2000/12/某日 初対面
よしともくんちが2000/09/01に開いた支店「HATOYA草加店内-よしともくんち」をのぞきに行く。吉友さんがラリーに使ったWR400F,F650GS DAKARが展示されている。売り物でWR400Fの中古(約70万円),XR400の新車,XR650Rの新車(約75万円)などが並んでいる。HATOYAの中古バイクもあるので,けっこう長い時間飽きない場所であった。
大型免許も取ったことだし,次に買うならXR650Rかなあ,と思ってしげしげと眺める。ホンダの赤が目に染みる。650ccにもかかわらず,XR400と車格はあまり変わらないように思う(400もでかいんだけどさ)。CRMと比べても,見た目では一回り大きいくらいである。それに比べると,DAKARはでかい。大陸然とした偉容である。「こんなのに乗れたらなあ」とはもちろん思うし,買って買えないわけじゃないし免許も大丈夫なのだが,「これでこけたら起きんぞ」とか「行き止まりだったら押してUターンできんぞ」とか思うと,やっぱり引いてしまう。吉友さんには「DAKARでロング,CRMで近場と乗り分けましょう」と言われたことがあるが,それもなあ,借りている駐車場にもう1台バイク入れるのも不可能じゃないかもしれないけど… ということで,乗るならXR650Rかな,と思いつつ,CRMがあるもん,と家路に着く。
あ,他のバイクも考えなかったわけじゃないですよ。フサベル,ハスク,KTMといったところ。でも,よしともくんち以外で買おうという気は全然なかったし,吉友さんは「ツーリングなら日本車かBMW。他の外車は…」って感じだったので。
2001/01/某日 NHKのBaja2000ドキュメンタリー
NHKでBaja 2000のドキュメンタリーを放映していて,父と一緒に見る。内容は四輪が中心なのだが,バイクも少し出てくる。XR650Rが多い。総合優勝がバイクで(2位は四輪),約2700kmを30時間そこそこで走破したと聞いて仰天する。平均時速90km?
2001/01/07 CRM停止とGARRRR2月号
CRM250ARのエンジンを壊した日。吉友さんの軽トラックでおしゃべりをしながら東京へ向かう。焼き付きの原因などについてはもちろん話すのだが,「XR650Rがもうじき登録できなくなるっていう話,本当ですか?」と聞いてしまう。このままいけばそうなるのではないか,という返答。「DAKARいいっすよ」と言われるが「起こすときの重さは根性じゃ何ともなりませんからねー」「そりゃそうだ」みたいな会話もする。
1日ツーリングをする予定だったのに10時半には帰宅して手持ちぶさた。友人に電話をして夜に鍋をする約束を取り付け,食料の買い出しに行ったついでにGARRRR2月号を買って帰る。これがなぜか,XR650Rの雑誌じゃないのかと思うほどXR650Rの写真が出ている号で,Baja 2000の上位もXR650Rがズラーッと並んでいたことを知る。
2001/01/08 毒食わば皿まで
朝メールをチェックすると,吉友さんからCRMの修理の見積もりが来ていた。電話して,修理しないまま下取りに出し,XR650Rを買う旨を告げる。それならCRMはノーマルに戻すというので,家にあるノーマル・パーツの箱を車に積んでよしともくんちへ向かう。溶けて傷付いたCRMのピストンと,XRの見積もりをもらって帰宅。
2001/01/17 納車
1/18が納車予定だったのだが,その日には仕事をしたかったので,吉友さんに無理を言って前日納車にしてもらう。仕事を早めに切り上げて受け取りに行く。暗くなってからなので,バイクがよく見えず,いまひとつ感動が足りない。
各部の説明を受ける。ニュートラル・ランプがないこと,ヘルメット・ホルダーがないことは先日見て大体わかっていたのだが,メイン・スイッチがないのには驚いた。エンジンを止めるのにはキル・スイッチを使うのである。「極悪」と評したくなる。続いて始動手順の説明。細部は省略するが,同様にデコンプ・レバーがあったDR250SHとは違う。DRはデコンプ・レバーが下で止まり,キックをゆっくりおろすとデコンプがカチッと上がるのだが,XRのデコンプは止まったりしないのだ。吉友さんがやってみせてくれるが,チョークの位置が悪いのか,なかなかかからなかったりする。もっとも,一度かかって止めた後なら,私でもなんとか始動できた。キックしてみて驚いたのは,キックがとんでもなく下まで降りることであった。どこかで「ワダチにはまったらキックが降りないだろう」と読んだのは,こういうことだったのかと納得。
この日はもう日が暮れていたので,家まで帰って,家から教習所方面へ行って,バイク用品店で切れていたチェーン・オイルを買って,40km弱走るにとどまった。CRMのときは納車が朝だったし6月で日没も遅かったため,初日に100km,ダート付きという元気の良さだったのだが,今回はそうはいかなかった。
第一印象はどうか? 「わからない」というか「悪い」というか。クラッチが軽い点,ゆっくり走れる点は好感触だったのだが,80km/hくらいから猛烈に振動が出てとてもそれ以上速度を上げる気になれなかったり(そりゃもちろん,慣らし中だしさ),サスの感触がなんかヘンだなーなんてことで,戸惑ったというのが正直なところ。身体に合わせた調整は,吉友さんにレバーを下げてもらった。ところが,そうしたらクラッチ・レバーがレバーガードに当たってエンジン振動に共振してうるさかったので,家に帰ってレバー角度を変えた。寝る前には,こたつでオーナーズ・マニュアルを読む。
2001/01/某日 XRをご紹介します
早起き(私にしては,のレベル)して,まず写真を撮影。泥だらけになるし,もしかしたら壊してしまうかもしれないし。まず写真は撮るですよ。
これがXR650R,ED仕様,2001年モデルである。ED仕様というのが何かわからない人のためにちょいと説明しておくと,私の知っている限りXR650Rには北米仕様,欧州仕様,豪州仕様がある。欧州仕様にはDK仕様とED仕様がある。これはそのうちのED仕様だというだけの情報である。各仕様の差異ははっきりわからないので省略。
この時点ですでに,いくつかノーマルとは異なる部品が付いている。Pro Moto Billetのキャリア(2万4000円)は今回購入した。キャリアは荷物を積むために欲しいというだけではない。(1)キャリアを付けることで「これはツアラーなんだよー,走り屋じゃないんだよー,いじめないでねー」と主張する,(2)車を降りて後輪を右手でわずかに持ち上げて横にずらしたり,人に後ろから押してもらうときに使う,という大事な役割がある。XR650R用のキャリアというのは,あまり製品数がない。ちょっと高いし,荷かけひも用の棒がないのが悲しいのだが,文句は言わずに買うことにした。
CRMから移植したパーツもある。ACERBISのレバーガードが紫なのはそのためだ。赤を買いなおすのもアホらしいし,どうせ乗っている人がかっこよくないのだからかっこつけても仕方がない。
こちらは操縦席から見た様子。左から腕時計,ラフ・アンド・ロードのハンドルバー・ポシェットの取り付け部分,そしてGarmin GPSのマウンターが付いている。電源もバイクから取れるようにしてくれたはずだが,XRで遠めのツーリングはまだしていないので,これがちゃんと動くかどうかは定かでない。
このハンドルは部品としてはノーマルだが,実はすり抜けに配慮して,幅を少し短くしてもらってある。吉友さんは「5mmくらい切っただけでだいぶ違いますから」と言って請け負い,納車時には「切り過ぎたかも」とおっしゃっておられた。乗ってみてどうか。確かにすり抜けは楽である。でも,それって,このバイクの本質じゃないかもしれない。ハンドルについては,現在のところ,印象がよくない。低い,遠いと感じるのだ。CRMのときより曲がりにくく感じるのは,ホイールベースが長くなった(1460mmから1485mm)せいだけでなく,ハンドルの形状も問題なのではないかと思う。ハンドルバーは今後の検討課題の一つである。
※CRMで使っていたMAGNUMのハンドルバーを移植する計画もあったが,自動車と接触したときの後遺症で曲がっていたので中止。
キャリアにぶらさがっているのは,ヘルメット・ホルダー代わりのワイヤーと鍵。そしてこの写真では,サイド・スタンドに改造点があることが見て取れる。設置する部分が一回り大きい。これは吉友さんの改造メニューの一つで,柔らかい地面にスタンドが刺さってバイクが立たなくなるという問題を緩和する効果がある。
ただ,この改造によって一つの副作用が生じたようだ。スタンドが数mm長くなったのではないかと思うのだが,たぶんそのせいで,このバイクはえらく「立ちが強い」(サイドスタンドをかけたときにバイクの角度が地面に対して垂直に近い)のである。この写真をよく見ると,わざと道の左端に寄せて低いところにスタンドを設置させていることがわかっていただけるだろう。
※あまり意識していない人もいるかもしれないが,多くの道はかまぼこ状になっていて,中央が一番高い。
立ちが強いと,水平な場所でサイドスタンドをかけて駐車した場合,スタンドの反対側へ倒れる可能性が高くなる。それから,これは私のようにサイドスタンドをかけてよじ登ってキックする人しか気にしないだろうが,キックをして向こう側に倒れそうになるという危険もはらんでいる。
でも一方で,とってもありがたい副作用もあるのだ。私の場合,またがって,エンジンをかけて,それからバイクを垂直にしてサイドスタンドを足ではらうわけだが,立ちが強いと「バイクを垂直にして」の部分がとっても楽なのだ。CRMのときはけっこう大変で,停車した場所によっては大騒ぎになるようなこともあったので,それに比べるとXRの立ちの強さは好ましい。まあ,これは結果オーライでしょう。でも,ガソリン・スタンドでキックができなかったのは恥ずかしかった(道まで押して出ました)。今後もそういうことがあるんだろーなー。
写真撮影の後,オーナーズ・マニュアルと首っぴきで,まずはハンドル・ロックのかけ方を学ぶ。もっとも,右に切ってハンドル・ロックするので,立ちの強いスタンドと組み合わせると,右に倒れそうで怖い。ハンドル・ロックを使えるのは,右にたてかける物体があるときだけだろう。
続いてマニュアルにしたがって,サスのセッティングとタイヤの空気圧を標準値にしてみることにした。前サスはコンプレッションとリバウンドをマイナス・ドライバーで調節できる。後サスはメイン・スプリングの長さ調整が基本らしいが,これはバイクを相当ばらさないとできないので私の手には負えない。仕方がないので,できるところだけやることにした。前サスと同じように,マイナスのドライバーでコンプレッションとリバウンドを変えられるのである。笑ってしまったのは,タイヤの空気圧である。マニュアルには,前1.75kgf/cm2,後ろ1.25kgf/cm2と書いてあるが,前がまるで低かった。これではサスに違和感があって当然だ。
で,乗ってみると,足がちゃんと着かん(笑)。両足つま先立ち。シート高895mm,サス最弱,空気圧少し抜きのCRMでは片足べったり着いて,反対側もつま先くらいは着いたのだが,935mmのXRはやっぱそうはいかんらしい。まあ今後,空気圧とかサス・セッティングとか,少しずつ調整していこうと思う。走ったときの感触は,前日よりはずいぶんとマシになった。CRMとはもちろん違うが,これなら理解できる範囲である。
この後,荒川の河原で少し走る。感想は,えっと,細い道でもバイクを降りて前後に押して切り返せばUターンできることを確認。このバイクを選んだ甲斐はありました。帰路,ガス欠をやらかして,バイクを押す羽目になる。ま,見える範囲にガソリン・スタンドがあったから,よしとしましょう。押して歩くのがそんなに大変なバイクでもないし。でも,ガス欠したと思ったのに7.8リットルしか入らなかったのはなぜ?(10リットルのはず)。
2001/01/20 メインジェットを182番に
ガスが薄いのではないか,という懸念を捨てきれず,まだ100km強しか走っていないにもかかわらず,吉友さんに相談に行く。プラグを見てくれて,薄いですね,ということで,メインジェットを175番から182番に変更してもらう。ちょっと乗ってみたら大違い。私は「濃いという感じはない」と言ったのだが,そのあと吉友さんが乗っていわく「ちょっと濃いですかね。ガバっと開けると少しボコつくみたい」とのこと。後で広い道に出てガバっと回してみると,確かにおっしゃる通り。でもまあ,薄いよりは濃いほうが安心だし,これから高速道路にも乗るわけだし,しばらくはこれで過ごしてみよう。
吉友さんは「CRMと違って,XRはメインジェットの交換が楽なんですよ」という。確かに手早かった。自分でもできるようにしたほうがいいかなあ。
近所の雑貨屋で買い物をするついでに,自転車盗難防止用の60cmのワイヤーを買った。自宅に止めるときは別のワイヤーで構造物につないであるので,今回買ったのは携帯用。盗まれたりしませんように!
