用語の変更
本サイトで使われている用語を、次のように変更したい。
・ 仮表示形 → 可算区体論
・ 正表示形 → 連続区体論
1. 変更の理由
変更の理由は、次の通り。
「仮表示形」と「正表示形」は、もともとは、同一の区体論である予定だった。そのなかで、若干の違いがあるだけ、という位置づけだった。
しかし、その若干の違いというのが、実は、かなり大きな違いであることがわかった。そこで、これらの全体を「区体論」と呼ぶのはそのままにして、そのなかで二つの体系をはっきりと区別することにした。上記のような名称で。
2. 両者の違い
この二つの体系は、次のように異なる。
・ 可算区体論 …… 公理8 成立 (公理9 不成立)
・ 連続区体論 …… 公理9 成立 (公理8 不成立)
公理9の定式化が済んでみると、公理8と公理9はたがいに矛盾する関係にあるとわかった。そこで、「両方が成立する空間」というものは、想定されなくなった。(PartExp では部分的に想定されたこともある。)
こうして、二つの体系はまったく別々の(i.e. 重ならない)ものだどわかったので、両者を明白に区別することにする。
3. 両者の位置づけ
二つの体系は、たがいに矛盾する関係にあるから、同一の数学空間をなすことはできない。
しかしながら、たがいに異なる数学空間をなすことはできる。……このことは重要だ。
集合論の空間は、体系全体が定義されていないので、いくつかの数学空間を別々のものとして区別することはできない。
しかし、区体論の空間? は、体系全体が定義されているので、いくつかの数学空間を別々のものとして区別することができる。次のように。
・ 可算区体論 …… Ω
・ 連続区体論 …… Σ
ここでは、 Ω や Σ は、「体系全体」を意味する。そして、体系全体は、公理4によって「それ自体もまた区体である」と公理化されている。(定義されている。)
このことゆえに、矛盾は生じない。
以上のことは、図で理解すると、わかりやすい。
● ●
Ω の空間 Σ の空間
二つの数学空間があるが、この二つの数学空間は交わることがない。つまり、共通部分がない。つまり、「両者が成立する」という形で矛盾が生じることはない。
( ※ このことは、区体論の空間が公理4によって「閉じた空間」になっているからだ。仮に公理4がなければ、「閉じた空間」とは言えないから、「両者の共通部分はない」「矛盾は生じない」とは明言できない。)
4. 結語
区体論の空間は、「可算区体論」と「連続区体論」という二つの体系によって構成される。この両者をまとめて、「区体論」と総称する。
この両者は、次のような性質を帯びている。
- この両者は、たがいに区別される。それぞれ別個の数学空間を構成する。
- この両者は、公理のうち七つが共通しており、残りの一つが明白に異なる。
- 区体論は、次の順序で構築されていく。
- まず、可算区体論を構築する。
- 次に、連続区体論を構築する。
- 連続区体論からは、「無限小」というものが導出される。無限小は連続区体論のなかで、可算区体論のアトムのようにふるまう。
こうして無限小を得ることができる。この無限小が、通常の実数に相当する。
( ※ ただし、こうして得られた無限小は、正確には「位置数」である。
「 0.00000…… 」と「 0.99999…… 」は、位置数としては異なる。
この二つの数を同一視するのは、位置数でなく、算術数である。
いわゆる「実数」は、位置数または算術数のどちらかのこと。)
5. 注記
以上のように、用語を変更する予定であるが、現時点では、まだ用語の変更を実行していない。
というのは、文書の分量が多大なので、いちいち書き換えるのが面倒だからだ。
また、用語を変更するのにともなって、文章そのものを初めから書き換える必要がある。それには膨大な手間がかかる。
現時点では、「将来的は用語の変更をする予定である」と記しておくにとどめる。
[ End.]