Cresteaju メモ帳

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はじめに (ゲーム紹介)

概要

Cresteaju/クレスティーユ。フリーソフトの RPG で、さくらやまスクエア (Shouさん)のサイトからダウンロードできます。Windows98/Me/2000/XP で動作します。Windows98 では DirectX7 が必要です。「ファンタジー系RPGの王道」といった言葉が最も良く当てはまるだろう大作です。クリアには約20時間かかります。

物語の舞台はフィルガルト大陸。近年エターナルという集団が勢力を拡大し、独立して運営されている各都市を支配するようになり、主人公ルナンの暮らすクレスフィールドも例外ではありません。町を救うためフィルガルド全土を旅するルナン。手紙を届けるという小さな目的から徐々に大きな目的に、最終的には世界と自らが抱える謎に決着を付ける旅となります。シナリオ中に張り巡らされている様々な伏線は、最後に綺麗に紐解かれます。

主人公・仲間の個性が引き立っています。RPGやADVをプレイした後でトマトジュースが飲みたくなるようなゲームはそうそう無いでしょう(^^; ルナンの好物として随所でトマトが有効に活用されています。酒絡みのイベントが要所要所にあり、性格の普段からの変わり様が楽しめます。

やりこみ甲斐もあります。戦略性を考えるとより効率的に戦える派手な戦闘、アイテムコンプリートのためには敵が低確率(1%未満)で落とすアイテムも目指す事、タンスや宝箱の回収率表示、時限サブイベント等々。1周目で半分以上隠し要素を見つけることは難しいでしょう、もしかすると2周クリアしないと Cresteaju の魅力については語り尽くせないかもしれません。

色々親切でプレイヤーの事を考えられているRPG。フリーソフトウェアとは思えない規模。プレイ時間を十分かけられる・3D 処理がそれなりにできるマシンを使っているならば、シナリオ重視なプレイヤーからやりこみプレイヤーまで、多くの方にお勧めできる作品です。

詳細な説明

イベント・シナリオ

ルナンがエターナルの幹部と対峙する場面。主線となるのはルナン達とエターナルの戦いです。以前栄えていた統一国家フィルガルトが何故滅びたか、そしてこれだけの大陸を治めていたのにも関わらず首都の位置が誰も分かっていないという大きな謎、これが今回の戦いにも少なからず関係している事。更にもしかすると「歴史が繰り返してしまう」恐れもあるかもしれないと...

エターナルは「全ての人に永き幸せを」と唱え、非友好的な都市を攻撃していきます。一体幸せとは何か、エターナルのアンチテーゼとも思える大道芸人ライゼルの存在から、考えさせられる物があります。(本人は大きな勘違いをしているようですが...)

序盤の中だるみ、「先に進めないからと手近なイベントをとりあえずこなしておくと、いつの間にか先に進めるようになっている」点は、目的を見失いがちになるため苦手な人も出るかもしれません(これは一般に大作RPGが抱えがちな問題でしょう...)。しかしここで提供される伏線は終盤に活きてきます。また中盤からの展開は速くなります。こうなると、途中でプレイを止められなくなります(^^;

マップ

フィルガルド大陸のマップ。各宿毎に地図が貼っていて、この街が大陸のどこに位置するのかが分かります。初めのうちは一本道に進んでいくのですが、大体どの程度シナリオが進んでいるかが、この地図の到達度から分かるでしょう。

終盤には世界中を船で駆け巡れるようになります。この時地図を見ながら操縦でき、特に16個の大きな街については場所を指定すると一気に飛べます。ここを拠点にして小さな街・ダンジョンなどを巡回することとなるでしょう。

戦闘システム

ある意味マンネリ化しているかもしれない RPG の戦略性を変える試みを行っています。HP・MP が LP・MC と名称が変わり、体力が0未満の値も取る・魔法力は自然回復するといった点が異なります。このためボスまでの雑魚戦で魔法を全く使わずに進む必要もなく要所要所で魔法を使いながらの長期戦が可能となります。

9×9のスクウェアマップ上で、隊列設定・移動を駆使し、魔法範囲を考えて行動を行います(図では横幅5の直線範囲に水魔法をかけます)。シミュレーション系の戦闘だと、複雑さによる戦闘時間の増加やとっつきの悪さがデメリットになりがちですが、こちらは移動をオプションにしている、魔法範囲設定の単純化が良いです。シンプルさと戦略性の両立をうまく成しているシステムだと感じました。

レベルアップ毎に「魔法習得値」が増え、ここから自由な順番で魔法を覚えられます。魔法レベルは1〜5まであり、後ほど強力で習得が困難です。どの順に魔法を覚えるかが効率よいプレイの鍵となりそうです。

親切設定

戦闘:雑魚戦や多くのボス戦では、負けてもその戦闘の直前からすぐにやり直せるのが嬉しいです。危なっかしいプレイでも安心です。ただし連戦中のLP・MC状況や隊列変更が出来ない等から、結局前からやり直さないといけない事もあって万能とは言えません。

戦闘時のエフェクト、これは凝れば凝るほどインパクトは強くなるのですが、特にアニメが長時間のものほど何度も見ていると飽きてしまい、テンポを下げてしまう原因にもなります。Cresteaju では戦闘画面や魔法の描画に Direct3D を用い、短時間のアニメーションで派手な印象付けを行えています。

混乱中にはなると吹き出しがキャラの上に付くのが可愛らしいです。他の状態変化も同様で、右下のステータスウィンドウを見ることなく視覚的に敵・味方の状態が分かります。

その他

Cresteaju を語るとすれば、やはり「トマト・豆腐・ジェントル、そしてウニ埴輪」なのです! これらを避ける事はできないでしょう(^^; プレイすれば何の事だか分かります。一見作者の冗談だと思うもの(^^; が世界に良くマッチしています。

個人製作であるが故に、マップパーツや敵等の絵に関して少々弱い点も見られます。しかし RPG がゲームたるに重要なシナリオ・戦闘についての作り込みがこれに余りあり、素晴らしい作品となっている感じがします。


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Hosoyama Naoki / hossy
hossy.mail@popup.org