2001/01/22 任意保険手続きと足の痛み
DR→CRMで入っていた任意保険をXRに変更した。代理店に車検証をファクシミリ送信するだけで済む。少し驚いたのは排気量が変わっても保険料が変わらないという点だ。まあ,250ccと650ccで事故の確率が変わるかというと,乗っている人が同じなら別に違わない気もする。もしかしたら,650ccの方が運転者の年齢が高くて確率が低いかもしれない。何はともあれ,バイクを買って懐が寒いので,出費がないのは助かる。任意保険が効いていると思うと,怖いバイクも少しは安心だ。
話は違うが,いま右足のふくらはぎが痛い。XRのキックを長時間続けていたせいだと思う。買ったばかりのバイクというのは,人間が慣れていないためになかなかエンジンがかからない。おまけに,XRのキックはすごく下まで降りて,下手をするとすねをステップにぶつけて痛い。それを避けようとして回すように蹴り込んだせいで,ふくらはぎの筋に余計な負担がかかったらしい。キック前の体操として膝の屈伸と足首回しくらいはしていたのだが,今後はアキレス腱伸ばしも欠かせないような気がしてきた。
こう書くと悲惨だが,本人としては一つ希望を持っていたりする。これまで2回朝の始動をしたが,どちらも,あまりにかからないのでチョークをフルから半分に戻したら,かかった。もしかしたら,最初から半分でやれば,もっと短い時間でかかるかもしれない。そうであってほしーなー。
2001/01/24 祝!XR初転倒
前の晩に飲みに行って帰りが4時近かったにもかかわらず,9時過ぎにはキック開始。今日は2分でかかった(^^)v 最初は高速道路で雰囲気を見る。最高で120km/hくらいは出るようだが,巡航してて気持ちがいいのは80km/hくらいまで。向かい風もあったし,さすがに慣らし中だし,先日のいやな思い出がよみがえったりして,高速はあまり楽しくなかった。
続いて埼玉県毛呂山町の鎌北湖から奥武蔵グリーンラインを走ろうと思ったのだけれど,鎌北湖のあたりからだんだん路面に雪が目立ちはじめ,コーナーが真っ白なんてこともあったのであきらめて,R299を秩父へ向かうことにする。特に面白い道でもないが,路面が乾いていたので,それなりにXRの走らせかたの実験はできた。普通の道をラクーに走っていても,メーターを見ると70k~80km/hだったりする。ムキにならなくてもいいという点でCRMよりいいんだけど,でも油断すると80km/hで曲がりきれなかったりしそうである。
秩父神社の近くのジョナサンで豚キムチ鍋のランチを食べて(ツーリングに行くとファミレスに入りたくなる),R140を雁坂トンネルに向かう。道はきれいに除雪されているが,周囲はけっこう雪景色で,なんか不思議な感じ。こういうツーリングはしたことがなかった。
これは雁坂トンネルの秩父側の入り口。全長が長いためか車が少ないためかそれとも照明の具合なのか,トンネルではないような錯覚に陥った。夜にどこかの街を走っているような気がするのである。不思議でした。
その後,塩山を経由して奥多摩を抜けて帰ることにする。路面にけっこう白いものがある。それが怖いのか,それともバイクにうまく乗れていないせいか,バイクがまるで曲がらず,上りのヘアピンでは失速しかねないほどだった。道の傍らの温度計は,マイナス6度と表示していた。下りになってちょっとほっとしたところで,傾斜のきつい右のヘアピンがあった。後輪が左にすべって右側に転倒。「やっちまった」「いてー」というのが最初の反応だが,「交通の邪魔をしてはいけない」と気を取り直し,スタンドを手で出し,「うっ」と力をこめてバイクを起こす。経験則で言うと,転倒した直後はアドレナリンが出ているのであまり痛くない。大きな怪我がなければ,その間にバイクを起こしてしまうに限る。
バイクを立てて停めたあと,あらためて車輪がすべったところを見てみると,水が流れていてシャーベット状の氷が道を覆っている。登山靴でぬるっと滑るくらいなので,これではタイヤが滑っても仕方がない。(1)黒い路面は水だろうと侮った,(2)交差点だったのでそっちに神経が行ってコーナーへの対処が一瞬遅れた,(3)早くここを抜け出たいという気持ちが災いした,のだろう。「あれこんな曲がるの」と思ってバイクの寝かしを一段大きくした瞬間にすぱっと滑ったわけで,いつものことだが自業自得ではある。でも,あそこで寝かさなかったらガードレールとお友達だしなー。
冷え切ってしまうとエンジンがかかりにくくなるかもしれない,と思ってエンジンをかけようとしたのだが,ニュートラルになかなか入らない。道の傾斜が強くてキックがうまくできない。気が動転しているのもよくないかもしれない。仕方ないのでニュートラルで降りていって(これもけっこう怖いが),やっと水平になった橋の上でエンジンをかけた。案外少ないキックでかかったのがせめてもの救いか。
困ったのは右のミラーが割れ防止で回ってしまっていて,後ろが見えないこと。XRには車載工具というものがない。付属の工具としてはプラグレンチだけはあるが,入れる場所はない。ちなみに書類入れもない。今日は工具は何も持ってきていないので,ミラーの角度を直せないのだった。結局GSで工具を借りたのだが,やっぱ,多少は工具も持ってこないといけないね。
つーことで,最後に用品店で工具入れを買ってきた。これの紹介はまたの機会に。あと,今日は300km弱走ったのだが,最後はわりと渋滞気味のノロノロ運転が続いた。そしたら右足が何やらあったかい。帰宅して触れてみると,ラジエーターとエンジンが相当熱い。先生,今は1月でっせ。これが夏になったらどうなることやら。こわー。
2001/01/28 ツアラーっぽい装備
ここんとこ,週末は妙に雪が降る。暖かくなりそう,と楽しみにしていると,その前日にどかっと雪が降って,天気はいいしあったかいのに路面の雪が怖くて走りに行けなかったりする。けっこう悔しい。今日もそんな感じである。でも,実は昨日車の周りの雪を払おうとしていたときに転倒し,左膝をしたたか打って痛いので,今日はとてもではないがバイクに乗る根性はない。しかし,雪をなめてはいかん。こないだバイクで転倒したのより,よっぽど痛いぞ。
バイクを動かさないまでも,少しは何かしようということで,先日購入した小物の取り付けをした。まずは写真をご覧あれ。
写真左上にあるオレンジ色の袋はツールバッグだ。出先で工具が欲しくなった件は上記の通りで,その帰り道にあった用品店で3500円で購入した。巻き物タイプの工具入れなので最初はバックパックに入れようと思っていたのだが,固定するためのベルトが付いていたので,キャリアの前,シートの最後部に固定してみたのである。中身はプラグレンチ,プラグ・ケース(現在プラグは注文中),8/10/12/14mmのスパナ,差し替えドライバー,使い古しの歯ブラシくらいで,今回新たに買ったものなどはない。ほんと最低限のもので,通常の車に付いている車載工具のレベルにも達していない。まあ,このあとちょいちょい買い足していこうと思う。
心配なのは,街中に駐車しているときに工具を取られるのではないかということだ。高いものを入れる気はないが,買い直すのは面倒だし,何より気分が悪い。この写真ではまだやっていないが,ワイヤー2本と錠前を使って,軽い気持ちでは開けられないようにしてみた。こんなこと,心配しないで済む世の中だといいのにね。
キャリアに巻き付いている黒いバンドは,トレックフィールドの「しばり上手」(1400円)という製品である。トレックフィールドのWebサイトに説明があるので,詳しいことはそちらを参照してほしい。XRに付けたキャリアには荷かけ紐用のピンがないので,これまで使っていた自転車用の紐が使えない。そこで,ちょっとでも便利にならないかと買ってみたわけ。今のところまだ荷物を付けていないので威力のほどはわからないが,期待通り働いてくれるといいなあと思う。
右下を見るとわかるように,ナンバープレート止めのネジをフックにする定番小物も付けてみた。バックパックを付けてみて,しばり上手だけでは不安だったら,ネットをかけようと考えている。
日差しが暖かかったので,ついでに空気圧を少し落とした。こないだ合わせたのは朝だったので,今測るとその時よりも少し高い。ひとまず,前1.4,後ろ1.1にしてみた。サスも,前/後/コンプレッション/リバウンド両方とも,3クリック分ソフトにしてみた。またがってみて,ほんのちょっぴり足着きが改善したかな,という感じである。どうせ私の場合,飛んだり跳ねたりする技量はないのだから,底着きを起こす心配はない。加減速時の姿勢変化に違和感が出るまでは,徐々にソフトに持っていこうと思っている。今度乗るときがちょっと楽しみ。
あとは,ラジエーター液補充して(くそー,やっぱり減ってる),腕時計にタイラップ付けて(これも,軽い気持ちで取られないように),おしまい。ラジエーター液は心配だなー,夏になったらどうなるかなー。
2001/02/03 転倒その後,霞ヶ浦でセッティング
前回の転倒後,1週間を経過しても右胸の痛みが取れてこないので,診療所に相談に行った。触診,聴診の後で「湿布をしてベルトで固定」というご指示をいただく。「肺にはささってないみたいだし,まあ,悪くても小さなヒビでしょう」ということだそうな。ベルトをしていると身体の動きに伴う痛みは減るが,心臓の働きが阻害されるせいか,夜になると気持ち悪くなったりする(別に,はずせばいいんだけどね)。湿布は,こんなもん効果あるのかなあ,と思ったが,やっぱり効果はあるみたいである。「4~6週間痛むかも」と言われてびびったが,これなら,もう少し短く済むかも,と期待しているのだった。
でも別に「安静にしていろ」と言われたわけではないので,霞ヶ浦に走りに行った。前回書いた通り,すべてのネジを3クリック,ソフト側に振ってあるが,マイナス・ドライバーで硬くしたり,柔らかくしたりと調整しながらの走行である。ある程度落ち着いたのは,前の圧が標準-3,前の伸びが-2,後ろ圧が-4,後ろ伸びが-1だと思う(いろいろやったので,標準値との差がだんだんわからなくなった)。前の圧側は変えるのが少々面倒なので変えなかった(いーかげんだなー)。泥が入るのをふせぐゴムキャップが,ちょっと取りにくいんだよね。
霞ヶ浦はこの冬の一番のお気に入りコース。1周で約130kmあり,すべてフラット。舗装と未舗装は交互に現れる。信号はほとんどないし,車も人も自転車もバイクも少ない。直線が多いので,加減速時の挙動と,5速走行で水たまりのデコボコに突っ込むときの挙動が一番気になる。距離があってなおかつ道に変化があまりないため,テスト走行にはもってこいだ。
CRMのときは前も後ろも最大限柔らかくして乗っていたので,「とにかく柔らかくすりゃあいいや」と思っていたのだが,XRはそういうわけにはいかないようだ。笑ってしまったのが,後ろを柔らかくしたら「パワーが逃げた」こと。アクセルを開けると後輪の回転が上がるのだが,サスが短くなって後輪が浮き,パワーが逃げていくようなのだ。後ろの伸びを硬めに持っていくことであまり逃げないようにしてみたが,でもまだ逃げてるかもしれない。加速するときに,前が上がるんじゃなくて,後ろが沈む感じもする。パワーがあるためだと思うが,加速時に一概に前に体重を持っていってはいかんなあ,と思ったのだった。
サスがある程度落ち着いたところで,キャブも少し調整した。下が薄い気がするので,エアスクリューを絞ったのである。大体,全締め込みから(マジで閉まってしまうみたい,エンジン止まるもん)1回転戻しのところにしてみた。これがけっこうゴキゲンで,下で「ボコボコボコッツ」と言うようになった。これに比べると,これまでは「カラカラカラ」だったように思う。カラカラよりはボコボコの方が好き。CRMのときは,下でボコボコだったのが,プラグをイリジウムに変えたらそれが「ブチブチブチッツ」になり,そこでパワーが出るようになった。XRは今のところ標準プラグのままだが,将来は変えてみようと思っている(2/5現在,NGKのVX,デンソーのイリジウム,東亜システムクリエイトの360x3が手元にある)。
エアスクリューを絞ったことで,下のほうの感じは若干よくなったし,街中ストップ・アンド・ゴーでの熱くなり方も少し軽減されたみたいである。ただ,高速道路での走行では,「空気が足りなーい」的なストレスをエンジンが感じているような印象を受ける。パイロット・ジェット(スロー・ジェット)を大きくしてスクリューを今より開けるか,夏の高地を考えてパイロットを今のままにしておくか,ちょっと迷っていたりするが,でも,大きくしてみたほうがいいかな。一度はやってみないと感じわかんないし。
なおかつ,ジェッティングを左右する要素は,今後もまだあるんだよね。季節が進んで温度/湿度/気圧が変化するだけでなく,プラグも変更するし,もしかしたらスパーク・アレスター(マフラーの最後尾部分)を変えるかもしれない。スパーク・アレスターは標準で二つ付いてきて,今付けているのは「静かなストリート用」,もう一つは「レース用」らしいのである。レース用のほうに交換すると,抜けがよくなって薄くなるかもしれない。と考えると,まだ濃く持っていっていいのかなあ,と。
そんなわけで,ジェッティングの話はまだまだ続きます。CRMのときはそれで痛い目見てるかんねー。やっぱ神経質になるよねー。
で,調子に乗って走っていたわけだが,常磐自動車道でガス欠をやらかして路肩に停車。そこでショックを受けたのが,キャリアに付けていた小さなバックパックが荷崩れしてマフラーにかぶり,熱で溶解していたことであった。バックパックおしゃか。中に入っていた前輪用のチューブおしゃか。おまけに,マフラーが,見るも無残な汚さになってしまった。かなしい…
これを,しばり上手のせいにするのはかわいそうである。一番悪いのはやっぱり自分だ。霞ヶ浦で水たまりのギャップにドカドカ落ちておきながら,その後で荷崩れの確認をまったくしなかったのだから。反省。
路肩に止まったのは次のSAまで約2kmというところ。荷崩れのショックで脱力しそうになりながらも,シグボトルからガソリンを入れる。内部の気圧が変わっていてなかなか開かず,一瞬顔面蒼白になった。キャリアを使ってなんとか開ける。シグボトルからタンクへガソリンを移すのも意外と難しく,けっこうこぼす。やれやれ。
2001/02/04 物欲大魔人その1
バイク用品店や登山用品店に行き,計画していたものも買えば,衝動買いもする。仕事のプレッシャーがこういう行動を取らせるのだ,たぶん。
ドライバーズスタンドで買ったものその1はガソリン携行缶である。5リッター弱入るもので,約3000円。
XRは航続距離が短い。これまでの感覚だと,100kmくらいでリザーブ,110km強で空っぽになる。で,空っぽ状態でGSに行って入れても,7.8リッターくらいしか入らない。このバイクの燃料タンクは10リッター(うちリザーブ2リッター)というのがカタログ・スペックなのだが,2リッターはどこへ行ったの?と聞きたいような状況である。
タンクの形状を見ると,右側のコックよりも,左下の出っぱりのほうが低い。おまけに,中央はフレームがあるため,左下のガソリンが右のコックへは出てこないのではないかと思えてならない。ドリームライダーズのQ&Aでホンダのエンジニアらしき人もそんな書き込みをしていた。右がからっぽになった状態でバイクを右に倒せばガソリンが右に移るかもしれないが,そんなことはできればしたくない。となると,消えた2リッターは単なる重量増としてあきらめて(ひどい話だとは思う),なんとかしなければならんなーと思うのであった。
ビッグタンクを付ける,というのが一つの方策で,実は購入前はそうしようと思っていたのだが(店長は反対のようだった),現在では,どうもあんまりやりたくない。(1)ハンドルバー・ポシェットがひっかかって使えないと推測される,(2)ただでさえ前が重いのに,これ以上重くなるかと思うとタメイキが出る,という二つの理由である。となると,後ろに積むしかないのよね。で,これまでは家に以前からあったシグボトル1リットルを使っていたのだが,これでは容量が足りないし,どうも丸くて荷造りがしづらい。そんなわけで,カソリン携行缶を買ってみたわけなのだ。今度積んでいくときには写真を撮影し感想もお聞かせしましょう。
