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イタリアtm Racing社製,Enduro 4 Tempi(クアトロテンピ)250のページです。
This page is for my Italian motorbike, Enduro 4 Tempi 250 by tm Racing.
last updated on 2004/04/17
 私にとって生涯5台めのバイク,tmがやってまいりました。ついにイタ車です。これは基本的には誰でも買えるものだし,金額も軽乗用車くらいです。でも,tmをツーリングに使おうという人間は,けっこう珍しいかも。さて,楽しんで長く付き合っていけるか,挫折して手放すか,私のtm生活にどうぞよろしくお付き合いください。なお,tmってどんなバイク?ということについては,tmの輸入販売をしているモト・マタドールのWebサイトをご覧ください。

2002/08/03 なぜステップの上だとキックがしやすいか
 8月3日(土)は待ちに待ったtmの納車だ。早起きしてヘルメットを抱えて電車に揺られ,8時にはバイク屋さんに到着した。サイドスタンドを跳ね上げて少し引き回しただけでも軽さを感じる。持ってきたGPSを装着してキック開始だ。まずはバイク屋のご主人が模範演技。チョークを引いてかけ,「お,GPS動きますね」なんて話しながら暖機をする。それじゃやってみてください,と言われて挑戦する。なかなかかからない。これまでしばらくXRでキックする場合にも「サイドスタンドをかけて左ステップに乗ってキックする」なんてことはしないで訓練を積んできたのでうまくいくかと思ったら,これがなかなかうまくいかない。XRのキックは時計の12時くらいの角度から6時くらいまでグルっと回る。tmのキックは12時からせいぜい8時くらいまでだ。右足で踏みおろしても大して速度が出ない。ご主人いわく「私だとペダルがステップにガツッと当たりますけど,H2さんだとコツッくらいですよね,それじゃ遅いです」とのこと。

 そんなこと言われてもなあ,と思う。私は自慢じゃないが,TL125だってDR250SHだってCRM250ARだってXR650Rだって,すべて左ステップに乗ってキックし続けてきたのだ。左ステップに乗ると,キックのときに膝を伸ばす動作を力として利用できる。でも,左足を地面に着けて右足の太ももを回転させているだけでは,そんなキック力は出ないのである。何度も何度も繰り返して,一度くらいはかかったろうか。かかったら一回り乗ってこようかと思うのだが,チョークを戻すと止まってしまう。あれ?とか言っている間にどんどんかからなくなる。ご主人が蹴ってもかからなくなる。太陽がだんだん高い位置へ移動してくる。蹴っても蹴ってもかからない。燃料が少ないかな,と私は自転車で近所のガソリンスタンドにハイオクを買いに行く。いっぱいにしてもかからない。プラグを新品にしてみてもかからない。うーむ。

 しかしそれでもご主人は「サイドスタンドをかけて左ステップに乗ってキックする」ということは決してなさらない。メンテ・スタンドに乗せて左ステップに乗ってキックする,というのはやったが,これはこれでグラグラしてこわい。左足のところに古いバッテリーを置いて台にする,40cmほどのブロック塀の横へバイクを移動し,塀の上に左足を置いてキックする,右足だけブーツを履いてキックする,など多様な技を駆使し,「右足がヘンになりそう」なくらいキックしてもかからない。

 原因は何だったか。それは,キャブが外れそうになっていたこと,そして,GPSの電源ケーブルが原因でプラグの火花が弱っていたこと,であったようだ。原因が判明したら,再び私のキック再開だ。左足をブロック塀に乗せ,「ガツッ」と音を言わせることを目標にキックする。一度かかった。一回りしてくる。すごく怖い。クラッチ・レバーを下げてもらう。と書くと簡単そうだが,油圧クラッチのホースとレバーガードのホルダーが干渉しているので,そうカンタンにはいかない。レバーガードのホルダーを削ってもらう。再度キックだ。「かかんないですー」と音を上げるが,ご主人は「一度できたんですから絶対できます」と言って見守っている。とにかく私がキックできるようにならない限り,納車の儀式は完了しないのだ。

 なんとかかかったので,自宅へ走る。こわかったよー。環7からR17に右折する交差点では,ニュートラル出しそこなってエンストして,歩道へ押して歩いてキックキックキック。汗だくー,げんなりー。

 実はこの日は蓼科の保養所の予約が取ってあった。tmの調子がよければそのまま蓼科まで走ってしまおうと思っていたのだが,ギアがショート過ぎて,70km/h出すのが怖い。前輪がEnduro Competitionのヒゲ付きで,70km/hを超えるとブレが出るのも怖い。XRで行くことにしました。

 XRに乗ってアクセルをひねったら何かおかしい。アクセルをひねってもバイクが前に出るのが一瞬遅い。「ぬめっ」と加速する。どこか壊れたのか?と思ったが,実は壊れたのは私の感覚の方。tmはアクセルをひねれば「びぃぃぃぃ」と加速するが,XRはもともと「ぬめっ」なのだった。でも,「それがあなたの,いいと・こ・ろ」なのだとも思う。

2002/08/04 そう,これがtmです
 蓼科から帰宅して,洗濯機を回しつつバイクの写真を撮影する。お待たせいたしました。これがtmです。
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 ど派手っしょ? ハンドル回りもお見せしよう。
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 メーターは最初安くて多機能で便利そうなやつを薦められたのだが,がらにもなくブランド志向を発揮してしまい,ここはICOにした。中でも,乾電池を入れる必要がなく,照明も内蔵しているVR Lightだ。でも,赤じゃなかったのはちょっとがっかり。ICOは赤だよねー。やっぱし。

 GPSマウンターは普通はハンドルバーのブレース(brace, crossbrace)に付けるのだが,今回付いてきたREIKONのハンドルバーはテーパー(中央が太くなっている)形状で,ブレースがない。ブレース付きのハンドルバーに換えようかとも思ったのだが,そうなるとテーパーじゃなくなるし,テーバーじゃなくなるとハンドルバーのマウントの金具がそのままでは合わない。そこでご主人が工夫してくれたのがこのGPSマウンターである。ただ,前述した電源容量不足の疑いの問題があり,今は結線をはずしてある。

 デコンプ・レバーは,最初はないだろうと思っていたので,あるのがわかったときには嬉しかった。これがあるとないとでは,始動の楽さが違うと思うのだ。DRとXRにはあって,その2台はとても楽だったから。しかし,これがあなたのtmにあるかどうかは,私にはわからない。何しろこいつは2001年モデル,4T(4ストローク)のtmが初めて登場した年のモデルで「プロトタイプ」なのだ。今回パーツ・リストももらったのだが,エンジンのリストは手書きでイタリア語で,まるでわからない。ボディ関連は手書きではなかったが,2ストロークのものなので合致していない部分が多々ある。バイク屋のご主人は「結線図がないのでウィンカーがなかなかつかなかった」そうである。そんなわけで,このページを読んで,tmをわかった気にならないように,くれぐれもご注意いただきたい。以降のモデルは,より完成度が上がり,もっと素晴らしいものになっているに違いないのだから。

