平成十一年三月三十日 火曜日 さみいぜ
なにはともあれメリッサ ( Melissa )。
しかし、Microsoft で固めてたらいずれこうなることは、必然ではあったような気はするのですが、ついにそれが現実になってしまいました。
すでに亜種とかが生まれてるみたいですし。
実際のところ、技術的には単純な上、MS-Word のマクロであるため、このコードを利用した亜種っていっぱい出てくるんではないかなあと思っております。( MS-Word のマクロってプログラムがそのまま文書に書かれているだけですから )
あと面白いのが、最近話題になってた『MS-Officeの文書には作成した PC の ID が埋めこまれる』といううわさ ( マイクロソフトが覗き穴修理を約束 ) のあったバグ(笑)を使って、犯人を特定できるかもしれない ( Melissaの作者特定に向けた有力情報? ) というところです。
これでつかまったら (最高で禁固 10 年、罰金 35 万ドル) らしいんで、なんか犯人ビクビクもんですね。強烈な悪意はなかったと思うんですけど。
これは、Microsoft と Intel のセキュリティ問題に一石を投じそうです。
超絶に無責任なことを言うと、このウイルス(というよりワーム?)と Winsocks に寄生するウイルス = Happy99 が融合すると面白いなあとか。( W32/Ska(Happy99)に関する情報 )
よい子は真似しちゃだめです。
◇参考ページ◇
平成十一年一月二十五日 月曜日 くもり時々雨
Just System「ATOK for Linux」開発中かあ。(参考記事: Linux通信「ジャストシステム、LinuxネイティブのATOKを開発中」)
ついに出てきたって感じで、good です。
1999年はクライアントとしての Linux がどうなるか楽しみです。
平成十年十二月十七日 木曜日 天気
なんとなく気になったことをひとつ。
とりあえず、コンピュータなるものを扱っている人間として「2000年問題(Y2K)」についてはしぶしぶ押さえてます。
でも、やはり一番のところは Wired にあった「2000年問題と原子力発電」でしょう。
ここに書いてある「充分なテストが終了してない原発は1999年12月に閉鎖すべきだ」というのはまさに正論です。俺的には、それでも遅すぎると思いますが。閉鎖しても冷却措置などで対応いるでしょうから。
んなわけでへろへろと科学技術庁の「科学技術庁及び所管団体の対応状況」行ってみると、ゲロゲロの内容でした。つまりほとんど対応されてません。
んで、ふらふらと同科学技術庁内の「原子力」なるところにも行ってみたのですが、こりゃまた一言も触れられていません。
まじやばい?
この辺はもうちょい調べる必要ありですかね。
俺的見解では、2000年直後の問題よりも、何か問題があったときにそれを報告するシステムの方が危険なんじゃないかという気がしてます。もんじゅの例もありますし。
なお、日本の原発がいかにすばらしいかは広瀬隆さんの「漢方經濟學」と「私物国家」あたりを3割程度信じて読むだけでわかった気になります。
「漢方經濟學」はフィクションがかっていて面白いので一読をお勧めしときましょう。
平成十年十二月八日 火曜日 くもりのちはれらしい
ようやく、JAVAの「JDK1.2」が公開されました。
待望されていた、1.2 ですけど、ちょっと遅すぎた感があります。
言語的には、かなり洗練されているらしい(JDK1.0 時代の GUI コンポーネントは素人臭いとの評判でしたが、Swing は洗練されているらしいです)ので、その辺りには期待しますが、スピードの問題と JVM の互換性の問題から見て、たぶんしばらくは実用にはなりにくいと踏んでいます。トレンドとしての力は落ちて来ているように思いますし。
クロスプラットホームなどは、オープンソースで対応した方がスピードも出るし、開発者が多い分、大きく見た生産性も高いような気がします。なにより、実際に動いている例がが多いというのが絶対的な強みです。
Sun もこれじゃいけないっていうんで、一部ライセンスなどの扱いを変えて、互換の JVM などを認める戦略を取るみたいですが、なんか後手後手です。あと IBM も自社の JAVA コンパイラのソースを公開するなどと言っているみたいですが、なんか中途半端です。
一太郎の JAVAバージョンとかも発表されました。これはスピード面が心配です。たぶん、とてつもなく遅いので結局中途半端だと思います。方向性はすごくおもしろいと思うのですが。(Web 経由でサーバー側に HTML 形式の文書として保管できたりするらしいです)
簡単にまとめると「ちょっと駄目じゃん JAVA」っていうところです。
その根底にある技術とか、言語仕様とかに興味はあるのですが。
あと、日本語入力が出来るってのもいいです。Unicode なのがいやですが。
◇参考ページ◇