買い物その2はプラグ。バイク用のプラグが並んでいるところで探すがXR650R用のプラグはない。「ここにないのは取り寄せなんですよね?」と店員に聞き,あきらめようとしたら四輪用プラグのコーナーが目に入る。なんと,そこにNGKのVXプラグの対応品がありました(一番安い標準グレードの対応品はなかった)。1000円強。そうか,四輪コーナーも探してみないといけないのか…
ひとまず,バイクのツールバッグのプラグ・ケースにこれを収めて予備ということにした。デンソーのイリジウムIK22は近所の店に取り寄せてもらったし,東亜システムクリエイトのD5RⅡは通販で買ったのだが,まあ,キャブのセッティングが出ていない段階でプラグを交換するのはためらわれるので,これらはもう少し後のお楽しみである。
登山用品店(池袋のコージツ)に行ったのは,もともとは荷かけバンドを買うためであった。しかし,以前から買おうと思っていたロープ/滑車/カラビナ(できることならこんなもん一生使いたくない),そして衝動買いのヘッドランプまでかごに入れてしまい,思わぬ財布の痛みとなった。ヘッドランプはPetzlのTikka E43Pである。これがなんと,LED三つを使ったヘッドランプで,乾電池(単4?×3)を含む重量が70グラムという小型軽量なものなのだ。かわいくって,つい衝動買いしてしまった。バイクに乗るときにいつも背負うバックパックに常備する。しかし,4320円は高い…
2001/02/19 XRに乗れないワケ
2/10にちょこっと街乗りして以来,XRにまたがっていない。なぜかというと,2/11にウエストポイントの「モトクロスごっこ」という体験/講習会に参加して,左膝などを痛めたからである。レンタルのCR80に乗り,初級者用練習コースで左ヘアピンから立ち上がるところでアクセルを回しすぎ,後輪を右に滑らせて左足を着いて立て直そうとしたものの,バイクの勢いが足の力を上回った。となると,左足は,上から見て時計方向にねじられて,それから転倒するわけだ。なおかつ,それを計3度連続してやったからね。そりゃ,痛むわな。ウエストポイントではモトパンとニーシンガードを貸してくれたし,ブーツは自分で持っていったし,ということで普通にころんで打撲するくらいなら大したことはないのだが,ねじる力にはかなわないのだった。
1度めに転んだときは,左足の蹴り方が悪かったのかと思った。2度めは何も考えなかった。3度め,さすがにそれ以上乗る根性がなく,バイクをジャマにならない位置に倒して(スタンドがないから立たないのね),その横に座ってコースを見て考えた。そこで初めて気付いたのは,「わずかだけど,ここ下りになってるじゃん」ということ。走っている方向と路面の柔らかさから考えれば,ここで開けて大丈夫なはずだったのだが,わずかに下りになっているため,後ろが派手に空転して滑っていったのね,ということであった。
もう一つの原因は「教えられたことを几帳面にやりすぎた」ことだと思う。この日に教えられたことの一つは「一番前に座れ」ということであった。前がすべると転ぶから,前加重のために前に座る。まあ,これだけ聞けばしごくモットモだし,実際,走っていて確かに合点の行く指導であった。でもですなー,コーナー出口で早めにアクセル開こうとしたら,やっぱり後ろにも少しは加重しないといけないのよね。ケース・バイ・ケースである,と。というか,あんなに無謀に開けるな,ってことか。
この転倒は午前中。午後も乗ってはいたのだが,もう,この後は元気なかった。おまけに,この日は乗っていった車もトラブル続き。朝はバッテリー上がり,帰ろうとしたらパンク,高速に乗ったら渋滞でクラッチを踏む左足が痛い。あっはっは。
お医者さまに見てもらったところ,左膝内側のじん帯が伸びてるみたい,とのこと。レントゲンを撮ったものの,骨には異常なし。水もたまっているけど抜くほどじゃないから,湿布とサポーター。お医者さんが「こう動かすと,どう?」とかいうのは,あんま痛くないんだよね。自分で力入れてないから。自分で力入れて動かすと痛いんだってば。と言ってもわからないか。ついでに,肋骨も撮影してもらいました。キレイなもんです。でも痛いんだけどなー。こっちも,湿布とベルト,継続してます。
そんなわけで,約一週間経過した今日。ちょっぴり,少しずつよくなってはいるようだが,まだまだ先は長い,と思うのであった。かなしー。一気に温度が上がってあったかくなってきたのになー。なんでこんなときにバイク乗れないんだよー。ぐすぐす。
2001/02/23 SJとニードル設定,プラグ交換
昨日秩父方面を少し走り,なんとか走行距離が1000kmに到達。よしともくんちへXRを持っていった。オイルを交換し,スロージェット(SJ)を65から68番に変更,ニードルのクリップ位置は真ん中だったので,一つ下げて下から2番めにした。メインジェットは182のまんま。試乗してみて,どうもブレーキが踏みにくいなー,と思ったら,右ステップを止めているネジの一つが消滅,もう一方もゆるんでステップが落ちそうになっていた。吉友さんは,風邪気味にもかかわらず,遠路はるばる電動自転車でネジを買いに行ってくれたのであった。ありがたいこってす。
で,乗って帰ってきたのだが,荒々しくなってますなー。エンジンが吠えるって感じ。下と上のつながりもよく,ブホホホっと速度が上がる。高速道路じゃないので上は試せないが,高速が楽しみ。アイドリング+くらいで走れるのも楽。回転の上昇はこんな具合にあまり早くない方がいいなあ,と思う。一方で,時たまなんだけど,回転の上昇がひっかかる。アクセルの開け方をゆるやかにすればいいんだけど,それもねー,ちょっと納得できん。エアスクリューの開度は,思ったほど効かない。このままで夏の高地へ向かうことはできんだろう。
対策のその一は,メインジェットの交換を自分ですることである。一応今日,やり方を教えてもらったのだが,特殊な工具があったほうがいい,ということでそれを注文し,それを受け取るときにメインジェットも何個か買おうと思っている。もう一つの対策はプラグだ。
左から,標準で入っていたNGKのBKR7E11,同じくNGKのBKR7EVX11,デンソーのIK22,東亜システムクリエイトのD5RⅡという具合である。BKR7E11はこれまで入っていただけあって,黒い。まあ,この温度で182番じゃあ,ねえ。横のVXは先が細い,イリジウムのIK22はもっと細い。D5RⅡはプラグの先端自体は別に細くないが,ほかのプラグにある接地電極がない。で,今回使うことにしたのはIK22である。CRMのときに印象がよかったし,一応大手メーカーだし。でも,その後で乗った感じだと,どうなんだろ,いまひとつわからん。
さあて,次はスパーク・アレスターかな?
2001/02/25 スパーク・アレスター交換
2/23は暖かかった。そして今日は寒の戻り。温度が下がった状態なら,先日感じた中域でのちょっとしたボコツキが消えるかと思ったら,相変わらず,ある。これで乗れないというほどでもないが,「行こう!」と思ったときに回転が付いてこないのは嬉しいことじゃない。そこで,スパーク・アレスター(写真↓)を替えてみることにした。
スパーク・アレスターはマフラーの最後尾に付いている部品である。写真は左がこれまで付いていたアレスター。バイク屋さんいわく「ストリート用」とのことだ。煤で真っ黒になっている。先端に二つフタがあって,その下に網があり,網の中にも何やら構造物がある。出口は狭く,出口から中をのぞいても何も見えない。
右は今回付けてみることにした「レース用」だ。こちらはぐんと長く,先端にフタ,続いて網。網の中には何もなく,出口はフルに開放されている。レース用,といっても,別に新規に購入したものではない。最初から付いてきたとのことで,オマケとしてもらったものだ。まあ,いつか付けてやるぞ,とは思っていたワケ。
オーナーズ・マニュアルには「定期的にスパーク・アレスターに付いた煤を払うように」という指示があり,スパーク・アレスターのはずしかたが掲載されている(ちなみに,ここの説明イラストの絵は,どう見ても写真右のアレスターだ)。マフラーへの固定はネジ3本なので,はずすのに難しい点はまったくない。
交換してエンジンをかけて乗ってみた。音がまったく違う。文字で表現するのは難しいのだが,強いていえば「ババババ」だろうか。暴走族の音みたい,ということであまり嬉しくはないが,音量としてはCRMの無限仕様よりは静かだろうと思う(こっちには暴走族的印象はなかった,多分暴走族が2ストに乗っていないせいだ)。ときどき止まってアイドリング調整のネジやエア・スクリューを回したりしながら何kmか走ってみた。少なくとも,前述した回転上昇のひっかかりは解消した。アイドリングは別にうるさくない。加速しているときは,まあ,あんなもんでしょう。びっくりしたのは減速時にアクセルを閉じるとうるさいこと。何でだろう?
全体として,アクセルのレスポンスはなかなかいい。下からパワーもある。そんなわけで,アクセルを間歇的に開けて走ることができるようになった。CRMのときみたいに使える感じである。もちろん,一定の開度でも走れる。ただ,トップエンドは,高速道路で走ってみると,なんか今ひとつな気がした。エンジンのせい,というよりは,なんか全体として,アクセルを戻したくなってしまうのね。それが何によるものなのかは,これからじっくり考えよう。
キャブのセッティングは,これでまあ,ほぼ出たんじゃないでしょうか(Webでだれかさんが言っていたのの,ほぼそのまま)。あとは,暖かくなるにしたがって,メインジェットをもう少し小さくすればいいかな,ってところ。次の懸案は,航続距離の短さだろうなあ。70km超えると,リザーブになりやしないかって,ヒヤヒヤするくらいだもん。
2001/03/03 ガソリン携行缶
3/3はひなまつり。天気予報ではまあまあ晴れて暖かくなりそうだったので走りに行くことにした。でも,まだそんなに張り切って走るワケではないので,家を出るのが9時という生ぬるさである。どこを走ろうかと考えたが,千葉は行くのがわりと面倒だし,秩父や多摩は雪がありそうなので,茨城県方面にする。でも霞ヶ浦はあまりにお決まりのパターンだし,少しはワインディングを走りたいので筑波山方面にする。ここはとにかく二輪が走れない道が多くて,あまり楽しそうには思えないのだが,まあ,一度くらいは,ということだ。
本日のメイン・トピックは,ガソリン携行缶である。2/4のときに購入報告だけは書いたが,使うのは今回が初めてだ。
ガソリン携行缶なんてものはつい最近までその存在を知らなかったが,けっこう一般的なアイテムみたいで,カー用品店には大体置いてあるようだ。ただ,すべての容量を揃えているとは限らない。5リットル,10リットル,20リットルというのがポピュラーらしいが,5リットルは置いてない店もけっこうある。基本的には鉄の箱なので,値段は数千円と,メチャ高いものではない。これは5リットルのものである(ただし,説明書きには4.5リットル以上入れるな,と書いてある)。
実際に購入してみると,いろいろ工夫がしてあることに驚かされる。上面中央には取っ手があり,穴は注入/排出口と,空気抜き穴の二つがある。注入/排出口にネジ止めできるホースが付属し,そのホースを保持する金具がある。バイクに固定するにあたっては,ホースが走行中にはずれて飛んでいっては何にもならないので,ホースはポリ袋に入れてバックパックに格納することにした。
この写真ではわからないが,底面には防振ゴムシートを布テープと針金で固定してある。鉄のタンクとアルミの荷台では滑ってずれそうだから,というのが理由だ。このシートは,スピーカーの下に敷くためにホームセンターで購入したものだが,今は使っていないので流用した。固定は,しばり上手を取っ手の間に通してX字に縛り,ゴムひもを2本使ってさらに固定した。タンクより荷台が大きいので,ひもを通すのが楽だった。
出発して外環に入る前にガソリンスタンドに寄り,ガソリンを通常のタンクとガソリン携行缶に入れてもらう。両方で9リットル入った。歩道に押して出たときには重さを少し感じたが,走り出してしまえば,さほど意識するような重さではない。バックパックに1リットル入りのシグボトルを入れると背中が重いが,それに比べると,荷台にある荷物はやっぱり楽である。
ツーリング自体は,あまりパっとしなかった。標高500mくらいになるとやっぱり雪があり,二度Uターンした。日差しがなくて思ったよりは寒かった。目つきのヘンなオッサンが当たり屋をしていて怖かった。よかった面にも触れておくと,益子の西明寺の建物が美しかった。ハンググライダーの離陸ポイントを通って,マニアの道は至るところにあるものだと感心した,ってなところだろうか。17時にはもう帰宅していたという,ショートなツーリングであった。
ガソリン携行缶を積んでいるとはいえ,やはり外して注油するのは面倒なので,トリップが80kmくらいに達するとガソリンスタンドに寄った。5リットル台の給油なので,燃費は15km/リットルくらいだろうか。携行缶にガスを入れたまま帰るのもイヤだったので,最後にPAに入ったところで携行缶から給油した。荷台からはずして水平なところに置いて空気抜きをして,ホース付けて,ガソリン入れて,その逆,という手順になる。ホースの威力は絶大で,こぼすことなくガソリンを入れられる。ただ,缶を高い場所に持ち続けるのは意外と大変で,取っ手がなかったらやってらんないかも,と思ったのであった。
携行缶を使うと,メイン・タンクでリザーブまでが6リットル,携行缶が4.5リットルでざっと10リットルあるので,140k~150kmくらいは走れそうである。しかし,やっぱし荷台から外して入れるのは面倒である。それに,他の荷物を積んだときに,携行缶をうまく荷造りできるかどうかも心配だ。
そんなわけで,ビッグタンクを注文した。ビッグとはいっても4ガロンなので全部で15リットルくらいしか入らないんだけど,それでもやっぱり期待している。ビッグタンクのインプレッションをお楽しみに。
エンジンの調子はなかなかよい。音のうるささはあまり気にならない(慣れた?)。下からパワーがあるのであまり回さなくても走る。高速でも130km/hくらいまでは出る(最高速トライは怖くてできない)。少なくとも高度500m程度でボコつくことはない。排気口は少しススが出ているので,薄くはないのだろう。燃費は,高速を走ると通常道よりも悪化するようだ。上にもうひとつギヤがあればもう少し燃料消費を抑えられて,よりツアラーぽかったのに。ファイナルを高速寄りに変更するという手もあるが,その結論を出すのは,ある程度林道を走った後にしたい。
「曲がんないよー」という感想は相変わらず。舗装のワインディングでも,上りの左ヘアピンでふくらんでしまったり失速しそうになったりする。ぜんぜん乗れていない。一方で,高速道路ではないまっすぐな舗装路を制限速度プラスアルファ程度で走るのはとっても楽。そういう点では,これはいいツアラーになるかも,という期待を持てる。
ゴーグルをかけずに走り出して後悔する,というのも,よくある気がする。速度が知らないうちに出てしまっているのかもしれない。気をつけようっと。
2001/03/04 工具とシグボトルのオプション
天気がよくないのでツーリングというワケにはいかない。WORLD IMPORT TOOLSというお店に工具を買いに行く。買ったのはコンビネーションの5本組(10/12/13/14/17mm)と24/27mmのメガネレンチ。5本組のほうは,ほんとは17mmだけでよかったのだが,17mmだけを単体で買ってもけっこうするので,ついつい5本組約8000円を買ってしまった。メガネも4000円台で,絶対額としてはお安くない。なんか,乗せられて買ってしまったような気もする。17mmは前輪のメイン・シャフト用,キャブレターの底面はずし用で,これはツールバッグに入れて携行する。27mmは後輪のメイン・シャフト用で,こちらはツールバッグには入らない。っつーか,後輪外してパンク修理に対応しようというときには,空気入れと空気圧計とタイヤレバーとチューブを持っていくつもりなので,これらを収納するにはバックパックを荷台にくくりつけるしかないのよね(背負うのは,できれば避けたい)。27mmのメガネだけ単体で持ち歩いても意味がないと思う。しかし,パンク修理をツーリング先でやるって,それ,やっぱりすごく大変な気がするなあ。できるのかなあ?