2002/08/05 左足で跳び上がるのがコツ
 早起きして,河原で8の字を描き,3度転ぶ。うーん,バイクがよくても人間はヘタ。でも,キックは少しわかってきた。バイク屋のご主人がときどき見せるように,右足をキック・アームの上にかけ,左足で宙に跳び上がって身体を少しでも上へ移動させ,膝を伸ばす動作を少しでも活用するのがコツのようだ。始動性が悪いという気はしなくなってきた。ただ,坂の途中でこれができるか,左右が崖の状態で跳躍できるか,というと疑問だ。まあ,そういう場合は,押すんでしょうね。

 今一番変更したいのは,何と言ってもファイナル(最終減速比)である。現状は前13T,後ろ50Tで,ローのアイドリング状態だと8〜9km/h,5速で気持ちよく走っていると60km/h,5速でがんばって80km/hに乗るかどうかというところだ(もちろん,これは私がエンジンの振動とうるささに耐えられなくなるからであって,ほかの人が乗ればもっと出るだろう)。エンデューロ・レースをやるなら,このファイナルが正解なのかもしれない。0〜80km/hに最適化されているんだろうし,実際,河原を走るくらいなら,このくらい速度が出れば十分楽しい。ただ,私は公道ライダーであり,走行の9割は舗装路だ。舗装路は速い。自動車専用道でなくても80km/hなんてざらだ。高速に乗ったら100km/h出したいところである。

 バイク屋さんにスプロケットの相談をした。ドライブ・スプロケット(前スプロケット)のカバーの形状を見ると,どうも前は13Tから変更するのは難しそうである。となると変更できるのは後ろだ。思い切って35Tくらいにしてしまおうかと思ったのだが,35Tだと特注になるので1万6000円くらいかかって,製作期間に1〜1.5カ月を要するという。一方,純正部品ではモタード用の42Tがあって,これならもうちょい安いし,待ち時間もそんなにはかからない。後ろをあまり小さくすると歯への負荷が高まるのも気になるし,今の50Tを早くやめたいし,ということで,ひとまず42Tを注文した。早くこないかなー。

 tmのハンドルのポジションは,奥で高い。XRの純正は奥で低かったのを変更し,今は近く低い。腰に近い感触でなかなか気に入っている。tmのポジションは最初は違和感があった。アップハン,鬼ハンな感じで,見ためはそう見えないかもしれないが,乗った感触はお猿さんなのである。でもこれが,立つとピタっとはまるのよ。そう言えば,代車でTT-Rを借りたとき,ハンドルがこんな風になっていたことがあった。これって,今風のポジションなのかもね。そんなわけで,これは当面このままで行こうと思う。

 メイン・ジェットの交換(今付いているのは170で,手元に172.5と175がある),GPSのケーブル配線,とかは自分でやってみようかしら。あと,ヘルメット・ホルダーと,工具入れをなんとかしたいなぁ(XRにもtmにも,最初の状態でそんなもんは付いてこない)。今度の週末は泊まりで出かけたりはしない予定なので,できることはやってみようっと。

2002/08/11 お買い物お買い物
 いやあ,今日はかかんなかったなあ。朝食と洗濯を終え,バイク用品店めぐりをしようとtmのエンジンをかけようとしたのだが,今日はなかなかかからなかった。途中で麦茶飲んだりして,結局40分くらいかかったんじゃないだろうか。足がおかしくなるかと思った。それでも「踏み続ければ最後にはかかる」という私のキック信仰は,今回も裏付けられたのであった(もちろん,焼き付かせたときはかかるとは思わなかったから,キックもしなかったけど)。

 今回の教訓。(1)メンテスタンドの上でキックするのは悪くない,(2)デコンプをにぎってキックして空気を入れ替えるのはやっぱり得策,である。足がやばい,と思ったら,素直にメンテスタンド使う方がいいようだ。メンテスタンドかけるのは,XRより軽い分だけ楽だから,大して時間はかからない。また,1度キックしてダメならデコンプをにぎってキックを5〜10回繰り返し,それから本気キックをする方がいいようだ。そうすると,本気キックよりも空キックをしている時間の方が長くなってしまうが,そういうことを気にしてはいけないらしい。やっぱり「急がば回れ」だということか。

 買い物はけっこうな点数になった。ちっと列挙してみよう。

●バイク屋1軒め
 NGK CR8E 630円

●バイク屋2軒め
 ワイヤーロック短 580円
 ワイヤーロック長 1480円
 プラグ・ケース 600円

●工具店
 1/4インチ,ラチェット等のセット 2970円
 1/4インチ,スピナー・ハンドル 350円
 1/4インチ→3/8インチ・コンバーター 390円
 1/4インチ,Tハンドル 700円
 3/8インチ,フレックス・ハンドル 950円
 3/8インチ,スピナー・ハンドル 480円
 3/8インチ,ラチェット・アダプタ 630円
 3/8ソケット・セット 2170円
 3/8インチ,スパークプラグ・ソケット16mm 420円
 3/8インチ→1/4インチ・コンバーター 390円
 200ミリのプライヤ 780円
 ニップル・レンチ 680円
 10×12mm両口スパナ 460円
 ソケット保持爪 40円×2

●ホームセンター  錠前2個1組 880円
 ステンレス針金 80円×2

 うーん,けっこう買ったもんだ。CR8Eはtm用の純正プラグ。4ストの場合,プラグがダメになって走れなくなったという経験はないが,やっぱり予備は持っておきたいものだ。1軒めでつい買ってしまったが,2軒めで同じものがより安くあったのは悲しかった。それはともかく,プラグは2軒めで買ったケースに入れて持ち歩く予定。ワイヤーロックは,短いものはバイクと一緒に持ち歩いて使い,長いものは家で柱にくくりつけるのに使う。

