(過去ログ 2010 〜 2012)


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Windows 8 (2012.11)
10月末に Windows 8 が発売され、画面タッチによる操作が新 Windows の最大特徴として宣伝されているので、ユーザーにとって使い方がどのように変わったのか試してみました。これまで使用していた Windows 7 パソコンをアップグレードしたので画面タッチによる操作はできませんが、使用してみた感想は次のとおりです。
1.これまでのプログラム
従来のプログラムは「デスクトップ画面」で動作し、この画面でのプログラムの動作や使い方はこれまでのパソコンと同じなので安心しました。Windows Vista や 7 ではウィンドウの枠が半透明になりましたが、Windows 8 では昔のように不透明になりました。これでアプリケーション画面右上の「閉じる」、「最小化」ボタンの場所が分かりやすくなったので有難いことです。
2.スタートメニュー
これまで画面の左下にあった「スタート」ボタンがなくなりました。このため、操作性が低下したと思います。
1)シャットダウン
画面の右下をマウスでポイントすると現れるチャームバーの中の 「設定」 → 「電源」 → 「シャットダウン」で行いますが、チャームバーを表示するのには少しコツが必要で、従来より面倒で分かりにくくなりました。
2)メモ帳やペイントを使うとき
これまで、これらのプログラムは 「スタート」 → 「すべてのプログラム」 → 「アクセサリ」 → で起動していましたが、スタートメニューがなくなったのでこの方法では起動できなくなりました。
Windows 8 では新しくできたスタート画面から 「スタート画面」 → マウスの右クリック → 「すべてのアプリ」 → で起動しますが、メモ帳やペイントが必要になるのはデスクトップ画面で作業をしているときなので、スタート画面に一度切替える手間が増えたことになり、使いにくくなりました。
3.ステータスバーの高さ
ウィンドウの枠幅やステータスバーの高さがまた変わりました。このためGARAさんの公開ソフトウェアのステータスバーの表示が一部切れてしまう問題が生じました。
 Windows 2000 以前Windows XPWindows Vista/7Windows 8
タイトルバーの高さ18252022
ウィンドウの枠の幅4488
ステータスウィンドウの高さ20202822
単位はピクセルです。
4.プログラムのアボート
GARAさんの公開ソフトウェアの1つで、あるボタンをクリックするとアボートする問題が発生しました。調べるとリストビューの構造体メンバーの初期化が不完全なことが原因でした。問題点は修正して修正版をリリースしましたが、これまでの Windows ではこの問題が発生したことはなかったので意外でした。
5.インターネットエクスプローラ(IE)
インターネットエクスプローラはバージョンが10(IE10)になりました。IE10でGARAさんのホームページを見ると、これまでと表示の一部が異なっていることに気付きました。調べてみるとIEはバージョンにより表示のルールが変わっていることが分かりました。このことは以前から「互換表示」の問題として知られていたみたいですが、これまでのIE6〜IE9ではホームページの表示に問題がなかったため、全く気付いていませんでした。
ホームページで発生した表示の問題は次のとおりです。
1)テーブルの枠線の一部が太くなる
2)スタイルシートで作成したボックスの幅、高さがこれまでより大きくなる
対策として簡単なのはHTMLファイルのヘッダに
 <meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=EmulateIE7">
を追加することみたいですが、この方法はいつまでサポートされるのか心配なのでHTMLとスタイルシートを次のように変更して、IE6〜IE10で同じように表示されるようにしました。
テーブル
の枠線
table タグの中で指定
<table border="1" cellspacing="0" cellpadding="4" bordercolordark="white" bordercolor="black">
旧はIE10では
テーブルの枠線
の太さが不揃い
になる
スタイルシートで指定
.table1 {border-collapse:collapse;}
.table1 td {border:1px solid black; padding:4px 8px 2px 8px;}
ボックス
の大きさ
.box1 {border:1px solid black; width:150px; margin:4px 0 0 10px; padding:4px 8px 2px 8px;}
<div class="box1">内容</div>
旧はIE10では
ボックスの高さ、
幅が padding 分
大きくなる
.box1 {border:1px solid black; width:150px; margin:4px 0 0 10px;}
.box1c {margin:4px 8px 2px 8px;} <div class="box1"><div class="box1c">内容</div></div>