カナダの Corel が、オープンソースコミニティの1つである KDE(K Desktop Environment) Project との提携を発表しました。(Corel Computer and KDE Announce Technology Relationship)
Corel は、かつて、Windows95 が出た時に、Microsoft と真っ向から Office 対決を挑んで敗れ去った会社です。DOS ベースでのシェアが高かった、WordPerfect などを持っていたので、JustSystem に似ているかもしれません。
Corel は以前 JAVA 対応の Office などを作ろうとしたようですが、事実上失敗しています。というよりも JAVA 自体の実績がないのに、その開発を行うというのはあまりよい選択ではないと思うのですが。
んで、その派生として(?)今度は X Window System と、オープンソースコミニティに目を付けたようです。でも、JAVA と大きく違うのは、実際に利用されている実績があるという所だと思います。( KDE はまだ version 1.0 ですが)
この提携が面白いのは、有名企業と既存オープンソースコミニティとの初(?)の公な提携という所で、今後どうなるか非常に楽しみです。以後、こういったモデルも増えてくるかもしれません。
◇参考ページ◇
平成十年十一月二十五日 水曜日 はれ
Netscape Communiations が AOL に買収されちまいました。
所詮、Microsoft に逆らったベンチャーはこうなる運命なんですかねえ…。
それはさておき、これでインターネットの構図が Microsoft vs WorldCom & AOL & Sun というようになったと思います。この構図を単純に見ると OS 以外すべて Microsoft が負けています。元々、PC 系のもの以外は得意ではないといっても、インターネットの分野においてはかなり不利になったととることも出来ます。
ぶつかる所は、
ただ、両陣営とも市場支配を目指しているようなので、あんまり嬉しくないんですけど。
日本にゃ関係ないっていう話もありますが。
参考ページは多すぎてめんどくさいんでパス。というよりあんまり興味ないので。
平成十年十一月十九日 木曜日 寒気団on日本海
興味ない人には、関係ない話なのですが、X Window System の Window Manager に、KDE という Windows98 ライクなインターフェースをもつものがあります。
最近、「この KDE はオープンソースか否か」という議論があったらしいのですが、その議論が出てきた理由が「使用している GUI ライブラリがオープンソースではないから」ということのようです。(KDE 自体はいわゆるオープンソースです)
俺的には、何の問題もないようにも思っていたのですが、この KDE が使用していた Qt ライブラリが「次期バージョンからライセンスの扱いをオープンソースにする」らしいです。
KDE には、KOffice なるプロジェクトもあって、かなり面白そうなのですが、Qt ライブラリが現時点で日本語(というかマルチバイトの文字)に対応してないところが気にかかります。(オープンソースになったらソースハックすりゃいいという話もありますが)
KDE の対抗馬としては GNOME というのがありまして、こちらは 以前の GIMP 関係の話 の中で書いた、GTK+ を使用してます。GTK+ はマルチバイト対応なので、日本ではこっちが本命みたいです。
ど派手なインターフェースを持つ、Enlightenment っつうのもあります。日本語の情報は Let's Enlightenment! が詳しいです。半透明 Window がいかします。
◇参考ページ◇
平成十年十一月十三日 金曜日 小春日和
ちと古いですが、ちまたで話題のハロウィーン文書が山形浩生さんのウェブページにて翻訳されています。CNET Briefs Tech News(J) のマイクロソフト:LinuxはNTの脅威にや、WIRED NEWS(J) のMS内部メモ「オープン・ソースは直接の脅威」など見て、「原著読みてえ」とかなり思っていたので大変助かりました。
その中身なのですが、すげーいいです。オープンソースという、現在進行中の動きに対して、かなり的確な洞察が読めます。Microsoft の方の洞察もウウムという感じですが、それに対するエリック・レイモンドさん(Eric S. Raymond)のコメントもまたニヤリとさせてくれます。
そのついでに読んだエリック・レイモンドさんによる「伽藍とバザール(翻訳はハロウィーン文書と同じ山形浩生さん)」の方が、俺的には衝撃でした。さすが、Netscape がオープンソースを支持し始めるきっかけとなった文書なだけあります。