この後,池袋にも少し顔を出し,シグボトルのオプション製品,ガソリンをチョロチョロと横に出すためのリングを420円で購入する。2/3のところで書いたが,シグボトルからXRのタンクへガソリンを移すときに,エイヤでやるとビシャビシャと外にこぼれる。これも怖いので,ほんとはシグボトルに付くホースのようなものがないかと見に行ったのだ。そんな都合のいいものはなく,これになったワケ。これ使うと,ガソリン移すのにえらく時間かかりそうだが,こぼして燃え上がるよりはマシか。
2001/03/09 ビッグタンクとメインジェット
ビッグタンクが来たので,取り付けていただいた。まずは写真から。
左がバイク屋さんへ出かける前の写真,右が帰ってきたときの写真だ。ラジエーター・シュラウドは三つのネジで止められており,二つはタンクで,右下の一つはラジエーターに止められている。だから,右下のネジ位置はどちらも変わりがないはずだ。こうして写真で見比べると,大きくなってもあまり違和感がない。もともとエンジンとかフレームとかの造作が大きいので,左のオリジナルのほうが「なんかスリムなタンクー」というイメージなので,タンクが大きくなってもあまり違和感がないのだろうと思う。容量は,純正が10リットル,今度のはIMSの4ガロンなので,1リットル=3.785リットルとすると,15.14リットルということになる。
角度を変えて見てみよう。
こう見ると確かに太っているのだが,痩せていたのがちょっと太め,という感じで,そんなに悪くない。左の写真ではタンクとシュラウドの間にすき間が見えて,これはあまりいい感じではないのだが,右ではその部分は覆い隠されて気にならなくなった。
ただ,シートの前方がせり上がって,シート・カバーに皺が寄ってしまったのは,少々残念である。いつの日か,シートもこれに合わせて何らかの加工をほどこしてあげたいものだ。カスタム・シートって,なかなかいいっていうしね。
バイク屋さんを出て,すぐにガソリン・スタンドに寄った。これまでと違い,ドボドボドボっとガスが入る感じがする。10.2リットル入った。こんなにバイクにガソリンを一気に入れたのは初めてのことでなんか嬉しい。ガソリン・スタンドのおじさんが同僚に「あのタンク,どれくらい入ってるか見えるんだぜ」なんて言っているのも嬉しい。次の写真だとわかりやすいかな?
このタンクは,中身がほんのり見えるのだ。こう見ると,ガソリンって赤いんだなー,とわかる(「赤ガス」とも言うよね)。ほっぺがほんのり赤くなるみたいで,なかなかよろしい。この色のタンクは「ナチュラル」と呼ばれている。今回,レッドにしようかナチュラルにしようか迷ったが,ナチュラルにしてよかった。中が見えると「まだ左下に残ってるから,バイクを右に倒すかー」なんてことができるかもしれない。まあ,デザインや流行ではなく,合理性を追求しての選択だと言っておこう。
満タンにして家まで帰ってきたわけだが,市街地を走っている分には,5リットル増加の重さはあまり感じない。前サスの設定を変更しようかと思っていたが,当面このままでもいいかもしれない。
15リットルのタンクは,何リットルでリザーブになり,何リットルで空になるのだろうか。純正タンクと同じく,左下には出てきそうにない出っ張りがあるので,全部は使えないだろうな,と思う。今日10リットル入ったということは,少なくとも10リットルは使えるだろうし,150kmくらいは走ってくれるのではないだろうか。実際に走ってみての結果は,追ってお伝えしたい。
最後に,今日手に入れてきたパーツ類を紹介しよう。
左の袋はスロージェットの65番だ。シールの型番は68番で,今それが付いているので,純正の65番がこうして余っているわけ。中央は,メインジェットを付けたりはずしたりするための専用工具1000円ナリ。右はメインジェットの172,175,178,180,185。純正は175で,今付いているのは182。温度/湿度/高度が上がってボコつくようだったら,メインジェットを小さくする。今現在は182でオッケーな感じなので,零下で走るとなると185くらいでもいいのかなー,と185も買ってきた。1本500円,計2500円ナリ。
さて,パーツ購入はまだ続く。次はハンドルとリアのスプロケット。これで大体一段落するのではないかと思う。ツーリング・シーズンに入ったらパーツ変更なんて考えずに走りたいもんね!
2001/03/24 ハンドル,後スプロケ,後タイヤ
3/20のツーリングの最後に,バイク屋さんにXRを預けて代車のTT-R250に乗って帰宅。今日はXRを引き取りに行ってきた。今回の変更は,ハンドルを英RenthalのLarry Roeselerモデルに(薦められたからこれにしただけ),後ろの歯車を48Tから44Tに,後ろのタイヤをミシュランのT63(130/80)に,ついでにチューブを厚いものに,というものであった。
代車のTT-R250(これがまた,調子よく仕上がっていてゴキゲン)で到着すると,ご主人はかぶと虫の世話をしている。糞を取り出してあげないと,餌が十分に食べられず,大きく育たないのだそうな。「まあちょっと乗ってみてくださいよ」と言われて少し周りの道を乗るが,後タイヤの空気圧が高くて落ち着かない,ということくらいしかわからない(笑)。「ポジションは?」とか聞かれても,そう言えばどうだったっけ,くらいのもんである。やっぱり,一度にいろいろなところが変わると,わかりにくいものだ。
空気圧だけ再調整してもらって(前1.8,後ろ1.3),帰宅の途に着く。ハンドルは,思ったほど変わった形ではなかったが,後ろに座っても腕が伸び切ってしまわないのが好感触。わずかな形状の違いなんだけど,ハンドルはバカにできん。スプロケは,確かに1割弱くらい速度が速くなっているように思う。でも,一番下が足りないということはなく,ローのカバー範囲が広がって,確かにバイク屋さんの言うように「いい方向で」変わっているようだ。同じスピードにしたいなら,前ほど回す必要はない。回せばどんどんスピードは乗っていくが,怖いので当面控えめにしよう。後タイヤのT63は,CRMのときと同じ印象だ。前にプッシュする。道路の白線の段差をいやがる。ブロックが高いせいで,新品のときは足着きが悪化する。
後ろのスプロケとタイヤの交換の目的の大きな割合を占めるのは,燃費がよくなってくれるといいなあ,である。ハイギアードにすればこれまでよりは回さずに走れるはずだし,タイヤがプッシュしてくれればさらに回さずに走れる。ガスを食わない,熱くならない,音も静か,となってくれれば言うことないのだが。「だったら250ccにすれば」と言われると,それはその通りなのだが,でもやっぱり,排気量が大きいと舗装路の巡航は楽なのよね。
さて,購入して2カ月と少し,XRのオドメーターは2900kmを表示している。購入時の部品交換/追加はこの辺でほぼ打ち止めだろうと考えている。財布も寒いし(笑)。あとは,メインジェットを変える必要がどの時点で生じるか,前タイヤがどこまでもつか,とかの話題になるだろう。となると,このページの更新頻度は下がることが予測される。ま,それでもたまには見に来てね!
2001/04/16 それでも春はめぐってくる
仕事がえらくきつくてまるで休みが取れなかったのだが,やっと一段落して,見損ねた桜を見るツーリングに出かけた。御荷鉾スーパー林道は,かなり前に走ったおぼろげな記憶ではあまり難しかったような気がしないし,ツーリングマップルには「舗装化進みダートは断続的」みたいな表現がされている(もっとも同行者が持っていた版には「本格林道」みたいな表現があったが)。そんなわけで軽い気持ちで入ったら,そこには雪が…。私はちょっぴり押すハメになったし,同行者は一度転倒したらしい。まあ,それはいいとして,高いところになると,エンジンがなかなかかからなかったり,アイドリングしないで止まってしまったりするようになった。これはやっぱり濃いのだろう。春が来たのだなあ,と実感する瞬間だ(それ以外ではそう思わんのか?)。
そこで,メインジェットを178にした。試走も兼ねて東急ハンズへお出かけ。まずは切れてしまったGPS用の電源ケーブルのヒューズ。0.3Aが欲しいのだが0.2Aと0.5Aしかない。仕方ないので0.5Aを購入。4本1袋で120円なり。それから,GPSを止めるための綴じ紐とタイラップ。綴じ紐は120円なら黒,色付きだと200円だったので,ここはぜいたくに赤にしてみた。タイラップは20cmで十分だろう,と買ったものの,帰って合わせてみたら短くてギリギリだったりして。やれやれ。
GPSを止める紐とかタイラップが欲しくなったのは,GPSのマウンターの爪が1本折れたから。私の使い方が悪いのかなあ。実はCRMのころに,爪が2本折れてGPSが落ちて,それが高速道路の3車線あるうちの一番内側で,という恐怖体験を一度したことがあった(パトロールの人が拾ってくれた。大感謝)。そのときは販売店に文句を言って交換してもらったのだが,また折れたということは…。悪いことしたかなあ。
2001/05/06 メールをいただいた
このページを見た方からメールを頂戴した。2000年XR650Rに乗る方で(私の先輩筋ということになる),ご指摘をいただいたのだ。私が2001/02/03のところで「エア・スクリュー」と述べているのは実は「パイロット・スクリュー」だという。ゆるめるとガスが濃くなり,締めるとガスが薄くなる,のだそうな。え! そうなの! これをエア・スクリューだと思っていたのは私の思い込みか。確かに何の根拠もなく,そう思っていたわけだし。そうだったのかあ。ということで,ご教授心から感謝!
確かに,そう言われるとそんな気もする…。高いところで始動性が悪くなったときスクリューを半回転緩めたんだけど,それで良くなった気しなかったもん。逆の操作してたのか(苦笑)。今度,バイク屋さんに行くことがあったら,そのときに聞いてみることにしよう。
XRは通算距離が5600kmほどで,おおむね好調。GPSのマウンターの爪は3本折れてタイラップなしでは固定できない状況になった。高速道路巡航の振動が悪いのか,ガタガタ道の振動が悪いのかは定かでない。GPS給電用ヒューズはまた飛んで交換した。後輪のT63は順調に減少中。減り方で面白いのは,山が水平に減っていくのではなく,角が欠けて丸くなったことである。CRMのときはこんな減り方はしなかったような気がする。
後ろスプロケを48Tから44Tに変更した効果は大きかった。高速道路を90km/hで巡航して,手がしびれない。でも,じゃあもっと速く走れるかというと,「風はきらいだよー」なので,そうはいかないのであった。一方,最高速度の伸びは(そんなに上まで試しているわけではないが),48Tのときの方がよかった気がする。燃費はよくなった。48Tのときは15km/lだと思っていたが,44Tにしたら16km/l~17km/lくらいはいくようになった。12リットルちょいでリザーブになるので,そこまでで200kmくらいは走れる。日本のツーリングなら,おおむね問題のない航続距離だ。
操縦は,身体が慣れてきて違和感は減りつつある。やっぱり,バイクを1台しか持っていないので,それに5000kmくらい乗れば,それなりに慣れる。でも,(1)舗装のワインディングでうまく旋回できない,(2)未舗装路で坂を上るのが大変,(3)よく立ちゴケする,というのは,下手だからだと言えばそれまでだが,悲しい。車重があるというのは,やっぱ上級向きなんじゃないかなあ。次買うなら250ccに戻ろう,なんて思ったりもするのだった。その日は遠い先が望ましいが,まあ人生何が起きるかわかんないからね。
2001/06/05 バックミラー折損,後ろタイヤ交換
5/17~20は,熱海に2泊,浜松に1泊してツーリング(と墓参り)。湯河原と箱根を結ぶ白銀林道の支線を下っていたところ,左足が動かなくなる。靴紐が前スプロケに巻き込まれ,固定されたようだ。こういう経験は京都の北方を走っていたときにも一度あったので,靴紐の結び方には気を付けていたはずなのだが… 前回と同じくバイクを止めて右足を付こう,と考えたのだが,今回はダートで,なおかつけっこう下っていたのであった。右足を付こうとしたものの,バランスを失って左側へ倒れる。止まってから倒れたので別段痛くはないのだが,困ったのは,左足がステップ位置に固定されたままなので,起き上がれないことだ。もしかしてこのまま起き上がれずここで朽ち果てるのかと思ったが,足をもぞもぞ動かしているうちに靴紐が切れてくれて,なんとか足が出てきた。バイクを起こして左ミラーがないのに気づく。折れてやんの。もっとも,実は5/5にツーリングに行って駅の駐車場にバイクを停めた際に一度倒して左ミラーが曲がり,手で直していた場所である。2回めとあれば,致し方あるまいて。ミラーにはヒビが入っていたが,粉砕されてはいなかったので,拾い集める苦労はなかった。
高速道路で追い越しをするときは,左が欲しい。伊東市内をウロウロしていたらバイク屋さんがあったので「ミラーないですかねー」と聞いてみる。「どんなんがいいの」「付きゃあなんでも」という会話をして,日本向けXR用をつけてもらう。XR650Rの純正より少し小ぶりで,アームの形状も少し違う(XR650R純正は2度曲がっているが,今回買ったものは1度だけ)。よく覚えていないが,2000円くらいだったと思う。ちょっと高いかな,だが,まあ,旅先だしね。
5月下旬。7000kmでオイルを交換。コストは約3000円。交換したら気持ちよく回るようになった気がした。今度はもう少し早めに交換しよう。
6/4,那須に2泊したツーリングの帰りに,リアタイヤを交換してもらう。注文しておいたピレリのMT21,140/80-18だ。ミシュランのT63 130/80-18は9000円弱だったのに,MT21は1万4000円弱。高いですよねー,という会話を吉友さんとする。でもまあ,こういうバイクは贅沢品だから,とも思う。T63は結局,3000kmから8000kmまで乗ったことになるので,もちは5000kmだ。純正のTR8は3000kmでなくなったので,まあ,いい方だろう。T63は,どっちかというと,ブロックの角が取れて丸くなってから,挙動に角が取れて乗りやすくなった。面白いタイヤだ。
130/80から140/80に変わった,山なしから山最大に変わった,ということで,乗ってみると後ろが上がったと感じる。家へ帰るまで舗装路を走った印象を少々。押し出しはT63の乱暴な感じはないが,スピードはきっちり乗っていくので前に出ないわけではない。減速時には濡れ雑巾のようにずずずずず,と素直な反応をする。まあまあ好印象。今度走りに行くのが楽しみだ。
文字ばかりというのも殺風景なので,6月2日に帝釈山登山道の入り口で撮影した写真をおひとつ。こうした案内板は,てんでわけがわからないことが多い。たとえば,右上に「現在地」という赤地に白字の表示があるが,これを見ると,ここは行き止まりのように見える。でも実際はここは峠越えポイントで,山の向こう側へ降りていけるのだ。そのことが,この地図からはまったく読み取れない。現在地の右の帝釈山(2060m)と,左の台蔵高山(2067m)は,山頂の標高差は7mしかない。それがこんなに違って描かれているのは,誇張がひどすぎる。まあ,案内板に標高が書いてあるので,ウソが一目瞭然なのはまだ救いがあるか。
ここの案内板は,私が知らなかった情報(つまり手持ちの地図には載っていない道)が一つ読み取れて,それが手持ちの地図や実際に走った印象と整合していて「役に立った」ため,別に怒りは覚えなかった。しかし,今回走ったほかの場所では,まったく激怒ものの案内板もあった。基本的には,こうした地図よりも,矢印を立てて「~方面」や「至~」と書いてくれたものの方が,信頼できるし,役に立つ。
この文章を読んでくれている人が,今後,山の中に地図を作ることがあったら,次のことに配慮していただければ嬉しい。
●真上から見た地図を,なるべく正確に作ること
●北を示す記号を入れること。地図の上を北にすること
●管轄区域だけでなく,その周囲も描くこと。言い方を変えれば,四角い地図にすること
●できるだけ,すべての道を描くこと
●現在位置を描くこと
つまり,普通の地図に現在位置を書き込んでくれれば,それでいい。もちろん,レジャー施設の情報とか,そういう情報は,付加してくれる分には別にかまわないんだけど。なんか,カン違いしている案内板が多過ぎるように思う。
2001/06/11 MT21インプレッション続き,プラグ交換など
早起きが苦手な私が会社勤めを始めたとき,母親は私が朝起きられるかどうか心配したらしい。まあ,そこまで見越して会社を選んだので,これまで10年以上なんとかなったわけだが,そんな私が目覚まし時計なしで朝の5時に起きてしまうのだから,バイクと梅雨の晴れ間の力は恐るべし,である。本年2回めの,埼玉/長野県境,中津川林道日帰りツアーに行ってきた。リアのMT21は極めてオッケーな感触だ。ジャリとかガレキの上を走る際に,タイヤが路面の上に載っているのではなく,歯車のように路面とかみ合っている感じがする。ギヤを下に放り込んで減速するときも(これがまっとうな方法だと言う気はないが),暴れ方にどことなく安心感がある。いいかもー。あとは,減りがどの程度進むかだな。
その翌日はさすがに大人しくしようということで,プラグ交換をした。DENSOのIK22にして7000km以上経過していると思うので,壊れる前に交換してしまおうということだ。今度付けるのはこのページの上の方で紹介した東亜システムクリエイトのD5RⅡだ。
バイクのところに行って工具入れから工具を取り出して,さて,と見ると,プラグがはずれない。純正の燃料タンクのときは手が入ったのだが,ビッグタンクにしたせいで,すき間がないのだ。観念して,シートを外し,タンクを外す。手順で間違えたなー,と思ったのは,タンクの左右に付いているラジエター・シュラウドを外さずにタンクを外してしまったことだ。タンクを地面に置こうとして,置けないでやんの。横に転がしたらブリーザー・ホースからガソリン出てくるし(あたりまえだ)。仕方ないので,シートの上にタンクを置いて,シュラウドを外した。
プラグを外したかった理由の一つは,プラグの焼け具合を見たかったからである。IK22は,細いイリジウム部分は白銀色に輝き,フックの先端は濃い茶色,それ以外は真っ黒であった。濃すぎるんでも,薄すぎるんでもないってことだろうか。D5RⅡをくっつけてパーツを元に戻し,一走りする。一番下,アイドリング部分で,妙に走る気がする。その上の「ベコベコベコッツ」という領域はなんか音が下品だ。その上の「バーッ」というところは,まあこんなもんでしょう。
IK22には,別に不満があったわけではない。(1)高いところ(標高2000mくらい)に行くとエンジン・レスポンスが重くなるが,それがもう少し軽度に済むと助かるなあ,(2)転んだあとの再始動がもうちょい楽だといいなー,なんて願望はあるが,プラグを交換してどの程度変わるものか?