21万円の詰碁 (2012.10)
日本棋院が開催している段級位認定大会に参加しました。目標は6段の免状を無料で取得することです。6段の免状を日本棋院からもらうためには免状料として21万円が必要ですが、この大会で5回対戦して全勝すると免状は無料でもらえます。対局は毎回、勝ち数が同じ人同士を対戦させる方法で行われるので全勝することは容易ではありませんが、幸い4連勝することができ、あと1つ勝てば目標達成です。
5局目の相手はやはり4連勝している小学校6年生の男の子です。局面は小ヨセの段階に入りましたが形勢は白のGARAさんが少しよいと思っていました。黒は下図の@〜Bのヨセを打ってきましたが、白はうかつにも手を抜いてしまいました。このため白石が頓死してしまい、21万円の免状を無料でもらう夢は一瞬のうちに消え去りました。相手の小学生はこの死活を読み切ってから@〜Bのヨセを打ってきたみたいで、その棋力には「おそれ入りました」の言葉しかありません。
GARAさんの成績は4勝1敗だったので半額の10万5千円で免状をもらえることになりましたが、今回はもらわず、又の機会に無料取得に再挑戦することにしました。

21万円の詰碁の問題です(黒先)

解答はこちら

大会会場は東京駅のすぐ近くですが、当日は東京駅がリニューアルしてから最初の日曜日だったので駅の周りは大変な人出でした。



私は魔境に生きた (2012.3)
東日本大震災の発生から1年が経ちました。震災のすぐ後の首都圏では計画停電、鉄道の運休、一部の物の不足等により社会の混乱が起きましたが幸い混乱は短期間で収まりました。この時は電気やガス、公共交通、食料の心配がないことの有難さを思いましたが、1年経つとそのような思いも薄れてきました。
もし電気やガスがなく食料にも事欠くことになったらどのような生活になるのでしょうか。このような生活を長期にわたり実際に経験した人が書いた本に偶然出会いました。
この本は太平洋戦争の中、敵軍に追われてニューギニアのジャングルの奥に逃れ(ジャングル籠城)、終戦を知らずにジャングルの中で10年を過ごした後、日本に帰還した元兵士の島田覚夫さん(故人)の著書『私は魔境に生きた(光人社NF文庫)』です。 ニューギニアは赤道のすぐ南に位置する面積が日本の2倍もある島で、太平洋戦争中は日本軍と連合軍(アメリカとオーストラリア)との間で多くの激戦が行われ敗退を続けた日本軍は18万人が死亡したところです。
ジャングル籠城の生活は電気やガスはもちろんなく、食料は自分達で農耕か狩猟で獲得しなければすぐに餓死です。服や靴が傷んでボロボロになっても補充はありません。医者はいないし薬もありません。このような環境の中でどのようにして生き延びたか、また少しでも生活を向上させるために行った様々な工夫と籠城開始から7年目に始まった原住民との交流がこの本の主な内容です。 しかし籠城を開始した時(昭和19年6月)に17名いたメンバーは連合軍の掃討や病気で終戦(昭和20年8月)の時までに9名が亡くなり、その後の2年間に4名が病気で倒れ、昭和29年9月にジャングルから出たときは島田さんを含めて4名になっていました。
現在の日本では皆が当然のように享受している電気、ガス、食料、医療の安定供給ができなくなったときにどのようなことになるのか、また人が生きていくために自らがやらなければならないことの原点を教えてくれる本でした。