伽藍は「がらん」と読み、『僧侶たちが住んで仏道を修行する、清浄閑静な所』という意味のようです(意味知りませんでした…)。原文では「The Cathedral」となっているので、『大聖堂』という意味にとってもいいかもしれません。
UNIX 関連ユーザにとってはお馴染みの Photoshopライクなグラフィックツール「GIMP」というのがあります。これが、Windows で動くようなプロジェクト(tml's work on a Windows-native GTk+ and GIMP)が進行してます。
CMYK のサポート以外は、Photoshop にかなり近い操作性と機能をもっているので、「Photoshop って高いなあ」という人にはオススメです。ちなみに CMYK っていうのは、「シアン・マゼンダ・黄色・黒」の色の3原色+1色のことで、プロレベルの印刷調整の際に必要になる所です。逆に言うと、プロの印刷に使わないなら必要ないともいえます(後のバージョンでサポートするみたいですが)。
インストールは簡単で、
俺的には、GIMP を作る際に生まれたライブラリ、GTK+(The GIMP Toolkit) が気になっています。Netscape Communicator の次期バージョンでも使用されるみたいですし。オープンソースって最近すごいなあ…。
しかし、GTK+ のチュートリアルに中国語とハングル語があって何故日本語がないかな…(非難しているわけじゃないんですが)。
◇参考ページ◇
平成十年十一月六日 金曜日 いきなり寒いなあ
富士通とソニーが 1.3GB の MO を発表しました(発表資料:富士通とソニーが、1.3GBの3.5型光磁気ディスクシステムを共同開発)。出るのは来春だそうです。
対して興味あるわけではないですが、一応そういうドキュメントも書いたわけなので、書いときます。でも MO って日本人か Macintosh ユーザくらいしか使ってないからなあ…。リムーバブル(といっていいのか?)としては CD-R が定着した感がありますし。
技術的には、従来の技術を延長させた光学ヘッド使っているので、今までのメディア(120MB,230MB,540MB,650MB)が読めることと。ドライブの価格も安く済むこと(640MB MO の 1.5倍以内)くらいです。スピードは 5.92MB/秒 と ケンウッドのマルチビーム方式 40倍速 CD-ROM と変わらないです。といっても一昔のハードディスクとスピードは同じくらいなのですが…。
ドライブメーカは 富士通・オリンパス・コニカ と大御所が揃っているのでその辺りは問題ないと思います。
◇参考記事◇
平成十年十一月五日 木曜日 木枯らし
十月二十二日に書いた Windows NT 4.0 の SP4 ですが続々と不具合が見つかっているようです(ZDNN: NT 4.0のSP4にいくつかの問題)。
NT の中にある 600 以上もの不具合の修正。セキュリティの向上(PPTP:Point-to-Point Tunneling Protocolとかの向上らしいです。でもこの PPTP って暗号の専門家に「小学生並の暗号」といわしめたものだったんですよね。確か)、インターネット関連の DCOM プロトコル(なんかセキュリティホールが死ぬほどありそう…)などいろいろプログラムを追加しているので、まだまだ楽しめそうです。
ZDNN の記事でいっているのは、あくまでもアップデート時のことだけです。俺的には、「Windows NT 4.0 SP4 version 2.1」くらいを待って導入することにしましょう。しかし、βテストやってたのはいったい…。
下記同日午後 晴れてきた
NT の名称変更に対して やじうまWatchにどうなる「アスキーNT」というコメントが。
そういう発想もありましたか…。
平成十年十月二十九日 木曜日 くもがいっぱい
ZDNN に Windows 2000 の発表は Solaris 7 の発表に合わせた物ではないか? という記事が載りました(Solaris 7の発表に合わせた? Windows 2000のアナウンス)。そんなに突っ込まれていませんが。
Microsoft は Sun (というよりも JAVA?)に対してライバル意識を持っているので、この考えはあながちハズレではないようにも思います。特に、この Solaris 7 は 64 ビットのデータ処理を持っているため、Intel の 64 ビット CPU 「Merced」上でも動くように設計されているようです。Server 向けの Windows 2000 がいつ出荷されるかわからないような状況にある Microsoft にとってみれば、このことが話題になるのはあまり好ましいことではないように思った可能性は高いと思います。
競合製品のリリース情報に対してシェアのある自社製品のリリース情報をぶつけるというのは、古い戦略ですけど効果はやっぱあるんでしょうね。その昔、任天堂とかがよく使ってましたけど。独占禁止法ギリギリの会社が好んで使う戦略なんでしょうか?