 工具類は,1/4インチ系はtmに車載するためだ。結局新たに1セット揃えることにした。工具が1セットでXRとtmで入れ替えるというのは,けっこう面倒だ。必要なものが微妙に違うから,それをきっちり管理するか,覚えるか,いちいち確かめないといけない。そんなことをしているうちに,出かける気が萎えてしまう。1台ごとに揃えて,工具袋を常時しばりつけておかないとダメだという結論に達したわけだ。

 tmの工具袋は席の後端にくくりつけることにした。シート下フレームの両側からロック・クライミングで使う8の字のワイヤーを出して,両方にロック付きカラビナを付けて,二つのカラビナを結び付けて輪を形成する。ここで使った部品はかなりの強度があるので,バイクを持ち上げるのにも使えるだろう。工具袋のベルトをカラビナに巻きつけて固定し,なおかつ,XRでも使っているトレックフィールドの「しばり上手」で×字状に固定する。これならガタガタ道で緩むこともあるまい。しばり上手を使うと,バックパックを装着することもなんとかできそうである。

 ホームセンターで買った錠前は,先ほど触れたワイヤーに付けて,ヘルメット・ホルダー代わりに使う。2個1組で,どちらも同じ鍵で開く,というひと工夫商品があったので,それを購入。一つはtm,一つはXRで使うことにした。何しろ,ワイヤー・ロックを買うたびに鍵が増えるわけで,鍵は少し減らしたい気分なのだ。

 ステンレスの針金は今回初めて買ってみた。これまでは普通の針金を工具袋に入れていて,それは実際に役立ったこともある。ただ,普通の針金は,錆びて見苦しい。見苦しいだけならいいが,錆びるとボロボロになって使いものにならない。そこで,今回は錆びにくいものを買ってみようというわけだ。アルミの針金というのもあって,一瞬それにしようかと思ったのだが,パッケージに書いてある「耐荷重」のスペックを見ると,アルミはステンレスに全然かなわない。どこに使うかわからないし,強いやつにしとくか,ということで,太さ1.2mm(耐荷重約75kg)を2.5m,太さ1.6mm(耐荷重約130kg)を2m買ってきて,両方とも半分ずつに切って,XRとtmの工具袋に入れておくことにした。びっくりしたのが,75kgや130kgというだけあって,えらく丈夫なことである。小さな電工ニッパでは,1.6mmは切れなかったもん。

 買い物の途中で一度家に帰って,買ってきた工具を使って,メイン・ジェットを170から175に変えた。濃い方に変えるときはすっとばしてもいいので,172.5はスキップである。あっさりアイドリングの音が太く変わった。乗ってみると,好みの方向で変わった感じ。少しもっさりしてパワフル。しかし,今は真夏だぞー。これじゃあ,メイン・ジェット,185か190くらいまで,追加で揃える必要があるだろう。

 キャブ・セッティングは,まだしばらくかかりそうだ。たまーに,思ったように回転が上がらないことがあるのだが,一度戻してゆっくり開けると大丈夫だったりするし,特定のギヤで特定の負荷がかかったときだけそうなるような気がするけど条件が今ひとつわかってなかったりするので,何が起きているのか,濃いのか薄いのか,キャブのどの部品を変えればいいのか,なんてことがまだわからないのだ。ファイナルが変わると症状が変わる可能性もあるので,ひとまずは後ろスプロケ待ちだ。

 いろいろ買って付けて,tmはだんだん普通のバイク(ツーリング・バイク)っぽくなってきた。自分のものっぽくなってきて,これがバイク持ちの快感なのよね。私が買ってからの通算走行距離は約132km。納車時に入れて以来,まだガソリンは入れていない。ファイナルがめちゃショートだし,燃費が出なさそうな乗り方(河原で8の字とか)をしていることが多いのに,それにしてはガソリンの減りが遅い。燃費のいいバイクだと嬉しいなあ。期待がふくらむぜい。

2002/08/13 お預け
 今日は楽にかかった。家で飛び上がったのは4回。それでも日曜日の後遺症があって,3回めを終えたとこらへんでは大分イヤになっていたのだが,一度かかればこっちのもんさ。近所のセルフ・スタンドでガスを入れる。134kmで7.42リットル。18km/lくらいは出ている。アイドリングを減らし,ファイナルをロングにすれば,20km/lはいくのではないだろうか。よしよし。再起動は1発。お盆休みなのかわりと空いている道を41km離れたバイク屋さんへ向かう。途中信号待ちで一度エンストしたが,キック1発でかかったので横に寄る必要はなかった。

 メイン・ジェット175の影響は今日もはっきりと感じられる。エンジンがかかったら,すぐにチョークを戻してもアイドリングが止まらない。5速でトコトコ走っているときにアクセルを急に開くと回転がひっかかって上昇しないが,じわっと開けば大丈夫なようだ。MJは,もうしばらくこれで運用してみることにする。

 本日のメイン・ディッシュは,発注してあったのが届いた後ろスプロケット42Tだ。置いてあったのを手に取ると,びっくりするほど軽い。純正でアルミなのだ。減りが速いかも,とは思うが,XRほどのパワーがあるわけじゃないから,それほど気にする必要はあるまい。50Tから42Tということで,違いはざっと20パーセントと思っていたが,42Tの歯車は50Tよりかなり小さく見える(面積が二乗で減るからかな?)。さて,乗った感じはどうなるんだろう?

 バイク屋さんには,ほかにもいろいろ相談をする。速度を70km/h以上出したときに前輪が横に振動する件については,増し締めして,前輪を浮かして回してみて,といった検査をする。横で見ているとリムが曲がっているように思われる。一度タイヤ外して調整した方がいいかも,とのこと。「変えちゃうってのは?」とたずねてみたが,「新品もけっこう曲がってますからねー」だって。もうしばらく様子を見ることにした。タイヤが減って落ち着くということもあるかもしれないし。

 クラッチが切れてない,という問題には,クラッチ・レバーのオイル・ポンプを押す部分を調整して対処した。そうか,ここをいじればよかったのか。あとは,GPSの電源配線と,レバー・ホルダーのネジ山が死んでいる点の対処を頼んでバイク屋さんを後にした。今日はちと用事があって,バイクに乗って帰宅することはできそうにない。しばしお預けである。ああ,乗りたいなあ。

 でも,吹け上がりは悪くなった。加速が悪くなった,と書こうかと思ったが,速度自体は以前より出ているのかもしれない。XR650Rは,ギアや回転数やアクセル開度がテキトーでも,スタスタと加速してくれた。さすがにtmには,XRほどの懐の深さはないようだ。XRよりも,マジメに操作しなければいけないように思う。

 次なる問題はGPSの瞬断だ。バイクからGPSの電源を取ることは取った。テール・ランプに並列に接続してもらったのである。これなら,ライト・スイッチを使ってON/OFFができる。ライト・スイッチは4段階あって,ライト/GPSなし(始動時用),テール・ランプとGPSに給電しヘッド・ライトなし,ロービーム,ハイビームということにした。これなら,始動時は電気を無駄にすることなく使える。