コンピュータがプロに勝った(2)(2012.1)
将棋の米長邦雄元名人と将棋ソフト「ボンクラーズ」の対局が1月14日に行われ、結果は新聞各紙に大きく取り上げられたように「ボンクラーズ」の勝ちでした。米長元名人は2003年に現役を引退していますが、過去にタイトルを通算19期獲得している将棋界ではトップクラスの棋士です。また「兄達は頭が悪いから東大へ行った。自分は頭が良いから将棋指しになった。」と語ったという伝説の持ち主です。
昨年12月にも米長元名人は予行演習(?)で早指しで「ボンクラーズ」と対局していますが、このときも「ボンクラーズ」が勝ちを収めています。この前のプロ棋士と将棋ソフトの公式対局は2010年10月の清水市代女流王将 対「ボナンザ」でしたが、この対局も将棋ソフトが勝っています。将棋の世界ではコンピュータが人間を越える日も間近のように思えます。
一方、囲碁の方はコンピュータと人間の差はなかなか縮まらないようです。囲碁ソフト同士の大会(第5回UEC杯コンピュータ囲碁大会(2011.12開催))で優勝した「Zen」と準優勝の「Erica」がプロ棋士と昨年12月に対局しています。手合いは囲碁ソフトが6子置いての対局でしたが、結果は次のとおりです。
「Zen」 vs 鄭銘コウ9段  :  「Zen」の中押し勝ち
「Erica」 vs 小林千寿5段  :  小林5段の中押し勝ち
囲碁ソフトは思考ロジックにモンテカルロ法を採用してから格段に強くなったといわれていますが、まだ人間との差は相当あります。2009年4月8日の朝日新聞に「将棋の前に(囲碁の)名人破る?」と書かれたモンテカルロ法ですが、その頃に期待されたほど強くなっていないというのがGARAさんの印象です。


パソコンのトラブル(3)(2011.6)
OSが Windows Vista のノートパソコンで数ヶ月間、悩まされていた問題がありました。マウスのシングルクリックがダブルクリックになってしまうことが時々発生します。 アプリケーションの画面の位置を移動するために画面上部のタイトルバーをクリックすると画面が最大化したり、メールを削除するためにクリックして選択するとそのメールが別画面で開いたりするので操作性が最悪です。
この状態は1度起きると連続しますが、発生しないときは数日間〜数週間発生しません。 コントロールパネルのクリック方法の設定を何度も確認してみましたが「シングルクリックで選択し、ダブルクリックで開く」になっているので問題はないはずです。 パソコンのハードウェアの発熱による一時的不良も疑い、パソコンに付属のハードウェア診断ツールを実行してみましたが結果は問題なしです。
残る疑わしいものはOS(Vista)なので、全てのアプリケーションプログラムの再インストールを覚悟してパソコンの「工場出荷時の状態に復元」を行ったところ問題は発生しなくなりました。 やっと解決したと思っていたところ、3日後にまた発生しました。発生の少し前に Vista のサービスパック2をインストールしていたのでますますOSに疑いの目が向きました。
Vista のバグ情報を調べようとネットで Vista の同じトラブルを検索してみると、同様のトラブルの情報を見つけることができました。その情報にはクリックの問題はマウスの不良(マウスのボタンのチャタリング)が原因の可能性があると書かれていました。マウスを別のパソコンのものに交換してみると長い間悩まされていた問題はきれいに解消されました。
これまで職場や自宅で数多くのパソコン(OSは Windows 3.1 〜 Windows XP)を使用してきましたが、このようなクリックの問題に遭遇したことはなかったため、問題は Vista にあるのではという先入観を持ってしまいました。この先入観が解決するまでに時間がかかってしまった最大の原因で、先入観の危うさが改めて身に沁みました。