メイン・ジェットは現在178である。高速を走っていると薄く感じる。でも,高いところに行くと濃く感じる。180にしようかなあ,とも思わないではない。まあ,しばらくこれで乗ってみることにしよう。
一回りして帰ってきたところで,スパーク・アレスターを外して中の煤を歯ブラシで落とす。ブレーキ・ベダルの位置を少し上げる。だんだんと後ろ乗りになってきたので,ベダルが低く思えてきたのだ。「XRは設計が新しくてわりと前乗りするように作られている」という話をどこかで読んだような気がするが,なんか最近そういう気がしない。あくまでも私の感覚だが,XRは加速するときに前が浮いてこない。前サスが伸びてこない。とにかく前は落ち着いていて,どちらかというと後ろが暴れる。となると,後ろ乗りになるよねー。ビッグタンクにして重量配分が変わった,ということも,もしかしたらあるかもしれない。
2001/07/14 見た目チューンだ!
私はあまりバイクの見た目チューンというか,ドレスアップが好きではない。アパート暮らしであまり洗車ができず(というか面倒なだけか),正直言って私のバイクは汚い。そんなもん見た目チューンしてどうすんのか,という感じだ。おまけに乗っている人間もかっこよくないときている。こっちのチューンの方が重要なんじゃないかと思うが,これもまたやる気がない。そんなわけで,バイクにはステッカーの類とかもなるべく貼らない。「よしともくんち」ステッカーと,秋葉神社の交通安全のステッカーくらいだ。これらは実用性重視で貼っているのだ(私はすぐ神頼みするタイプである)。
そんな私が,今回は見た目チューンのために大枚をはたいてパーツを購入してしまった。ボーナス・シーズンのせいかもしれない。それをご紹介しよう。
何が変わったかおわかりだろうか? フロント・フォークの蛇腹状のフォーク・カバーがないのである。その代わりにフォークの前方に黒いプラスチックの板が付いて,いちおう石とかが直撃はしないようにしてある。私は蛇腹状のブーツの見た目がきらいである。これまで乗ってきたバイク3台には,いずれもそんなもんなかった。だから,XR650Rでも,いつか除去してやろうと思っていたのだ。
今回購入したパーツはSummers Racing Components(SRC)のフォークブレースである。フォークブレースって,石除けの板のことなの?と思われると困る。実はフォークブレースというのは,フォークの中間部に付ける支柱のことである。その部分のアップ写真がこれだ。
左右のフォークの間にアルミの板をかませて,フォークの片方だけが沈むのを防止し,ねじれ剛性を高めようという意図のパーツである。これを付けると蛇腹のフォークブーツは装着できないので,板を代わりに付けるというわけだ。
この部分に支柱をかませてあるバイクというのは他にも存在する。たとえばBMWのF650GS DAKARなんかは純正でそうなっている。「あれって意味あるんですか?」と吉友さんに聞いたところ「車重がありすぎますから…」というお言葉。そうか,やっぱし見た目チューンなんだよなー,と思ったが,さすがにそれを購入した私の気持ちをおもんばかってか「XRの場合は動きが軽くなると思いますよ」とフォローが入った。ほんとうかなあ。ただ「これまでのフォークブーツみたいにドロドロにしといちゃダメですよ,ちゃんと拭いてくださいね」という教育的指導も入ったのであった。
私ごとき腕では,XR650Rのフロントフォークに文句があろうはずはない。やっぱりこれは見た目チューンなのだ。ただ,付けてみたら思ったよりカッコよくなかった。なかなかうまくいかないもんですなあ。
今回は前タイヤも交換した。純正のIRCのTR8は約9500kmもった。新しいタイヤは今履いている後ろと同じ,ピレリのMT21,サイズは90/90-21だ。写真でパターンを見てみていただきたい。溝が大きいので排土性はよさそうだ。その一方で,ブロックを四角っぽくすることで,多少接地面積を稼いでいるのではないだろうか。まだヒゲも取れていない状態なので,感想はまた後ほど。
「どうもありがとうございました!」とエンジンをかけて帰ろうとしたところで吉友さんに「ちょっと待った!」と呼び止められた。ナンバープレートにひびが入っていて,このまま放置すると落ちる可能性があるとのこと。アルミ板を切って裏にあてがい,リベットを5本打ってプレートを補強してくだすった。ありがたいですぅ。こういうところが,なんというか,この店に来ようと思わせる理由なんだよねー,きっと。
2001/07/25 後タイヤ,オイル交換など
通算走行距離11400km。後ろタイヤのMT21 140/80-18は8000kmくらいから使ったのだが,だいぶ山が心細くなってきた。まだ警告は出ていないのであと500kmくらいは大丈夫ではないかと思うのだが,今度の週末は2泊3日で遠出をするつもりなので,その途中でタイヤが丸坊主になったりするとせっかく行った甲斐がない。ちょっともったいないが,交換してしまうことにした。
MT21の印象は「よくできたタイヤ」である。舗装路を走っていてもダートを走っていても不安がない。急制動などで後ろが跳ねたりすべったりしても,どことなく安心感がある。CRM250ARのときに履いたMT82が2000kmで終わったのに比べるとモチもよい。ただ,値段が高いのがちょっとなあ。そう考えると,T63の方が安牌か,という気もする。
で,今度のタイヤはブリヂストンのED660 140/80-18だ。値段は1万1550円なので,T63よりは高く,MT21よりは安い。パターンは,なんか珍妙な印象を受ける。T63はブロックがでかい。MT21もそれに近い。MT82はブロックが小さくて少ない。ED660はブロックが小さくて多い。舗装路を少し乗ってみた印象は「なんか接地感ないのー」であった。走らないわけじゃないんだけどねー。ダートに行くと印象が変わるだろうか?
今回の調整は,あとはチェンジ・ペダルを少し上に上げてもらって,オイル交換をしたくらい。ペダルを上げてもらったのは後ろ乗りのときにシフトアップが面倒だったからだが,今度は上がりすぎたのか,やっぱり操作に違和感がある。これに慣れるか,それとも元に戻すか,微妙なところだ(後日,結局元に戻しました)。
前回はフロント・フォークをはずしたわけだが,その折にフォークの突き出し量を少し変更してもらった。XRは「曲がらなーい」という印象が強いので,フォークを上に3ミリ突き出してキャスターを少し立てたのである。「曲がりやすくなった気がします」と吉友さんに言ったところ「曲がりやすくなったはずです」と断言されてしまった。うーん,この理詰めなところが吉友さんの良いところなのよね。
今回後タイヤを交換してもらって,吉友さんは交換だけでなくちゃんとチェーンの遊び調整もしてくれるのだが,チェーンがへたっているという。「ここの直線になるべき部分がまっすぐになってないでしょ」と言われると,確かにその通りだ。チェーン,前後スプロケットはそろそろ交換を考えたほうがいいかもしれない。ファイナルは今のままでいいかなあ? 後ろを45Tか46Tにして舗装路や高速でガマンするか,はたまた難しいダートは行かない誓いを立てて(行くつもりでなくてもそうなっちゃうこともあるけど),高速道路巡航を優先するか,うーん,悩むなあ。
でも,パワーのあるバイクは損だね。後ろタイヤはどんどんなくなるし,チェーンもスプロケも消耗が速い。ぜいたく品なんだなー。
「ツーリング2回くらいで後タイヤ終わりますか?」と吉友さんに言われて,少し考えてしまった。いくらなんでも,2回ということはないと思う。
●IRC TR8(純正) 0~3000km
・秩父/多摩ツーリング
・霞ヶ浦ツーリング
・筑波ツーリング
・霞ヶ浦/水戸ツーリング
・2泊3日の浜松ツーリング
・千葉けもの道ツーリング
●ミシュランT63 3000km~8000km
・秩父/多摩へ花見ツーリング
・4泊5日の京都/蓼科ツーリング
・千葉,伊勢海老天丼ツーリング
・3泊4日の熱海/浜松ツーリング
・中津川林道ツーリング
・2泊3日の那須ツーリング
●ピレリMT21 8000km~11400km
・中津川林道ツーリング
・2泊3日の妙高高原ツーリング
・箱根/伊豆ツーリング
・1泊2日の木賊温泉ツーリング
・1泊2日の蓼科ツーリング
とまあ,こんな具合だ。これからもがんばって走ろう。お金かかるけど(涙)。
2001/08/31 チェーンとスプロケ交換
通算走行距離1万3300km。チェーンと前後スプロケットの交換をした。前回タイヤ交換をした際に指摘されたチェーンのへたりだが,その後ますますひどくなった。目で見ると水平であるべき場所が波打っている。減速するときにカチャカチャ言う。最後には,加速するときに段が付くようになった。スロットルをひねっても,バイクがスムーズに加速しないで,ガタッガタッと加速するのである。もうこうなると,街乗りしてても不快で仕方がない。そんなわけでチェーンと前後スプロケットを新品に交換。工賃込みで約3万円。チェーンだけで1万3000円くらいする。高いのね…。
でも,交換してもらって帰りに乗ると「そう,これだよこれー」という感想でなかなかGood。エンジンを回すとちゃんとバイクが前に行く。ギヤを落とせば減速する。チェーンとスプロケットって,本当に大事なパーツなんだなー。
今思うと,DRで「走らないなー」と思ったのは,チェーンとスプロケのせいかもしれない。1万7000km乗って,サビサビにしといて,交換しようとしなかったもんなあ。かわいそうなことをしたかな?