 しかし,実際に乗ってみると,減速して回転が落ちたときにGPSの電源が落ちる。レギュレータの容量不足か,コンデンサの容量不足か,よくわからんが,とにかく落ちる。これでは使い物にならないので,アイドリングを上げてみることにした。そうすると,確かに落ちにくくなる。まったく落ちないとは言わない。坂を降りるときなどで,エンジンをつないだままブレーキを踏んだりすると回転が落ちるので,そのときは落ちる。でも,舗装路を普通に走っているくらいなら,なんとか落ちないようである。しばらくこれで様子を見てみることにしよう。

 でも,アイドリングは本当は,ぎりぎりに低い方が好きなんだよなー。その方が交差点停車時に静かだし,エンジン・ブレーキも良く効くし。それに,ゆっくり走るにも,アイドリングが低い方がいい。今回ファイナルを変更してアイドリングを上げたら,以前は1速のアイドリングで9km/hくらいだったのが,15km/hくらいになってしまった。これでは,8の字を描くのさえおぼつかない。これから少しずつ練習していくことになるだろう。今日は,8の字を少し練習した後で,坂の上り下りの練習をしていたのだが,なんか,すごくやりにくい。速すぎるし,パワー出ないし,である。河原で遊ぶには,50Tの方が楽だった。こちらを立てればあちらが立たず,ということか。

 そう考えると,XRはやっぱ守備範囲が広い。クラッチ離して8の字描けて,高速道路で120km/h出せるのだから。ま,XRは隣で待っていてくれるのだから,乗りたくなったら乗ればいいのだ。手放さなくて正解だったかも。

2002/08/21 青うさぎと赤鬼
 泊まりがけでツーリングに行き,tmの(私が購入してからの)走行距離が1500km弱に達した。私が購入してからの,というのは,それ以前に何km走っていたかがわからないからである。tmにはオドメーター(走行距離計)がない。通算何km走ったのかは,ぜーんぜんわからない。ICOのメーターにはトリップ・メーターがあるが,これは私の使い方だと基本的にはガス計に使うので,ガスを入れたらリセットだ。また,このメーターは充電池で動くので,乗らないときにはシャットダウンして電池の消耗を防ぐのが好ましいらしい。シャットダウン時にはトリップはリセットされる。これは多少考えた末に,泊まりツーリングのときは夜もリセットしないでつけっ放しにすることにした。家に帰って,1週間乗らないかも,というときにシャットダウンすればいいだろう。

 こんなわけなので,メンテナンスを考えるために走行距離の記録を取る必要があって,これがなかなかめんどくさい。家ではExcelの表で管理して,泊まりツーリングのときは紙に書く。ガスを入れたら,何km走行したかを領収書に書き込んで燃費を計算する。今後少しずつ手抜きを考えねば…。
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 さて,この写真はツーリングでのヒトコマだ(林道の入り口を示す看板で,ここまで立派なのは珍しい)。tmの座席後方には,ベルトを収納できるタイプのバックパックを防水袋に入れてくくりつけてある。「しばり上手」1組2本と,横方向のバンド1本で止めており,付けたりはずしたりするのにさほど時間はかからない。このバックパックには金属の骨が入っているので,細いシートに横向きに付けても左右が垂れてくることはない。マフラーの熱で溶けることもないようだ。

 ただ,座席の後隅に座ることができないのはポジションの制約ではある。手足をグンと伸ばせばバックパックの上に座ることはできるのだが,パックパックの上に座るんだと後ろすぎ,バックパックの前に座るのだと前過ぎる,という場合がある。キャリアがあるXRの方が,やっぱりポジションの自由度は高い。

 多少走ったところで,tmの感想を述べよう。XR650Rと比較するからかもしれないが「軽い」というのが最大の印象だ。tmの舗装路での走りっぷりは,二つのモードに分けられる。(1)あまり回さないときと,(2)びんびん回したとき,だ。あまり回さなければのんびり走れる。5速の間歇アクセルで,50km/h程度,前に車がつかえていて,追い越す気力もないときは,前車のペースに合わせてのんびり走れてなかなかよい。ただ,そこから追い越しをかけるとなると,モードを(2)にしっかり切り替えなければならない。ギアを一つか二つ落とし,びぃいいん,という回転数を作り,それをキープしながらギアを上げていく。回転数が高ければ,そこそこスピードが出る。高速道路では,追い風参考だが,120km/hがなんとか出せて,100km/hの巡航も不可能ではない(前輪のブレは,増し締めのせいか,タイヤが減ったせいか,荷重を抜いているのがいいのか,多少改善されてきた)。

 ただ,この「高回転キープ」というのは,私にはけっこう難しい。精神的に疲れる。そんなわけで,少なくとも舗装道路では,XR650Rと比較して,tmのペースは1割から2割減ではないかと感じている。でも,ペースが遅いというのが,いいか悪いか,ということになると,それはわからない。競争しているわけじゃないんだから。

 林道はどうか。エンジン特性はあまり思わしくない。後スプロケが42Tだと,1速が高過ぎてフィーリングがよくないし,加速もよくない。きっと50Tの方が楽しいに違いない。しかし,林道へ至るまでの道乗りは,50Tでは辛いだろう。前回も書いたが,本当に,あちら立てればこちらが立たず,なのだ。

 じゃあtmで林道を走るのは楽しくないのか,というと,それが全然そんなことはない。エンジン特性を補ってあまりある「軽さ」があるからだ(いくばくかは,感覚的なものだとは思う)。ひょいひょい登り,ひょいひょいと下る。きついかな,と思っても,なんとなく走っていってしまう。「ここ,きっと行き止まりだろうなあ,入ろうか,どうしようか」なんて迷ったときに,tmだとなんとなくスルスルっと入っていってしまい,特に不安もなく終点に達して,あまり緊張もせずに戻ってきてしまう。シートはXRより高いのだが,高い気がしない。軽さがすべてを救い,安心感をもたらしている。

 そこでtmに付けたニックネームが「青うさぎ」。一方,XRのニックネームは「赤鬼」だ。赤鬼は力にあふれ,出そうと思わなくても力が出る。「ひょいひょいひょい」ではなく,どうしても「どかどかどか」になる。こんな比喩で,tmの性格がわかっていただけるだろうか?