デジカメ簡単改名(2011.5)
パソコンの中に溜まったデジカメ写真を整理していて写真ファイルの名前を分かり易い名前に変えたいと思いました。最初はエクスプローラの「名前の変更」やDOSコマンドの rename で行いましたが数が多いので少しやると面倒で嫌になりました。作業を効率化するために名前を変更する簡単なプログラムを作ってみました。しかし元のファイル名と新しいファイル名のどちらも様々なので度々プログラムを修正しなければならず、この方法も思ったほど効率的ではありませんでした。
そこでもっと汎用的に名前を変更できるプログラムを作成することにしました。これでやっと名前の変更作業は大幅に効率化されました。便利なプログラムなので「デジカメ簡単改名」という名前でフリーソフト(無料)として公開しました。デジカメや携帯電話カメラの写真の整理にご利用ください。

「デジカメ簡単改名」の概要
パソコンに保存した写真ファイルの名前をわかり易い名前に簡単に変更(改名)することができます。写真の撮影日を新ファイル名の一部にすることも簡単です。
名前の変更例
1)PICT0100 〜 PICT01202011_0502_001 〜 2011_0502_021 (撮影年+撮影月日+連番)
2)DSC02200 〜 DSC02230ハワイ_20110115_0001 〜 ハワイ_20110115_0031 (タイトル+撮影日+連番)
3)P5231201 〜 P5241320富士山0101 〜 富士山0220 (タイトル+連番)

※「デジカメ簡単改名」は写真ファイル(.JPG)以外のファイルのリネームにも使用できます。

「デジカメ簡単改名」の詳細は
こちら


なんでもノート(2)(2011.4)
なんでもノートをバージョンアップしました。バージョンアップの主な内容はデジタルフォトフレーム機能の追加です。
これは昔の写真をフイルムスキャナを使用してデジタル化したのがキッカケです。作成したデジタル写真を見るのにはデジタルフォトフレームが便利なので、どれを購入するか迷っているうちになんでもノートに機能を追加することを思いつきました。なんでもノートは画像を表示したり、回転する機能をすでに持っていたのでそれほど手間はかからずにできました。
なんでもノートのデジタルフォトフレーム機能は市販のデジタルフォトフレームに比べても遜色のないものと思います。なんでもノートに以前からあるサムネイル機能とあわせて使用すると写真の管理も楽です。なんでもノートはフリーソフト(無料)なので是非ご利用ください。

なんでもノートのデジタルフォトフレーム機能
項目仕様記事
スライドショー自動または手動自動は表示時間を3〜90秒の範囲で任意に指定できます
表示可能画像写真(.jpg)、.bmp、.gif、.ico 
画像の回転90°、180°写真ごとに指定できます
画面サイズ任意パソコンの画面内で自由に変更できます
背景色黒、白、任意色の中から選択 
撮影日時撮影年月日時分を表示Exif 形式の写真のみ(最近のほとんどのデジカメ、携帯電話カメラはOKです)
表示選択表示する写真を任意に指定可能表示したい写真を簡単にマークできます

なんでもノートのホームページ
 
http://hp.vector.co.jp/authors/VA011804/mpnote.htm

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わが家の東日本大震災(2011.3.11)
 本箱が倒れ、パソコン(画面左下)も机の上から落ちましたが、幸いパソコンは無事動きました。



コンピュータがプロに勝った(2010.10)
10月11日に行われた清水市代女流王将と将棋ソフトの対戦で将棋ソフトが勝ったとのニュースが新聞各紙で報じられました(朝日新聞ではこの話題が天声人語でも取り上げられました)。将棋ソフトは3年前に渡辺明竜王に挑戦した「ボナンザ」や今年の世界コンピュータ将棋選手権で1位になった「激指」などの4ソフトの合議制(多数決で次の手を決定)でしたが、コンピュータが将棋のプロに勝ったのは初めてのことです。まだ将棋界のトップ棋士に勝ったのではないのでコンピュータが人間を上回ったことにはなりませんが、今回の将棋ソフトの勝利は画期的なことです。
一方、囲碁の世界では今年開催された第15回コンピュータオリンピックの囲碁部門で優勝した囲碁ソフト「Erica」が10月2日に藤沢里菜初段に6子置いて挑戦しましたが、藤沢初段の中押し勝ちでした。(藤沢初段は今年の4月に11才でプロ試験に合格して話題になった少女棋士で、故藤沢秀行の孫です。)
囲碁の方はコンピュータが人間と対等に戦えるようになるのはまだ先のことみたいです。しかし、囲碁ソフトがGARAさんより強くなることはGARAが生きている間はないだろうと思っていましたが、その可能性が無いとは言えないように思えてきました。