そいや Solaris って現行バージョン 2.6 なのに、なんでいきなり 7 とくるんでしょう? ソラリスセブン。語感はいいですが…。
あと、非営利に対して対価を取らないというのは引き続き行うようです。
平成十年十月二十八日 水曜日 秋晴れ
Windows NT 5.0 の正式名称が Windows 2000 になったようです(発表資料)。これは、Windows 98 からのアップグレードがより困難になるような…。戦略としてはいいんでしょうけど。
その昔、Windows 4.0 の正式名称が Windows 95 になった時も「違和感」を感じたので、今回感じる違和感も慣れれば気にならなくなるとは思います。
なお、発売されるのは 1999年だそうです。実際に 1999年中に出るのは Windows 2000 Professional (Windows NT Workstation)だけのような気がしますが…。
◇参考記事◇
あと、Netscape Communications社の Navigator5 (オープンソースのやつ)が W3Cの標準仕様を取り入れるらしいです。Navigatorの弱点の一つがここだと思っていたのでうれしい限りです。(この辺は今の所 Internet Explorer4 の方が対応いいと思います。というか Microsoft はこの辺にかなり力入れてます)
これで、来たるべき XML 時代への不安が一つなくなりそうです。でもオープンソースなので誰かがやってしまいそうでしたが。
◇参考記事◇
サービスパックなのにβテストが行われてたという Windows NT 4.0 のサービスパック4が発表されました。ただし、日本語版はまだです。(発表記事)。17.6MBあります。
改良点は、いくつかのカーネル用ツールの追加、西暦2000年対応(!)、 NetWare との親和性、ユーロ通貨フォント(?)のサポートらしいです。
さすがに、Internet Explorer 4.01 with SP1 は必要に応じて組み込めるようになっているようです。でもほんとかな?
基幹で NT4 使ってて西暦2000年対応(Y2K)したいのに、IE4 入れたくない所にとって見れば、朗報です。でも、まだこの辺はちょっと様子見ですね。
あと、IBM の ViaVoice が JustSystem の ATOK とくっついた VoiceATOK なるものが、これからの Aptiva E & ThinkPad i に付くようです。まだ使いたいとは思いませんが、一つの方向性として、着実に進んでいるような気がします。
IBM はこの他にも話すインターネット・ブラウザ「Home Page Reader for Windows」みたいなのを出していて面白いです。俺的に好きです。こういうの。
平成十年十月三日 土曜日 晴れ
まだ二名ほどの閲覧者がいてくれるようなので、久々に更新することにしました。ありがたいことですじゃ。南無南無。
今日は、地元の知り合いに送りたい本があったのでせっせこと八重洲ブックセンターに行ってまいりました。ちなみにここのホームページはいきなりJAVAをかましてくれます。ヤメテクダサレ…。
ここの本屋は新版の本に強く。ビジネス系で新版のものなら大抵揃います。ただ、コンピュータ系の老舗本がないことがあります。ここさえ、改善してくれたらいい本屋なのですが。
あと10代の人間には興味ないかもしんない本屋だといえます。ダッテマンガナイモノ…
とりあえず、買ったのは、
最近、経済と経営に凝ってますので、非常にやばい組み合わせになっております。まあ好きなもんはしゃーないです。
レイアウトひらめき事典というのは、ひたすらデザインのレイアウトが描いてある本で、ユニークな本です。きっとデザイナーに教えてあげたら、速効で欲しがる本だと思います。DTPとかパッケージに有効だと思います。この本は昔から目を付けていたのですが、最近、ソフトウェアパッケージのデザインに口を挟む機会があったので、興味出て買いました。
銀行が沈む日は、衝動買いです。日本の中では優秀だと言われる東京三菱銀行が副題にあったので気になりました。ビックバン対策では住友銀行に負けているといわれてはいますが、実状は知らないので買ってみました。この手の本は信用度50%ないと思いますが。
ストラクチャードファイナンス入門は、デリバティブと並んで金融商品の柱の2つだそうです(まえがきより)。デリバティブはなんとなくわかるのですが、ストラクチャードファイナンスについては言葉すら聞いたことなかったので、「これは知らねばなるまい」と買いました。衝動買いです。
あとの知識創造企業、サプライチェーン経営革命は、コンピュータシステムに関係した企業戦略に関わってくる所なので、いいとしましょう。知識創造企業はドキュメント管理の上位(創造域、ノウファット、否ノウハウ)に関わってきそうですし、サプライチェーン経営革命はERP(統合業務管理…だっけ?)そのものです。ERPはあんまり興味ないんですが、ワン・トゥー・ワンマーケティングを視野に入れると関係ありそうなので買っときました。ワン・トゥー・ワンマーケティングはコンピュータビジネスに関わる人間(否ゲーム業界)や経営の人間は知っておいた方がよさげです。まだ、模索段階だと思いますが。
んなとこです。
そいや、本の値段が15,000円超えたので、八重洲ブックセンターにある喫茶店の無料コーヒーチケットをもらいました。その時の店員の説明が、たどたどしくて一生懸命だったので思わずその店員の目の前で微笑んでしまいました(30秒くらいの説明で20秒目くらいのところで)。まだまだ修行が足らんです。
平成十年七月二日 木曜日 晴れ
なんか、Win98(US版)ってトラブルまくってるみたいですね。
でも、俺の本命はNT5(サービスパック4くらい)だからなんにも問題なしです。これだと21世紀になっちまいそうですけど。