ED660は約2000km走行。感想は,可も不可もなし,という感じ。前に進まないわけでもないし,斜めになっていても進むし,すべり出しはわかりやすい。でも,「ピタっと地面にくっついている」感じがあるわけではない。でも,もしかしたらチェーンがダメだったから,わからなかったのかも。もう少し乗ってみようと思っているが,山はすでに終わりつつある。たぶん,次回は後ろタイヤ交換の話題になるだろう。
2001/09/23 メイン・ジェット交換など
好天に恵まれた3連休。なぜそれで走らないのだ?と言われると「元気ないから」と答えるしかないような状況である。無理して走るのも危ないしね。走りたくないときは走らずにじっとしていよう。
それでも「いざ」というときに走れないのも癪なので,ちょっとばかし整備をした。温度が下がってきたのでメイン・ジェットを178から180に交換。工具がサビサビになっていたのでラジオペンチに5-56を吹き付ける。タイヤの空気圧を見たら前後とも足りないので補充する。その後で乗ってみると,バイクは元気いっぱいで,「走りに行きたいよお」と言っているのがわかる。でも,乗り終わって,チェーンにオイルをさして,それでおしまい。今回の元気なさは,なかなか重症のようだ。
2001/10/15 ミシュランDesertなど
蓼科に1泊で走りに行って走行距離は14000km弱。後輪のED660が終わった。2600kmくらいで終わったということになろうか。後400km走れるか? 走れないことはないだろうけど。もはやあまり走りたくない山の高さだったのだ。
ED660の最終感想だが,私にはあまり適合していない気がする。エンデューロ・タイヤって,マッド中心なんじゃないかなあ。私の場合は四輪が走れる林道を走るのが主目的で,そういう道って,砂と土と岩のミックスで,マッドはあまりないんだよね。つまり,エンデューロ・タイヤの力を発揮するような局面はほとんどない。おまけに,林道に行くまでが延々と舗装道路なので,そこでエンデューロ・タイヤの小さく少ない山は見る見るうちに減ってしまうのであった。
そんなわけで今度のタイヤは何とミシュランのDesertだ。吉友さんのところで雑談をしていて「このタイヤ何ですか?」「これがミシュランのBajaで,こっちがDesert」といった感じで話が進み,「Desertの中古あるんですけど,付けてみます?」という話になった。何で中古タイヤなんてものがあるかというと,レースの場合は減っていようがいまいが,持ってきた分は計画通りに交換していくので,大して減っていないタイヤが残るというのである。今回タダでもらったのがDesertの140/90-18も,山は「半分よりあるんじゃないですか」とのこと。今回はリヤタイヤ交換のほか,チェーン・スライダー(リヤフォークにチェーンがぶつかって削れるのを防ぐゴム)と,チェーン・スライダーを抑えるL字型の金具(ひびが入っていた)を交換した。これらはホンダの純正部品である。
Desertはまず見ただけででかくて重いのがわかる。付けてみるとタイヤのカバーに当たっていて,バイクを押して動かすとカチャカチャ言う。走ってみると,印象はとにかく「重い」。軽快感がない。アクセルを開けたときには,軽く回転が上昇するというよりも,ちょっともっさりした感じで,バイクのパワーは少し殺される。ただ,じゃあ遅いのか,というと,多分そうじゃないんだろう(時間を測ってみたわけじゃないのでわからないが…公道で時間を測るのは,どうも後ろめたさがある)。どっちかというと,重いために安心して開けられて,その分前に出ているのではないだろうか。
T63 130/80-18のときは上り坂で後ろが暴れて進まない印象があったが,Desertにはない。とにかく進む。寝かした状態で突然滑るT63のクセも,Desertの方がわかりやすい(でも,この辺は私がXRに慣れたせいかもしれない)。もちろんサイズが違うので一概には言えないが,T63はパターンこそDesertレプリカだが,柔らかい分だけDesertに負ける。Desertのパターンとゴム質のバランスには,本物が持つ良さがある。
高速道路に乗ったときに,Desertに妙に安心感があったのも驚いた。コンペ用のタイヤは高速道路なんてダメだと思っていたのだが,DesertはT63やMT21のようなトレールよりも安定している。クロスカントリーレイド用,ラリー用のタイヤって,こういうものなのかもしれない。
吉友さんには「滑りますからね,注意してくださいね」と言われたが,吉友さんはいつもそういうのであった。普段は「新品だから」で,今回は「Desertだから」だろうか。でも,私は「そんなに速く走りませんから」といつも答えてきたし,これまでタイヤのせいで滑って転んだことはないのだ(氷のせいで転んだことはあるけど,あの状況ではどんなタイヤ履いてても関係ないだろう)。
結論だが,日本の林道のようなカーブが多いコースで後ろをフリフリしながら走れるだけのテクニックがある人には,Desertは向かないような気がする。軽快なタイヤではないので,つまらないと思う。250ccクラスにも,Desertが向くとは思えない。パワー不足で鈍重な印象ばかりが際立ってしまうような気がするからだ。
でも,私が乗っているのはパワーも重さもあるXR650Rだ。私にはドリフトの腕はないので,カーブでは余裕を持って減速する。ただ,直線になったら加速を少しは楽しみたいし,速度が出た状態で安定すると嬉しい。こういう私とXR650RとDesertの組み合わせというのはけっこういいところを突いているように思う。気に入ったぞお。持ちも良さそうな気がするし。
とはいうものの,よし,今後はDesert一本槍だ!ってことにはならない。ミシュランのEnduro Competitionはブロックの小ささから言ってどうも私の好みではない気がするが,ミシュランのBaja,ピレリのMT18 Heavy Dutyなど,履いてみたいタイヤはまだあるのだ。えっと,DesertもBajaも値段は高いです。たぶんMT18も手に入っても高いでしょう。でもまあ,最近はパーツ交換をしたいところも別にないので,タイヤくらいしか消費の楽しみがないのだな。ということでこれからもタイヤにお金は注ぎ込むのだっ。
追伸:よしともくんちに,BMW F650GS DAKARのレーシング仕様が置いてあった。後輪を18インチにして,Enduro CompetitionⅢの140/80-18履いてんの。フォークはもちろんWhitePower。またがらせてもらった。「大きくなっちゃって」と言われたが,足付きはXR650Rと比べれば,まだいいんじゃないかなあ,という感じ。もっとも,F650GSは,倒れたら一人で起こせそうな気があまりしない。「転びそうな道に一人で行くバイクじゃないです」とのこと。そうだよなあ,私だって,次のバイクはXR650Rより軽いもの,って気分だもんなあ。でも,F650GS DAKAR,かっこいいよおお。
2001/12/27 ブレーキ・パッド,前フォーク・オイル交換など
走行距離は約16200km。よしともくんちに整備に出していたXRを引き取りに行った。今回お願いしたのは,清掃,プラグ交換(東亜システムクリエイトD5RⅡ→D6RⅡ),フロント・フォークのオイル交換,エンジン・オイル交換,後ブレーキ・パッド交換,後タイヤ交換(ミシュランDESERT 140/90-18→T63 130/80-18),前レバー・ガードがブレーキ・レバーにひっかかってブレーキ・ランプがつきっ放しであるのを直す,なのだが,見たら減っていた,ということで前ブレーキ・パッドも交換とあいなった。総額3万円強なり。T63は,前回より2000円以上高いのでびっくりしたのだが,吉友さんいわく「前回なんであんなに安かったのかわかんないんですよー」とのことである。
まずはDESERTの総括から。今回は2300kmくらいでおしまいとなった。ただ,新品じゃないので,モチがいいのか悪いのかについての判断は差し控えたい。前回書いたとおり,なかなかGoodなタイヤなのだが,実はDESERTを履いている間に,2回後輪スリップで転倒した。1度は長野市近くの山の中。えぐれのひどい道で水たまりを脱してホッとして,ああ終わった,このままじゃ失速しちまうぜ,と思ってアクセルをちょいと開けたら後輪が左にすべって右に転倒した。あとで見たら,そこは少し右カーブしていたし,路面は粘土板ツルツルだったので「私がバカでした」というのは認めよう。2度めは中津川林道の下り。アクセルをちょいと開けたら,やっぱり後輪が左に滑り,右に転倒した。路面は「黒いんだけど,実質凍ってます」というものであった。まあ,これも「私がバカでした」には違いない。でもさー,2回同じように転ぶと,後タイヤの性格疑うよなー。低速からアクセル開けたときにすべりやすいんじゃないかなー。
ということで,次のタイヤを何にしようかはだいぶ迷ったのだが,冬だし,大体は街乗りになるし,まあ,安いのでいいか,ということでT63にした(と思ったらあまり安くなかったんだけどさ)。でも,乗ってみると「後輪がある気がしない」のよね。やっぱり,130/80じゃ細い。ちょっと後悔気味。次はミシュランのBajaにでもしてみようか,それともダンロップD907?,Enduro Competitionも一度は履いてみるべきか?
D5RⅡは8000kmくらい使ったのかな。見た感じだと,外側にサビがあったほかは,別にダメになっている感じはなかった。でもまあ,買っちゃったしね。実は本当は同じD5RⅡに交換するつもりで,吉友さんにはその箱を渡した。でも,家でD6RⅡの箱の中身を見たらそこにはD5RⅡが。たぶん,買って見比べたときに,間違って収納してしまったのだろう。そんなわけで,今はD6RⅡが入っているはずだ。まあ,でも冬にオーバーヒートしやすいバイクだから,冷え型プラグもいいかもしんない。
バイク屋さんから出るときには,なかなかエンジンがかからなくて「スターター・レバー使った方がいいですよ」と言われた。これまでそんなことなんてなかったんだけどなー。乗っているときも,回りは悪くないんだけど,ちょっとスカスカした感じ。メイン・ジェットが180じゃ薄いか。今度時間が取れたら185に変更しようと思うのであった。
フロント・フォークのオイルは「底に沈殿物があった程度で,そんなに汚れてはいなかった」そうな。乗った感じも別によくわからない。でも,フォークの突き出しが標準ママに戻っていて,曲がりにくくなっているのはわかったぞ。これは,今度吉友さんに調整してもらうことにしよう。ブレーキのききはとても良くなった。いやしかし,金がかかるなー。はっはっは。
今回XRを持っていったのは草加店なのだが,そこに展示されていたWR250Fにまたがってみた。足着きはXRと大差ない。高くても細いからそう感じるのかもしれない。ただ,足を後ろから回せない気はした。まあ,前から回せばいいんだけどさ(カンパイ,ラガー,ラガー,イエィの空手?編みたいな感じ)。またがるとタンクが細い。これは交換しないとツーリングは無理だな。スピード・メーターがチャチでトリップがない。うーむ。他に気になったのは後スプロケが大きいこと。これ,ツーリング用のセットじゃないよね。乗るとしたらいろいろお金かかりそー。でも,やっぱ乗ってみたいバイクだなー。
F650GS Dakarの試乗車は,少しだけ走ってみた。なんか,下がなくてスコスコ。ただ,モーターみたいに上にスーッと回っていく。XRとはフィーリングが全然違う。同じ650ccシングルでもこれだけ違うのね。シートはお尻がビタっとはめこまれる雰囲気で,これなら疲れないかも,と思わせる。でも,なんかハンドルが遠く感じられて,ポジションの自由度という点だとどうかなあ? まあ,私が買うならWR250Fの方がいいかな。タンデムする女性もいないしさ。
去年は真冬でも元気に乗っていたんだけど,今年の冬はちょいとおとなしく過ごす予定。仕事もきついし,バンド活動もあるし。プログラムも書きたいし。春に備えて,バイク熱を貯めておこう!
2002/02/11 チェーン切断
秋葉原をブラブラして,さあ,会社行くか,と思った土曜日。バイクを発進させて,2速に入れたらバイクが前に進まない。あ,ニュートラル入っちまったか,いかんいかん,とクラッチを握り,再度ペダルを蹴るものの,反応なし。惰性で左に寄って止まり,何度かカチャカチャとギヤチェンジを繰り返すも,いっこうに入る気配がない。こ,これは,もしかしてギヤボックスが逝ったか? そ,それって,エンジン開けて直すのか? などと青ざめる。スタンドかけてバイクを降りてしげしげと見ると,
チェーンがない。道路を見ると,切れたチェーンが落ちてました。リンクがダメになっているのかと思ったら,そうではなく,コマを眼鏡だとすると,ちょうど鼻の部分,真中でねじ切れてんの…
よしともくんちに電話。今日は日曜だからお休みだ,悪いなあ,と思ったのだが,実はこの日は試乗イベントをしていて,夕方まで動けないという。そこで,財布の中に入っていたBNS(Bike Network Systemだったと思う)の会員証を引っ張り出し,それで公衆電話から電話をする。笑ったのは,そのカードがテレホン・カードにもなるのでそれでかけたのだが「会員番号をおっしゃってください」と言われて「電話機に入れちゃったのでわかりません」と答えたこと。でもまあ,受け付けのお姉さんは親切で,名前で調べてくれた。で,1時間くらいでクレーン付きのバイク専用車が来て,よしともくんちまで運んでもらった。
「チェーンって,切れるんですかねぇ?」という私の問いに対する運転手さんの答。「公道で切れたのは聞いたことないですねえ。でも,オンのレースでは切れるみたいですよ。で,切れたチェーンがクランクケースとかに当たって割れたりとか。あと,そのままオーバーレブして焼き切れたりとかしますね」。ひええええ,レブリミッター付きのオフバイクでよかったー。続いて吉友さん。「オフのレースでは切れるんですよ。石とかの異物がはさまったりして。でも,街乗りでねえ。見た感じ,リンクのミスじゃないですよね。キロ数も3000kmくらいだから,これで切れられたんじゃたまんないし。メーカーに送ってみます」とのこと。
その日は会社に行ったものの,気抜けして仕事にならない。しゃあないので,秋葉に行って,シンセ(AKAI VX-90)を買って帰る。数日後で取りに行ったのだが,吉友さんは,在庫があった高いチェーンを付けて,「修理代はいいです」という。何か,悪いような気がするが,まあ,それはこれからもガンガン乗って恩返ししよう!
と言いつつ,この冬はあんま乗っていないのだ。ま,去年が異常だったんだよな(遠い目…)。
2002/06/22 お別れ
別れはいつも突然やってくる。あ,でも,事故ったわけでも,破壊したわけでもないっすよ。まあ,聞いてくださいまし。
XRはもっと乗るつもりだった。6月11日に練馬から川越へ引っ越して,6月14日にはわざわざ所沢の陸運局に行って,ちゃんと所沢ナンバーも取ったのだ。5月には前タイヤのMT21が終わったので,ミシュランのBajaも付けたのだ。でも,その一方で,「来年頭は車検かー,お金かかるなー」と思っていたのはちょっぴりある。それから,川越(の郊外)に引っ越したことでバイクを日常生活の足としてより利用したいから,セルがあって,もうちょい軽いといいなー,なんて思ったり,川原に行くのにも,XR650Rはちょっと大げさかなー,なんて思っていたのも事実だ。あと,5月に会社の友人たちと走りに行ったときに,俺には650ccものパワーは不要かも,と思ったのも事実だ。こんな具合で,内心では,そろそろ次考えようかなー,なんて思っていたりもした。
最近出たバイクの中では,ハスクバーナのTE250に惹かれた。シート高89cm,乾燥重量105kg,ツインカム,6速ミッション(これは仕向け地によって違うかもしれない)というスペックは魅力的だ。ヤマハのWR250Fも悪くない。ビッグタンクやキャリアがあるのはWR250Fの強みである。ホンダのCR450Fだって,思い切り手を入れればけっこういけるかもしれない。こんな風に考えて,TE250については,買えるのかどうか,よしともくんちにメールで問い合わせてみたりもしたのだ。返事なかったけど。
そうこうしていた6月18日,某社のページを久々にのぞいていたら,中古車情報のページが更新されている。tm250エンデューロ4Tが中古で出ている。メールで「よしともくんち経由で購入できるのか?」など疑問点を問い合わせる。6月19日にメールの返信が届く。吉友さんに電話して,某社に電話を入れてもらう。吉友さんから「見積もりは100万円弱」という電話が来る。「買います」って言ってしまいましたよ,わたしゃ。
XRを手放すのか,それとも2台持ちになるのか。ここが思案のしどころである。XRは大好きだ。これまで乗ったバイクの中で一番好きだし,乗った期間は1年半に満たないが,走行距離は約1万9000kmで,これまで乗ったどのバイクよりも長い。今後購入が不可能というわけではないだろうが,現実問題としては,今回手放したら二度と乗る機会はないだろう。どうしようか…
決断を促したのは一覧表であった。スペックをWebで拾い集めて一覧表を作ってみると,tm250とXR650Rは,車格がほとんど変わらないのである。ホイールベースはtmの方が1cm長く,シート高は3cm高く,重さはXR650RのUSが125kgで,tm250は112kgだ。tmの4Tって意外と重いのね。こうなると,私の身体は,この2台のどちらに乗っているのかを無意識に判別することはきっとできないだろう。そうすると,XRからtm250に乗り換えるたびに,「あるはずの地面がない」ために転倒するに違いない。これは怖すぎる。地面はもっと遠いのだぞ,ということを身体に教え込むには,XRに乗るべきではない。乗らないバイクを置いておくのはかわいそうだ。だったら他の人に乗ってもらった方がよい。
セッティングは寒いときにした方がいいと思っているので,今シーズンはXRに乗って,冬にtmに乗り換えるというプランも考えた。でも,tmがちゃんと動くかどうかを確かめるのは早い方がよいわけだし,XRだって,少しは車検期間が長い方が買い手にとってお得感があるだろう。何より,tmをオアズケにしておくのもアホらしい。そんなわけで,粛々とtmに乗り換えることに致しました。tmについては,tm納車の日から,またレポートを書き綴る予定でございますので,お楽しみに。
★ ★ ★
最後に,私にとってのXR650Rの総括をしてみたい。一応,写真も掲載しておこう。最初の写真と比べると,すごくこなれた感じになっている気がするのだが,他の方にもそう感じていただけるだろうか?