下はGARAさんがネットで碁を打つ時に出てくる可愛いパンダと可愛くないパンダです。

昇段したときの可愛いパンダ


降段したときの可愛くないパンダ



新しい碁盤ソフト「碁」(2010.7)
5年ぶりに碁盤ソフト「碁」をバージョンアップしました。新バージョンの最大の改良点はネット対局(通信対局)を簡単にできるようにした点です。 これまでの「碁」もネット対局ができましたが、インターネットを経由して対局をするためにはルーターのポートの開放という問題があり、ネットワークに詳しくない人には大きな関門でした。新バージョンは通信方式の変更とUPnP(ユニバーサルプラグアンドプレイ)によるポートの開放を可能にしたことで対局相手と簡単に接続できるようになりました。インターネットやメールを利用している人なら「碁」を使用してネット対局を簡単に楽しめると思います。ネット対局のマニュアルも準備しましたので是非、碁仲間と試してみて下さい。
その他の主な改良点は次のとおりです。
 1)操作ガイドの強化
 2)Windows Vista や Windows 7 に導入されたUAC(User Account Control)機能に対応。
 3)棋譜の自動再現

碁盤ソフト「碁」のホームページ
 
http://hp.vector.co.jp/authors/VA011804/go.htm

ネット対局の詳細(マニュアル)
 http://hp.vector.co.jp/authors/VA011804/go_netplay.htm




空白1個の怖さ(2010.6)
UPnP(ユニバーサルプラグアンドプレイ)のテストをしていたときのことです。4メーカー、7機種についてUPnPの動作確認をしましたが、別のメーカーのルーターでも動作確認をしたいと思っていました。しかしルーターをどのようにして準備するかが頭の痛い問題でした。新品を購入すれば安いものでも2千円以上します。テストのためだけに使用するルーターにそれだけの出費はもったいない話です。
いろいろ考えているうち、オークションを利用すれば安いものを入手できるのではないかと思いつきました。Yahooオークションを見てみると中古のルーターが 500円以下でいくつも出品されていました。はじめてのオークションへの参加でしたが、250円、300円、780円で3メーカー、3機種を落札することができました。品物の送料や代金の振込手数料が必要なため、1台あたりの調達コストは1000円を少し超える程度になってしまいましたが、新品を買うことに比べれば1/2〜1/3で済んだことになります。
すでに7機種のルーターでUPnPの動作確認をしていたので、この3台のテストも簡単にOKになる予定でした。しかし、システム開発の常でそう簡単にはいかず、この中の1台には特に苦労させられました。UPnPの手順の中にルーターからUPnPに関するドキュメントをHTTPプロトコルで取得するステップがありますが、これがうまくいかないのです。ドキュメントの要求に対し、ルーターからはエラー応答(Bad Request)が返ってきます。HTTP 1.1 を HTTP 1.0 にしたり、ドキュメントのURLをフルパスに変えてみたりしましたがダメでした。何故ダメなのかと悩みながら、ルーターに送信しているHTTPの要求を何度も眺めているうち要求の最後に空白が1つあることに気付き、この空白を取り除くとやっとうまくいきました。これまでにテストしたルーターは空白があっても問題がなかったのでこの空白の存在を見落としていたのです。空白の存在はGARAさんのミスですが、1つの空白の有無で動いたり、動かなかったりすることがあるのがシステムの怖さです。
 誤:GET /desc.xml HTTP/1.1 Cr/Lf (Cr/Lf(改行コード)の前に空白が1つあったためうまくいかなかった)
 正:GET /desc.xml HTTP/1.1Cr/Lf


