのは興味深い。
Testing for Light Leaks on the Sputnik stereo cameraを参考に、実際にISO400の高感度フィルムを装填して四方八方から日光を当てるという方法で、2〜3本のテスト撮影したところ、やはり筐体(特に裏ぶた側面上下部から)の光漏れあり。また、逆光での撮影で、内部反射によるカブリがあることも確認。そこで、「Improving Your Sputnik」や「SPUTNIK MODIFICATIONS」にあるような、光漏れ防止の対策板(上下)の貼り付けと、内部反射低減の絞り版(3段)取り付けを、日曜工作で施した。

ブローニ( 120)を使用するので、現代でも十分に実用的。後ろ蓋のフイルムコマ番号の覗き窓を見ながら「キュルキュル」と右から左に巻き上げていく。急いでいると、つい巻きすぎてしまうのでご用心。 構造は極めてシンプル。
扉は真ん中から観音開きに開く。この扉部とボディとの合わせ目の構造が三角山一つだけで、スポンジなどの遮光材がないため、光漏れに繋がる。
上下に光漏れを防ぐための遮光板を追加した。さらに内部反射フレア低減のため、絞り版(3段)も追加した。(詳細は次ページ


仕様

参考:stereoscopy.com英訳されたマニュアル
形式 中判・レフレックス・ステレオカメラ
製造 Leningradskoje Optiko-Mechanitschskoje Objedinjenije (LOMO)、ロシア製
年代 1955〜1973
フィルム 120 ロールフィルム(6ペアの撮影が可能)
外形寸法 154.1 mm x 101.2 mm x 93.4 mm (W x H x D)
重量 809 グラム (ケース付きで1128 グラム)
基線長 65 mm
画像フォーマット 55.3 x 55.4 mm (W x H)
レンズ Lomo T-22 matched anastigmats (3群3枚コーティングガラス),1:4.5/75 mm
絞り f/4.5〜f/22まで連続可変
焦点調節 手動、1.3 m 〜無限遠
シャッター メカニカルレンズシャッター
シャッタースピード 1/125,1/60,1/30,1/15 sec.and "B"または1/100,1/50,1/25,1/10 sec.and "B"
ファインダー レフレックスファインダー(F2.8)、アクションファインダー
フイルム巻き上げ 手動
ストロボ接点 あり(PC-Contact)
セルフタイマー あり(約10秒)
その他 2重露光可能、左レンズだけによる2D撮影可能。

戻る