XR650R,ひとことで言えば「素晴らしいバイク」である。楽で速い。信頼できる。壊れない。高度や気象条件の変化に強い。街乗り,高速道路,ダートをオールラウンドにこなす。私の評価は,100点満点で95点としよう。
あまりいいことだとは思わないが,某林道に行くと,ダートが始まった瞬間にチラっと時計を見て,終点まで一気に走って,終わった瞬間にチラっと時計を見たりする。もちろん,前に車がいればそれでオシマイなので,信頼に値する数値ではない。CRM250ARで40分だったのが,XRでは30分になった。25分に近付いたことさえある。CRMにはすごくスピード感があった。XRはスピード感がなくても速い。
もちろん,これは乗り手の技量の問題が大きい。今思うと,私は2ストのCRM250ARの乗り方をまったく理解できていなかった。コーナーで一度回転が落ちてしまうと,CRMはその後なかなか加速しない。半クラッチを使って,回転をあまり落とさずに通過するテクニックが必要だったのだろう。でも,それが私にできるようになるかというとまったく自信がない。その点,XRは,コーナーでびびりまくりに減速してエンジンの回転が落ちてしまっても,前が開いた瞬間にアクセルをひねれば,すぐに加速する。私にとっては,安全に,簡単に,そこそこ速く走れるという点で,XRは本当に素晴らしいバイクであった。
5点マイナスなのは,ライトが暗い(おまけに上向き過ぎ),燃費が悪い(リッターあたり15~18km),頭打ち感がある,というのが理由だ。ライトが暗いのは,なるべく昼間走る,夜はゆっくり走る,ということで対処した。明るくする改造は結局しなかった。改造すれば明るくなるはずだから,これは大した欠点ではない。燃費が悪いのは,最終減速比を変えれば改善したかもしれない。ただ,怖い道ではゆっくり走りたいわけで,それを考えると,14/44Tというチョイスが私にとって不適切だったとはあまり思えない。頭打ち感は,レブリミッターの設定や,SOHCであることが原因ではないだろうか。「おお,こんなに回るのかー」というCRM250ARにあった感覚は,XR650Rでは味わえなかった。ギヤが上にあと一つあれば高速道路が楽かなー,という気持ちもあった。
さて,次に来るtmは,XR650Rを超えることができるんだろうか? 不安だ…
2002/07/06 レバーガード交換,オイル交換など
あれ? XR650Rは売却決定で,このページは完結したんじゃなかったの?と思った方もいることだろう。すみません。「わっかれられないのー」(わっすれられないのー,の節で)だったんです。
先日tmに初対面してきた。その印象は,「こいつ,とがってる」というもの。すっごく鋭い感じ。そのときはXRのパーツを車でバイク屋さんへ運んで,もうすっかり売却するつもりだったのだが,tmを見てびびった私は「やっぱり私にはXRがベスト・パートナーなのかも」とひよってしまったのである。その翌日にXRに乗ったのだが,これがまた,やっぱり楽なのよねー,パワーあるし,回転あまり上がらないし。何より,セッティングが出ていて,自分の身体がなじんでいる。
それから,XRの下取りはざっと40万円と聞いていたのだが,それを聞くと「現金で40万円置いておくのと,XRを置いておくのとどっちがいいか」という気持ちになってきてしまった。今の景気だと,40万円銀行にあずけておいて利子が付いて増えるような状況ではない。だったら,XRを財産として置いておくのも,悪くないのかなー,なんて思い始めてしまったわけだ。一度手放したら,もう一度新品のXRを買うのはアホらしい。中古を探して,今持っているものより条件がいいものがあるはずがない。こんな風に考えるとどんどん惜しくなる。結局,「もうしばらくこのまま持っているか」になってしまったのであった。
そうなると,どのパーツをtmに移植するかが問題になる。XRを売却するつもりだったときは,タイヤ,チューブ,ビードストッパー,レバーガード,GPS電源ケーブル,GPSマウンターを移すつもりだったのだが,XRを持ち続けるとなると,タイヤ周りはそのままにしたいし,GPS電源ケーブルもはずしてまた付けるのも面倒だ。吉友さんと相談したらGPSマウンターは様々な理由により安く新品を出してくれるという。結局,ACERBISの紫のレバーガードだけを移すことにして,XRには純正のナックルガードを付けようということになった。純正のナックルガードはプラスチックの板なのでレバー折れは防げないが,まあそれでもいいかな,と思ったのだ。そうなるとバー先端の穴がみっともないので,そこを別のパーツでふさぐか,グリップを新しいものにすることになる。
グリップを新しいものにするのが一番安上がりだというので,そうしてくださいと言ったのだが,受け取りに行ってみたら,違うことになっていた。「純正のグリップがあるはずなんですけど見付からないんですよー。で,あれこれ探してるうちにレバーガードがあったんで,これでどうですかねー」だそーである。それが下の写真だ。
これを見たとき「ラッキー」と思ったのは事実である。こういうタイプのレバーガードは10年くらい前に流行して,私は当時それに憧れていたのだ。このシンプルな感じ,けっこう好きなんだよー。それに,中古だということで,値段もリーズナブルなものにしてもらえたし。ラッキー。
今回はほかに,オイル交換(通算19200km),左ミラーとその土台の金具の交換,そしてナンバープレートの補強をしてもらった。サービスで洗車もしていただいた(普段しなくてすまん > XR)。左ミラーは「古いのが見付かったんで,タダでいいっすよ」というのを付けてもらっていたのだが,それは立ちゴケで,土台ごと破壊してしまった。で,どうせ買うならやっぱ純正がいいなあ,ということで今回は純正なのである。XR650Rのミラーは国内XR250のものより一回り大きくて見やすい。それに,左右同じだと,前回もらったミラーのように,右と左で後ろに見えるものの大きさが違うという現象も生じない。ツアラーな私としては,ミラーはやっぱり大事なもの。でっかい純正品が両方にあるのは,やっぱり嬉しい。
2002/07/24 後タイヤ交換
通算走行距離20486km。後タイヤをミシュランT63 130/80-18から,ミシュランBaja 140/80-18に交換した(140/90じゃなかったのね…)。T63の走行距離は4300キロ弱というところか。前回は5000kmだったらしいが,まあ誤差の範囲だろう。もう少し乗ってもいいのだが,今度の週末は1泊2日で走りに行くので,その前に交換することにした。タイヤの山がなくなってくると,走っていて気になる。なんか,うまく走れないのをタイヤのせいにしたくなってしまう。せっかくガスを燃やして遠くに走りに行くのだから,心おきなく楽しめた方がいい。
Bajaの第一印象は,後ろが高いよー,ということ。もう,ヒップアップって感じ。山なしから山あり,そしてサイズが少し上というだけでこんなに変わるもんだろうか。パターンは,とにかく山が高い。2cmあるんじゃないかって思うほど。舗装路を少し走ってみた印象は,Desert 140/90-18ほどではないものの,フライホイール感覚(重いものが後ろで回っている感覚)がやっぱりある,DesertやT63のパターンにある押し出し感/路面をいやがる感じはない,わりとガタガタ言う,そんなところ。第一印象としては悪くないので,週末が楽しみだ。
しかし,値段は高いよなぁ。まあ,モチがどのくらいかによってそれの評価は変わるわけだけど。それに,XRと生まれてきたからには,一度は履かせてあげたかったタイヤだから,まあ,いいんじゃないでしょうか。
tm250は未だ納車されず。でも見るたびに期待は高まる。tm250が安定したら,XRの方は少し遊んだセッティングもできるな,なんて考えはじめてもいる。ファイナル(最終減速比)を思い切りロング(高速向け)にして,これまでよりオン指向のタイヤを履いてみるなんてのが面白そう。実は先日,他人のF650GS Dakarに少し乗らせてもらって,スコスコスコっていうあの感じも悪くないってことがわかった。それに,高速で置いていかれてちょっと残念だった。XRも,ちょいとあんな感じにチューンできないかな,なんて思うのである。
2002/08/04 水たまりと洗車
林道を走っていたら,水たまりが道を覆っていた。どうしようかと決断できないでいるうちにバイクは水たまりに突入。左足を着いたら「ずぼっ」と脛の半分くらいまで水に沈み,登山靴の上から水が流れ込んできた。みなさん,こういうアホなことはしないように気を付けましょう。脛の半分までだったから水没しなかったが,そのままバイクが水没する可能性だってあったんだから。こういう場合のセオリーは,水たまりの前で停車して,人間だけ入ってみるか(それで溺れたら目も当てられないが),手前で素直に引き返すことだ。
今回の場合は後悔しても元には戻れない。まず,エンジンを切らないように注意しながらバイクの左側に降りた。そいで,ギアを入れて,ゆっくり後輪を回しながら押す。反対側に上がったときは,精神力をかなり使い果たした気分であった。靴を脱いで水を出し,靴下を絞る。もちろん,乾くわけではない。
こういうときにイヤなのは,この先が抜けれるかどうかわからないことだ。この先は二つに分岐していて,左側は崩落のために通れないことがわかっている(自分の目で反対側から入って確かめたのだから間違いない)。右側が抜けれる可能性に賭けるが,水たまりを逆進する覚悟も一応しておく。結局,抜けられたけどね。川に水遊びに来た四輪車を見たときは「抜けれるんだあ」ってホッとした。このあとはもう,ICに一直線で,そのまま帰宅。思いは,うちに帰りたーい,のみ。
そしてこれは,家に帰って,泥だらけの服を脱いで洗濯機を回し,XRを洗ったところ。メンテナンス・スタンドをかけて,水道につないだ耐圧ホースで水をかけて洗う。高圧洗車機なんて豪華なものはないが,耐圧ホースでもけっこう勢いがある。それに,tmのオーナーズ・ガイドには「高圧洗車機は使うな」と書いてあるから,これでいいのだ。スタンドをかけるのは,後輪を回しながら洗うため。メンテナンス・スタンドは洗車のためだけでも,あって損はないものだと思う。
スタンドがバイクに対してナナメになっているのがちっと見っともない。まだまだ,スタンドをうまくかけることができない私なのだ。でも,前の家のときは,そもそもスタンドかけられなかったもんね。今思うと,それは駐車場がヘンに傾斜していたせいなのだが,当時は,買ってもかけられないんじゃ意味ないじゃん,と相当がっかりしたものだった。引っ越して,こうしてバイクが洗えるのが,幸せ。
2002/11/01 タイヤ交換とファイナル変更
走行距離22432kmでバイク屋さんでメンテナンス。前タイヤBajaがすべすべになっていて,これであまり走りたくないな,というのが一番の理由だった。Bajaの前はいつ履き始めたのかというと,5月に交換したらしい。その頃って,1万8000kmとか9000kmとかだったんじゃないかと思う。となると,4000kmくらいで果てたということか。ちと速いのではないだろうか。Bajaの後ろは7月,20486kmからだ。2000km走って,6~7割使ったというところだろうか。これはtmに付けるつもりで「とっておいてください」とお願いしてある。Bajaの印象は,わりと,可もなく不可もなく,的。ほどよい重さがある。暴れない。しっかりしてる。ただ,インパクトには少し欠ける。
今回選んだタイヤはピレリのMT90 A/Tだ。これまで私はオン/オフ的タイヤというのを自分でチョイスしたことはないのだが,今回はそうしてみた。tmが来たことでXRで冒険ができるようになった。前後17インチも考えたのだが,メーターが狂うのが面倒だし,そうしちゃうと林道やロング・ツーリングに使いにくいし,見た目が変わってしまうし,などと考えているうちに,オン/オフ・タイヤでいってみるか,という気になった。XR650Rにぴったり来るオン/オフ・タイヤというのは実はあまりない。この手のタイヤはビッグ・オフ向けが多く,後ろは17インチであることが多いのだ。18インチがあっても細い。MT90は140/80-18があるので,それで選んだようなものだ。
タイヤ交換にあたって,ファイナルも変更することにした。前を純正の14Tから15Tに変更だ。後ろは純正48Tで,今付いているのは44T。だいぶ高速向けに振ることになる。高速道路などで楽にスピードを出したい,燃費を稼ぎたいというのが理由だ。タイヤをオン寄りに振るので,ファイナルもということである。
さて,見た感じ,MT90の印象は「Webサイトで見るよりも溝が多くて大きくて深い」だった。やっぱりオンのタイヤとは違う。これなら林道もけっこういけるかも,という雰囲気だ。バイク屋さんから家まで乗った感想は,ファイナルちょっと上げ過ぎたかなあ,というもの。3速で80km/hくらいまで行く。5速の出番が減った。かといって,トップエンドが伸びるという感じはしない。高速に入ってはいないので,そんなにスピードを出したわけではないが,最高速はあんまり変わらないのではないか,という気がする。
発進加速は,どちらかというと,良くなったように思う。もともとローはたっぷりあるバイクなので,発進時に足りないとは思わない。2速,3速へ上げるタイミングがこれまでより遅いので,ギア・チェンジの回数が減り,その分加速に要する時間が短くなっているようだ。これまでよりも,アクセルを開けやすい気もする。以前はアクセルを開けると後ろがすべり出しそうな気がしていたが,その恐怖が薄い。タイヤのせいか,ファイナルのせいか,まあ両方なんだろう。
今回はオイル交換もした。前回が19200kmだったから,3200kmというところか。ちと早いかという気もするが,長もちさせるためには,オイルはマメに交換した方がよいだろう。あとは,冬だからメイン・ジェットを上げなくっちゃ。
2003/01/26 MT90の感想など
走行距離は約23800km。冬が本格化する前にMJを手持ちの一番濃いやつ,185番に変更した。これでも薄いらしく,今朝はスターター・レバーを使って起動した。ここんとこ,正月の帰省,河原,温泉,図書館,休日出勤など,けっこう乗っている。tmにあまり乗りたくないせいだ。tmはオーバークール対策をしていないので,乗るのが少し気が引ける。冬はこわいので林道には行かない。舗装路面を走るなら,tmで行ってブロック・パターンのタイヤをすり減らすより,XRのMT90を使う方がマシだ。
MT90とハイギアード化の感想は「やっぱり高速が楽だ」というもの。風当たりが強いので速度はあまり上がらないが,同じ速度でもエンジンがギャーギャー言わないのがいい。タイヤが震える感じも少ない。一方で,下が扱いにくくなった。8の字描くのに半クラッチを使わないといけない。これはつらい。8の字の練習をする気が萎える。ゆっくり走りたいところがうまく走れない。燃費は少しよくなったような気はしているが,大きな差ではないようだ。
これはこれで面白いのだが,タイヤは次はブロック・パターンのものに戻そうと思う。MT90は思ったよりはオフでもいける。でもそれは,思ったよりは,であって,それ以上ではない。こないだは利根川ぞいの泥っぽい道で,アクセルを少し開けた途端に後ろを滑らして転倒した。バイクを起こして押そうとしたら,登山靴がすべってバイクを押せないくらいの路面であった。とはいうものの,私がほうほうの態でUターンして引き上げようとしたら,ジェベル250がそこを越えてきた。私がヘタなだけか(泣)。