 燃費がいい,腰が痛くならない,というのもtmの嬉しいところだ。XRの燃費はツーリング時でも16km/lとか17km/lくらいだが,tmは26km/lに達する。タンクは8.5リッター程度らしく,7リッター台でリザーブになるのだが,そこまでで180kmくらいは走る。ガスを燃やす量が少ないのは,財布と環境に優しい。腰が痛くなりにくい,というのは,長時間乗っていてもスタンディングをして腰を伸ばそうと思わなかったからだ。XRに乗っていると,舗装路で立って腰を振ったりしているのだが,tmではあまりそうする必要がないように感じた。その理由はよくわからない。ハンドルが高い,シートが前後方向に水平に近い,ステップがワイド,この三つのどれかが原因ではないかと思うが,よくわからない。

 イマイチな点はどこか。一番悲しかったのは,雨の日に乗って,その翌日に普通にジーパンで乗ったら,シートの中から水が染み出してきたことだ。縫い目から水が染み込んで,それが出てきたのではないかと思うが,これまで乗ったバイクは,これほどひどくはなかったように思う。前に書いた「あちら立てればこちらが立たず」も問題だ。これは,ミッションがクロスしている(差が少ない)ためではないだろうか。そのせいでギア・チェンジ時のつながりは良いのだが,すぐに下限と上限に達してしまう。数値で比較できないが,XRの方がワイドで,その方が守備範囲は広いと思う。

 XRとtm,甲乙つけがたし,というのが現在の感想だ。乗り分けも,どうしたものかよくわからない。まあ,ぜいたくな悩みではある。さらにぜいたくを言うと(言うだけなら無料だ),tmの500ccクラスが出たらちょっと乗ってみたいかも。

2002/09/12 SJとクリップ位置変更
 サイドスタンドのスプリング(なぜか切れた),オイル・フィルター,スロー・ジェット(SJ)とメイン・ジェット(MJ)がバイク屋さんに届いた。オイル・フィルターはオイル交換のときまで預かってもらうだけだが(あ,書き忘れているが,上記のツーリングを終えた時点で一度オイルを交換した),キャブは少し変えてもらう。SJを37.5から40に変更,ニードル・クリップ位置を一つ下に変更して上から4段め,MJは175のママだ。「こんなに変わるとは」というのが感想。性格が変わってしまったと言ってよい。変える前はこんなもんだろうと思っていたのだが,変えてみると以前のセッティングが「ぴゃーぴゃーふけ上がる」ものだったことがわかる(なんで37.5だったんだろう?,MJがもっと大きかったとか?)。新しいセッティングでは,アイドリングのうるささが減少,回転数の上昇は少しもっさりしているが,パワーは増加。中域で感じられたつながりの悪さがなくなった。どの状態からでもアクセルを開ければ前に出る。バイクが「もっと開けろよ,行こう!」と言ってくる。帰りは夜道の舗装路を40km走ったのだが,正直疲れた。このバイクはとんでもないヤツかもしんない。うーむ。

 キャブのセッティングはあなどれん。手元にはSJが37.5,40,42.5,45の4本,MJが170,172.5,175,177.5,180,182.5,185,187.5の8本揃っている。SJの42.5を試すべきだろうか。高速道路を考えると上を濃くしたいから,SJはママで,MJを上げるべきだろうか。でもまあ,しばらくはこのまま乗ってみるべきだろう。

 最後に改名のお知らせ。tmに「青うさぎ」,XRに「赤鬼」と名付けたが,その後でXRに乗ってみたら,名前を変更したくなった。「赤牛」にします。のさっ,とした感じが牛っぽいんだよね。赤鬼は怖い,という意見もあったことだし。

2002/11/01 どうもイマイチ
 tmは走行距離3000km(私が買ってから)。来週あたりにバイク屋さんに持っていこうかと思っているところだ。埼玉/長野県境の中津川林道の下りで転び,前フォークとハンドルがねじれている。そのせいではないかと思うが,乗っていると左足が痛くなる。GPSには電気が来ない。テスターで見ると2ボルトくらいしか来ていないのだ。テール・ランプは点灯しない。スタンドのバネはまた壊れた(2度め)。後ろタイヤはかなり減っているが,最後のところで粘っている。

 キャブはSJが40のママ,MJは175から180に変更した。アクセルをグっと開けると回転が上がらなくなってしまうが,回転上昇に合わせて開けてあげると,もりもりパワーが出てくる。走りやすい林道の上りで,XRに負けない速度が出ている。速い。ところが,下りがなんとも乗りにくい。身体が前につんのめっているような気がして,ブレーキをしっかりかけることができない。前述した転倒は,下りの右コーナーで速度を落とし切れず,浮き砂利に入ってしまって右に転倒したものだ。ヘタと言えばそれまでだが,どちらかというと下りの方が楽だと思っていたので,けっこうショックである。どうして下りが乗りにくいのか?,ハンドルじゃないか?という気がする。前寄りで高いハンドルのため,身体が十分後ろに来ていないのではないだろうか?

 会社のツーリング・クラブのツーリングに参加したときは,周囲のオンロード・バイクが110km/h程度で巡航するのに付いていこうとして,前がぶるぶると震えた。自分も怖かったが,後ろを走っている人も怖かったらしい。これは,タイヤが柔らかいせいなのだろうか。変えてみないとわかんないなあ。高速を走った後の料金所渋滞で,ラジエーター付近から湯気が上がったのも,ちっとイヤであった。ラジエーター水,減ってるんだろうか?

 全般に,まだどうもしっくり来ないところがある。セッティングが出て安心するには,もうしばらく時間がかかりそうだ。

2002/11/23 前後タイヤ交換,オイル交換など
 走行距離3200km。会社に仕事に行く前にバイク屋さんに寄って,ちょちょっとtmのメンテをしてもらおう,と思ったのだが,それが甘かった。けっこう時間がかかった。まず後ろタイヤの交換。これまで履いていたのはEnduro Star 120/90-18で,こないだXRからはずしたBaja 140/80-18に交換するつもりだった。しかし,Enduro Starをはずしたときに,タイヤの一部が奇妙に磨耗しており,それがスイングアームにこすれたせいだということがわかった。120/90でいっぱいなんだから,140/80なんてはまらんだろう,ということで,なんかタイヤないですか,ということになり,T63の120/80-18があったのでそれを着けてみてもらったのだが,これが余裕ありまくり。そこでEnduro Star 120/90-18とBaja 140/80-18を並べてみたら,ほとんど差がないでやんの。Bajaは余裕で着きました。ほんと,二度手間させて,ごめんなさい。

 前タイヤはEnduro Competitionの90/90-21。これはまだもつだろうと思っていたのだが,山と山の間にこすれた跡があり,これはいっぱいいっぱいですよ,ということで,こちらも交換することにした。トレールではT63とメッツラーのKAROOがあった。T63のフロントはあまり良い印象がないので,使ったことがないKAROOにしてみた。T63よりもKAROOの方がすき間が大きく見える。サイズは90/90-21である。

