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スクリーンリーダー対応アプリ作成のために

PC-Talker試用記

ヘルプファイルを読む(2)

HTMLヘルプ(拡張子CHM)の場合

ついでなのでHTMLヘルプについても書く。
PC-Talkerのマニュアルでは、ヘルプに関してはQ&Aに以下の項目があるだけである。
■質問7:ヘルプを読み上げないのですが?
お答え:Htmlヘルプの場合、Ctrl+Alt+Aキーを押すと、現在、表示されているヘルプの内容を読み上げることができます。
Htmlヘルプ以外の古いタイプのWindows標準ヘルプは読み上げません
はっきり言って、視覚障害者がこれだけの説明でヘルプを読むことができるとはとうてい思えない。
たとえばメモ帳のヘルプを開くと、以下のような画面になる。
Htmlhelp
ここで晴眼者は、古いヘルプと違ってウィンドウが左右に分割されていることに気づくことができるが、視覚障害者はこれがわからないはずだ。
(こういう左右もしくは上下に分割されたそれぞれを「ペイン」と言う。右ペインとか左ペインとか)

そして最初は左ペインにフォーカスがある。左ペインは、メモ帳のヘルプの場合、タブコントロールによって三つの機能が切り替え可能になっている。
その三つとは、「目次(C)」と「キーワード(N)」と「検索(S)」である。
(インターネットエクスプローラのヘルプの場合、「お気に入り(I)」が追加されている。他のアプリケーションだとまた違うものが追加されているかもしれない。)

そして、この三つの機能のうちどれが最初に開くかは決まっていない。(前回の状況を覚えているため。)
しかも、目次が選択されていても「目次」と読み上げることはない。
(通常のタブコントロールの場合、Tabキーを何度か押せばタブコントロールのタイトル部分にフォーカスが移動するが、ヘルプの場合ここには移動できないようだ。こういう場合に備えてPC-Talker側の読み上げ機能として「タブコントロール読み」というのがあれば便利なのに…)

では何と読むか。目次の場合、最初に「ツリービュー フォルダー選択」と読む。
下矢印キーで「メモ帳 プラス」とよみ、ここから左矢印キーでサブ項目を開くことができる。
さらに下矢印キーで項目を選択し、エンターを押せば右ペインに該当項目の内容が表示される。
しかしこの段階でマニュアル通りCtrl+Alt+Aキーを押しても何も読まない。
読むためにはフォーカスを右ペインに移動する必要がある。これにはF6キーを使う。
F6キーでペインを移動してしまえば、右ペインはWebコントロールなので、Ctrl+Alt+Aキーだけではなく、インターネットエクスプローラの読み上げに使えるキー操作がほとんど使える。
もう一度、左ペイン(目次など)に戻るにもF6キーを使う。

「キーワード(N)」や「検索(S)」の場合、最初の読み上げは「キーワードを入力してくださいWのエディット 文字入力」になる。
両方とも全く同じ読み上げになるので区別がつかない。
ちなみに「キーワード(N)」は、あらかじめヘルプ作成者が設定したキーワードによる検索、「検索(S)」は任意の単語による全文検索である。

「キーワード(N)」の場合、一回Tabキーを押すと「ヘルプインデックスコントロールのリストボックス 選択」になり、もう一回押すと「表示 D のプッシュボタン」になる。

「検索(S)」の場合、キーワード入力欄の下には「検索開始 L」のプッシュボタンがあるが、キーワード入力欄にまだ文字を入れてない段階ではこのボタンはDisableになっている。
つまりTabキーで移動できない(ので読まない)。
さらに下には「メモ帳のリストビュー 選択 一覧項目」と読むリストビューがある。
さらに下には「表示 D のプッシュボタン」がある。

「目次」「キーワード」「検索」の切り替えは、Ctrl+タブキーで切り替える。
もしくは、目次はAlt+C、キーワードはAlt+N、全文検索はAlt+Sでも良い。
古いヘルプと違い、全文検索もスクリーンリーダーでも使い物になるようだ。

とまあ、これくらいの情報はマニュアルに書いてないと困るのではないか。
ヘルプが読めないとソフトの使い方なんてわからないのだから。

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