XRでの転倒は「少し開けて後ろが滑る」というパターンが多い(3回め)。後輪を回そうとする力が強過ぎるのかもしれない。でも,そうやって転んだ3回は,後輪はデザートとMT90だもんね。他のタイヤでは,そのパターンでこけたことはない。次はどうしようかなあ,D907も一度履いてみてもいいのかなあ。とはいうものの,MT90はまだかなりもつのではないかと思うので,たぶんtm250の後輪の方が先に尽きるだろう。
ファイナルは,替える機会があったら,後ろを44Tから48Tにして,前15T後48Tにしてみようかと思っている。チェーンと後スプロケ,いつまでもつかなあ。
GPSは,tmで動かないことを悩んでいたのだが,久々にXRで使おうとしたら,実はXRでも動かないことが判明した。GPSの2号機を持ってきたら,XRでは一応,給電して動くので,1号機は給電回路がいかれたらしい。GPS1号機の給電回路の故障は,tmに付けて動かしていて,テール・ランプが切れたときに生じたのではないかと思う。テールが切れて,それと並列に入っているGPSに過大な電圧が入ったのではないかと思うのだ。うーん。痛い。
で,GPS2号機をXRに着けて,これでオッケーと思ったら甘かった。すごい頻度で落ちる。特に,起動して衛星を探して自分の位置を定めるまでのプロセスで,はなばなしい頻度で落ちる。昔はこんなことなかったのに。テスターで見る限り,14ボルトくらいちゃんと来ているのに,どうしてだろう? ということで,GPSは,tmでもXRでも頭が痛い問題になってしまった。当面,乾電池の揺れ防止をほどこして(入れるフィルムの長さを長くして),乾電池で運用してみようかと思っている。
2003/07/03 岩手でブレーキ・レバー曲げ
突如思い立って、6月20~22日に、2泊3日で岩手へ走りに行った。「どこまでも続く道をぶっとばしたい」という意図だったので、選んだのはXRである。台風一過の晴天のはずだったのだが、北に向かったら追い付いてしまい、風雨に悩まされた。宿へ向かうのに妙ちくりんな道を通ろうとしたらそこが通行止めで、公衆電話を探して予定通り着けない旨を申告し、急ごうとして地図にあるんだかないんだかの道に入ったらわけがわからなくなり、おまけにGPSは電池切れで落ちるようになり、道の左端に停めてGPSをいじろうとしたら、右に立ちごけした。ブレーキ・レバーが曲がった。レバーガードがあるのになぜ?と思われるかもしれないが、レバーガードの角度が、ブレーキ・レバーとずれていたのだ。また、右ステップの支柱が曲がり、キックがスムーズに動かなくなった。エンジンをかけにくい。ただでさえ転んだ後はかからないのだ。強い雨の中で、けっこう泣きそうであった。
東京へ戻って、走行距離はざっと26600km。6月28日にはバイク屋さんでブレーキ・レバーを交換し、オイルも交換した。右ステップには、ワッシャーを入れてもらった。助かりますぅ。
岩手へ行くときは久喜ICから滝沢ICまでずっと高速を使ったのだが(8100円かかった)、帰京時には仙台市内で24kmくらい高速を使っただけで、あとは下道を走った。高速代をけちった、というのもあるが高速が楽しくない、というのもある。景色が見えないところが多い。それから、1車線だと後ろから追い立てられて、これが怖い。下道は、なかなかよかった。燃費も、高速だと18km/lくらいなのに、下道では20km/lだった。高速だとアクセルを開けているから燃費が悪いのだろう。
2004/02/20 釘ひろい
通算走行距離約30700km。8000km強で、MT90をお役御免にした。前はまだバリバリって感じ、後ろも、まだ1000kとか2000kmくらいはなんとかなりそうな感じなのだけど、チェーンがダメっぽかったのよね。そんでもって、チェーンとスプロケを変えるなら、タイヤも変えるかー、ということになったのであった。MT90、大したタイヤである。舗装路ではスムーズ、ダートでもけっこういける。キロ数もかせげる。でもですね、どことなく、つまらないんだなあ。XRと生まれたからには、やっぱりデコボコタイヤを履かせてやりたいじゃないか。ということで、今度はダンロップのD907にしました。思ったよりもデコボコが高くて、いい感じ。乗ってみると、前後タイヤがブツブツ言う感じ。そう、これだよこれー。
スプロケットは、前後とも純正で、前15T、後ろ48T。標準に比べて、前を一つアップ。これまでの15T/44Tに比べて、少しショートになったので、舗装路ではスピードが少し出にくい感じ。これまであった「滑っていってしまう」感覚は薄まった。これも、XR本来の、オフ用セッティングに戻してあげよう、という気持ちからである。そうそう、今回、オイル交換もしました。
で、昨日はよしともくんちからバイクを引き取って、日が落ちた川原を、「こわー」と思いながら走って帰宅。そんで今日は朝食後に、プラグを交換して(NGKのBKR7E→東亜システムクリエイトのD5RⅡ)、これでシーズンインの準備は完璧!、最後にチェーンにオイルでも射しておくか!と思って、メンテスタンドかけて、後輪を見たらそこには…
釘が深々とささっておりましたとさ。ペンチ持ってきて抜いたら、プシュー、と空気漏れ。抜かなきゃよかった、ってなことも言ってられん。でも、チューブに空いた穴はさほど大きくはないみたいで、抜けきるところまではいかないのね。空気を入れてバイク屋に持ち込むか、しばらく考えたんだけど、結局、家にあるチューブ(ヘビーに交換したときの余り)を入れることにした。
とはいうものの、タイヤのチューブ交換なんて、実は一度もしたことないのだ。一応、車軸をゆるめるためのでっかいメガネレンチと、タイヤレバー、空気入れ、メンテスタンドなどなど、必要な道具は揃えているのだが、後輪を外すのさえ初体験。もう、おっかなびっくりだし、うまくいかないし、午前中はこれで潰れて、ヘトヘトになりましたとさ。うまくいったかどうかわかんないけど、取り合えず、空気は入っているみたい。まあ、良い経験だったと、思うことにしとこうか。
2004/08/14 XR初放牧
正直、今年はあまりバイクに乗っていない。原因1:糖尿病で食事制限をしていること。泊りがけで走りに行くと、どうしても旅館が出してくれるものを食べたくなるし、そうなるとカロリーがわからない。もともと食べたくてしょうがないのだから、歯止めが効くはずはない。結局、まじめにカロリー制限をしようとしたら、泊りがけで走りに行かないのが一番ということになる。原因2:糖尿病で食事制限をして体重が減少しているため、バイクをうまく扱えないこと。4月頭には私の体重は70kgを超えていた。今は60kgを割っている。これだけ体重が変わると、バイクの操縦の感覚が同じではない。同じようにアクセルを開けてもスピードが乗って、前後の体重移動が不十分になる。アクセルを慎重に開ければいいのだが、どうも調子が狂う。もっと調子が狂うのがコーナリングで、体重移動をしているつもりでも十分には移動していないので、正直「曲がらない」。これが怖い。原因3:休みの日になるとデリヘル三昧している。原因4:入院と自宅療養で有給休暇を使い切った。まあ、そんなわけで、今年はあまりバイクに乗っていないのである。
それでも、まったく乗っていないかというとそんなことはなくて、図書館にはバイクで行ったりしている。ある日ふと気付くと、XRのフロント右フォークからオイルが漏れていた。よしともくんちで、オイルシールを交換してもらい、ものはついでということで、左右ともフォークオイルを交換した。
そして8月1日。今年初めて埼玉/長野県境の中津川林道へXRで出かけた。ダムが完成しつつあるのに目を見張った。メイン・ダートの上りタイムは28分で、特に遅くなってはいないことがわかった。コーナーは本当におそるおそるだが、体重が軽くなった分上りの加速が楽なので、あまりタイムダウンしない。XRを買った年、乗りまくっていた年はもっと速かったが、ここ数年では、28分なら特に遅いわけではない。気をよくして2本めのダートへ。ここで異変が生じた。
右コーナーで思ったラインが取れずに外にふくらみそうになって「あれ?」と思って止まったのが最初だった。ハンドルがおかしいような気もするが、止まって動かすと別段問題なく動く。再度発進してみるが、どんどんおかしくなってくる。ハンドルがひっかかる。思うラインが取れない。怖いことこのうえない。二股に分かれたところに来て、さらに上るか、降りるか考えたのだが、一応上ってみることにする。この判断は間違いで、ハンドルの不調はさらに悪化し、ついに進めなくなる。
切り返して降りようとして、バイクを支えきれずに右に立ちゴケ。エンジンがなかなかかからない。かかったので降りるものの、ハンドルが思うように切れないのでカーブを曲がれず、停車しようとしてまた右に立ちゴケ。レバーガードが曲がってブレーキレバーと干渉するのでレバーガードを外す。この後さらに、右に立ちゴケてブレーキレバーをひどく曲げ、左に立ちゴケてミラーを割り、右に立ちゴケてブレーキレバーを折る。エンジンがあまりにかからないので、メインジェットを175に変える作業もする(高地なので180では濃すぎる)。最後はハンドルが、力を込めてもほとんど動かないような状態で、下り坂を押して降りるのさえ、汗だくな状況だった。なんとかダートを抜け、川上第2小の前の橋の上に止める。ジャマだとは思うが、バイク屋さんに来てもらうしかないし、そのためには目立つところに駐車しておく方がいい。
ふらふらしながら自販機にたどりつき(腰も痛かった…)、あまり果汁が入っていないオレンジジュース500mlを一気飲みする。食料品店/雑貨店に入り、飲むヨーグルト500mlを買い、公衆電話の場所を聞く。これも一気飲みする。秋山郵便局の公衆電話を使おうとして、テレホンカードを持っていないことに気付き、近くの自販機でアクエリアス500mlを買い、これは少し落ち着いて飲む。もう、カロリー制限なんて考えていられない。
よしともくんちに電話するが、日曜で、どこかに走りに行ってしまったとのこと。電話帳で近場のバイク屋に電話してみるが、「本格的なオートバイはやっていない」「今日はだれもいない」「川上村に行くと2時間くらいかかるので勘弁してほしい」などなどで、どうしようもない。川上村に泊まって、翌日以降に吉友さんに来てもらおうかと思ったが、いつ来てもらえるかわからないし、そもそも翌日は会社に出社しなければいけないのだ。有休がないんだから。観念して、タクシーを呼ぶことにする。タクシーを呼んで、待っていたら、前を路線バスが通り過ぎていった…。タクシー代が駅まで5000円近くかかったことを考えると、路線バスを使うことを考えるべきだったろう。
信濃川上駅では、電車がわりとすぐ来た。どっち方向でも、来た電車に乗ろうと思っていた。小淵沢に出て、中央線で新宿へ。リュックを背負った人たちで駅も電車もにぎわっている。帰宅してから、なんとか吉友さんと連絡が取れる。そして吉友さんは、翌日、月曜の朝4時に出発して、7時半過ぎには、「回収しました」という電話を私の自宅に入れてくれた。ほんと、感謝感謝である。こういう時、バイク屋さんに見捨てられたら、どうしようもないもんなあ。
XRの修理が完了したのは1週間後の8月9日。下の写真は、はずしたハンドルである。
サビまくっている。これじゃ、動かないわけだよ。「ハンドル動かないバイクに乗るほど怖いことはないですね」「自殺行為です」「…」。でも、修理代は思ったほどはかからなかった。トータルで約4万円で、うち2万円強は引き上げ代と高速代だから、部品と工賃は2万円弱である。こんなんで、ほんと直ったのかなあ、と少し心配している。電話をかけたバイク屋には「前兆現象があったはずだ」と言われた。確かに、ちょっとひっかかる感じがしたことはあった。でも、次回そうなった時に、ちゃんと感知できるかというと、あまり自信はないなあ、と思うのである。XRを引き取って、代わりにtmを置いてきた。tmは、フロントカウルがゴムバンドで止まっているのだが、4本ともヒビ割れが進んでいて、1本が切れた。もう1本切れると支えきれないので全交換を頼んだのである。バイクって、壊れるねぇ。
2004/12/23 XR満4年
満4年の車検をした。通算走行距離は3万3000km。今年は走らなかったからなあ。来年の目標は4万km達成ということにしておこう。前回書いてからこれまでに、後タイヤを交換した。D907は、2000kmくらいで尽きた。悪い印象もないが、良い印象もない。減りが速い、くらいか。次に履いたのはミシュランのAC10、110/100-18。tmと同じタイヤだ。値段が安いのがメリット。で、今回車検をしてもらって言われたのは「リアサスがガスが抜けてます」ということ。バネだけでボヨンボヨンしている状態だそうで、そう言われればそんな気もする。業者にメンテに出すか、純正の新品に交換するか、サードパーティの新品に交換するか。ちょっと考えどころである。どんな選択肢があるか、調べてもらうようにお願いした。今回は、ブレーキオイル、エンジンオイルも交換した。
帰り道では、確かにボヨンボヨンだなあ、と思う。タイヤがきっちり路面を踏んでいる気がしない。コーナーに高速で入れないなーと思っていた原因の一つはこれだったかもしれない。まあ、私の感覚なんてあてにならないけれど。
今回、車検に持っていく道すがら、川原で釘を拾った。家から10kmくらいのところで、後ろがクニャっとするなあ、と思って、一度降りて空気が抜けかかっていることには気付いたのだが、家まで10km、バイク屋まで20kmなので、走りきることにしてしまった。でも、着く直前には、ほんと走らなかった。タイヤがダメにならなかっただけでもよしとせねばなるまい。バイク屋さんに言わせると、「前輪で釘を起こして、それが後輪に刺さるらしい」。うーん、謎だ。
2005/03/21 後ろサスはÖhlins
後ろサスは結局、Öhlins(Ohlins、オーリンズ、ちなみに、この1文字を表現するためだけに、このファイルをUTF-8にした…)に交換した。左が交換前の純正品、右がオーリンズ。ガスタンクだけでなく、バネの色も違うのがわかっていただけるだろうか?
費用はざっと10万円(涙)。変えてセッティングをしてもらって、それに乗って舗装路を帰宅したのだが、ぜーんぜん違う、と思った。「あれ?XRって、こんな走るバイクだっけ?」みたいな感じ。それまでが純正サスのガス抜けとは言え、サスが違うだけで、バイクの乗り味って、こんなに違うものだったのか。後ろサス恐るべし。オーリンズらしいなって思ったのは、後ろが伸びているのか縮んでいるのかがわりとデジタルな感じなこと。その点では、乗り味がtmに似たように感じた。
で、今日は玉川温泉までちっとXRで走っていってきた。好調は好調。後ろサスのおかげでよく加速する。コーナリングもあまり怖くない(サスがぼよんぼよんの時は怖くて仕方がなかった)。でも、川原の堤防上のダートでは、ちょっと浮いた感じで怖い時もあった。ま、少なくとも、シーズンインを迎えて、XRが完調になったのは喜ばしいことだ。
今日は天気もいいし、tmにずいぶん火を入れてあげてなかったので、tmにも6kmばかし乗ってみた。XRをオーリンズにしたとは言え、ダートに入るとやっぱりtmの方が軽くて楽。でも、舗装路を長時間だらだら走るとなるとXRの方が楽だしなあ。この両方を満たしてくれるバイクってないんだろうか?