新しいTips(2)(2010.4)
先月に続き、ホームページにTipsを追加しました。内容は「TCPソケットの持続的接続」です。 TCPソケットを使用して通信するプログラムを作成する場合、よく用いられるのは送信の都度、送信側から受信側に接続(コネクト)する方法です(図−1)。コネクトに成功すると一連の通信を行ってからコネクションを切断(クローズ)します。公開ソフトウェア「碁 Ver 5.0」もこの方法で通信を行っています。 この方法は実装が簡単で通信の信頼性も高く安定しています。ただ、この方法はコネクトのオーバーヘッドを考慮しなければならないような場合に問題があると言われています。またインターネット(WAN)を経由して通信する場合、パソコンが接続されているLANとWANの間にルーターがあるとルーターのポートマッピング(静的IPマスカレード)の設定が必要です。両方のパソコンがルーターを使用している場合は、両方のルーターでポートマッピングの設定が必要になります。(ポートマッピングについては
こちらをご覧ください)
これ以外の方法として一方のパソコンから接続(コネクション)を確立し、このコネクションを使用して双方向の通信をする方法があります(図−2)。最初に一方からコネクトし、通信の必要がなくなるまでコネクションを維持します(持続的接続:Persistent Connection)。コネクションを維持している間はそれぞれのパソコンが自由にメッセージを送信します。この方法はコネクトのオーバーヘッドがないことと、ルーターがある場合でも一方のルーターのみポートマッピングの設定をすればよいことがメリットです。もしどちらかのパソコンがルーターを使用せず、直接WANに接続しているのなら、ルーターを使用している側からコネクトすればポートマッピングの設定を全く行わずに済みます。
GARAさんが使っているアプリケーションの中には図−2のような接続を使用していると思われるものがいくつかあるので、どのようにして実現しているのかネットで情報を探してみましたがピッタリしたものを見つけることができませんでした(探し方が悪い?)。そこでテストプログラムを作成して信頼性等を確認してみたところうまくいったので、この経験をTipsとして整理しました。次のバージョンの「碁」にはこの通信方式を取り入れたいと思っています。

 図−1 都度接続  図−2 持続的接続

新Tipsの「TCPソケットの持続的接続」はこちらをご覧ください


新しいTips(2010.3)
久しぶりにホームページに新しいコンテンツを加えました。加えたのはTipsの「UPnPとポートマッピング(ポートの開放)」です。UPnPとはユニバーサル プラグ アンド プレイ(Universal Plug and Play)のことで、機器と機器が互いに通信し、情報を取得したり設定を行ったりするための規格です。これを使うとパソコンからルーターの設定ができるようになり、インターネットを経由したパソコンとパソコンの通信が簡単になります。このUPnPをGARAさんの公開ソフトウェア「碁」に実装したいと以前から思っていましたが、とりあえずUPnPについてテストしてみました。
UPnPについて詳しく調べてみるといろいろな技術または規格の組み合わせで実現されていることが分かりました。GARAさんはTCPソケットによる通信は以前から経験があり「碁」にも実装していますが、UPnPにはこれ以外にGARAさんが全く未経験あるいは名前は知っていたが未経験といったものがたくさんありました。
未経験のものを整理すると次のようになります。
 技術(規格) GARAさんの知識
UDPUser Datagram Protocol名前は知っていた
マルチキャスト 名前は知っていた
SSDPSimple Service Discovery Protocol初めての用語
HTTPHyperText Transfer Protocol名前は知っていた(有名です)
SOAPSimple Object Access Protocol初めての用語
XMLExtensible Markup Language名前は知っていた

目的のUPnPによるルーターの設定に向けて、これらを1つづつテスト用プログラムに実装し確認していきました。いくつかの関門がありましたがなんとかクリアしてルーターの設定ができるようになったので、この経験をTipsとして整理しました。いつか「碁」にUPnPを実装したいと思っています。

新Tipsの「UPnPとポートマッピング(ポートの開放)」は
こちらをご覧ください


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