スクロールデータファイルは、そのウィンドウに適切なスクロール方法をねすくろに知らせるファイルで、カスケーディングスタイルシートの書式に似せた書式になっています。セレクタと呼ばれる部分でウィンドウの種類を特定し、そのセレクタを持つルールの宣言部と呼ばれる部分でウィンドウのスクロール方法を指定します。
デフォルトのスクロールデータでスクロールしないウィンドウがある場合、スクロールデータファイルを編集することでスクロールできるようになるかもしれません。そのためにはウィンドウの構造を理解する必要がありますが、付属するスクロールデータ設定ユーティリティの SclDUty(sclduty.exe) が手助けになるかと思います。
スクロールデータファイルを編集する際は、デフォルトのスクロールデータファイルを編集すると、バージョンアップなどのときに上書きされてしまう可能性があります。デフォルトのスクロールデータファイルとは別にスクロールデータファイルを作ることをお勧めします。その際もしデフォルトのスクロールデータが必要であれば include 指令によりインクルードします。
スクロールデータの中身は、セレクタ{宣言部}
の形のルールか、#include スクロールデータファイル名
の形の include 指令の繰り返しになります。
コメントは // 行末までのコメント
か /* コメント範囲 */
の形をとります。
スクロールデータのルールは、セレクタ{宣言部}
の形で、宣言部は プロパティ : 値 ;
の形の宣言の繰り返しになります。
ねすくろは、Else, Default, Name 以外のセレクタを持つルールのリストを保持し、マウスの右ボタンが押されるとリストの最後から順に探し、マウスのボタンが押されたウィンドウが該当するとそのルールの宣言部を参照して、どのようにスクロールするかを決定します。よって、同じセレクタを持つルールが複数有った場合、一番後ろにあるルールが参照されます。また、異なるセレクタでも、ウィンドウが複数のセレクタに該当する場合も、一番後ろにあるルールが参照されます。リスト中のどのセレクタも該当しなかった場合は、Else のルールを参照します。
セレクタとプロパティの詳細については別のドキュメントに書いてあります。
scrolldat_selector.html | スクロールデータのセレクタの解説 |
scrolldat_property.html | スクロールデータのプロパティの解説 |
include 指令は、#include スクロールデータファイル名
といった書式で、指定されたスクロールデータファイルをその位置で読み込みます。
例えば、自分で作ったスクロールデータファイルの最後に #include <appdir>\default\scroll.dat
と指定すると、デフォルトのスクロールデータファイルを追加する形で読み込むことが出来ます。
循環参照をしないように注意してください