 前回書いた前フォークとハンドルのねじれは,思ったよりも大ごとであった。前タイヤをはずした状態で吊り,フロント・フォークの片方をはずす。これが,普通なら数本のネジをゆるめればまっすぐ出てくるはずなのだが,ねじれているために簡単には取り外せない。ハンドルをはずして,その下の中央部にあるネジをゆるめ,それでやっと片方のフォークがはずれた。もう1本のフォークもゆるめ,フォーク全体を整形する。それでフォークを戻し,再度組み立てるのだ。やっぱり,転んではいかんというのが感想である。

 スロー・ジェットは今回40から42.5に変更した。少しアイドリングが落ち着き,ローエンドにパワーが入った気分。テール・ランプが点灯しない件は,電球の交換で簡単に解決した。しかし,GPSに2Vしか電圧が来ないのは相変わらず。これは,結局解決しなかった。あと,オイル交換,オイル・クリーナー・エレメントを交換。ラジエーター液補充。で,ラジエーター・キャップがいたんでいることがわかったので,これを発注。スタンドのバネも発注。なかなか,お金のかかる子である。

 Enduro CompetitionとEnduro Starの感想をひとこと。けっこうモチがいいな,とは思った。特に,後輪は最後でねばった。乗り味は,最初に履いたタイヤなのであまりはっきりしたことは言えないが,舗装路とのマッチングが悪いように思う。なんか,浮いているように感じるのだ。私にはあまり合っていないのではなかろうか。高速走行時に前がぶれる,というのも如実だった。しかし,この点についてはバイク屋さんは,KAROOにしたから直るかというと,それはわからん,という意見であった。高速道路で前がぶれるのは,フロント・フェンダーの影響が大きいのだという。秘策として「もっと開ける」というのも教えてもらったが,これは,試したものかどうか?

2003/01/26 河原楽しや
 走行距離約3400km。あまり乗っていない。XRのページにも書いたが,大きな理由はオーバークール対策をしていないからだ。オーナーズ・マニュアルには「しろ」と書いてあるのだが,なんかめんどくさい。バイク屋さんに「冷えすぎるとどういう症状が出るんでしょうねえ」と相談したら「実は私はオーバークールの症状を経験したことはない」と正直におっしゃった。そりゃなあ,冬にレーサーで高速道路走ったりしないだろうもんなあ。ごもっともである。GPS問題を解決しようとそこら中にテスターを当ててみたときにわかったことだが,tmクンは停止した状態でアイドリングしていると,冬でも数分で蒸気を噴き出す。これまでは停止した場合には大体エンジンを切っていたのであまり経験しなかったのだが,停止して風が吹かなければあっさり噴くというわけだ。とまあ,こんな風に考えると,オーバークール対策をする,ってなもんじゃないような気がするわけだ。いちおう,MJは手持ちの一番濃いやつ187.5に交換して,暖機は少し長めにして,高速道路には乗らないように心がけている。MJは187.5でも,少し薄い気がする。起動にはチョークが欠かせない。回転の上昇は早い。

 そんなわけで,ここんとこ主に乗っているのは赤牛くん(XR)なのだが,昨日は久々に青うさぎ(tm)を引っ張り出した。ビュエルやドカでかっ飛ばしている知人が,ホンダのAG(agriculture)バイクCT110を買ったという。CT110はスーパーカブをオフロード走行が可能なようにしたものだ。「だったらダート行きましょう!」ということで,河原にお誘いしたのだった。泥っぽい道もあるので,MT90を履いたXRで行ってブザマな姿をさらすのは避けたい。近所だから高速に乗ることもない。ここはやっぱりtmでしょうというわけだ。

 XRに乗ると「XRいいよなあ」と思い,tmに乗ると「tmいいよなあ」と思う。オンロードの人と一緒にツーリングに行くなら,XRがいい。高速道路でかっとばれたらもちろん付いていけないが,制限速度ちょいくらいなら大丈夫。CT110と一緒に走るならtmがいい。速度を上げる必要なんてないし,バイクの重さが気になる道にもtmならわりと安心して入っていける。CT110の彼は「なんでこんなに汚れるんだぁ!」というのが第一の感想だったらしい。あはははは。

2003/02/15 サスペンション、ハンドル、アイドリング
 あたたかくなるにつれ、tmに乗りたくなってきた。冬は河原を走ることが多いのだが、ぬかるんでいたりするとMT90を履いたXRで入っていくのは精神衛生上あまりよろしくない。それでも、ぬたぬたっと通り抜けられることもあるのだが、なんというか、準備がよろしくないというのが不安を増幅して、つまらないのですわ。

 そんなわけで昨日は久々にtmを引っ張り出して、河原で8の字を描いたのだが、自分でもびっくりするほどバイクが思うようにならなかった。しばらくやってると、なんとか妥協点が見付かるのだが、どうもしっくりこない。今日は霞ヶ浦に走りに行くか、それとも自宅でサスのセッティングをするか、と思ったのだが、結局後者を選択した。tmは購入してから一度もサスの設定をいじったことがない。それも手抜きだよなあ。どうせ走りに行くなら、行く前にやるべきことをやった方がいいだろう。まずはタイヤの空気圧を確認したところ、前1.1、後1.2。後ろの方が高いというのは疑問だったので、後ろを少し抜いて1.1にしてから始める。

 tmのサスは、前がパイオリの倒立で、後ろがオーリンズだ。前は、下にコンプレッション(圧)のネジ、上にリバウンド(伸)のネジがある。マニュアルには左に回すとスロー、右に回すと早くなると書いてある。でも、ブツには左がソフト、右がハードと書いてある。まあ、同じことかもしれない。後ろサスについては、マニュアルには記載がない。サスの上のすぐ見えるところにあるネジはコンプレッションだろう。リバウンドはどこだろう? これが、見てもわからないので、当面考えないことにする。

 前の下はゴムの詰め物をはずせば回せる。問題は上で、これはなんと、ハンドルをはずさないと回せない。私はこれまでハンドルをはずしたことなんてないので、ちょっと緊張である。ハンドルをはずしたら、ハンドルの角度を調整したくなった。以前にも書いたが、tmのハンドルは高くて遠くにあって、どうもしっくりこない。ハンドルを変えようかとも思ったのだが、バイク屋のおやじがどうも乗り気でない。もしかしたら、少し手前に回すだけで、少し低く、少し近くなるかもしれない。そう考えた。

 ところが、実際に回すのは大変だった。最初から2番めの写真を見てもらうとわかるが、ハンドルにはたくさんのアイテムがくっついている。左からいくと、左レバーガード、ウインカーなどのスイッチ、デコンプ・レバー、ICOスイッチ、クラッチ・レバーwith左ミラー、ブレーキ・レバーwithGPS、右ミラー、アクセル、右レバーガードという具合で、全部で9個もある。ハンドルの角度を変えたら、すべてのアイテムの角度を変えなければいけない。レバーガードは簡単には回らないし、ICOスイッチを一度取り去らないとデコンプ・レバーは動かせなかったりする。それに、やっているうちに、右バックミラーの角度と位置が気に入らなくなった。右バックミラーがレバーガードより外に出ているのだ。これって、すごく割れそうな気がする(これまでよく割れなかったものだ)。あまり外に出ないような角度にすると、前後方向に無理が生じる。そもそも、本来バックミラーはブレーキ・レバー・マウントに付けるべきものだったのではないだろうか。GPSを単独のマウントにして、バックミラーをブレーキ・レバーに付けることはできないだろうか。そんなわけで、苦闘が数時間続いた。

 結局、GPSと右バックミラーについては、このように変更した。
tm0004.jpg
 上から2番めの写真とよく見比べると、違いがわかっていただけるのではないかと思う。ミラーはブレーキ・レバー・マウントに付け、GPS単独のマウントを、奥に押しやった。GPSとミラーは交差するので、GPSのボタンを押すときにはミラーの支柱がじゃまになる。しかし、それはまあ仕方がないこととあきらめた。そのかわりに得られたメリットは、GPSが遠くなったことだ。昔のセッティングでは、GPSがすごく手前にあって、見るのが大変だった。バイクに乗っているときはある程度遠くを見ているわけで、GPSを見るときに目の焦点が合わないことが多かったのだ。今度はだいぶ楽になった。たかが数センチのことでも、かなり違うと思う。もっとも、今回見やすくなったのは、GPS画面の振動が減ったという要因もある。GPSホルダーにはゴムのショック・アブソーバーがあり、そこのネジを少し緩めた。それによって、ゴムが振動を少し吸ってくれたのかもしれない。マウンターが変わったせいかもしれない。とにかく、全体として、GPSはとても見やすくなった。

 ハンドルの角度は下の写真のようになった。
tm0005.jpg
 ハンドル・ホルダーには一本縦の筋が入っていて、それがハンドルのマイナス2の目盛りを指している。変更前にどこにあったのか覚えていないが、けっこう変わったように思う。乗った感じも、以前より楽になった(ような気がする)。

 サスのセッティングは、まず、わかるところ(前圧伸、後圧)を全部、一番柔らかくして乗ってみた。これでもけっこう乗れる。一瞬これでもいいかと思ったが、砂利道で停止状態から発進するときに後ろがずれる。それで5クリック硬くして、5クリック硬くして、もう5クリック硬くして、5クリック柔らかくして、なんてことを繰り返し、一番ソフトから15クリック硬くしたところで止めた。続いて、前の伸びを5クリック硬くし、まあ、こんなもんか、という気持ちになった。

 トラブルが起きたのはここだ。まず、エンジンを切ろうとして、キル・スイッチが効かなくなっていることに気付いた。しかたないのでギヤをローに入れ、ブレーキをかけてクラッチをつなぎ、エンストで止めた。わけがわからないので、バイク屋さんに電話をし、持っていくことにする。行く途中でライトが点かないことにも気付いた。ウインカーだけは働いている。バイク屋さんで見てもらったら、「コネクタはずれてます」ということで、一瞬で直り、修理代も請求されなかった。

 あまりに恥ずかしいが、まあ、素人なんてこんなもんさね。チェーン・オイルを2缶購入し、後ろのリバウンドの調整方法を教えてもらう。とんでもないところに、手で回すノブがあった。すごく回しにくい。家に帰って、後リバウンドを一番ソフトにして乗ってみる。発進時に後ろがすべる。今度は一番硬くしてみる。この方がまだマシ。結局、一番硬いところから、10クリックくらいソフトにしたところで止めてみる。後の伸びは全部で60クリックくらいあるので、かなりハードだ。

 サスのセッティングについてはあまり教わったことがないのだが、個人的には、圧がやわらかめで、伸びが硬めというのが、地面にタイヤがくっつきやすい気がしている。前はやわらかい方が好みだ。盛り上がったものにぶつかったとき、跳ね返されたり、跳ね上がったりするよりも、ふにゃっと登ってくれる方が助かるからだ。後ろは、加速時にタイヤが上がって滑りやすくなるのが嫌いなので(よくこれで転ぶ)、特に伸びは硬めにしたいところだ。しかし、後ろの伸びを硬くしたら全体に硬くなり、前が負け始めた。前をもう少し硬くした方がよいかもしれない。しばらくは、試行錯誤が続きそうだ。

 XRのサスはしっとりしている。たくさんの段階があると感じられる。一方、tmのサスはゼロがイチかがはっきりしている。ゼロとイチの切り替えは早い。特に前サスは、細かく振動してトレースしていく印象だ。まあ、前がカタカタ震えるのは、DRやCRMでもそう感じたから、倒立というのがそういうものなのかもしれない。

 GPSに電源を供給できない問題は今でも変わらない。電池の振動対策が以前よりも進歩したので(入れるフィルムの量を増やしただけ)、当面電池で運用してみようかと思っている。そう決めたので、アイドリングを目一杯落とすことにした。そうしたら、8の字を描くときに、クラッチをあまり使わずに済むようになった。すり抜けをするときはアクセル・ワークが下手でギクシャクしてしまうが、これは練習すれば済むことだろう。ダートの下りではエンジン・ブレーキが少しは効くようになるかもしれない(そうであって欲しい)。セッティングを変えれば乗り方が変わる。セッティングはまじめにやらねば。

2003/02/16 サスペンション続き
 朝わりと早く目が覚めたので、雨が振り出す前に、と再セッティング。前の圧をフル・ソフトから5クリック硬く、前の伸びを5クリックから10クリックへ硬くする。乗ってみた。前が負ける感じはなくなった。でも、全般にちょい硬いかなあ。後ろの圧を少し弱めた方がいいか? ま、ぼちぼちやりまっしょ。

 オフロード・ビレッジではモトクロス関東選手権埼玉大会が催されていた。いやあ、みんなすごいなあ。雨がぱらつき出したので帰宅。よわよわー。

2003/05/21 舗装路で転ぶことの恐ろしさ
 少し前、正確に言えば4月18日、tmで奥多摩に出かけた。前をバイクが走っていた。車を抜くタイミングがずれて、だいぶ離れてしまったので、ちょっと追っかけるか、と思った。トンネルは長い直線で最高90km/hほど。出た先が緩い左コーナーになっている。ブレーキングをちょっと遅めにして稼ぐか、と思って出口に近付くと、トンネルの路面が漏水で濡れてすべすべになっている。ブレーキをかけないわけにはいかない。バイクが左右にぶるぶるっと振れて、「オレってバカぁ?」と思いながら、左に転倒した。

 バイクは左ミラー破損、左ステップ変形。ハンドル(フロント・フォーク)少しヨレ。ステップの写真がこれだ。
tm0006.jpg tm0007.jpg
 左の写真は変形していない右のステップ。右の写真が変形した左ステップだ。ステップ内側のXの字の部分は、2カ所で断裂している。幅(前後方向)は5cmくらいなのだが、押しつぶされて大きくなってしまった。転倒した時の速度はどれくらいだったんだろうか。40k〜60km/hくらいではないかと思うのだが、その運動エネルギーってのは、やっぱり恐ろしいものがある。ダートではこんな速度で転ぶことはないし、それに、地面も少しは柔らかいのではないだろうか。

 左ステップは4400円で、輸入元からバイク屋さんへの送料が1000円。まあ、ステップ壊すなんてそんなにあることじゃない。高いと文句を言うことはできないだろう。左ミラーはまだ着けていない。

 どちらかというと、人間の被害のほうが痛かった。左肘は打撲で皮膚がやぶけて出血。風呂で洗って干しておけば治るだろ、なんて思っていたが、3日後に医者に見せたら「化膿してます。抗生物質飲んで、毎日ガーゼを替えに来てください」と言われる。膿みが引いて、その部分を風呂に漬けることができるまでに約3週間かかった。左腰はすさまじく内出血。左すねは防御板を入れていたおかげで大したことはなかった。

 やっぱり転ぶと痛い。春先にこういうのをやってしまったせいで、今シーズンはどうも、走りに行こうという気分が盛り上がってこない。でもまあ、それならそれでいいか、という気もしている。乗りたくないのを無理して乗ることはない。

 tmは走行距離が約4200km。ステップと同じ日、5月10日にオイルと後タイヤを交換した。タイヤはピレリMT21の140/80である。

2003/08/10 アーシングの効果
 通算走行距離は6376km。ざっと1年でこんなもんである。まあまあでしょう。前回はあまり乗りたくないようなことを言っていたのだが,暖かくなって週末が晴れるとなればやっぱり乗りに行きたいもの。XRで岩手へ2泊3日,tmで会津東山温泉に1泊2日,tmで原町市に1泊2日,とそれなりに乗っている。今度の週末はXRで実家へ走っていく予定で,やっぱりバイクが好きみたいである。

 今日の話題はtmのアフターパーツだ。tmは「もともと最高のものを付けてある」と製造元が思っていること,台数が少ないこと,の2点でアフターパーツが少ないバイクである。今回着けたのは,アーシング・ケーブルだ。
tm0008.jpg tm0009.jpg
 左の写真の赤い矢印の先が,シリンダー・ヘッドのボルトに留めたアーシング・ケーブルの左端。右の写真の赤い矢印の先が,イグニション・コイルの留め付けネジにかましたケーブルの右端だ。これだけである。シートとタンクを外さないと着けられないなあ,と少々緊張していたのだが,30分くらいで装着できた。

 こんなケーブル1本で効果があるのかって? よくわからん。しかし,ケーブルを作った人は「一酸化炭素が減ったことがテスターで確かめられた」という。私の場合,装着してエンジンをかけてみたところ,アイドリングが上がっていた,ということを報告できる。キャブレターの開度が同じままで,アイドリングが高くなるのだ。「元気良く燃焼している」と言ってもよいのではないだろうか。もちろん,その後アイドリング・ネジは少し下げた。ま,気持ちチューンだけど,こういうのもいいじゃありませんか。楽しいもん。

2003/09/23 定例メンテナンス
 走行距離は約7000km(あれ、そんなに乗ったのかなあ。蓼科に1泊2日で行っただけのような気がするが…)。ICOのメーターがおかしくなった。これまでは、エンジンを切ったときには内蔵電池で動作していたのだが、動作しなくなった。エンジン停止したら即フルリセットだ。こうなると燃料計がわりのトリップ・メーターが使えなくなるので、GPSのトリップを代わりに使ってしのぐ。タイヤが無くなったこともあって、よしともくんちへピットインした。

 今回はわりと大掛かりである。ICOメーターの電池交換、前後スプロケットとチェーンを交換。タイヤを交換。今回はブリヂストンの新製品で、前がED03の3.00-21、後ろがED04の120/90-18。あと、1本を転倒して割ってしまったバックミラーを注文。これは、今後も割る可能性があるので、3本購入した。オイル交換。ブレーキ・フルード交換。プラグ交換。サイドスタンドの金具回転加工。工賃と消費税合わせ、しめて8万7498円なり。げげっ。

 でもまあ、明細見ると文句は言えないんだよなあ。いろいろ工夫してもらってるし。ボーナスのけっこうな部分がこれで吹き飛んでしまったが、ピカピカになったtmを見ると、「乗ればそれだけお金はかかるよね」と嘆息するのであった。XRも、そろそろチェーンがやばいんだよなあ。

2004/04/17 後タイヤ交換
 走行距離9000km。後輪のED04が終わった。というか、もう少し前から終わっていたのだが、すべすべのお肌で走っていたのだ。ED04、印象は決して悪くないのだが、減りが早過ぎる。悲しい。この間、オイル交換もさぼった。吉友さんいわく「2000kmはもつ、ってことですよ」。かなり減っていたので、途中の補充が必要であろうということで、今日は余りのオイルをもらって帰ってきた。

 後輪、今回のチョイスはミシュランの新製品AC10。T63よりもう少しオフ寄りにしたタイヤ、というより、モトクロスタイヤで、公道走行も意識したものと言ったほうがいいだろうか。高い散発的なブロックが印象的なタイヤである。帰宅時の感想は、舗装路はゴツゴツ、ダートで本領発揮というもの。T63がオン50、オフ50だと仮定すると、AC10はオン30、オフ70といった雰囲気である。

 AC10で驚きだったのは、8368円と、価格が安かったこと。これでもちがよければ、もうこればっか、にしちゃうかもしんない。3000kmくらいもってくれないかなあ?

 あと、今日はクラッチとギアの雰囲気がおかしいので、クラッチのオイルを交換してもらった。オイルがかかって時計が潰れたのには、帰宅して気付いた。クラッチの感触はそれでも悪い。クラッチ板を交換しようか、ということで発注をお願いした。次は多分、その話になるだろう。


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©Hideo Harada 1999-2003